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前々世
29.メロディーナ
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「それじゃ、また人間界に行ってくるわね」
「ったく、どうして、そんなに人間の男がいいのかわからないわ」
「アフロディーテも、行けばわかるわよ」
アイリーンは、神界で仲良しのアフロディーテとおしゃべりに興じていながら、人間界へ行く準備をしている。
人間界に行く目的は、何といっても男漁り、でもそれだけではなく瘴気が増えてしまったら、その浄化に行く。
瘴気をほっておくと、流行り病が増え、作物も十分に育たない、そればかりか邪悪な魔物を発生しやすくなる原因になりかねない。だから定期的に人間界へ下りて、瘴気が起こさないように、増えすぎないように管理しているのである。
人間界の苦しみで生老病死のうち、生と老と死は誰も避けることができない平等の存在であるが、病だけは、加齢と共に免疫力の低下をのぞいては、神の努力で何とか抑え込むことができるもの。
それで空気の管理に度々、人間界へ下りて、いわばやむを得ない事情で必要な行為をしているに過ぎないのであるが、神の姿そのままに、人間界へ下りると大騒ぎになってしまうので、人間の女性の姿を借りて、その空気を清浄化しているうちに、たまたま人間の男性と恋に堕ちたことがきっかけで、今や趣味と実益を兼ねて、度々、人間界に舞い降りているのである。
それを他の神は、アイリーンのことをスキモノ呼ばわりしているところが少々癪なのだが、実際、人間の男性の方がイイのだから、言い返せないでいるのも確かなのだ。
「でもね。ないとは思うのだけど、アイリーン自身が女神であることを忘れてしまうのではないかと、そればかりが気がかりなのよ」
「そんな日がくるのかしらね?ありがとう。気をつけるわ。アフロディーテ愛しているわ」
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
アイリーンはアトランティス国の王女として、生まれたメロディーナのカラダに乗り移り、作業を行うことにした。
なぜ、メロディーナのカラダを選んだかと言うと、メロディーナは、余命2日で、今日がその余命宣告の最終日だったから、両親の悲しみは相当なもので、神界から見ていても切なくなるぐらいのものだった。
それでメロディーナが息を引き取る寸前に、アイリーンが乗り移り、突如元気はつらつになるという筋書きを考え、実行に移すことにした。
このメロディーナという娘は、大変なおてんば娘で、そもそも木登りで足を滑らせ落下しなければ、カラダは生まれつき剛健で、でも、打ちどころか悪かったのか?落ち方が悪かったのか?余命宣告されてしまう結果となったのである。
「んん……」
「「「!!!」」」
「おい!なんだか、顔色が良くなったような気がしないか?」
「そう言えば……顔色が!陛下、メロディーナは大丈夫でしょうか?」
「なんとか持ち直してくれれば、いいのだが……」
そこに、急に、アイリーンがパチクリと目を開けたものだから。その場にいる人は信じられない!といった顔をしている。
「おお!神よ、感謝いたします」
「メロディーナ!儂が誰だか、わかるか?」
「お父様……」
「おお!そうだとも、パパだよ。戻ってきてくれてありがとう」
「メロディーナ、ママのこともわかる?」
メロディーナの母は、父のことを押しのけ、メロディーナに顔を近づけてくる。
「もちろんよ。お母様……」
「まあ、なんていい子かしら」
メロディーナの母は、もう涙でグチョグチョになっている。
「もう、木のぼりなんて、しちゃダメよ!」
メロディーナが生き返った途端、もうお小言が始まってしまったけど、それもこれも深い愛情の表れだと思うようにする。
こんなにも、皆から愛されてメロディーナは幸せだったのに、木登りなんかで死んでしまって……さぞかし、無念が残るだろうけど、そこは転生の神様が、すぐ、どこかに生まれ返させてくれるから安心というもの。
ただし、メロディーナとしての行いが良かったら、ということに尽きる。
今よりも社会的地位は下がるかもしれない。経済的にも……必ずしも裕福な家の子として、生まれてこられないかもしれない。容姿も身体的特徴も、ひょっとしたら病弱になるかもしれない。
でも、それはある程度、本人の希望によるところだから、どこに生まれ変われるかなんて、神でもわからない。
「ったく、どうして、そんなに人間の男がいいのかわからないわ」
「アフロディーテも、行けばわかるわよ」
アイリーンは、神界で仲良しのアフロディーテとおしゃべりに興じていながら、人間界へ行く準備をしている。
人間界に行く目的は、何といっても男漁り、でもそれだけではなく瘴気が増えてしまったら、その浄化に行く。
瘴気をほっておくと、流行り病が増え、作物も十分に育たない、そればかりか邪悪な魔物を発生しやすくなる原因になりかねない。だから定期的に人間界へ下りて、瘴気が起こさないように、増えすぎないように管理しているのである。
人間界の苦しみで生老病死のうち、生と老と死は誰も避けることができない平等の存在であるが、病だけは、加齢と共に免疫力の低下をのぞいては、神の努力で何とか抑え込むことができるもの。
それで空気の管理に度々、人間界へ下りて、いわばやむを得ない事情で必要な行為をしているに過ぎないのであるが、神の姿そのままに、人間界へ下りると大騒ぎになってしまうので、人間の女性の姿を借りて、その空気を清浄化しているうちに、たまたま人間の男性と恋に堕ちたことがきっかけで、今や趣味と実益を兼ねて、度々、人間界に舞い降りているのである。
それを他の神は、アイリーンのことをスキモノ呼ばわりしているところが少々癪なのだが、実際、人間の男性の方がイイのだから、言い返せないでいるのも確かなのだ。
「でもね。ないとは思うのだけど、アイリーン自身が女神であることを忘れてしまうのではないかと、そればかりが気がかりなのよ」
「そんな日がくるのかしらね?ありがとう。気をつけるわ。アフロディーテ愛しているわ」
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アイリーンはアトランティス国の王女として、生まれたメロディーナのカラダに乗り移り、作業を行うことにした。
なぜ、メロディーナのカラダを選んだかと言うと、メロディーナは、余命2日で、今日がその余命宣告の最終日だったから、両親の悲しみは相当なもので、神界から見ていても切なくなるぐらいのものだった。
それでメロディーナが息を引き取る寸前に、アイリーンが乗り移り、突如元気はつらつになるという筋書きを考え、実行に移すことにした。
このメロディーナという娘は、大変なおてんば娘で、そもそも木登りで足を滑らせ落下しなければ、カラダは生まれつき剛健で、でも、打ちどころか悪かったのか?落ち方が悪かったのか?余命宣告されてしまう結果となったのである。
「んん……」
「「「!!!」」」
「おい!なんだか、顔色が良くなったような気がしないか?」
「そう言えば……顔色が!陛下、メロディーナは大丈夫でしょうか?」
「なんとか持ち直してくれれば、いいのだが……」
そこに、急に、アイリーンがパチクリと目を開けたものだから。その場にいる人は信じられない!といった顔をしている。
「おお!神よ、感謝いたします」
「メロディーナ!儂が誰だか、わかるか?」
「お父様……」
「おお!そうだとも、パパだよ。戻ってきてくれてありがとう」
「メロディーナ、ママのこともわかる?」
メロディーナの母は、父のことを押しのけ、メロディーナに顔を近づけてくる。
「もちろんよ。お母様……」
「まあ、なんていい子かしら」
メロディーナの母は、もう涙でグチョグチョになっている。
「もう、木のぼりなんて、しちゃダメよ!」
メロディーナが生き返った途端、もうお小言が始まってしまったけど、それもこれも深い愛情の表れだと思うようにする。
こんなにも、皆から愛されてメロディーナは幸せだったのに、木登りなんかで死んでしまって……さぞかし、無念が残るだろうけど、そこは転生の神様が、すぐ、どこかに生まれ返させてくれるから安心というもの。
ただし、メロディーナとしての行いが良かったら、ということに尽きる。
今よりも社会的地位は下がるかもしれない。経済的にも……必ずしも裕福な家の子として、生まれてこられないかもしれない。容姿も身体的特徴も、ひょっとしたら病弱になるかもしれない。
でも、それはある程度、本人の希望によるところだから、どこに生まれ変われるかなんて、神でもわからない。
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