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7.歓待
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巡礼の旅に、王子様が付き添わられるとは?あまり聞いたことがない話で、婚約していたら別美話だけど、ジェニファーはチャールズのプロポーズを受け入れていない。
チャールズは、確かにイケメンだけど、フィリップよりはマシだというだけで、国の最高をジェニファー任せにしているところが気に食わない。
最初は親切で好感度は高かったが、日を追うにつれ、イケメンだけでは結婚できないということがわかってくる。
イケメンと結婚していいことと言えば、生まれてくる子供がかわいい可能性が高いということだけ。
そのことだけのために一生を棒に振りたくない。好きでもない相手との結婚をするぐらいなら、一生結婚しなくても構わないとさえ思っている。
チャールズ殿下とは馬車を別にしてもらった。煩わしかっただけのことなのに、妙に傷ついた顔をされると困ってしまう。
だって、アカの他人と何日も叔母時空間にいることは耐えられない。アカの他人と言えば、ヴァルナガンドもだけど、こちらは神獣だから、それほど気にならない。天気が良ければ、馬車の屋根の上でゴロゴロしているし、お天気が悪い時は、馬車の中で、これまたゴロゴロしているだけだから。
だいたいヴァルナガンドだけで、馬車の中は、いっぱいになるというのに、王子様が乗り込んでくる余地はない。
チャールズには、内緒にしているが、ヴァルナガンドは、伸び縮みが聞くらしく。ライオンぐらいの大きさから、豆柴位の大きさまで自由自在になる。
だから豆柴位の大きさになってもらえれば、チャールズの乗り込むスペースはある。でも、スペースだけの問題ではない。男の人は嵩が高いから、それだけで威圧感があり、息苦しくなる。
女性なら誰でも一度は感じたことがあると思う。
3週ジャンの場が旅を経て、ようやくバルセロナ国との国境にまで来た。国境には、すでにバルセロナ国の騎士団と教会関係者が待ちかねていてくれた。そこから先は、バルセロナ国で用意してくれた馬車部乗り換え、今夜の宿は鄙びた街の教会で一夜を取ることにしたのだ。
チャールズは王族なので、街一番の高級ホテルで過ごすことになって、その際、「聖女様もぜひ、ご一緒に。」と誘われはしたが、固辞し、カビ臭い教会の一室で泊まることを選んだのだ。
バルセロナ国側は、恐縮しきっていたが、サラシアの教会と大して変わりがなかったので、意外と居心地に関して、文句はない。
教会は、聖女様が泊まることになり、ありったけの食材を調達してくれたことを知り、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。それで、ジェニファーが調理を担当することになり、ヴァルナガンドの大好物の唐揚げを次々に作り、近所の人たちも呼んで、ふるまうことにしたら、大好評で、あっという間に夜が更ける。
翌朝も、近隣の人々は教会に集まり、ジェニファーは大変な人気ぶりに困惑しつつも、内心はとても喜んでいます。
サラシア時代には経験できなかった人々とのふれあいが実現したから。
唐揚げで餌付けしてしまったか?という思いもあったけれど、みんな「聖女様」と慕ってくれるものを無下に帰すこともできず、その場にいた全員に祝福を授けることにする。
するとボロボロの教会がみるみるうちに光を取り戻し、カビ臭かった空気までもが清浄な空気へと変わっていく。
その場にいた人々は「奇跡だ」と叫び、興奮するが、顔色が良くなった者がほとんどだったため、ジェニファーの馬車が見えなくなるまで手を振り続けてくれたことは、ジェニファーにとって、生まれて初めての経験で、胸が熱くなるほどの感激を経験する。
「やっぱり巡礼の旅に出て、よかったわ。」
ヴァルナガンドは、猫ぐらいの大きさになって、ジェニファーの膝の上で、
「そうだろ。そうだろ。聖女様はもっとアクティヴなものだ。人々に幸福を授けまわるのが聖女様の役目だからな。」
「そうね。そういうものなのね。今まではサラシアでは、教会に閉じこもってばかりいて、珠の外出の機会と言えば、お城にフィリップと会う時だけ。本当は、会いたくないのに、その機会が夢みたいに楽しく思えて、でも、あれは愛でも何でもなかった。ただ、外の空気を吸いたくなっただけだってこと、今ならわかるわ。そして、アンドロメダでも、そう。やっとチャールズ殿下が教会をたててくださり、ホッとしたのもつかの間、しょっちゅう干渉されて、うんざりしていたもの。」
今から思えば、よく嵩が高いという理由だけで、チャールズと馬車を別々にしてもらって、清々しているけど、それが不思議と通ったことはありがたいことだと思う。
チャールズは、確かにイケメンだけど、フィリップよりはマシだというだけで、国の最高をジェニファー任せにしているところが気に食わない。
最初は親切で好感度は高かったが、日を追うにつれ、イケメンだけでは結婚できないということがわかってくる。
イケメンと結婚していいことと言えば、生まれてくる子供がかわいい可能性が高いということだけ。
そのことだけのために一生を棒に振りたくない。好きでもない相手との結婚をするぐらいなら、一生結婚しなくても構わないとさえ思っている。
チャールズ殿下とは馬車を別にしてもらった。煩わしかっただけのことなのに、妙に傷ついた顔をされると困ってしまう。
だって、アカの他人と何日も叔母時空間にいることは耐えられない。アカの他人と言えば、ヴァルナガンドもだけど、こちらは神獣だから、それほど気にならない。天気が良ければ、馬車の屋根の上でゴロゴロしているし、お天気が悪い時は、馬車の中で、これまたゴロゴロしているだけだから。
だいたいヴァルナガンドだけで、馬車の中は、いっぱいになるというのに、王子様が乗り込んでくる余地はない。
チャールズには、内緒にしているが、ヴァルナガンドは、伸び縮みが聞くらしく。ライオンぐらいの大きさから、豆柴位の大きさまで自由自在になる。
だから豆柴位の大きさになってもらえれば、チャールズの乗り込むスペースはある。でも、スペースだけの問題ではない。男の人は嵩が高いから、それだけで威圧感があり、息苦しくなる。
女性なら誰でも一度は感じたことがあると思う。
3週ジャンの場が旅を経て、ようやくバルセロナ国との国境にまで来た。国境には、すでにバルセロナ国の騎士団と教会関係者が待ちかねていてくれた。そこから先は、バルセロナ国で用意してくれた馬車部乗り換え、今夜の宿は鄙びた街の教会で一夜を取ることにしたのだ。
チャールズは王族なので、街一番の高級ホテルで過ごすことになって、その際、「聖女様もぜひ、ご一緒に。」と誘われはしたが、固辞し、カビ臭い教会の一室で泊まることを選んだのだ。
バルセロナ国側は、恐縮しきっていたが、サラシアの教会と大して変わりがなかったので、意外と居心地に関して、文句はない。
教会は、聖女様が泊まることになり、ありったけの食材を調達してくれたことを知り、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。それで、ジェニファーが調理を担当することになり、ヴァルナガンドの大好物の唐揚げを次々に作り、近所の人たちも呼んで、ふるまうことにしたら、大好評で、あっという間に夜が更ける。
翌朝も、近隣の人々は教会に集まり、ジェニファーは大変な人気ぶりに困惑しつつも、内心はとても喜んでいます。
サラシア時代には経験できなかった人々とのふれあいが実現したから。
唐揚げで餌付けしてしまったか?という思いもあったけれど、みんな「聖女様」と慕ってくれるものを無下に帰すこともできず、その場にいた全員に祝福を授けることにする。
するとボロボロの教会がみるみるうちに光を取り戻し、カビ臭かった空気までもが清浄な空気へと変わっていく。
その場にいた人々は「奇跡だ」と叫び、興奮するが、顔色が良くなった者がほとんどだったため、ジェニファーの馬車が見えなくなるまで手を振り続けてくれたことは、ジェニファーにとって、生まれて初めての経験で、胸が熱くなるほどの感激を経験する。
「やっぱり巡礼の旅に出て、よかったわ。」
ヴァルナガンドは、猫ぐらいの大きさになって、ジェニファーの膝の上で、
「そうだろ。そうだろ。聖女様はもっとアクティヴなものだ。人々に幸福を授けまわるのが聖女様の役目だからな。」
「そうね。そういうものなのね。今まではサラシアでは、教会に閉じこもってばかりいて、珠の外出の機会と言えば、お城にフィリップと会う時だけ。本当は、会いたくないのに、その機会が夢みたいに楽しく思えて、でも、あれは愛でも何でもなかった。ただ、外の空気を吸いたくなっただけだってこと、今ならわかるわ。そして、アンドロメダでも、そう。やっとチャールズ殿下が教会をたててくださり、ホッとしたのもつかの間、しょっちゅう干渉されて、うんざりしていたもの。」
今から思えば、よく嵩が高いという理由だけで、チャールズと馬車を別々にしてもらって、清々しているけど、それが不思議と通ったことはありがたいことだと思う。
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