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11砂の城
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佐倉鈴の事件は、検察も懲役15年は甘すぎると控訴したものだ。
お父様が言われた意味が分かったような気がする。
15年で刑に服せば、ここまで注目されることはなく、普通の生活を送れただろう。ブスだから、邪魔だからと言う理由だけでキャリア官僚を殺してしまった意味が分からないのは、頭の中は高校生のままだから。
到底許されることではないけれど、自分にとって気に入らない相手を排除したいという気持ちは子供の頃には誰にでも経験したことがある。下に弟か妹が生まれるときに、赤ちゃん返りをするも、その一例。
それを大人になって、赤ちゃん返りをしても誰も許してくれない。中学生や高校生でイジメをする奴は、大人になり切れないガキがすることで、場合によれば、ハラスメントが横行している会社もある。こんな会社はつぶれてしまえばいい、と本気で思う。
検察は懲役23年を求刑し、懲役18年の判決が出てしまう。
鈴は、弁護士の言われる通り控訴しただけで、また懲役刑が3年も長くなったことにいら立ちを隠せない。接見室で、弁護士に暴言を吐き、弁護人を解任する。
AV「悪女の喘ぎ」は第2弾、第3弾と発売され、飛ぶように売れていることも、裁判に影響を及ぼしている。
鈴の懐を肥やしているわけではないのだが、人殺しをしておきながら、お金儲けをしていることへの反感を買っている。
新しい国選弁護人は、情状酌量を求め、罪を認めるように促すが、鈴は聞く耳を持たない。
相変わらず、「無罪」を主張して、最高裁へ上告する。
一方、紗々は、前世でしたことがないことにチャレンジ中で、前世は山登りで、登山、ハイキング、スキーをしていたから今世は山ではなく、海。マリンスポーツに挑戦中なのだ。手始めにスキューバダイビング。
ヨットやクルージングもしたいから、船舶免許を取るつもりでいる。
前世は、顔はブスでも色白だったけど、今世は日焼けを心配している。でもスーツのおかげで、思ったよりも紫外線に当たらず、日焼け止めを用いるまでもない。
やっぱり神様の創造物だからかもしれない。
そんな時、復讐のため、通った居酒屋の店主と海でバッタリ会う。
なんでも店主は、昼間はインストラクターの仕事をして、夕方から店をしているとか?よくカラダがもつものだと感心していると、
「いやぁ、貧乏ヒマなしってとこっすよ。それより店のお客さんが逮捕されて、ビックリしました。あの奥さんがまさか、人殺しだとは思わなかったよ。誰かの不幸の上に成り立っている幸せなんて、砂の城と同じだね。」
そうだ。離婚条件に、桜の不幸の上に成り立っている離婚なのだから、と裕介にきつく言い渡したにもかかわらず、あの男はどう思っていたのだろう。
まだ鈴が、佐倉の苗字を名乗っていることから考えて、離婚はしていないのだろう。
一生かかっても、二人で桜への贖罪をするべきだと思う。
久しぶりに前世の両親に会いたくなったので、帰りに寄ってみることにした。
「ただいま。」と言って帰るべきか?それとも桜の後輩役人として、訪問すべきか?家の前まで来て、悩む。
すると、いきなり玄関の引き戸が開き、祖母が顔を出した。
「あら、いらっしゃい。今日はね、なんだか桜ちゃんが帰ってくるような気がしたのよ。」
ごく自然に、孫として迎え入れてくれたことはありがたかった。
お父様が言われた意味が分かったような気がする。
15年で刑に服せば、ここまで注目されることはなく、普通の生活を送れただろう。ブスだから、邪魔だからと言う理由だけでキャリア官僚を殺してしまった意味が分からないのは、頭の中は高校生のままだから。
到底許されることではないけれど、自分にとって気に入らない相手を排除したいという気持ちは子供の頃には誰にでも経験したことがある。下に弟か妹が生まれるときに、赤ちゃん返りをするも、その一例。
それを大人になって、赤ちゃん返りをしても誰も許してくれない。中学生や高校生でイジメをする奴は、大人になり切れないガキがすることで、場合によれば、ハラスメントが横行している会社もある。こんな会社はつぶれてしまえばいい、と本気で思う。
検察は懲役23年を求刑し、懲役18年の判決が出てしまう。
鈴は、弁護士の言われる通り控訴しただけで、また懲役刑が3年も長くなったことにいら立ちを隠せない。接見室で、弁護士に暴言を吐き、弁護人を解任する。
AV「悪女の喘ぎ」は第2弾、第3弾と発売され、飛ぶように売れていることも、裁判に影響を及ぼしている。
鈴の懐を肥やしているわけではないのだが、人殺しをしておきながら、お金儲けをしていることへの反感を買っている。
新しい国選弁護人は、情状酌量を求め、罪を認めるように促すが、鈴は聞く耳を持たない。
相変わらず、「無罪」を主張して、最高裁へ上告する。
一方、紗々は、前世でしたことがないことにチャレンジ中で、前世は山登りで、登山、ハイキング、スキーをしていたから今世は山ではなく、海。マリンスポーツに挑戦中なのだ。手始めにスキューバダイビング。
ヨットやクルージングもしたいから、船舶免許を取るつもりでいる。
前世は、顔はブスでも色白だったけど、今世は日焼けを心配している。でもスーツのおかげで、思ったよりも紫外線に当たらず、日焼け止めを用いるまでもない。
やっぱり神様の創造物だからかもしれない。
そんな時、復讐のため、通った居酒屋の店主と海でバッタリ会う。
なんでも店主は、昼間はインストラクターの仕事をして、夕方から店をしているとか?よくカラダがもつものだと感心していると、
「いやぁ、貧乏ヒマなしってとこっすよ。それより店のお客さんが逮捕されて、ビックリしました。あの奥さんがまさか、人殺しだとは思わなかったよ。誰かの不幸の上に成り立っている幸せなんて、砂の城と同じだね。」
そうだ。離婚条件に、桜の不幸の上に成り立っている離婚なのだから、と裕介にきつく言い渡したにもかかわらず、あの男はどう思っていたのだろう。
まだ鈴が、佐倉の苗字を名乗っていることから考えて、離婚はしていないのだろう。
一生かかっても、二人で桜への贖罪をするべきだと思う。
久しぶりに前世の両親に会いたくなったので、帰りに寄ってみることにした。
「ただいま。」と言って帰るべきか?それとも桜の後輩役人として、訪問すべきか?家の前まで来て、悩む。
すると、いきなり玄関の引き戸が開き、祖母が顔を出した。
「あら、いらっしゃい。今日はね、なんだか桜ちゃんが帰ってくるような気がしたのよ。」
ごく自然に、孫として迎え入れてくれたことはありがたかった。
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