27 / 35
死に戻り2
27.父のつぶやき2
しおりを挟む
アンジェリーヌが生まれた頃から、悪夢しか見なくなった。
毎晩見る夢は、おぞましいものだった。
愛娘に向かって、「どこの馬の骨かわからない」と暴言を吐いているのだ。ようやく授かった。たった一人の愛娘に対し、暴言どころか、鞭まで取り出して引っ叩いている夢。
眼の中に入れても痛くないはずの娘を化け物でも見るかのような目で見て、罵言罵倒し、突き放し、悲しげな眼で見てくるアンジェリーヌの姿に胸がかきむしられる思いがする。
これがシャーロックだったら、潜在意識が夢に出て、罵っているとしても、致し方がないことと諦めもつくが、相手が相手だけに、ただの悪夢だと笑って済まされない。
念のため、屋敷の者にも、それとなく聞いてみたら、皆、同じように毎晩、悪夢を見ているという。それも可愛らしいお嬢様を苛めている夢、折檻している夢、暴行を加えている夢など、様々であった。
そこで、ハっと気づき、これは、ひょっとすれば前世のことを夢に見ているのではないかと考えるようになった。それでなければ、近未来に起こりうる予知夢のどちらかとも考えられるが、これだけ大勢の人間が予知夢を見ること自体が稀有で、前者であると考えざるを得ないと結論付けた。
それからは、ジョージアはできるだけ悪夢を見て、その夢の中から何かヒントを掴むことに夢中になった。
なぜ、アンジェリーヌが冤罪を着せられたのか?など、調べれば調べるほど不可解なことばかり。
ジョージアもまた、前世の記憶持ちというか?前世の記憶を必死に求め、思い出すことに成功した。きっかけは、悪夢だったとしても、アンジェリーヌは今も可愛い娘、自慢の娘に違いない。王宮へ行った切りで久しいが、記憶の中のアンジェリーヌは聖女様になったことで、偽聖女の魔女の妬みを買ってしまい、とことん迫害され、死に至ったということを思い出したのだ。
その片棒担ぎをされたのが、前世のマキャベリ家で、アンジェリーヌがもし、前世の記憶持ちだとしたら、大変な恨みをマキャベリ家に持っているに違いない。
それで12歳の時に、国王陛下の愛妾となり、3人の子供を生し、成人と同時に結婚したのだとしたら、その責任の大半は、マキャベリにあると言っても過言ではない。
なぜなら、アンジェリーヌは赤ちゃんの頃から、すでに聖魔法を使っていたことがわかっている。
初めて見た時は、驚愕し、「さすが!俺の娘」というようなことを言った気もするが、母方の曾祖母が聖女様だったことで、聖女様の魔法は、他の家門より詳しい。
ジョージアはそれでピンときた。
赤ちゃんの頃から聖魔法に慣れ親しんでおけば、18歳の時に、魔女が来ても充分対峙できる。
そして、アンジェリーヌ17歳の時、「聖女宣言」をされ、見事に民衆の心をお掴みになられた。
まだ、親がかりの年齢だと言われる中、ずいぶんと苦労を掛けてしまい、申し訳なかった。
これでもう、いつ偽聖女が現れても憂うことなく……だといいが。
我々にあのような夢を見させた神は、おそらく二度とこのようなことが繰り返されないために、警告を発せられているのだろう。
それはそうと、シャーロックの夢はどうにも理解しがたい夢で……、シャーロックも都合が悪い部分は言っていないような気がするが、なんとなくだが、前世はインポテンツではなかったように思える。
このまま、孫の顔が拝めないようであれば、外孫のアンジェリーヌの息子・王子のうち、一人をマキャベリにもらい受けるつもりでいる。
悪夢の分析を途中まででもしたことに、評価できる部分もあるが、アンジェリーヌの本当の悲しみや苦しみは、到底、誰にも分らない。
アンジェリーヌは、3人の子供たちのため、治世に苦慮している。
毎晩見る夢は、おぞましいものだった。
愛娘に向かって、「どこの馬の骨かわからない」と暴言を吐いているのだ。ようやく授かった。たった一人の愛娘に対し、暴言どころか、鞭まで取り出して引っ叩いている夢。
眼の中に入れても痛くないはずの娘を化け物でも見るかのような目で見て、罵言罵倒し、突き放し、悲しげな眼で見てくるアンジェリーヌの姿に胸がかきむしられる思いがする。
これがシャーロックだったら、潜在意識が夢に出て、罵っているとしても、致し方がないことと諦めもつくが、相手が相手だけに、ただの悪夢だと笑って済まされない。
念のため、屋敷の者にも、それとなく聞いてみたら、皆、同じように毎晩、悪夢を見ているという。それも可愛らしいお嬢様を苛めている夢、折檻している夢、暴行を加えている夢など、様々であった。
そこで、ハっと気づき、これは、ひょっとすれば前世のことを夢に見ているのではないかと考えるようになった。それでなければ、近未来に起こりうる予知夢のどちらかとも考えられるが、これだけ大勢の人間が予知夢を見ること自体が稀有で、前者であると考えざるを得ないと結論付けた。
それからは、ジョージアはできるだけ悪夢を見て、その夢の中から何かヒントを掴むことに夢中になった。
なぜ、アンジェリーヌが冤罪を着せられたのか?など、調べれば調べるほど不可解なことばかり。
ジョージアもまた、前世の記憶持ちというか?前世の記憶を必死に求め、思い出すことに成功した。きっかけは、悪夢だったとしても、アンジェリーヌは今も可愛い娘、自慢の娘に違いない。王宮へ行った切りで久しいが、記憶の中のアンジェリーヌは聖女様になったことで、偽聖女の魔女の妬みを買ってしまい、とことん迫害され、死に至ったということを思い出したのだ。
その片棒担ぎをされたのが、前世のマキャベリ家で、アンジェリーヌがもし、前世の記憶持ちだとしたら、大変な恨みをマキャベリ家に持っているに違いない。
それで12歳の時に、国王陛下の愛妾となり、3人の子供を生し、成人と同時に結婚したのだとしたら、その責任の大半は、マキャベリにあると言っても過言ではない。
なぜなら、アンジェリーヌは赤ちゃんの頃から、すでに聖魔法を使っていたことがわかっている。
初めて見た時は、驚愕し、「さすが!俺の娘」というようなことを言った気もするが、母方の曾祖母が聖女様だったことで、聖女様の魔法は、他の家門より詳しい。
ジョージアはそれでピンときた。
赤ちゃんの頃から聖魔法に慣れ親しんでおけば、18歳の時に、魔女が来ても充分対峙できる。
そして、アンジェリーヌ17歳の時、「聖女宣言」をされ、見事に民衆の心をお掴みになられた。
まだ、親がかりの年齢だと言われる中、ずいぶんと苦労を掛けてしまい、申し訳なかった。
これでもう、いつ偽聖女が現れても憂うことなく……だといいが。
我々にあのような夢を見させた神は、おそらく二度とこのようなことが繰り返されないために、警告を発せられているのだろう。
それはそうと、シャーロックの夢はどうにも理解しがたい夢で……、シャーロックも都合が悪い部分は言っていないような気がするが、なんとなくだが、前世はインポテンツではなかったように思える。
このまま、孫の顔が拝めないようであれば、外孫のアンジェリーヌの息子・王子のうち、一人をマキャベリにもらい受けるつもりでいる。
悪夢の分析を途中まででもしたことに、評価できる部分もあるが、アンジェリーヌの本当の悲しみや苦しみは、到底、誰にも分らない。
アンジェリーヌは、3人の子供たちのため、治世に苦慮している。
135
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
精霊姫の追放
あんど もあ
ファンタジー
栄華を極める国の国王が亡くなり、国王が溺愛していた幼い少女の姿の精霊姫を離宮から追放する事に。だが、その精霊姫の正体は……。
「優しい世界」と「ざまあ」の2バージョン。
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる