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8直談判
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紗々は、前世にも増して忙しい。
理由は美人になったから、ゴルフ接待に引っ張りまわされている。
見た目が良くなっただけで、中身は何も変わっていないというのに。
今までは、というか前世までは休日は休日として存在していたのに、大型連休が明けてからと言うもの、土日は完全に接待でつぶれた。枕営業はしていない。と言うことだけ。
鈴に対して、思うように復讐ができなくなり、こんなはずではなかったと後悔する。
復讐のだいご味は、自分の手でするから面白いもの。誰かが代わりにしてくれても面白くもなんともないのだ。
と言うわけで、今
「ええー!もうお試し期間の1週間は、とっくに過ぎてるけど?」
「だって、このカラダは神様の創造物なんでしょう?このカラダのせいで、忙しくなっているんだから、少しぐらい便宜を図ってもらっても罰は当たらないと思うわよ?」
「うーん。でもね。今まで前例がないから……その……。つまり……。」
「前例がないなら、作ればいいだけのことでしょ?官僚の答弁みたいなことを言って。」
「わかったわ。わたくしの一存ではできないから、上席の神様にお伺いを立ててくるから少し、ここで待っててね。」
あらためて店内を見回すと、実にいろいろなカラダがそろっている。15歳~25歳ぐらいまでの若い人のカラダばかりだ。年寄りに転生しても、先が知れてると言うところか?
とうことは?紗々は、桜と同い年だと思っていたけど、ひょっとすれば、もっと若いのかもしれない。でもキャリア官僚だから最低でも22歳、どこかの部署から転任してきたという設定だったから23歳?
しばらく待つと、ステファニー様が戻ってこられる。
「わかったわ。時を戻すことはできないけれど、アナタの家族設定を事務次官のお嬢さんと言うことにしてあげるわね。時間のお嬢さんを接待ゴルフさせるなんて、遠慮があってできないから。それと鈴のことは自業自得なので、諦めてください。元旦那の処分はどうする?色仕掛けで誘って、捨てる?」
「最初は、そうしようかと思ったけど、職場の裁定が3か月の営業停止処分になったから、もう男としての価値はないように思うわ。それに殺人犯を妻にしてしまったわけだし。」
「そうよね。だったら別のターゲットを見つけて、その人を社会的に葬るって言うのはどう?」
「そんな人、心当たりがないわ。」
「これから出てくるわよ。事務次官のお嬢様なのだもの。アナタと結婚して、次官の婿に収まり、出世を狙うって輩が必ず、出てくる。でもその人にアナタの前世のような恋人がいたら、どうする?恋人を泣かせるような男を受け入れられる?」
「無理。」
「だから、その恋人に代わってアナタが復讐するってのは、どう?」
「それは、……所詮、他人事だから、それなら次官の娘でなく元の紗々のままでいいです。」
「それでも同じことが起こるわ。飛び切り美人ではなくても、アナタは誰から見ても魅力的な女性だから。それなら、いっそのこと次官の娘になったほうがいろいろ権力を使えるだけマシってものよ。」
「でも、次官にお嬢様なんて、いなかったわ。」
「だから、作るの。その設定にすれば、少なくとも休日は休日らしく過ごせる。」
「でも復讐はできない。普通に、恋愛結婚したいだけなのよ。次官のお嬢さんになったら、さっきも言われたように、出世をもくろんで近づいてくる男がいることぐらい私でもわかるわ。裕介が結婚してくれたのは、桜の中身が良かったから、桜の性格が良かったから結婚してくれたんだと思う。でも、鈴の美貌の前では無力だった。」
「だから、性格は桜、美貌は神の創造物になれば、無敵よ。」
「よくわからないけど、今度こそ幸せになれるかしら?昔の恋人から刺される、なんてことない?」
「なれるわよ。アナタには神様がくっついているのだから。刺されても決して、死なないカラダだから大丈夫よ。」
「でも、痛いのはヤダ。」
理由は美人になったから、ゴルフ接待に引っ張りまわされている。
見た目が良くなっただけで、中身は何も変わっていないというのに。
今までは、というか前世までは休日は休日として存在していたのに、大型連休が明けてからと言うもの、土日は完全に接待でつぶれた。枕営業はしていない。と言うことだけ。
鈴に対して、思うように復讐ができなくなり、こんなはずではなかったと後悔する。
復讐のだいご味は、自分の手でするから面白いもの。誰かが代わりにしてくれても面白くもなんともないのだ。
と言うわけで、今
「ええー!もうお試し期間の1週間は、とっくに過ぎてるけど?」
「だって、このカラダは神様の創造物なんでしょう?このカラダのせいで、忙しくなっているんだから、少しぐらい便宜を図ってもらっても罰は当たらないと思うわよ?」
「うーん。でもね。今まで前例がないから……その……。つまり……。」
「前例がないなら、作ればいいだけのことでしょ?官僚の答弁みたいなことを言って。」
「わかったわ。わたくしの一存ではできないから、上席の神様にお伺いを立ててくるから少し、ここで待っててね。」
あらためて店内を見回すと、実にいろいろなカラダがそろっている。15歳~25歳ぐらいまでの若い人のカラダばかりだ。年寄りに転生しても、先が知れてると言うところか?
とうことは?紗々は、桜と同い年だと思っていたけど、ひょっとすれば、もっと若いのかもしれない。でもキャリア官僚だから最低でも22歳、どこかの部署から転任してきたという設定だったから23歳?
しばらく待つと、ステファニー様が戻ってこられる。
「わかったわ。時を戻すことはできないけれど、アナタの家族設定を事務次官のお嬢さんと言うことにしてあげるわね。時間のお嬢さんを接待ゴルフさせるなんて、遠慮があってできないから。それと鈴のことは自業自得なので、諦めてください。元旦那の処分はどうする?色仕掛けで誘って、捨てる?」
「最初は、そうしようかと思ったけど、職場の裁定が3か月の営業停止処分になったから、もう男としての価値はないように思うわ。それに殺人犯を妻にしてしまったわけだし。」
「そうよね。だったら別のターゲットを見つけて、その人を社会的に葬るって言うのはどう?」
「そんな人、心当たりがないわ。」
「これから出てくるわよ。事務次官のお嬢様なのだもの。アナタと結婚して、次官の婿に収まり、出世を狙うって輩が必ず、出てくる。でもその人にアナタの前世のような恋人がいたら、どうする?恋人を泣かせるような男を受け入れられる?」
「無理。」
「だから、その恋人に代わってアナタが復讐するってのは、どう?」
「それは、……所詮、他人事だから、それなら次官の娘でなく元の紗々のままでいいです。」
「それでも同じことが起こるわ。飛び切り美人ではなくても、アナタは誰から見ても魅力的な女性だから。それなら、いっそのこと次官の娘になったほうがいろいろ権力を使えるだけマシってものよ。」
「でも、次官にお嬢様なんて、いなかったわ。」
「だから、作るの。その設定にすれば、少なくとも休日は休日らしく過ごせる。」
「でも復讐はできない。普通に、恋愛結婚したいだけなのよ。次官のお嬢さんになったら、さっきも言われたように、出世をもくろんで近づいてくる男がいることぐらい私でもわかるわ。裕介が結婚してくれたのは、桜の中身が良かったから、桜の性格が良かったから結婚してくれたんだと思う。でも、鈴の美貌の前では無力だった。」
「だから、性格は桜、美貌は神の創造物になれば、無敵よ。」
「よくわからないけど、今度こそ幸せになれるかしら?昔の恋人から刺される、なんてことない?」
「なれるわよ。アナタには神様がくっついているのだから。刺されても決して、死なないカラダだから大丈夫よ。」
「でも、痛いのはヤダ。」
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