4 / 18
4 カレーライスとマカロン
しおりを挟む
今日は何を作ろうかしら?
実は、今日のメニューはもう決めているのである。今日はカレーライスと肉じゃが、途中まで作り方は一緒、味付けが違うだけだからジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、肉を適当な大きさに切っておく。肉はあらかじめアク抜きをするところがミルフィーユ風である。
それともう一品作るのが、トマトカレーである。トマトの水分だけでカレーを煮込むのである。
どちらのカレーも前世の子供が大好きであったカレーだ。昨日のとんかつの残りをトッピングして、カツカレーにしてもいいだろうな。
昨日の旅人ディヴィッド様だったかしら、いつもお昼ごろに来られるのね。昨日、お借りしていたハンカチを洗っていて、綺麗にラッピングして返すことにしている。
まかないのカレーうどんをお出しして、ハンカチを返すことにした。
ディヴィッド様は、昨日飲んだコーヒーをいたく気に入られて、今日は、旅人仲間も連れてこられていた。
「このコーヒーという飲み物が絶品でさ、くせになるわ。」
そういえば、前世でもカフェイン中毒というのがあったような気がする。昨日の今日では、まだ中毒にはならないであろう。過剰摂取すると死ぬ場合もあるから注意が必要である。
そして、どうでもよいまたくだらない話とお菓子を出して、コーヒーを飲む。ミルフィーユはコーヒー派なのである。前世の記憶を思い出した途端、コーヒーしか飲まなくなった。なんか、紅茶だと物足りないような気がする。姉には、内緒だけど。
姉の今度のお茶会でのお菓子を大量注文されているから、早めにこしらえなければならないのだけど、まぁチョコレート(ショコラティエ)も、日持ちするから、ぼちぼち作っています。シュークリームは、皮だけは先に焼いているけど、カスタードクリームが日持ちしないから、当たれば怖いから、ほとんど卵だから鮮度が命です!あと、マカロン、めんどくさいから出来合いを買おうか?
それとも前世息子が欲しがったマカロンができるおもちゃで作ろうか、今思案中である。ハンドミキサーがあれば、簡単にできるのだけど、なんか今そう思っただけで、ハンドミキサーが降ってきた。ディヴィッド様は驚かれて、「女神の加護か?」と言われていたけど、よくわからない。
仕方なく、せっかくハンドミキサーが手に入ったので自作するとしようか?メレンゲの泡立てはハンドミキサーがあるのとないのと、全然時間的に違うから。
マカロンも日持ちがしないから、前日に1000個作れるかどうかわからない。外側だけ先に焼いておくことにしよう。
「何か悩み事か?さっきから百面相しているように見えるが?」
「今度、姉の主催のお茶会にお菓子を納品するように頼まれているのだけど、ショコラティエはできているがマカロンをどうしようかと考えていたのよ。ハンドミキサーが手に入ったから、自作しようかと思って。」
「それでは、私がお手伝いしましょうか?あ!はじめまして、ディヴィッドの友人で、アントニオと申します。アントンと呼んでください。少しぐらいは、料理できます。」
「そう、はじめまして、助かりますけど、いいのかしら?せっかくのご旅行だというのに。」
「「そんなこといいのです。」」
「え?」
「こんな変わった料理が食べられるのですから。」
「はあ、……それでは手を洗ってください。」
「では、まずこの粉(アーモンドパウダー)をふるいにかけてください。次にお湯を沸かして、湯せんに掛けます。」
面白そうなので、ディヴィッド様もお手伝いしてくださる。今日、やるのは皮だけ外側だけ焼くのだけど、大量に焼けたら、お土産用として持って帰ってもらうつもりです。
メレンゲに砂糖を混ぜ、湯せんにしながらハンドミキサーで思い切り混ぜる。食紅を入れるものと入れないものの二つを作る。
メレンゲが完成したら、湯せんから外して、ボウルにうつしアーモンドパウダーを混ぜる。
よく混ざったら、絞り袋に入れて、天板に3センチぐらいずつ丸形になるように絞り出す。
オーブンで最初1分焼いて、様子見して、その後低温で10分ぐらい焼く。焼きあがったら4分間そのままにする。
天板を取り出し、冷えるまで待つ。これを1000個分、ひたすら作る。
手分けして、作ったら、あっという間に1000個以上の外側が焼けた。
あとは当日、中身のクリームを入れたら完成である。
せっかくなので、ディヴィッド様とアントン様に生クリームを入れた完成品を食べてもらうことにしたのである。
「すっげー!こんなうまいお菓子初めて食べたよ。これが、俺が作ったものとは……思えないぐらい美味しいよ。」
「これは美味しすぎる!子供でも大人でも大好物になるだろう。」
そうなんですよ。前世の息子の大好物、デパ地下で買ったら1個400円~500円するという代物、業務スーパーで買ったらフランス製で100円ぐらい。なんでや!なんでこんな値段違うんや!と怒りたくなる代物です。(すみません。京都弁です。)
マカロン作りに夢中になっていたら、もうこんな時間!という時間になっていて、そろそろお客様がみえるころ、今日はまかないでカレーうどんを食べたから、肉じゃがと清酒を召し上がって旅人のお二人は帰って行かれました。
その後、また王宮の仕事帰りの騎士、衛兵がたくさん来てくださいまして今日も平穏な一日が終わりました。
実は、今日のメニューはもう決めているのである。今日はカレーライスと肉じゃが、途中まで作り方は一緒、味付けが違うだけだからジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、肉を適当な大きさに切っておく。肉はあらかじめアク抜きをするところがミルフィーユ風である。
それともう一品作るのが、トマトカレーである。トマトの水分だけでカレーを煮込むのである。
どちらのカレーも前世の子供が大好きであったカレーだ。昨日のとんかつの残りをトッピングして、カツカレーにしてもいいだろうな。
昨日の旅人ディヴィッド様だったかしら、いつもお昼ごろに来られるのね。昨日、お借りしていたハンカチを洗っていて、綺麗にラッピングして返すことにしている。
まかないのカレーうどんをお出しして、ハンカチを返すことにした。
ディヴィッド様は、昨日飲んだコーヒーをいたく気に入られて、今日は、旅人仲間も連れてこられていた。
「このコーヒーという飲み物が絶品でさ、くせになるわ。」
そういえば、前世でもカフェイン中毒というのがあったような気がする。昨日の今日では、まだ中毒にはならないであろう。過剰摂取すると死ぬ場合もあるから注意が必要である。
そして、どうでもよいまたくだらない話とお菓子を出して、コーヒーを飲む。ミルフィーユはコーヒー派なのである。前世の記憶を思い出した途端、コーヒーしか飲まなくなった。なんか、紅茶だと物足りないような気がする。姉には、内緒だけど。
姉の今度のお茶会でのお菓子を大量注文されているから、早めにこしらえなければならないのだけど、まぁチョコレート(ショコラティエ)も、日持ちするから、ぼちぼち作っています。シュークリームは、皮だけは先に焼いているけど、カスタードクリームが日持ちしないから、当たれば怖いから、ほとんど卵だから鮮度が命です!あと、マカロン、めんどくさいから出来合いを買おうか?
それとも前世息子が欲しがったマカロンができるおもちゃで作ろうか、今思案中である。ハンドミキサーがあれば、簡単にできるのだけど、なんか今そう思っただけで、ハンドミキサーが降ってきた。ディヴィッド様は驚かれて、「女神の加護か?」と言われていたけど、よくわからない。
仕方なく、せっかくハンドミキサーが手に入ったので自作するとしようか?メレンゲの泡立てはハンドミキサーがあるのとないのと、全然時間的に違うから。
マカロンも日持ちがしないから、前日に1000個作れるかどうかわからない。外側だけ先に焼いておくことにしよう。
「何か悩み事か?さっきから百面相しているように見えるが?」
「今度、姉の主催のお茶会にお菓子を納品するように頼まれているのだけど、ショコラティエはできているがマカロンをどうしようかと考えていたのよ。ハンドミキサーが手に入ったから、自作しようかと思って。」
「それでは、私がお手伝いしましょうか?あ!はじめまして、ディヴィッドの友人で、アントニオと申します。アントンと呼んでください。少しぐらいは、料理できます。」
「そう、はじめまして、助かりますけど、いいのかしら?せっかくのご旅行だというのに。」
「「そんなこといいのです。」」
「え?」
「こんな変わった料理が食べられるのですから。」
「はあ、……それでは手を洗ってください。」
「では、まずこの粉(アーモンドパウダー)をふるいにかけてください。次にお湯を沸かして、湯せんに掛けます。」
面白そうなので、ディヴィッド様もお手伝いしてくださる。今日、やるのは皮だけ外側だけ焼くのだけど、大量に焼けたら、お土産用として持って帰ってもらうつもりです。
メレンゲに砂糖を混ぜ、湯せんにしながらハンドミキサーで思い切り混ぜる。食紅を入れるものと入れないものの二つを作る。
メレンゲが完成したら、湯せんから外して、ボウルにうつしアーモンドパウダーを混ぜる。
よく混ざったら、絞り袋に入れて、天板に3センチぐらいずつ丸形になるように絞り出す。
オーブンで最初1分焼いて、様子見して、その後低温で10分ぐらい焼く。焼きあがったら4分間そのままにする。
天板を取り出し、冷えるまで待つ。これを1000個分、ひたすら作る。
手分けして、作ったら、あっという間に1000個以上の外側が焼けた。
あとは当日、中身のクリームを入れたら完成である。
せっかくなので、ディヴィッド様とアントン様に生クリームを入れた完成品を食べてもらうことにしたのである。
「すっげー!こんなうまいお菓子初めて食べたよ。これが、俺が作ったものとは……思えないぐらい美味しいよ。」
「これは美味しすぎる!子供でも大人でも大好物になるだろう。」
そうなんですよ。前世の息子の大好物、デパ地下で買ったら1個400円~500円するという代物、業務スーパーで買ったらフランス製で100円ぐらい。なんでや!なんでこんな値段違うんや!と怒りたくなる代物です。(すみません。京都弁です。)
マカロン作りに夢中になっていたら、もうこんな時間!という時間になっていて、そろそろお客様がみえるころ、今日はまかないでカレーうどんを食べたから、肉じゃがと清酒を召し上がって旅人のお二人は帰って行かれました。
その後、また王宮の仕事帰りの騎士、衛兵がたくさん来てくださいまして今日も平穏な一日が終わりました。
1
あなたにおすすめの小説
白い結婚に、猶予を。――冷徹公爵と選び続ける夫婦の話
鷹 綾
恋愛
婚約者である王子から「有能すぎる」と切り捨てられた令嬢エテルナ。
彼女が選んだ新たな居場所は、冷徹と噂される公爵セーブルとの白い結婚だった。
干渉しない。触れない。期待しない。
それは、互いを守るための合理的な選択だったはずなのに――
静かな日常の中で、二人は少しずつ「選び続けている関係」へと変わっていく。
越えない一線に名前を付け、それを“猶予”と呼ぶ二人。
壊すより、急ぐより、今日も隣にいることを選ぶ。
これは、激情ではなく、
確かな意思で育つ夫婦の物語。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】
繭
恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。
果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?
地味な私では退屈だったのでしょう? 最強聖騎士団長の溺愛妃になったので、元婚約者はどうぞお好きに
有賀冬馬
恋愛
「君と一緒にいると退屈だ」――そう言って、婚約者の伯爵令息カイル様は、私を捨てた。
選んだのは、華やかで社交的な公爵令嬢。
地味で無口な私には、誰も見向きもしない……そう思っていたのに。
失意のまま辺境へ向かった私が出会ったのは、偶然にも国中の騎士の頂点に立つ、最強の聖騎士団長でした。
「君は、僕にとってかけがえのない存在だ」
彼の優しさに触れ、私の世界は色づき始める。
そして、私は彼の正妃として王都へ……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる