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5.真の王女
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その日のうちに宿を引き払い、新居での生活をすることになった二人は、早速、掃除を始める。
何度も売り主の男と商業ギルド職員から念を押されるが、買ったものは、こちらのものという姿勢を崩さない。
店に置いてあるガラクタはそのままにして、とりあえず住居部分の掃除を始める。
建物自体は築年数があるが、頑丈な拵えになっているようで、特に修繕が必要なところもなさそうに見える。
今夜から、この家で、どんな恥ずかしい声を出そうとも、誰にも遠慮がいらない。そう思えば、カラダの熱が顔に集中するかのように赤くなっているのが鏡を見なくてもわかる。
アクエリアスが何を考えているのかわかるハロルドは、あえて何も言わず、そっとアクエリアスを抱きしめる。
待ちきれなくなった二人は掃除もそこそこにして、早くも抱き合い、あられもない姿で愛を確かめ合う。
翌朝、あり合わせのもので朝食を作ると、ハロルドは驚いた顔で「美味しい」と何度も褒めてくれた。
そりゃあ、前世キャリアウーマンで自炊ぐらいしていましたよ。
それに王城にいる時も、ただ食事をしていたわけではなく、出された料理を見て調理法や調味料を考えながら味わっていた。だから再現するぐらいのことは、お手のものだ。
朝食後は、また掃除をはじめ、片付いたと思ったら、また顔を見合わせてチュっとキスすると、それが合図になったかのように、またイチャイチャし始めて、気づいたらまた抱き合うことになってしまっている。
昼食も裸エプロンのまま、あり合わせで作ると「こっちの方がもっと美味しそう」とエプロンの隙間から胸を揉まれる。
「食事ぐらい。ちゃんと摂らせてよ」
文句を言うも、カラダが反応してしまって、文句にならない声が漏れる。
掃除、セックス、食事、セックス、掃除、セックス、食事、という奇妙な連鎖のような順番が出来上がっていく。
少しずつだけど、確実に綺麗に片付いてくる我が家を眺めつつ、またもイチャイチャが始まる。
侍女も家臣も誰もいない二人だけの新居はまさに愛の巣そのもので、人生初のばら色ともいうべき自由な時間を手に入れる。
店の中にあるガラクタも、アクエリアスが一つずつ吟味をして、使えるものとどうしても使えないものを仕分けしていく。
どうしても使えないと思ったら、容赦なく亜空間の中に入れ処分する。
少しでも使えそうなものは、綺麗に磨いて、その中に魔力を入れ、魔道具として商品とする。
そう。アクエリアスは、この古道具を魔道具として、生まれかわらせて、魔道具屋を開くつもりでいる。
この古さがいい。ちょっと鄙びた道具は商品価値があるというもの。
どう見ても切れ味が悪そうな剣に魔法を纏わせて、魔剣にして売りだしたら、冒険者からひっきりなしに注文が入るようになった。
ラスベガスにちょっと美丈夫な若夫婦が経営している魔道具屋の話はマニアにとって、瞬く間に人の口にのぼるようになっていく。
他にも手を翳すだけで、ランプが灯るセンサーランプのようなものを作ったら、これも飛ぶように売れた。
センサーランプの応用で、家の前に人が通ると体温を感知して、自動で街灯が点くものは、ラスベガスの治安部隊から大量に注文が入った。
アクエリアスは、前世の知識で、この世界にあったらいいな。と思うようなものすべてを商品化していく。
そのほとんどが白物家電と言われるものが中心だった。二人が普段乗っている自転車も人気を博していて、ひっきりなしの問い合わせに正式に商品として格上げされた。
シャワートイレもそのうちのひとつで、ボタン一つでどこでも洗ってくれ、気持ちがいい。アノ後の洗浄にもってこいなところも嬉しい。
特に主婦層からの人気は厚く。新製品が出ると必ず、行列ができる魔道具屋になっていく。
自動お湯張り器、全自動洗濯乾燥機、材料をセットするだけで出来上がるパン焼き器など、前世にあったものばかりを次々と商品化していく。
今、開発に夢中になっているものは、腕時計型の通信機で、この世界はまだまだ懐中時計が主流で、腕にバンドで巻き付けるという発想がそもそもない。
ハロルドに試作品を付けさせると、「重い」と文句を言われる始末だけど、離れていても会話ができる、という点は興味を惹いたみたい。
それからは、外出時でなくても、いつでも腕時計を遣ってくれるようになった。ついでに心拍数や血圧計、体温計の機能も必要かしら?と思案しているところ。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その頃、王城では、アクエリアスばかりか婚約者であるハロルドまでいなくなったことで、駆け落ちか?と大騒ぎになっている。
「そういえば、学園でハロルドに付きまとっている女子生徒がいた」
「ハロルドはたいそう嫌がって逃げていたにも関わらず、その女子生徒があまりにもしつこくハロルドの行く先々で待ち伏せしていた」
「愛し合う殿下とハロルド様の仲を引き裂こうとしている」
「不埒な女は、今すぐ処刑すべきだ」
噂に尾ひれがついて、大ごとになっている。
学園にいた時は、まだ愛し合っていたわけではない!とは言えない。
ユリウスは、顔面蒼白になって、何日も寝ていないようだ。
「愛する娘を探し出しておくれ」
と言った切り、部屋に引きこもって出てこなくなった。
今まで一度もアクエリアスに娘として接してこなかったことに心から謝罪と悔悟の念を持つようになり、会わせる顔がないと引きこもっている。
国のため数多くの施策を成功させたアクエリアスの手腕は、今や世界の中でもストックホルムを大国として認めさせる原動力となっている。
もう、この国ではアクエリアスの存在は大きく誰も否定することができない存在となっているのに、一人空気が読めないオンナがいた。それはフローラルで自分こそが真の王女であると申し出ている。
騎士団長のメルセデスは、自分の裁量だけで闇から闇へと処分してしまおうか、悩んでいる。
当然、ユリウスは報告を受け、フローラルが庶子であることを認めているものの、アクエリアスにとって代わろうとする姿勢は断じて許されない構えであり、メルセデスの進言を受け入れるかどうか思案している。
「無礼者めが、しばらく牢に放り込んでおけ」
ユリウスの命により、地下牢に放り込まれたフローラルは、毎日泣いて暮らしているかと思えば、喜んでいる様子だとか……?
フローラルは、明日、処刑されるかもしれないのに、3食昼寝付き、6畳ワンルーム家賃なしの生活を存外気に入っているとか?
フローラルもまた前世ニッポン人で社畜だった可能性が高い。
嬉々として牢生活を楽しんでいるフローラルに牢番も困惑を隠せない。
ただフローラルの養?母で、男爵家未亡人リリアーヌ、元シボレー伯爵令嬢だけは、娘の帰りを首を長くして待ち、ユリウスの謁見を求めたが、却下されてしまい途方に暮れている。
リリアーヌは、伯爵令嬢時代、王宮に行儀見習いとして、王妃さまの傍近くで務めていた際に、ユリウスから一夜の情けをもらいフローラルを身ごもった。
フローラルを身ごもってからも、エレノア陛下の眼を盗んで、何度も情を交わしたというのに、こんな仕打ちは酷い!とユリウスを恨んだこともあった。
出産後は、亡き王妃陛下エレノアからの執拗な苛めに耐えかねて、思わず実家に帰り、父のシボレー伯爵からドイル男爵家の後妻に入るように命令されてしまったのだ。
ドイル男爵は、リリアーヌが嫁いですぐに床に伏し、そのまま早逝した。
フローラルは学園で、本当はフローラルが真の王女であるかを吹き込まれたようで、いくら母であるリリアーヌが言い聞かせても、まったく聞く耳を貸さない。
それには理由があるらしく、学園で聞いたところによると、アクエリアス王女殿下の婚約者のハロルド・ベンジャミン伯爵令息にひとめ惚れしてしまい、何が何でもアクエリアス様からハロルド様を奪いたいとロックオンしてしまった様子に困惑している。
そんな身分違いの大それたことを考えている娘に手を焼いて、転校させようとしたときには、すでに手遅れで学園側が王家に伝え、フローラルもまた「自分が真の王女である」と申し出てしまった後のことだった。
このままでは、母娘とも処刑は免れない。どうしたらいいかわからず、昔のことをよく知る産婆を訪ねることにした。
何度も売り主の男と商業ギルド職員から念を押されるが、買ったものは、こちらのものという姿勢を崩さない。
店に置いてあるガラクタはそのままにして、とりあえず住居部分の掃除を始める。
建物自体は築年数があるが、頑丈な拵えになっているようで、特に修繕が必要なところもなさそうに見える。
今夜から、この家で、どんな恥ずかしい声を出そうとも、誰にも遠慮がいらない。そう思えば、カラダの熱が顔に集中するかのように赤くなっているのが鏡を見なくてもわかる。
アクエリアスが何を考えているのかわかるハロルドは、あえて何も言わず、そっとアクエリアスを抱きしめる。
待ちきれなくなった二人は掃除もそこそこにして、早くも抱き合い、あられもない姿で愛を確かめ合う。
翌朝、あり合わせのもので朝食を作ると、ハロルドは驚いた顔で「美味しい」と何度も褒めてくれた。
そりゃあ、前世キャリアウーマンで自炊ぐらいしていましたよ。
それに王城にいる時も、ただ食事をしていたわけではなく、出された料理を見て調理法や調味料を考えながら味わっていた。だから再現するぐらいのことは、お手のものだ。
朝食後は、また掃除をはじめ、片付いたと思ったら、また顔を見合わせてチュっとキスすると、それが合図になったかのように、またイチャイチャし始めて、気づいたらまた抱き合うことになってしまっている。
昼食も裸エプロンのまま、あり合わせで作ると「こっちの方がもっと美味しそう」とエプロンの隙間から胸を揉まれる。
「食事ぐらい。ちゃんと摂らせてよ」
文句を言うも、カラダが反応してしまって、文句にならない声が漏れる。
掃除、セックス、食事、セックス、掃除、セックス、食事、という奇妙な連鎖のような順番が出来上がっていく。
少しずつだけど、確実に綺麗に片付いてくる我が家を眺めつつ、またもイチャイチャが始まる。
侍女も家臣も誰もいない二人だけの新居はまさに愛の巣そのもので、人生初のばら色ともいうべき自由な時間を手に入れる。
店の中にあるガラクタも、アクエリアスが一つずつ吟味をして、使えるものとどうしても使えないものを仕分けしていく。
どうしても使えないと思ったら、容赦なく亜空間の中に入れ処分する。
少しでも使えそうなものは、綺麗に磨いて、その中に魔力を入れ、魔道具として商品とする。
そう。アクエリアスは、この古道具を魔道具として、生まれかわらせて、魔道具屋を開くつもりでいる。
この古さがいい。ちょっと鄙びた道具は商品価値があるというもの。
どう見ても切れ味が悪そうな剣に魔法を纏わせて、魔剣にして売りだしたら、冒険者からひっきりなしに注文が入るようになった。
ラスベガスにちょっと美丈夫な若夫婦が経営している魔道具屋の話はマニアにとって、瞬く間に人の口にのぼるようになっていく。
他にも手を翳すだけで、ランプが灯るセンサーランプのようなものを作ったら、これも飛ぶように売れた。
センサーランプの応用で、家の前に人が通ると体温を感知して、自動で街灯が点くものは、ラスベガスの治安部隊から大量に注文が入った。
アクエリアスは、前世の知識で、この世界にあったらいいな。と思うようなものすべてを商品化していく。
そのほとんどが白物家電と言われるものが中心だった。二人が普段乗っている自転車も人気を博していて、ひっきりなしの問い合わせに正式に商品として格上げされた。
シャワートイレもそのうちのひとつで、ボタン一つでどこでも洗ってくれ、気持ちがいい。アノ後の洗浄にもってこいなところも嬉しい。
特に主婦層からの人気は厚く。新製品が出ると必ず、行列ができる魔道具屋になっていく。
自動お湯張り器、全自動洗濯乾燥機、材料をセットするだけで出来上がるパン焼き器など、前世にあったものばかりを次々と商品化していく。
今、開発に夢中になっているものは、腕時計型の通信機で、この世界はまだまだ懐中時計が主流で、腕にバンドで巻き付けるという発想がそもそもない。
ハロルドに試作品を付けさせると、「重い」と文句を言われる始末だけど、離れていても会話ができる、という点は興味を惹いたみたい。
それからは、外出時でなくても、いつでも腕時計を遣ってくれるようになった。ついでに心拍数や血圧計、体温計の機能も必要かしら?と思案しているところ。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その頃、王城では、アクエリアスばかりか婚約者であるハロルドまでいなくなったことで、駆け落ちか?と大騒ぎになっている。
「そういえば、学園でハロルドに付きまとっている女子生徒がいた」
「ハロルドはたいそう嫌がって逃げていたにも関わらず、その女子生徒があまりにもしつこくハロルドの行く先々で待ち伏せしていた」
「愛し合う殿下とハロルド様の仲を引き裂こうとしている」
「不埒な女は、今すぐ処刑すべきだ」
噂に尾ひれがついて、大ごとになっている。
学園にいた時は、まだ愛し合っていたわけではない!とは言えない。
ユリウスは、顔面蒼白になって、何日も寝ていないようだ。
「愛する娘を探し出しておくれ」
と言った切り、部屋に引きこもって出てこなくなった。
今まで一度もアクエリアスに娘として接してこなかったことに心から謝罪と悔悟の念を持つようになり、会わせる顔がないと引きこもっている。
国のため数多くの施策を成功させたアクエリアスの手腕は、今や世界の中でもストックホルムを大国として認めさせる原動力となっている。
もう、この国ではアクエリアスの存在は大きく誰も否定することができない存在となっているのに、一人空気が読めないオンナがいた。それはフローラルで自分こそが真の王女であると申し出ている。
騎士団長のメルセデスは、自分の裁量だけで闇から闇へと処分してしまおうか、悩んでいる。
当然、ユリウスは報告を受け、フローラルが庶子であることを認めているものの、アクエリアスにとって代わろうとする姿勢は断じて許されない構えであり、メルセデスの進言を受け入れるかどうか思案している。
「無礼者めが、しばらく牢に放り込んでおけ」
ユリウスの命により、地下牢に放り込まれたフローラルは、毎日泣いて暮らしているかと思えば、喜んでいる様子だとか……?
フローラルは、明日、処刑されるかもしれないのに、3食昼寝付き、6畳ワンルーム家賃なしの生活を存外気に入っているとか?
フローラルもまた前世ニッポン人で社畜だった可能性が高い。
嬉々として牢生活を楽しんでいるフローラルに牢番も困惑を隠せない。
ただフローラルの養?母で、男爵家未亡人リリアーヌ、元シボレー伯爵令嬢だけは、娘の帰りを首を長くして待ち、ユリウスの謁見を求めたが、却下されてしまい途方に暮れている。
リリアーヌは、伯爵令嬢時代、王宮に行儀見習いとして、王妃さまの傍近くで務めていた際に、ユリウスから一夜の情けをもらいフローラルを身ごもった。
フローラルを身ごもってからも、エレノア陛下の眼を盗んで、何度も情を交わしたというのに、こんな仕打ちは酷い!とユリウスを恨んだこともあった。
出産後は、亡き王妃陛下エレノアからの執拗な苛めに耐えかねて、思わず実家に帰り、父のシボレー伯爵からドイル男爵家の後妻に入るように命令されてしまったのだ。
ドイル男爵は、リリアーヌが嫁いですぐに床に伏し、そのまま早逝した。
フローラルは学園で、本当はフローラルが真の王女であるかを吹き込まれたようで、いくら母であるリリアーヌが言い聞かせても、まったく聞く耳を貸さない。
それには理由があるらしく、学園で聞いたところによると、アクエリアス王女殿下の婚約者のハロルド・ベンジャミン伯爵令息にひとめ惚れしてしまい、何が何でもアクエリアス様からハロルド様を奪いたいとロックオンしてしまった様子に困惑している。
そんな身分違いの大それたことを考えている娘に手を焼いて、転校させようとしたときには、すでに手遅れで学園側が王家に伝え、フローラルもまた「自分が真の王女である」と申し出てしまった後のことだった。
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