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オフィーリアは、イエローサンダーの隣国サマーサフラン国に着いている。
この国の国王陛下とも謁見し、今度は早々と教会もしくは治療できる場所を借りることを直談判したのである。
この世界での治療院は、教会が一般的であるので、お布施の半分をオフィーリアはいただいて、治療を開始します。教会横の空き地も借りられて公爵邸を出しますが、無論、隠蔽魔法をかけて出します。
そんなある時、冒険者の人が担ぎ込まれたのだが、どう見ても助からないほどの大けが、死んでいなければなんでも助ける自信があったのだが、これは……!
首と両手両足があらぬ方向にねじ曲がっていて、目は飛び出ているし、かろうじて心臓が動いているだけで、ほとんど死人なのである。
死人というよりは、化け物と言ったほうが近いかもしれない。
こんなの生き返らせていいの?神を冒涜するのでは?いろいろと心配になったオフィーリアは、司祭様に相談するも、冒険者たちは、どんなことをしてでも助けてくれと訴えてくる。
そのほとんど化け物の冒険者は、サマーサフラン国の王太子殿下であらせられたそうです。そりゃあ、王太子殿下を冒険で死なせたとあっては、責任問題に発展しかねない。しかし、人の寿命は有期である。死ねないほうが苦痛だと思う。こんな化け物の姿になってまで、まだ生き延びたいのか?
他の冒険者たちは、スーパーハイポーションを飲ませて、かろうじて教会まで連れてきたのだが
「わたくしには無理です。お布施はいりませんからお引き取りをくださいませ。」
ついにオフィーリアは決断した。オフィーリアは聖女であって、神ではないのだ。神の領域まで踏み込めない。
「そんな……、では、どうすれば殿下の命を助けることができましょうか?」
「人には生まれ持った寿命がございます。恐れながら、殿下はその寿命が来ていると思われます。ゆえに、このまま死なせてあげたほうが殿下のためだと存じます。」
「そんなこと困る。今、殿下に死なれては困るのだ。」
「もう死んでおられますよ。」
「なんとかして生き返らせてくれ。頼む。」
「できません!殿下はもう神の国へ旅立っておいでです。」
「強情な女だ。そこへなおれ、成敗してくれる!」
言うなり、白羽が舞った。切られると思ったが、衝撃がない。司祭様が身代わりになってくださいました。幸い、急所は外れていたのだ。
「なんということを!神様の罰が当たっても知りませんよ。」
すぐさま、オフィーリアは司祭様に治癒魔法を施すと、みるみる顔色が良くなり一命をとりとめたようです。
さすがに冒険者は、司祭様に手をかけたことに青ざめている。国王陛下からどんな処罰を受けるかわからないからである。
サマーサフラン国には、もういられない。王太子殿下を救えず、司祭様には怪我をさせてしまったからで、その日の治療の後、司祭様に暇乞いをして、国を出た。
あとから聞いた話では、王太子殿下と同じパーティを組んでいた冒険者たちは全員、死罪となったそうです。司祭様まで手をかけて、生きられると思うほうが間違いですわ。なぜ、王太子殿下の命にこだわったのか?すべては己の保身のためであろう。王太子殿下の死を受け止めることができたら、死罪にはならなかったであろう。
サマーサフラン国の隣国マンゴースプリングに到着している。もう、治療院は止めようか?どうしようか悩んでいると、国王陛下からサマーサフランのことを持ち出され、ぜひ治療院を開いてくれと仰せがあったので、考えたあげく、続けることにする。
今度もやはり教会で治療することにした。同じく教会の横に公爵邸を出して隠蔽魔法をかける。
権力や地位のある人が来た場合、どうすべきかを司祭様と打ち合わせることにしたのである。
結局、司祭様も神を冒涜するような行いをする人には、厳しく対処したほうが良いということで意見は一致しました。それからは、スムーズです。サマーサフランでは、最初にその打ち合わせがなかったから、余計混乱したのかもしれない。
しばらく、この国に滞在して腰を落ち着けて、治療に専念することにします。
公爵邸の使用人たちも、ここが安住の地とは思っていないようだが、それぞれ仕事を見つけて働きだしたのである。もう、オフィーリアがお給料の心配をしなくてもいい?
マンゴースプリングでは、聖女様が腰を落ち着け逗留してくださることから、「聖女様」歓迎のパーティにセレモニーなど目白押しである。
治療だけでなく、あちこちの名誉職に抜擢とけっこう忙しいけど、元は、公爵令嬢なので慣れている。
特に舞踏会は大好きで、ダンスが得意で自慢なのである。だから、今度、舞踏会の招待状には正直、ワクワクしているのだ。
何、着て行こうかしら、公爵邸とともに引っ越してきたようなものだから、ドレスはいっぱいある。
ワクワクしているのは、オフィーリアだけではなく、侍女たちも髪形やアクセサリーを考えている。どんなふうにお嬢様を飾り立てようかと楽しみにしている。
この国の国王陛下とも謁見し、今度は早々と教会もしくは治療できる場所を借りることを直談判したのである。
この世界での治療院は、教会が一般的であるので、お布施の半分をオフィーリアはいただいて、治療を開始します。教会横の空き地も借りられて公爵邸を出しますが、無論、隠蔽魔法をかけて出します。
そんなある時、冒険者の人が担ぎ込まれたのだが、どう見ても助からないほどの大けが、死んでいなければなんでも助ける自信があったのだが、これは……!
首と両手両足があらぬ方向にねじ曲がっていて、目は飛び出ているし、かろうじて心臓が動いているだけで、ほとんど死人なのである。
死人というよりは、化け物と言ったほうが近いかもしれない。
こんなの生き返らせていいの?神を冒涜するのでは?いろいろと心配になったオフィーリアは、司祭様に相談するも、冒険者たちは、どんなことをしてでも助けてくれと訴えてくる。
そのほとんど化け物の冒険者は、サマーサフラン国の王太子殿下であらせられたそうです。そりゃあ、王太子殿下を冒険で死なせたとあっては、責任問題に発展しかねない。しかし、人の寿命は有期である。死ねないほうが苦痛だと思う。こんな化け物の姿になってまで、まだ生き延びたいのか?
他の冒険者たちは、スーパーハイポーションを飲ませて、かろうじて教会まで連れてきたのだが
「わたくしには無理です。お布施はいりませんからお引き取りをくださいませ。」
ついにオフィーリアは決断した。オフィーリアは聖女であって、神ではないのだ。神の領域まで踏み込めない。
「そんな……、では、どうすれば殿下の命を助けることができましょうか?」
「人には生まれ持った寿命がございます。恐れながら、殿下はその寿命が来ていると思われます。ゆえに、このまま死なせてあげたほうが殿下のためだと存じます。」
「そんなこと困る。今、殿下に死なれては困るのだ。」
「もう死んでおられますよ。」
「なんとかして生き返らせてくれ。頼む。」
「できません!殿下はもう神の国へ旅立っておいでです。」
「強情な女だ。そこへなおれ、成敗してくれる!」
言うなり、白羽が舞った。切られると思ったが、衝撃がない。司祭様が身代わりになってくださいました。幸い、急所は外れていたのだ。
「なんということを!神様の罰が当たっても知りませんよ。」
すぐさま、オフィーリアは司祭様に治癒魔法を施すと、みるみる顔色が良くなり一命をとりとめたようです。
さすがに冒険者は、司祭様に手をかけたことに青ざめている。国王陛下からどんな処罰を受けるかわからないからである。
サマーサフラン国には、もういられない。王太子殿下を救えず、司祭様には怪我をさせてしまったからで、その日の治療の後、司祭様に暇乞いをして、国を出た。
あとから聞いた話では、王太子殿下と同じパーティを組んでいた冒険者たちは全員、死罪となったそうです。司祭様まで手をかけて、生きられると思うほうが間違いですわ。なぜ、王太子殿下の命にこだわったのか?すべては己の保身のためであろう。王太子殿下の死を受け止めることができたら、死罪にはならなかったであろう。
サマーサフラン国の隣国マンゴースプリングに到着している。もう、治療院は止めようか?どうしようか悩んでいると、国王陛下からサマーサフランのことを持ち出され、ぜひ治療院を開いてくれと仰せがあったので、考えたあげく、続けることにする。
今度もやはり教会で治療することにした。同じく教会の横に公爵邸を出して隠蔽魔法をかける。
権力や地位のある人が来た場合、どうすべきかを司祭様と打ち合わせることにしたのである。
結局、司祭様も神を冒涜するような行いをする人には、厳しく対処したほうが良いということで意見は一致しました。それからは、スムーズです。サマーサフランでは、最初にその打ち合わせがなかったから、余計混乱したのかもしれない。
しばらく、この国に滞在して腰を落ち着けて、治療に専念することにします。
公爵邸の使用人たちも、ここが安住の地とは思っていないようだが、それぞれ仕事を見つけて働きだしたのである。もう、オフィーリアがお給料の心配をしなくてもいい?
マンゴースプリングでは、聖女様が腰を落ち着け逗留してくださることから、「聖女様」歓迎のパーティにセレモニーなど目白押しである。
治療だけでなく、あちこちの名誉職に抜擢とけっこう忙しいけど、元は、公爵令嬢なので慣れている。
特に舞踏会は大好きで、ダンスが得意で自慢なのである。だから、今度、舞踏会の招待状には正直、ワクワクしているのだ。
何、着て行こうかしら、公爵邸とともに引っ越してきたようなものだから、ドレスはいっぱいある。
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