魔女と呼ばれ処刑された聖女は、死に戻り悪女となる

青の雀

文字の大きさ
14 / 35
死に戻り1

14.結婚

しおりを挟む
それからパパは、すっかり若い女のカラダにのめりこんでしまわれる。

アンジェリーヌはというと、自分で蒔いた種だから仕方がないと思いつつも、前世でも唯一の見方だった陛下に抱かれることは願ってもないこと。

前世で、陛下は亡くなられる直前まで、アンジェリーヌのことを信じていらっしゃってくださっていた。たぶん、陛下にはリリアーヌの魅了魔法が効いていなかったと思われる。

それがリリアーヌは気に入らなかったのだろう。陛下を謀殺し、王太子を即位させた。そして国王殺しの罪をアンジェリーヌにかぶせ、処刑したのだ。

前世でも、早いうちに陛下のモノになっていれば、また違う人生があったと思うと、今世の選択は間違っていないようにも思われる。

それと処女膜は再生できる。聖女様の魔法でいくらでも再生できるのだ。だから、もし早く陛下が亡くなられたとしても、この若さだもの。それこそ出奔して、若い男とやり直しができる。

だから、毎晩の営みも拒否せず、付き合っているのよ。

でも、正直なところ、愛してくれている人からの愛撫は、今まで経験したことがないような快楽をアンジェリーヌにもたらしてくれる。

パパが言うには、アンジェリーヌのカラダは特に締りがよく、ナカは何かが蠢いているような感覚があるそうだ。そして子種を放出した後は、逆流するような感覚があり、とても気持ちがいい。

一度、アンジェリーヌを抱いたら、もう二度と他の女は抱けない。満足できないというぐらいアンジェリーヌのカラダは素晴らしかった。

そして、陛下と睦みあうようになってから、めきめきとアンジェリーヌのカラダ付きは女らしくなってくる。
パパ好みに開発されることにより、女性ホルモンの働きが活発になり、フェロモンがムンムンむせ返るほどの輝きを放つ。

アンジェリーヌの王宮での立場は、表向きクリストファー殿下のお妃候補の一人。だが、実態は、国王陛下の愛妃で15歳になると結婚する予定になっている。このことは、マキャベリ家にはまだ内緒にしている。二人だけの秘密だけど、お妃候補の中で、ただ一人アンジェリーヌだけが奥宮に住まわせてもらっている。

奥宮の使用人は、クリストファー殿下のお妃候補と同一人物だと知っている者はいなく、陛下が王妃を失くされてから寂しさに耐えかねて、側妃を娶ったぐらいにしか思っていないようだった。

13歳になった時、一人目の王子を産んだ後、立て続けに2人の王子を産んだところで、陛下はアンジェリーヌとの結婚を発表されることになり、クリストファー殿下の立太子の儀は延期されることになった。

「父上!再婚など、一言も聞いておりませぬ!」

「俺の個人的なことだからな。俺たちは愛し合って結ばれた運命の相手なのだよ」

「それも私の婚約者候補の娘など、父上は騙されておられるのです。そんな売女が母上の代わりが務まろうはずもございません!」

「何を申すか、アンジェは亡き妻が存命の頃より、王妃代行として公務をしておったのだぞ。これ以上、我が妻を愚弄するのなら、俺にも考えがある」

それは廃嫡を意味する言葉で、バカのクリストファーにでも理解でき、震えあがったことは言うまでもない。

他のお妃候補だった令嬢も、アンジェリーヌがうまくやったと思っているようだったが、今更クリストファーのところから逃げ出せない。

それに風前の灯火とはいえ、第1王子には違いがないから。

マキャベリ公爵夫妻は開いた口が塞がらないという姿で、王家に抗議に行くも、かわいい孫の姿を目にすると、一転して結婚を喜ぶようになったのだ。

貴族の間では、国王がアンジェリーヌ嬢を手籠めにしたという話がもっぱらだが、結局のところ、ロリコンとファザコンが結婚したに過ぎないという意見が大半を占める。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ついで姫の本気

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。 一方は王太子と王女の婚約。 もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。 綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。 ハッピーな終わり方ではありません(多分)。 ※4/7 完結しました。 ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。 救いのあるラストになっております。 短いです。全三話くらいの予定です。 ↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。 4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。

婚約破棄で見限られたもの

志位斗 茂家波
恋愛
‥‥‥ミアス・フォン・レーラ侯爵令嬢は、パスタリアン王国の王子から婚約破棄を言い渡され、ありもしない冤罪を言われ、彼女は国外へ追放されてしまう。 すでにその国を見限っていた彼女は、これ幸いとばかりに別の国でやりたかったことを始めるのだが‥‥‥ よくある婚約破棄ざまぁもの?思い付きと勢いだけでなぜか出来上がってしまった。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

親切なミザリー

みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。 ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。 ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。 こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。 ‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。 ※不定期更新です。

義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜

有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。 「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」 本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。 けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。 おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。 貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。 「ふふ、気づいた時には遅いのよ」 優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。 ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇! 勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!

処理中です...