3 / 15
3.駆け落ち
しおりを挟む
アクエリアスは、学園を通信制に変え、フローラルと顔をあわせないようにしたものの、不安が付きまとう。
乙女ゲームの設定では、二人が顔を合わせるのは、今から3年後の18歳になってからだというのに、ずいぶんな前倒しのせいで死期が始まったかのような不安を抱いている。
産業革命なんか派手にやらかしたせいかも?
でも、あのままなら不便で息が詰まりそうだったもの。仕方ない。当初の予定では、まだ先のことだったけど、そろそろトンズラすることにする。
必要な荷物は、すべて亜空間の中にしまってあるから、身一つで出ても大丈夫なはず。
王都を出る前に金融ギルドのアクエリアス口座の残高をカラにしておいた方がいいかも?地方へ行けば、まだまだ現金決済のところが多いはずだもの。
アクエリアスは念のため口座名をアクエリアスではなく、アリエスの偽名を使って、作っている。どちらもみずがめ座という意味だから、愛称というよりは、少々真面目に考えた名前なのだ。
どこか僻地に行って、目立たないようにひっそり小さな商店でも買って、穏やかに静かに暮らしたい。
商店は、何でもいい。パン屋でもお菓子屋でも、お惣菜のお店でも何でも、……だって前世キャリアウーマンとして、いろいろな企画を成功させた実績がある。
別に誰かのためにプレゼンテーションをするわけでもないから、適当にやればいいと思っている。
たった一人の逃亡旅、頼みの綱は、5歳の頃からなぜかアクエリアスと行動を共にしてくれている5属性の精霊たち。
ふわふわと飛んで移動してくれるので、情報収集には、もってこいの存在。しかもアクエリアス以外の人間には見えないと来ているから、かなり重宝している。
普段使っている自転車もとい電動アシストならぬ魔石アシストも、亜空間の中にしっかり納まっている。
いざとなれば、馬より高速で走れるように改造した。
夜中の12時に出発する予定だ。前世なら、まだ終電が走っている時間帯だが、ここは異世界なので、外はもう真っ暗、一寸先も見えない。一応、寝ずの番をしている騎士もいるにはいるが、皆、船を漕いでいる状態なので脅威ではない。
寝静まった時間帯の扉の開け閉めは意外と響く。アクエリアスは、少しだけ浮遊魔法を発動して、床から10センチぐらいの高さで移動することにした。
そうすれば、靴音も響くことなく移動ができる。
王城の居住空間区域を難なく突破した後は、中庭を通って、正面の鉄城門のところまで、誰かに見られることなく難なく行けた。
外に出た後は、正面通を突き切ってステーションまで行き、その後は、始発の列車に飛び乗って執着駅まで行けば、……と胸算用をしていたら、正面通にハロルドが待ち構えていた。
だてに10年もアクエリアスの腰巾着をしていたわけではない。と言いたげな表情に、ちょっとムカつく。
「王女様、私もお供させていただきます」
「ダメよ。ハロルドは帰って」
「そういうわけにはまいりません」
「んもうっ。真面目なんだから」
二人で出奔したら家出ではなく駆け落ちということになるじゃない?ハロルドは、フローラルの攻略対象だから、下手をすれば、見つかり次第即処刑されるかもしれないというのに。
でも、こんなところで言い争えば、見つけてくださいと言っているようなものになるから、無言のまま歩き出すことにした。
その後を大荷物を抱えたハロルドが、必死に追いかけるという滑稽な光景に思わず吹き出して笑いそうになる。
仕方なくハロルドの大荷物をいったんアクエリアスの亜空間にしまい込んであげることにする。
おそらくハロルドは全財産を持ってきていたのだろう。ズシリと重い革袋を手放そうとしなかったが、押し問答の末、アクエリアスが没収した。
身軽になった二人は手に手を取って、夜の街を駆け出す。
でも駅には向かわない。ハロルドが合流したときに、行先は変わっている。二人で駅へ行けば、沿線の街が真っ先に怪しまれる。だから駅舎に入る直前にテレポートして、沿線ではない港町に転移した。
「あれ!?ここは?」
一瞬のテレポートにハロルドの理解が追い付かない。
「ラスベガスよ。ここはいろんな国の文化が綯い交ぜになっているから、ここならしばらく潜伏できるはず」
「わかりました。では、とりあえず今夜の宿を確保しに行きます」
アクエリアスは、逃げることに必死で、宿の手配まで気が回らなかった。こういう時は、素直にハロルドを頼ろうと思った。
亜空間からハロルドが持ってきた金貨の入った革袋を渡す。それを受け取って、ハロルドはしばらく考え込みながら、辺りを探索して、一軒の宿屋の前で足を止める。
ハロルドが選んだ宿屋は、「泊まり木」という名前の商人がよく利用するようなタイプの宿屋だったが、1部屋しか空きがないという。
ひょっとすれば、明日にでも、もう1部屋空きが出るかもしれないという店番の言葉に従い、その1部屋を頼むことにした。別の宿屋を検討することも考えたが、商人が利用するということは、かなり防犯面で優れていることは確かなわけで、さりとて貴族が宿泊するような宿を利用していたら、たちまち足がつく可能性があるばかりか、持ってきた金貨がすぐに底をつく。
そういうことを懸念して、それにいざとなれば、自分が廊下に出て、そこで寝ればいいと思ったのだ。
アクエリアスを連れて、宿屋に戻り鍵を受け取る。
「申し訳ありません。この一部屋しか用意できませんでした。私は、廊下で休みますから、どうぞこちらでごゆるりとお過ごしください」
「そんな……、だったらハロルドもこの部屋で寝ましょう。ベッドは一つしかないからソファで休むか、ベッドで寝るかはじゃんけんして決めましょう」
ハロルドは頑として、自分がソファで眠るから、アクエリアスがベッドを遣ってくれとして、主張を譲らない。
仕方なくそうすることにして、まずはアクエリアスが寝間着に着替えるため、ハロルドに後ろを向いてもらうことにする。
衣擦れの音が妙に、その気をそそる。
ハロルドは、『我慢、我慢』と必死に自分に言い聞かせている。ハロルド自身はもうビンビンでいつでも起動できる状態。ゴクリと生唾を飲み込む音がアクエリアスに聞こえはしないか、ハラハラしている。
それなのに……。
「明日は、何時に起きる?朝食は6時から8時の間でしょ?だったら7時頃にしよっか?」
無邪気な声がする。人の気も知らないで。
「そ、それで、いいと思います」
「なーに?やっぱりベッドを取って、怒ってる?」
「いえ、怒っていません」
そう言いながら、ベッドサイドのランプを消そうと近づくと、ネグリジェの隙間から見える白い肌が眩しすぎる!
それに隣の部屋から聞こえる。ギシギシという音が壁伝いに……明らかにヤっていると思われる音が妙に響く。
ベッドは壁際に設置されている。たぶん、隣の部屋も、この部屋のま反対の位置にベッドを設置しているのだろう。ちょうど壁を鏡に見立て、前世ニッポンのビジネスホテル、シティホテルがほとんどその配置であったように。
さすがにアクエリアスも、その音の正体に気づいたようで、顔を真っ赤にしながら
「やっぱり、わたくしがソファで休みますわ」
ハロルドは、一晩中、隣の音を聞かされるなど、拷問に等しい。
「いえ、ご遠慮申し上げます」
「だって……、とても眠れるような状態ではありませんもの」
「私とて、同じです。一晩、ご辛抱ください。明日になれば、空き室が出るやもしれません」
「もし明日も、今のような騒音がしたら?」
「その時は、私がこの部屋を借りることをお約束します」
再びランプを消そうと手を伸ばしかけた時、ふいにアクエリアスがハロルドの胸に飛び込んできた。
「お願いわたくしが眠りにつくまで、一緒にいて」
何を言っているのだ!この女は?それは、ハロルドに『抱いて』と言っているのと同じ意味だぞ?アクエリアスは、不安だから言ったまでのことで、その意味はないとは思う……が。
そんな苦行に耐えられるわけがない。今でも美味しそうな柔らかい肉がハロルドの胸を圧迫しているというのに……!
やっとの思いで、アクエリアスのカラダを引きはがす。だが、その刹那、またアクエリアスがハロルドに抱き着いてきて、唇を奪われることになった。
わずかに残っていたハロルドの理性は、完全に吹き飛び、気づけばアクエリアスを押し倒し、腕の中の王女様を蹂躙し尽くしていた。
乙女ゲームの設定では、二人が顔を合わせるのは、今から3年後の18歳になってからだというのに、ずいぶんな前倒しのせいで死期が始まったかのような不安を抱いている。
産業革命なんか派手にやらかしたせいかも?
でも、あのままなら不便で息が詰まりそうだったもの。仕方ない。当初の予定では、まだ先のことだったけど、そろそろトンズラすることにする。
必要な荷物は、すべて亜空間の中にしまってあるから、身一つで出ても大丈夫なはず。
王都を出る前に金融ギルドのアクエリアス口座の残高をカラにしておいた方がいいかも?地方へ行けば、まだまだ現金決済のところが多いはずだもの。
アクエリアスは念のため口座名をアクエリアスではなく、アリエスの偽名を使って、作っている。どちらもみずがめ座という意味だから、愛称というよりは、少々真面目に考えた名前なのだ。
どこか僻地に行って、目立たないようにひっそり小さな商店でも買って、穏やかに静かに暮らしたい。
商店は、何でもいい。パン屋でもお菓子屋でも、お惣菜のお店でも何でも、……だって前世キャリアウーマンとして、いろいろな企画を成功させた実績がある。
別に誰かのためにプレゼンテーションをするわけでもないから、適当にやればいいと思っている。
たった一人の逃亡旅、頼みの綱は、5歳の頃からなぜかアクエリアスと行動を共にしてくれている5属性の精霊たち。
ふわふわと飛んで移動してくれるので、情報収集には、もってこいの存在。しかもアクエリアス以外の人間には見えないと来ているから、かなり重宝している。
普段使っている自転車もとい電動アシストならぬ魔石アシストも、亜空間の中にしっかり納まっている。
いざとなれば、馬より高速で走れるように改造した。
夜中の12時に出発する予定だ。前世なら、まだ終電が走っている時間帯だが、ここは異世界なので、外はもう真っ暗、一寸先も見えない。一応、寝ずの番をしている騎士もいるにはいるが、皆、船を漕いでいる状態なので脅威ではない。
寝静まった時間帯の扉の開け閉めは意外と響く。アクエリアスは、少しだけ浮遊魔法を発動して、床から10センチぐらいの高さで移動することにした。
そうすれば、靴音も響くことなく移動ができる。
王城の居住空間区域を難なく突破した後は、中庭を通って、正面の鉄城門のところまで、誰かに見られることなく難なく行けた。
外に出た後は、正面通を突き切ってステーションまで行き、その後は、始発の列車に飛び乗って執着駅まで行けば、……と胸算用をしていたら、正面通にハロルドが待ち構えていた。
だてに10年もアクエリアスの腰巾着をしていたわけではない。と言いたげな表情に、ちょっとムカつく。
「王女様、私もお供させていただきます」
「ダメよ。ハロルドは帰って」
「そういうわけにはまいりません」
「んもうっ。真面目なんだから」
二人で出奔したら家出ではなく駆け落ちということになるじゃない?ハロルドは、フローラルの攻略対象だから、下手をすれば、見つかり次第即処刑されるかもしれないというのに。
でも、こんなところで言い争えば、見つけてくださいと言っているようなものになるから、無言のまま歩き出すことにした。
その後を大荷物を抱えたハロルドが、必死に追いかけるという滑稽な光景に思わず吹き出して笑いそうになる。
仕方なくハロルドの大荷物をいったんアクエリアスの亜空間にしまい込んであげることにする。
おそらくハロルドは全財産を持ってきていたのだろう。ズシリと重い革袋を手放そうとしなかったが、押し問答の末、アクエリアスが没収した。
身軽になった二人は手に手を取って、夜の街を駆け出す。
でも駅には向かわない。ハロルドが合流したときに、行先は変わっている。二人で駅へ行けば、沿線の街が真っ先に怪しまれる。だから駅舎に入る直前にテレポートして、沿線ではない港町に転移した。
「あれ!?ここは?」
一瞬のテレポートにハロルドの理解が追い付かない。
「ラスベガスよ。ここはいろんな国の文化が綯い交ぜになっているから、ここならしばらく潜伏できるはず」
「わかりました。では、とりあえず今夜の宿を確保しに行きます」
アクエリアスは、逃げることに必死で、宿の手配まで気が回らなかった。こういう時は、素直にハロルドを頼ろうと思った。
亜空間からハロルドが持ってきた金貨の入った革袋を渡す。それを受け取って、ハロルドはしばらく考え込みながら、辺りを探索して、一軒の宿屋の前で足を止める。
ハロルドが選んだ宿屋は、「泊まり木」という名前の商人がよく利用するようなタイプの宿屋だったが、1部屋しか空きがないという。
ひょっとすれば、明日にでも、もう1部屋空きが出るかもしれないという店番の言葉に従い、その1部屋を頼むことにした。別の宿屋を検討することも考えたが、商人が利用するということは、かなり防犯面で優れていることは確かなわけで、さりとて貴族が宿泊するような宿を利用していたら、たちまち足がつく可能性があるばかりか、持ってきた金貨がすぐに底をつく。
そういうことを懸念して、それにいざとなれば、自分が廊下に出て、そこで寝ればいいと思ったのだ。
アクエリアスを連れて、宿屋に戻り鍵を受け取る。
「申し訳ありません。この一部屋しか用意できませんでした。私は、廊下で休みますから、どうぞこちらでごゆるりとお過ごしください」
「そんな……、だったらハロルドもこの部屋で寝ましょう。ベッドは一つしかないからソファで休むか、ベッドで寝るかはじゃんけんして決めましょう」
ハロルドは頑として、自分がソファで眠るから、アクエリアスがベッドを遣ってくれとして、主張を譲らない。
仕方なくそうすることにして、まずはアクエリアスが寝間着に着替えるため、ハロルドに後ろを向いてもらうことにする。
衣擦れの音が妙に、その気をそそる。
ハロルドは、『我慢、我慢』と必死に自分に言い聞かせている。ハロルド自身はもうビンビンでいつでも起動できる状態。ゴクリと生唾を飲み込む音がアクエリアスに聞こえはしないか、ハラハラしている。
それなのに……。
「明日は、何時に起きる?朝食は6時から8時の間でしょ?だったら7時頃にしよっか?」
無邪気な声がする。人の気も知らないで。
「そ、それで、いいと思います」
「なーに?やっぱりベッドを取って、怒ってる?」
「いえ、怒っていません」
そう言いながら、ベッドサイドのランプを消そうと近づくと、ネグリジェの隙間から見える白い肌が眩しすぎる!
それに隣の部屋から聞こえる。ギシギシという音が壁伝いに……明らかにヤっていると思われる音が妙に響く。
ベッドは壁際に設置されている。たぶん、隣の部屋も、この部屋のま反対の位置にベッドを設置しているのだろう。ちょうど壁を鏡に見立て、前世ニッポンのビジネスホテル、シティホテルがほとんどその配置であったように。
さすがにアクエリアスも、その音の正体に気づいたようで、顔を真っ赤にしながら
「やっぱり、わたくしがソファで休みますわ」
ハロルドは、一晩中、隣の音を聞かされるなど、拷問に等しい。
「いえ、ご遠慮申し上げます」
「だって……、とても眠れるような状態ではありませんもの」
「私とて、同じです。一晩、ご辛抱ください。明日になれば、空き室が出るやもしれません」
「もし明日も、今のような騒音がしたら?」
「その時は、私がこの部屋を借りることをお約束します」
再びランプを消そうと手を伸ばしかけた時、ふいにアクエリアスがハロルドの胸に飛び込んできた。
「お願いわたくしが眠りにつくまで、一緒にいて」
何を言っているのだ!この女は?それは、ハロルドに『抱いて』と言っているのと同じ意味だぞ?アクエリアスは、不安だから言ったまでのことで、その意味はないとは思う……が。
そんな苦行に耐えられるわけがない。今でも美味しそうな柔らかい肉がハロルドの胸を圧迫しているというのに……!
やっとの思いで、アクエリアスのカラダを引きはがす。だが、その刹那、またアクエリアスがハロルドに抱き着いてきて、唇を奪われることになった。
わずかに残っていたハロルドの理性は、完全に吹き飛び、気づけばアクエリアスを押し倒し、腕の中の王女様を蹂躙し尽くしていた。
128
あなたにおすすめの小説
【短編】男爵令嬢のマネをして「で〜んかっ♡」と侯爵令嬢が婚約者の王子に呼びかけた結果
あまぞらりゅう
恋愛
「で〜んかっ♡」
シャルロッテ侯爵令嬢は婚約者であるエドゥアルト王子をローゼ男爵令嬢に奪われてしまった。
下位貴族に無様に敗北した惨めな彼女が起死回生を賭けて起こした行動は……?
★他サイト様にも投稿しています!
★2022.8.9小説家になろう様にて日間総合1位を頂きました! ありがとうございます!!
【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。
まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。
私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。
お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。
けれど、彼に言われましたの。
「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」
そうですか。男に二言はありませんね?
読んでいただけたら嬉しいです。
攻略対象の王子様は放置されました
蛇娥リコ
恋愛
……前回と違う。
お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。
今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。
小説家になろうにも投稿してます。
虐げられたアンネマリーは逆転勝利する ~ 罪には罰を
柚屋志宇
恋愛
侯爵令嬢だったアンネマリーは、母の死後、後妻の命令で屋根裏部屋に押し込められ使用人より酷い生活をすることになった。
みすぼらしくなったアンネマリーは頼りにしていた婚約者クリストフに婚約破棄を宣言され、義妹イルザに婚約者までも奪われて絶望する。
虐げられ何もかも奪われたアンネマリーだが屋敷を脱出して立場を逆転させる。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
無愛想な婚約者の心の声を暴いてしまったら
雪嶺さとり
恋愛
「違うんだルーシャ!俺はルーシャのことを世界で一番愛しているんだ……っ!?」
「え?」
伯爵令嬢ルーシャの婚約者、ウィラードはいつも無愛想で無口だ。
しかしそんな彼に最近親しい令嬢がいるという。
その令嬢とウィラードは仲睦まじい様子で、ルーシャはウィラードが自分との婚約を解消したがっているのではないかと気がつく。
機会が無いので言い出せず、彼は困っているのだろう。
そこでルーシャは、友人の錬金術師ノーランに「本音を引き出せる薬」を用意してもらった。
しかし、それを使ったところ、なんだかウィラードの様子がおかしくて───────。
*他サイトでも公開しております。
公爵令嬢は運命の相手を間違える
あおくん
恋愛
エリーナ公爵令嬢は、幼い頃に決められた婚約者であるアルベルト王子殿下と仲睦まじく過ごしていた。
だが、学園へ通うようになるとアルベルト王子に一人の令嬢が近づくようになる。
アルベルト王子を誑し込もうとする令嬢と、そんな令嬢を許すアルベルト王子にエリーナは自分の心が離れていくのを感じた。
だがエリーナは既に次期王妃の座が確約している状態。
今更婚約を解消することなど出来るはずもなく、そんなエリーナは女に現を抜かすアルベルト王子の代わりに帝王学を学び始める。
そんなエリーナの前に一人の男性が現れた。
そんな感じのお話です。
それは確かに真実の愛
宝月 蓮
恋愛
レルヒェンフェルト伯爵令嬢ルーツィエには悩みがあった。それは幼馴染であるビューロウ侯爵令息ヤーコブが髪質のことを散々いじってくること。やめて欲しいと伝えても全くやめてくれないのである。いつも「冗談だから」で済まされてしまうのだ。おまけに嫌がったらこちらが悪者にされてしまう。
そんなある日、ルーツィエは君主の家系であるリヒネットシュタイン公家の第三公子クラウスと出会う。クラウスはルーツィエの髪型を素敵だと褒めてくれた。彼はヤーコブとは違い、ルーツィエの嫌がることは全くしない。そしてルーツィエとクラウスは交流をしていくうちにお互い惹かれ合っていた。
そんな中、ルーツィエとヤーコブの婚約が決まってしまう。ヤーコブなんかとは絶対に結婚したくないルーツィエはクラウスに助けを求めた。
そしてクラウスがある行動を起こすのであるが、果たしてその結果は……?
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
私との婚約は、選択ミスだったらしい
柚木ゆず
恋愛
※5月23日、ケヴィン編が完結いたしました。明日よりリナス編(第2のざまぁ)が始まり、そちらが完結後、エマとルシアンのお話を投稿させていただきます。
幼馴染のリナスが誰よりも愛しくなった――。リナスと結婚したいから別れてくれ――。
ランドル侯爵家のケヴィン様と婚約をしてから、僅か1週間後の事。彼が突然やってきてそう言い出し、私は呆れ果てて即婚約を解消した。
この人は私との婚約は『選択ミス』だと言っていたし、真の愛を見つけたと言っているから黙っていたけど――。
貴方の幼馴染のリナスは、ものすごく猫を被ってるの。
だから結婚後にとても苦労することになると思うけど、頑張って。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる