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2.産業革命
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アクエリアスは、10歳まで何か事業を起こすことを躊躇っていた。あまり若くして、事を起こすと目立ってしょうがない。
前世ニッポン人だったアクエリアスからしてみれば、ここは秘境と変わらないぐらい不便極まりがない。
だから思い余って改革することにしたのだ。まずは下水道の整備、それとダムを造ること。それから下水道にスライムを放ち浄化したきれいな水を川に流し、それを適宜ダムを放流することにより、下流に流す。
下水道の整備は、各家の風呂場、洗面所などの汚水、トイレの汚水、洗濯や調理に使うなどの生活排水を道路前まで流し、道路には側溝を作る。側溝には、あらかじめスライムを入れて浄化させる。
側溝は雨水を排水する働きもある。各区域に下水管に通じるマンホールに流し込む。下水管にもスライムを入れ、各家で流れ出た汚水の未処理分をさらに浄化させる。
下水道から流れ出た水は、ダムへ運ばれ、そこでさらにスライムによる浄化が待っている。三重に渡って、浄化され、完全にきれいな水となったものだけを下流の川に流していくという仕組みを作る。
街全体が清潔になり、臭いもしなくなる。
次に始めるのは、側溝づくりと同時に石畳化を推進する。今までは土の道で雨が降るとぬかるみ泥道と化していた。歩きにくいし、歩くたびに撥ねが上がるのも気になった。
石畳には、タイルを遣いタイルとタイルの隙間から雨水がしみ込み、それを側溝に流れるように傾斜をつける。
土魔法でタイルを作っていき、それを順番に並べていき、完成する。アクエリアスの魔法であれば、一瞬にして石畳化は完成するが、それでは意味がない。
経年劣化したときに補修が必要となった時、自分たちの手で直せなければ石畳化も意味がなくなる。
だって処刑されているかもしれないんだもん。
石畳化が進行すると、今まで馬車での移動が当たり前だったが、民衆の足を馬車から自転車に帰ることにも成功する。
自転車は、人力なので、乗れない小さなお子様やご婦人のために人力車のようなサービスの導入も検討された。
馬のように餌も水も厩舎さえいらない。誰でもバランスさえ取れれば誰にでも乗れる自転車は、瞬く間に王都の市民の足となっていく。
それでも、天候が悪いとき、登城するときや夜会へ行くときは、相変わらずおしゃれしているので、自転車では行かず、馬車で気取っていく貴族が大勢いた。
下水道と石畳化の整備の次は、商業ギルドと冒険者ギルドの融合、すなわち第3のギルドを設立するつもりでいる。その名も金融ギルドを作るつもりでいる。
今まで、商品の受け渡しに、冒険者の依頼料の支払い、すべてが現金決済であったのに対し、これからは金融ギルドで為替や手形を流通させるつもりでいる。
あらかじめある程度の現金を預金させ、その預金額に応じて手形を発行できる。また預金額が多ければ、それを担保に借り入れもできる。
前世ニッポンの銀行のようなものを作りたい。それと、もうひとつ共済組合のような仕組みも必要。
生命保険と労災は、どうしても欠かせない。でないと騎士団や冒険者は残された家族のことを想い、安心して死ねない。
できれば老後、病気やケガで働けないときの生活費を保証してくれる仕組みを作れば、尚いい。
年金はありがたいけど、ニッポンのように官僚が無駄遣いするようでは意味がない。
以上の趣旨を持って金融ギルドを設立することを発表したら、幸いなことに冒険者ギルドと商業ギルドの会員は全員、金融ギルドに口座を作ってくれるようになった。
保険の必要性を感じ取った民衆は、老後のため、子供の学資のため、傷害保険や医療保険などにも積極的に加入してくれるようになっていく。
貴族や大商会の間では、現金や宝石を家や店に置かなくなり、防犯上有益になった。火災や強盗に怯えずとも財産を護れる要として有効活用されている。
次に着手したのは、蒸気機関車と各家の床暖房に力を入れる。
鉱山からコークスの原料となる鉱物を採掘することができると知ったアクエリアスは、早速、動き始める。
もちろん石炭を掘るに越したことはないが、石炭は蒸気機関車用に、木炭は床暖房用に、とそれぞれ使い分けをすることにした。
蒸気機関車は街道沿いにレールが敷かれ、街の入り口がステーションとなった。
アクエリアスは、相変わらず執務室で書類や設計図とにらめっこしている。
その合間に時折、ハロルドが来て、二人でああでもない、こうでもないと議論し合う。
お茶会デートというより、切磋琢磨しているような関係が続く。何度となく、ハロルドからの愛の囁きはあるもののアクエリアスの胸にも耳にも響かない。
その度に、ハロルドは深いため息を吐き、もうあきらめたかのように紅茶を啜る。
「鉄道料金っていくらぐらいがいいと思う?」
「……」
「大人、銅貨10枚(日本円換算で100円)ぐらいでどうかな?子供は半額でいいかな?」
洒落にもならない独り言をアクエリアスはブツブツと呟いて、納得してまた書類に向き合っている。
殺風景なお茶会デートに、ハロルドは言葉を失う。
アクエリアスは、ハロルドが不服そうな顔をしていることは承知している。だけど、もうすぐフローラルが出てきたら、そっちに夢中になるくせに、何その仏頂面は……!と言いたいところを無理くり辛抱している身にもなってよ。と言いたい。
「少し休憩して、お庭でも、お散歩しましょうか?」
今まで仏頂面していたハロルドの顔がパアっと明るくなる。
『ほんとっ、疲れるわ』
その次に着手したことと言えば、工業団地を造ったこと。ミシン、編み機、織機、コークス造りなど、音や臭いが出るものは、市街地ではなく、少し離れたところに一か所にまとめた方が効率的なのだ。
職場までの通勤手段は、鉄道で、そのための定期券を1か月銀貨1枚(日本円換算で1000円)で販売した。
あれから瞬く間に15歳になった。
この世界での成人は15歳。他に跡取りがいない場合は、15歳になると王女は結婚式を迎え、婚約者は父ユリウスの下で、王としての職務を勉強することになる。
今までの前例では、そういうことだけど、仮にも王女が無学歴というのも、今の時代、体裁が悪い。
いくら家庭教師から、みっちり勉学を仕込まれたとはいえ、学歴は大事。周辺諸国から下に見られてしまうので。ということで、アクエリアスは、王都にある学園に入学することになった。
アクエリアスは、敢えて、普通の学園に進学することを希望した。魔法が使えることを内緒にしておきたいからで、婚約者のハロルドももちろん知らない秘密。
ハロルドには剣術学園進学の話があったが、アクエリアスと一緒にいたいため、同じ学園を選んだと聞く。
アクエリアスは、少し罪悪を感じるものの、後3年もすれば、フローラルに一目ぼれするはずだから……。
それなのに、乙女ゲームとは違い、なぜか学園にフローラルがすでに来ていた。入学式で同じような顔が二つあったため、騒動になったのだ。ただ髪型がゆるふわロングヘアとストレートロングヘアの違いはあったものの、ほとんど見分けられないぐらい二人はよく似ていた。
ただ違うところがあるとすれば、それは入学試験の成績で、アクエリアスは、ほぼ満点に近い成績だったのに対し、フローラルは、赤点ギリギリだったということだけ。
フローラルは、ハロルドに一目ぼれしてしまったようで、どこへ行くにも、しょっちゅう付きまとっている。それをイヤそうな顔をしながら拒否している。
同じ顔でも、ハロルドはアクエリアスと見分けがついているようだった。
学園長は、事を重大にとらえ、フローラルのことを王家に伝えてしまう。
しかし、ユリウスは、同じ日に王妃の侍女が出産していることを知っていたので、取り合わない。むしろ異母妹か異母姉とぐらいにしか思っていなかったようで、同じ顔だとは夢にも思っていなかった。
前世ニッポン人だったアクエリアスからしてみれば、ここは秘境と変わらないぐらい不便極まりがない。
だから思い余って改革することにしたのだ。まずは下水道の整備、それとダムを造ること。それから下水道にスライムを放ち浄化したきれいな水を川に流し、それを適宜ダムを放流することにより、下流に流す。
下水道の整備は、各家の風呂場、洗面所などの汚水、トイレの汚水、洗濯や調理に使うなどの生活排水を道路前まで流し、道路には側溝を作る。側溝には、あらかじめスライムを入れて浄化させる。
側溝は雨水を排水する働きもある。各区域に下水管に通じるマンホールに流し込む。下水管にもスライムを入れ、各家で流れ出た汚水の未処理分をさらに浄化させる。
下水道から流れ出た水は、ダムへ運ばれ、そこでさらにスライムによる浄化が待っている。三重に渡って、浄化され、完全にきれいな水となったものだけを下流の川に流していくという仕組みを作る。
街全体が清潔になり、臭いもしなくなる。
次に始めるのは、側溝づくりと同時に石畳化を推進する。今までは土の道で雨が降るとぬかるみ泥道と化していた。歩きにくいし、歩くたびに撥ねが上がるのも気になった。
石畳には、タイルを遣いタイルとタイルの隙間から雨水がしみ込み、それを側溝に流れるように傾斜をつける。
土魔法でタイルを作っていき、それを順番に並べていき、完成する。アクエリアスの魔法であれば、一瞬にして石畳化は完成するが、それでは意味がない。
経年劣化したときに補修が必要となった時、自分たちの手で直せなければ石畳化も意味がなくなる。
だって処刑されているかもしれないんだもん。
石畳化が進行すると、今まで馬車での移動が当たり前だったが、民衆の足を馬車から自転車に帰ることにも成功する。
自転車は、人力なので、乗れない小さなお子様やご婦人のために人力車のようなサービスの導入も検討された。
馬のように餌も水も厩舎さえいらない。誰でもバランスさえ取れれば誰にでも乗れる自転車は、瞬く間に王都の市民の足となっていく。
それでも、天候が悪いとき、登城するときや夜会へ行くときは、相変わらずおしゃれしているので、自転車では行かず、馬車で気取っていく貴族が大勢いた。
下水道と石畳化の整備の次は、商業ギルドと冒険者ギルドの融合、すなわち第3のギルドを設立するつもりでいる。その名も金融ギルドを作るつもりでいる。
今まで、商品の受け渡しに、冒険者の依頼料の支払い、すべてが現金決済であったのに対し、これからは金融ギルドで為替や手形を流通させるつもりでいる。
あらかじめある程度の現金を預金させ、その預金額に応じて手形を発行できる。また預金額が多ければ、それを担保に借り入れもできる。
前世ニッポンの銀行のようなものを作りたい。それと、もうひとつ共済組合のような仕組みも必要。
生命保険と労災は、どうしても欠かせない。でないと騎士団や冒険者は残された家族のことを想い、安心して死ねない。
できれば老後、病気やケガで働けないときの生活費を保証してくれる仕組みを作れば、尚いい。
年金はありがたいけど、ニッポンのように官僚が無駄遣いするようでは意味がない。
以上の趣旨を持って金融ギルドを設立することを発表したら、幸いなことに冒険者ギルドと商業ギルドの会員は全員、金融ギルドに口座を作ってくれるようになった。
保険の必要性を感じ取った民衆は、老後のため、子供の学資のため、傷害保険や医療保険などにも積極的に加入してくれるようになっていく。
貴族や大商会の間では、現金や宝石を家や店に置かなくなり、防犯上有益になった。火災や強盗に怯えずとも財産を護れる要として有効活用されている。
次に着手したのは、蒸気機関車と各家の床暖房に力を入れる。
鉱山からコークスの原料となる鉱物を採掘することができると知ったアクエリアスは、早速、動き始める。
もちろん石炭を掘るに越したことはないが、石炭は蒸気機関車用に、木炭は床暖房用に、とそれぞれ使い分けをすることにした。
蒸気機関車は街道沿いにレールが敷かれ、街の入り口がステーションとなった。
アクエリアスは、相変わらず執務室で書類や設計図とにらめっこしている。
その合間に時折、ハロルドが来て、二人でああでもない、こうでもないと議論し合う。
お茶会デートというより、切磋琢磨しているような関係が続く。何度となく、ハロルドからの愛の囁きはあるもののアクエリアスの胸にも耳にも響かない。
その度に、ハロルドは深いため息を吐き、もうあきらめたかのように紅茶を啜る。
「鉄道料金っていくらぐらいがいいと思う?」
「……」
「大人、銅貨10枚(日本円換算で100円)ぐらいでどうかな?子供は半額でいいかな?」
洒落にもならない独り言をアクエリアスはブツブツと呟いて、納得してまた書類に向き合っている。
殺風景なお茶会デートに、ハロルドは言葉を失う。
アクエリアスは、ハロルドが不服そうな顔をしていることは承知している。だけど、もうすぐフローラルが出てきたら、そっちに夢中になるくせに、何その仏頂面は……!と言いたいところを無理くり辛抱している身にもなってよ。と言いたい。
「少し休憩して、お庭でも、お散歩しましょうか?」
今まで仏頂面していたハロルドの顔がパアっと明るくなる。
『ほんとっ、疲れるわ』
その次に着手したことと言えば、工業団地を造ったこと。ミシン、編み機、織機、コークス造りなど、音や臭いが出るものは、市街地ではなく、少し離れたところに一か所にまとめた方が効率的なのだ。
職場までの通勤手段は、鉄道で、そのための定期券を1か月銀貨1枚(日本円換算で1000円)で販売した。
あれから瞬く間に15歳になった。
この世界での成人は15歳。他に跡取りがいない場合は、15歳になると王女は結婚式を迎え、婚約者は父ユリウスの下で、王としての職務を勉強することになる。
今までの前例では、そういうことだけど、仮にも王女が無学歴というのも、今の時代、体裁が悪い。
いくら家庭教師から、みっちり勉学を仕込まれたとはいえ、学歴は大事。周辺諸国から下に見られてしまうので。ということで、アクエリアスは、王都にある学園に入学することになった。
アクエリアスは、敢えて、普通の学園に進学することを希望した。魔法が使えることを内緒にしておきたいからで、婚約者のハロルドももちろん知らない秘密。
ハロルドには剣術学園進学の話があったが、アクエリアスと一緒にいたいため、同じ学園を選んだと聞く。
アクエリアスは、少し罪悪を感じるものの、後3年もすれば、フローラルに一目ぼれするはずだから……。
それなのに、乙女ゲームとは違い、なぜか学園にフローラルがすでに来ていた。入学式で同じような顔が二つあったため、騒動になったのだ。ただ髪型がゆるふわロングヘアとストレートロングヘアの違いはあったものの、ほとんど見分けられないぐらい二人はよく似ていた。
ただ違うところがあるとすれば、それは入学試験の成績で、アクエリアスは、ほぼ満点に近い成績だったのに対し、フローラルは、赤点ギリギリだったということだけ。
フローラルは、ハロルドに一目ぼれしてしまったようで、どこへ行くにも、しょっちゅう付きまとっている。それをイヤそうな顔をしながら拒否している。
同じ顔でも、ハロルドはアクエリアスと見分けがついているようだった。
学園長は、事を重大にとらえ、フローラルのことを王家に伝えてしまう。
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