ブスを粗末にするな!~顔だけ美人のイジメ主犯格に旦那を寝取られ、復讐に燃える元妻

青の雀

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21リベンジ

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 紗々は、自室のタンスの前で迷っている。おばあちゃんが、

 「桜ちゃんにピッタリの男性を見つけてあげたから、オシャレして行きなさい。」

 待ち合わせ場所は、イタリアンの「グレーハウンド」というお店で、半年前にopenしたばかりの評判のお店。

 一度、行ってみたかったのよ。だから、おばあちゃんの紹介といえども、お見合いもどきのものは敬遠していたけれど、話題のお店で食事できるのなら、と半ばウキウキ気分で洋服を選んでいる。

 やっぱり、こういう時は、ワンピースよね。淡いピンク色のワンピースは、可愛らしくも清楚にも見えるから。

 第1印象が大事だもの。おばあちゃんの紹介って、どんな男性だろう。昔の教え子だったりして?

 久しぶりに、新しい出会いがあるかも?とときめく。

 ステファニー女神様も、仰っていた通り、良い人ができたら、迷わずにその男性の胸に飛び込むつもりでいる。

 でもね。「帯に短し、たすきに長し。」

 なかなか良い男性との出会いがないから、おばあちゃんの紹介はありがたい。

 前世の結婚の時は、よくわからなかったけど、紹介で知り合う男性は、お見合いと同じで「結婚を前提」としたお付き合いで、当然、婚前交渉がともなう。

 だから一人の女性として、この男性に抱かれてもいいかどうかで決める。

 そんなの一回会ったぐらいでは、決められない。

 だから何度か、食事をしてデートを重ねた後、話を進めるかどうかを決める。

 実際のところ、お見合いの場合は、婚前交渉がともなわないことが多い。なぜなら、家同士の結びつきのほうが色濃く、もし婚約成立後に何らかの不都合が生じ、結婚が成立しなかった場合、結納金の3倍返しどころでは、話が済まない場合がある。

 処女の娘の純潔を奪い、「さようなら」というわけにはいかない。

 ところが、誰かからの紹介は、恋愛結婚のほうが色濃く、婚前交渉の有無は、当事者間の合意によるものだから、慎重にコトを進めなければ、後悔することになる。

 紗々のカラダとしては、処女だけど、前世の記憶があるから、処女性にこだわりがないわけではない。

 だから相手が未婚の男性だから、というだけでは付き合えない。

 あれこれ悩んでいるうちに、もう「グレーハウンド」のお店の前まで来てしまった。

 ドアを開けると、すぐお店の人が来てくれたので、「予約の佐藤です。」と言うと、すぐに個室へ案内してくれる。

 もう先客が一人いたようだけど、祖母の姿はない。

 どうせ、気を利かせてくれたつもりなのだろう。

 「初めまして、榊紗々と申します。」

 お相手は、着席を促してきたので、座ると目の前に、お見合い相手の小田原博さんがそこにいる!

 「え……と、これはどういう?」

 「先日、佐藤さんが特殊詐欺に引っかかられそうになったところを、偶然居合わせて、助けたところ、お礼がしたいと申されまして、私はただ職務を全うしただけなのですが、どうしてもと申されまして、この店を予約いたしました。」

 「そうだったのですね。おばあちゃんったら、……祖母を助けていただいて、ありがとうございました。それに、過日は、些細なことでお見合いをお断りしてしまい、ごめんなさい。」

 「それはもう……。私も言葉が足らず、紗々さんに不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。これをきっかけに仕切り直しと言うことで、よろしいでしょうか?」

 「はい。」

 小田原博をマジマジと見ると、なかなか偉丈夫な体つき、裕介とは違い、何かスポーツでもされていたのか?あの逞しいカラダに抱かれてみたいと、本能が疼く。

 それになかなかのイケメン、育ちよし、家柄よし、正義を愛する警察官僚で帝大卒、これ以上の優良物件は、そうそういない。

 「え?本当に?ありがとうございます。」

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