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1.乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づく
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王女アクエリアスは、5歳の時、突如、目覚める。昨夜遅くまで遊びすぎて、夜中に目が覚め、水を飲もうとし、階段から転げ落ちた。
前世、アラサー日本人だった村崎紫子は、ポイ活目的で入れた乙女ゲームを愉しんでいたところ、電車の脱線事故に巻き込まれ、あっけなくこの世を去った。
そして、目覚めたらアクエリアスの姿になっていることに愕然とする。
なんと紫子が遊んでいた乙女ゲームの悪役令嬢として転生していたから。
アクエリアスは、みずがめ座の月に生まれたことから名づけられた王族に相応しい名前だと思っていた。名付け親は、もちろん母である王妃、だが母は、アクエリアスを産んで産後の肥立ちが悪く10日後、この世を去った。
そのため、母の命を奪った大罪として、アクエリアスは父から一切の愛情を得ることができなかった。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「偽王女アクエリアス!貴様との婚約は、今をもってすべて破棄させてもらおう!そして、俺は、真の王女であるフローラルと婚約するものとする」
高らかに宣言されているのは、5歳の時からの王配予定の婚約者で公爵令息のハロルド・ベンジャミン。
その横でしたり顔で頷いているのは、父で国王のユリウス・ストックホルムが渋い顔でいる。
アクエリアスの罪状を高々と読み上げているのは、幼い頃より父親代わりになって、面倒を見ていてくれていた宰相のアムンゼン。
「偽王女アクエリアス、貴様は母親と結託し、王家を乗っ取るため王女になりすまし王女の名を詐称した。ストックホルムの名を汚した大罪人である。よって、母親共々死罪を申し付ける!引っ立てぃ!」
「お待ちくださいませ。私は16年前ユリウス様のお手付きとなりました。ですから、娘は、アクエリアスは陛下の娘でございます」
「黙れ!それなら、なぜ出産後、実家へ逃げ帰ったのだ」
「それは王妃陛下に追い出されたからでございます。それに今までフローラルを実の娘と信じて、育てて参りました。決してわざと取り違えたわけではございません」
「おのれ!この期に及んで妃のせいだと申すのか!
アクエリアスの母は、出産後赤ん坊を連れて、実家である伯爵家に帰り、その後、男爵家の後妻として嫁がされていた。その男爵も嫁いで、わずか2年足らずで鬼籍に入り、以後未亡人として、女手一つでフローラルを育てていたという。
王城にいる人々は、陛下が実の娘であるアクエリアスまで手にかけようとしていたことを知ると、急にざわつきはじめる。
『それでは満更、偽物というわけでもないのでは……』
『生前の王妃様は、たいそう嫉妬深いお方でしたもの』
『しょせん、陛下もタダの男だったというわけね。でもいくら性欲処理のためとはいえ、それで生まれたアクエリアス様まで、手にかけるとはやり過ぎよ』
『本来なら、側室として召し上げるべきでしたのに、亡き王妃様がよほど怖かったのでしょうね』
ヒソヒソ話がやがて大きくなり、収拾がつかなくなった王家は、ユリウス自ら剣を抜き放ち、アクエリアスと男爵夫人を斬り捨てる。
悲鳴が上がる中、「死にたくない奴は、口を噤め」
その騒動で、アクエリアスの母は、元は伯爵令嬢としているれっきとした家門の娘であることが明らかになる。貴族令嬢を罪人扱いの上、私刑で断罪したとあっては、貴族社会に大きな衝撃を与え、結果として、王が乱心したとみなされ、玉座から引きずり降ろされる羽目となった。
もはや王位継承権者は一人しかいなくなった今、すぐさまフローラルが王位に就き、ハロルドと共にストックホルムを盛り立てていくことを誓う。で、乙女ゲームは終了する。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
乙女ゲームの内容をつらつら思い出していたアクエリアスは、「人生詰んだ」とあきらめるも、死にたくないという本音がある。
前世、いつ死んだのか最期は痛かったのか?恐怖心があったのか?まったく記憶がない。
それにしてもえげつない話だったと思わず身震いする。18年も一緒に暮らしていた娘を庶子だからと言って、手にかけるなど鬼畜の所業ともいえる。
アクエリアスを庶子にさせた原因は、自分にあるというのに、それを男爵未亡人一人の責任になすりつけて、殺めてしまうとは王の資質以前の問題ではないかと感じてしまうところ。
それに今世も、今のところ父ユリウスの態度は乙女ゲームの内容と一致している。宰相のアムンゼンだけが、アクエリアスのことを気にかけ、可愛がってくれているという状態に変わりはない。
こともあろうにアクエリアスに転生してしまうとは、やるせない気持ちでいっぱいになるが、これからは原作の乙女ゲームの内容を変えてやる!とばかりに意気込む。
それからは、決してワガママを言うこともなくなり、侍女にも優しく接するようになっていき、やがてアクエリアスの評判はうなぎ上りになっていく。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
それから5年の月日が流れ、アクエリアスは10歳となった。前世からのチートスキルを生かし、文学、歴史、政治、経済、外交、建築と幅広く、それに加えて語学は全世界の言葉を論文レベルで会話できるようにまでなっていて王国一の才媛となっている。
歴代の王族しか使えない魔法も、アクエリアスは習得しているが、侍女をはじめ、父代わりの宰相にもその事実は黙っている。
この頃のアクエリアスは、シソに匹敵するぐらいの魔力量があり、これも5歳の頃からの鍛錬の賜物といえよう。
ゲームと違うところがあるとすれば、それはユリウスの態度で、優秀な娘を持つ父親の顔をしている。いつも会議で娘自慢をして、他の役職者がアクエリアスのことを褒めると明らかに目じりを下げて喜んでいる姿を見かけるようになったこと。
婚約者ハロルドとの仲もすこぶる順調で、お互いに勉強を教え相っこしている仲。でも、アクエリアスは、いずれフローラルが来たら、捨てられることを覚悟しているので、表向き仲良しのふりをしているだけなのだが、ハロルドは、そのことに全く気付いていない。
テストで満点を取った。とか、家庭教師の先生に褒められたと侍女長からいちいち報告されると、父のユリウス王は、その都度、必ず何かご褒美をくれるようになっていく。
アクエリアスは、ただ死にたくないから、勉強を頑張っているだけなので、何も褒美はいらないという姿勢を崩さない。そのことが、ユリウスにとって、またも遠慮している奥ゆかしい娘として捉えてしまう。
それに18歳になり、フローラルが王家に乗り込んできたら、ある計画を実行するつもりで、それまで猫を被っているだけなのだ。
それは家出。5歳の頃より、秘かに宝石の小粒や金貨を貯めている。古くなって、またアクエリアスが大きくなって、着られなくなったドレスを売り払って、貯めてきた金品。ちゃっかりしている。
だから国王からの褒美の品はいつも現金と決め込んでいる。
「アクエリアスは、俺の子供の頃とそっくりだ」
「そうですね。美人なところは……」
「それも俺に似た」
侍女長や宰相から失笑を買うも、まったく気づかない国王ユリウス。アクエリアスを自慢すること以外は、基本的に乙女ゲームのユリウスとなんら差はない。
前世、アラサー日本人だった村崎紫子は、ポイ活目的で入れた乙女ゲームを愉しんでいたところ、電車の脱線事故に巻き込まれ、あっけなくこの世を去った。
そして、目覚めたらアクエリアスの姿になっていることに愕然とする。
なんと紫子が遊んでいた乙女ゲームの悪役令嬢として転生していたから。
アクエリアスは、みずがめ座の月に生まれたことから名づけられた王族に相応しい名前だと思っていた。名付け親は、もちろん母である王妃、だが母は、アクエリアスを産んで産後の肥立ちが悪く10日後、この世を去った。
そのため、母の命を奪った大罪として、アクエリアスは父から一切の愛情を得ることができなかった。
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「偽王女アクエリアス!貴様との婚約は、今をもってすべて破棄させてもらおう!そして、俺は、真の王女であるフローラルと婚約するものとする」
高らかに宣言されているのは、5歳の時からの王配予定の婚約者で公爵令息のハロルド・ベンジャミン。
その横でしたり顔で頷いているのは、父で国王のユリウス・ストックホルムが渋い顔でいる。
アクエリアスの罪状を高々と読み上げているのは、幼い頃より父親代わりになって、面倒を見ていてくれていた宰相のアムンゼン。
「偽王女アクエリアス、貴様は母親と結託し、王家を乗っ取るため王女になりすまし王女の名を詐称した。ストックホルムの名を汚した大罪人である。よって、母親共々死罪を申し付ける!引っ立てぃ!」
「お待ちくださいませ。私は16年前ユリウス様のお手付きとなりました。ですから、娘は、アクエリアスは陛下の娘でございます」
「黙れ!それなら、なぜ出産後、実家へ逃げ帰ったのだ」
「それは王妃陛下に追い出されたからでございます。それに今までフローラルを実の娘と信じて、育てて参りました。決してわざと取り違えたわけではございません」
「おのれ!この期に及んで妃のせいだと申すのか!
アクエリアスの母は、出産後赤ん坊を連れて、実家である伯爵家に帰り、その後、男爵家の後妻として嫁がされていた。その男爵も嫁いで、わずか2年足らずで鬼籍に入り、以後未亡人として、女手一つでフローラルを育てていたという。
王城にいる人々は、陛下が実の娘であるアクエリアスまで手にかけようとしていたことを知ると、急にざわつきはじめる。
『それでは満更、偽物というわけでもないのでは……』
『生前の王妃様は、たいそう嫉妬深いお方でしたもの』
『しょせん、陛下もタダの男だったというわけね。でもいくら性欲処理のためとはいえ、それで生まれたアクエリアス様まで、手にかけるとはやり過ぎよ』
『本来なら、側室として召し上げるべきでしたのに、亡き王妃様がよほど怖かったのでしょうね』
ヒソヒソ話がやがて大きくなり、収拾がつかなくなった王家は、ユリウス自ら剣を抜き放ち、アクエリアスと男爵夫人を斬り捨てる。
悲鳴が上がる中、「死にたくない奴は、口を噤め」
その騒動で、アクエリアスの母は、元は伯爵令嬢としているれっきとした家門の娘であることが明らかになる。貴族令嬢を罪人扱いの上、私刑で断罪したとあっては、貴族社会に大きな衝撃を与え、結果として、王が乱心したとみなされ、玉座から引きずり降ろされる羽目となった。
もはや王位継承権者は一人しかいなくなった今、すぐさまフローラルが王位に就き、ハロルドと共にストックホルムを盛り立てていくことを誓う。で、乙女ゲームは終了する。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
乙女ゲームの内容をつらつら思い出していたアクエリアスは、「人生詰んだ」とあきらめるも、死にたくないという本音がある。
前世、いつ死んだのか最期は痛かったのか?恐怖心があったのか?まったく記憶がない。
それにしてもえげつない話だったと思わず身震いする。18年も一緒に暮らしていた娘を庶子だからと言って、手にかけるなど鬼畜の所業ともいえる。
アクエリアスを庶子にさせた原因は、自分にあるというのに、それを男爵未亡人一人の責任になすりつけて、殺めてしまうとは王の資質以前の問題ではないかと感じてしまうところ。
それに今世も、今のところ父ユリウスの態度は乙女ゲームの内容と一致している。宰相のアムンゼンだけが、アクエリアスのことを気にかけ、可愛がってくれているという状態に変わりはない。
こともあろうにアクエリアスに転生してしまうとは、やるせない気持ちでいっぱいになるが、これからは原作の乙女ゲームの内容を変えてやる!とばかりに意気込む。
それからは、決してワガママを言うこともなくなり、侍女にも優しく接するようになっていき、やがてアクエリアスの評判はうなぎ上りになっていく。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
それから5年の月日が流れ、アクエリアスは10歳となった。前世からのチートスキルを生かし、文学、歴史、政治、経済、外交、建築と幅広く、それに加えて語学は全世界の言葉を論文レベルで会話できるようにまでなっていて王国一の才媛となっている。
歴代の王族しか使えない魔法も、アクエリアスは習得しているが、侍女をはじめ、父代わりの宰相にもその事実は黙っている。
この頃のアクエリアスは、シソに匹敵するぐらいの魔力量があり、これも5歳の頃からの鍛錬の賜物といえよう。
ゲームと違うところがあるとすれば、それはユリウスの態度で、優秀な娘を持つ父親の顔をしている。いつも会議で娘自慢をして、他の役職者がアクエリアスのことを褒めると明らかに目じりを下げて喜んでいる姿を見かけるようになったこと。
婚約者ハロルドとの仲もすこぶる順調で、お互いに勉強を教え相っこしている仲。でも、アクエリアスは、いずれフローラルが来たら、捨てられることを覚悟しているので、表向き仲良しのふりをしているだけなのだが、ハロルドは、そのことに全く気付いていない。
テストで満点を取った。とか、家庭教師の先生に褒められたと侍女長からいちいち報告されると、父のユリウス王は、その都度、必ず何かご褒美をくれるようになっていく。
アクエリアスは、ただ死にたくないから、勉強を頑張っているだけなので、何も褒美はいらないという姿勢を崩さない。そのことが、ユリウスにとって、またも遠慮している奥ゆかしい娘として捉えてしまう。
それに18歳になり、フローラルが王家に乗り込んできたら、ある計画を実行するつもりで、それまで猫を被っているだけなのだ。
それは家出。5歳の頃より、秘かに宝石の小粒や金貨を貯めている。古くなって、またアクエリアスが大きくなって、着られなくなったドレスを売り払って、貯めてきた金品。ちゃっかりしている。
だから国王からの褒美の品はいつも現金と決め込んでいる。
「アクエリアスは、俺の子供の頃とそっくりだ」
「そうですね。美人なところは……」
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