1 / 7
1
しおりを挟む
グレジオラ国立学園の卒業記念祝賀パーティでのこと、この学園に入学してから、婚約者は自称聖女様に夢中になり、今日も今日とて、エスコートもしてくださらずに自称聖女様に付きっきりになっている。
「公爵令嬢ゴールデニア・ハーバード、貴様との婚約は今をもってなかったことにさせてもらおう。長きに渡る妃教育大儀であったが、聖女様を学園内で虐めぬいたことは許しがたく、よって国外追放処分とさせてもらう。聖女様と結婚するつもりでいるから、ゴールデニアがいると、聖女様が怖がられるのでな。」
グレジオラ公国の王太子レオナルド13世に高らかに宣言されてしまうのである。
「わたくしが偽聖女を虐める理由などございませんが、どうやらわたくしの尋ね人もこの国にはいないようですし、甘んじて国外追放処分を受け入れましょう。」
「偽聖女だなんて、ひどい!ひどすぎますわ!ゴールデニア様は、私とレオ様の仲を嫉妬して私の教科書を破り捨て、私を階段から突き落とそうとなさったではないですか。」
グレジオラ公国の建国以来、ゴールデニアはレオナルド一世の魂と出会うため何度も生まれ変わってきて幸せな人生を送ってきたのだ。
18年前も同じくして、神界よりレオナルド一世の魂が人間界に生を受けたとの知らせが転生の神より、よこされたので、人間界に再び生まれ変わったのである。
目の前にいるレオナルド13世は、あのレオナルド一世とは、比べ物にならないくらい愚か者で、レオナルド一世様の魂とは、別物であったのだ。
早くレオナルド一世様に会いたい一心で、転生の神から居場所をはっきりと聞き出しておかなかったことが失敗で、うっかりグレジオラに生まれ変わってしまったからである。
公爵令嬢の地位で生まれ変わってきたので、有無も言わさず、王太子殿下レオナルド13世の婚約者として、5歳のときから無理やり妃教育を受けさせられたのである。
生まれた時に、初代のゴールデニアと同じく黄金色の空気を纏っていたことから、両親が初代の女神様にあやかりたいとの願いから、ゴールデニアと名付けられたのである。
「どこにそんな証拠がございますか?あなた様は、魅了魔法を使っておいでではありませんか?魅了魔法などを使う女が聖女であるはずがございません。」
「それをおっしゃるなら、私が偽聖女だということと魅了魔法を使っているとの証拠をお示しくださいませ。」
「よろしいのでございますか?ここで暴露しても?」
男爵令嬢リリアーヌもとい、偽聖女は、自信満々で嘘がバレるわけがないと思っているようだ。
「では、これがあなた様の本当の真実の姿でございます。」
リリアーヌの身体から誰の目にもはっきりとわかる黒い煙が立ち込める。しばらくするとリリアーヌの人間の姿がヒキガエルになると、周りの学生や父兄がどよめく。
そしてゴールデニアは、一瞬の黄金色の閃光ののち、背中に羽根を生やした女神姿で顕現するのである。
「げ!女神だったのかよぉ。バレたなら仕方ない、こいつはもらっていくぜ。」
偽聖女のヒキガエルは、レオナルド13世を咥え、一目散に山に逃げ帰っていく。
「あーあ、行っちゃった。レオナルド様は偽聖女のリリアーヌのことがお好きだったんだから仕方ないわね。」
「「「「「「「「「「女神様!」」」」」」」」」」
気が付くと、卒業パーティにいた全員が跪いている。
「女神様は、我がグレジオラ公国の建国の祖であらせられますのですね?」
「そうよ、グレジオラのお父様とお母様に育てていただいたのよ。当時はまだ公爵だったけど、家の前に捨て子として、いたら両親が、って初代の国王夫妻が拾ってくださったのよ。初代の王妃殿下は、わたくしを崇拝し、御信心いただいていたから、わたくしが選んでグレジオラ公爵邸の前にみなしごとして身をやつして赤子の姿になったのよ。」
「先ほどレオナルド13世が言ったことを取り消したいのです。」
「それには及びません。わたくしはこれからレオナルド一世様の魂を持つ殿方を探しに行かなければなりません。運命の番でございますれば、ご理解くださいませ。」
「そんな……。開国の祖を国外追放処分にすれば、いかなる天罰が下るのでしょうか?」
「まず1000年前にわたくしが自ら張った結界は、すべて消滅いたしますわね。領海と領空に領土、これからは天候不順になります。干ばつ、疫病が蔓延するでしょう。」
「なんとか思いとどまっていただける手立てはございませんでしょうか?」
「仮にも次期国王になるべく王太子が公衆の面前で、わたくしを侮辱し国外追放処分を言い渡したのですから、もはやすべて手遅れとなるでしょう。それでは、これにて御機嫌よう。」
見事な美しいカーテシーをして、羽根を広げて飛んでいくことにする。
「「「「「「「「「「お待ちください。女神様!何卒!何卒!」」」」」」」」」」
ゴールデニアは、一度も振り返らず、まっすぐ空高くまで上がり、ハーバード公爵邸まで飛んで帰る。いったん、荷物をまとめるためである。
そしてハーバードの両親に暇乞いをすると、自分たちも連れて行ってくれないかとの提案がある。
「え?まるっきり、初代グレジオラ家の人々と同じね。わかりましたわ。一度、わたくしは神界へ帰り、初代レオナルド様の魂の所在を確認してまいります。それまでこの屋敷には、結界を張ります。何人たりとも、この屋敷内にいれば安全で、外からの侵入は困難となります。では、後程。」
ゴールデニアは、さっさと神界へ戻り、転生の神のところに行く。
転生の神が言うには、レオナルド一世様の魂は、フルダイヴ国にいるらしい。そういえば、初代レオナルド様が留学されていたところである。
なんだ、意外と近いところだったのね。グレジオラ国は、もともとフルダイヴ国の自治区のような扱いであったからである。
今世もフルダイヴ国に留学して、今の身分は、アンダルシア王国の王太子殿下であらせられるみたいです。
そうなると見事、もしも結婚出来たらアンダルシアが神の国になるのかな?
え?ちょっと待って。ゴールデニアは大変なことに気づいたのである。グレジオラの学園で今日、卒業式があっての謝恩パーティ会場で婚約破棄されたのよね。ということは、フルダイヴの学園でも卒業式シーズンで、もうひょっとすれば卒業式が終わって、アンダルシアに戻っているかもしれない。
どうしよう。もう一度、転生の神に聞いて、そこらあたりをハッキリ聞くとするか?
ゴールデニアは、いてもたってもいられなくなり、フルダイヴの学園寮に転移魔法で飛んでいくと
「ゴールデニアかい?」
「レオナルド様?」
すぐさま、二人は抱き合いキスを交わす。
「会いたかった。ゴールデニア愛しているよ。」
「わたくしもですわ。間違えてグレジオラの公爵令嬢として、生まれてしまって、でもレオナルド13世様から婚約破棄されてしまいまして、国外追放処分になりましたのよ。」
「我々の子孫も落ちたものよの。グレジオラの開国の祖を追放するとはな。」
「レオナルド様は、今は何というお名前なのですか?」
「アントニオ・アンダルシア、アンダルシア王国の王太子をやっている。君は?」
「ゴールデニア・ハーバード、グレジオラのハーバード公爵令嬢をしています。」
「今日、フルダイヴの学園の卒業式だったんだ。明日の朝には、ここを引き払うから一緒にアンダルシアへ帰ろう。」
「ハーバード公爵家の面々も一緒でもいいですか?」
「もちろんだとも。ゴールデニアを守り育ててくれた皆さんなら、大歓迎するよ。」
結局その夜、アントニオ様の寮の部屋で朝まで愛し合って、それからグレジオラの公爵邸まで転移魔法でアントニオ様と一緒に飛んだのである。
寮の中にある荷物は、すべてゴールデニアが異空間に入れる。
そして二人は手をつないで、そのまま転移魔法でグレジオラのハーバード公爵邸まで飛んだ。
公爵邸の内部は、ゴールデニアが出かける前と何一つ変わっていなかったが、周辺の貴族屋敷があったと思われるところは、あたり一面焼け野原になっている。
「留守中、何がありましたか?」
「実は、女神様の怒りであたり一面、氷の館と化してしまい、そのことに腹を立てた貴族たちが、我が公爵邸に火を放ったところ、その火は我が公爵邸には届かず、それぞれの貴族屋敷を溶かすだけでなく、王都の燃えるものに火が移り、燃え広がってしまいました。」
もうあれから1000年経ってしまったということが妙に実感としてある。グレジオラ家がまだ公爵であった頃、向かいのサルバカラ公爵家を凍らせたことがあった。その時、サルバカラ公爵は、近隣の貴族からお湯をもらって、屋敷にかけたらすべて氷が溶け、ただの水になってしまい家を失ったことがあったのだ。
その時は、氷にお湯をかけたら、水になるという常識は存在していたのに、1000年後の現在はその常識すら失われている。
とりあえず、アントニオ様をハーバードの両親に紹介し、公爵家の使用人もろともハーバード領地へ飛ぶ。ゴールデニアは、すぐさま取って返しハーバード公爵邸があった敷地ごと異空間に放り込む。
領地で事情を話し、アンダルシアへついてきたい人の希望を募る。
全員、アンダルシア行きを希望したので、みんなで手を繋いでもらい、アントニオ様がイメージできるアンダルシアの光景を思い浮かべてもらって、全員、一斉で転移魔法で飛んだ。
アンダルシアに到着してからは、すべての手続きをハーバード公爵とアントニオ様に任せ、ゴールデニアは、またハーバード領地であったところへ舞い戻り、領地の敷地ごと異空間に放り込み、何食わぬ顔でアンダルシアに戻ってきたのである。
「公爵令嬢ゴールデニア・ハーバード、貴様との婚約は今をもってなかったことにさせてもらおう。長きに渡る妃教育大儀であったが、聖女様を学園内で虐めぬいたことは許しがたく、よって国外追放処分とさせてもらう。聖女様と結婚するつもりでいるから、ゴールデニアがいると、聖女様が怖がられるのでな。」
グレジオラ公国の王太子レオナルド13世に高らかに宣言されてしまうのである。
「わたくしが偽聖女を虐める理由などございませんが、どうやらわたくしの尋ね人もこの国にはいないようですし、甘んじて国外追放処分を受け入れましょう。」
「偽聖女だなんて、ひどい!ひどすぎますわ!ゴールデニア様は、私とレオ様の仲を嫉妬して私の教科書を破り捨て、私を階段から突き落とそうとなさったではないですか。」
グレジオラ公国の建国以来、ゴールデニアはレオナルド一世の魂と出会うため何度も生まれ変わってきて幸せな人生を送ってきたのだ。
18年前も同じくして、神界よりレオナルド一世の魂が人間界に生を受けたとの知らせが転生の神より、よこされたので、人間界に再び生まれ変わったのである。
目の前にいるレオナルド13世は、あのレオナルド一世とは、比べ物にならないくらい愚か者で、レオナルド一世様の魂とは、別物であったのだ。
早くレオナルド一世様に会いたい一心で、転生の神から居場所をはっきりと聞き出しておかなかったことが失敗で、うっかりグレジオラに生まれ変わってしまったからである。
公爵令嬢の地位で生まれ変わってきたので、有無も言わさず、王太子殿下レオナルド13世の婚約者として、5歳のときから無理やり妃教育を受けさせられたのである。
生まれた時に、初代のゴールデニアと同じく黄金色の空気を纏っていたことから、両親が初代の女神様にあやかりたいとの願いから、ゴールデニアと名付けられたのである。
「どこにそんな証拠がございますか?あなた様は、魅了魔法を使っておいでではありませんか?魅了魔法などを使う女が聖女であるはずがございません。」
「それをおっしゃるなら、私が偽聖女だということと魅了魔法を使っているとの証拠をお示しくださいませ。」
「よろしいのでございますか?ここで暴露しても?」
男爵令嬢リリアーヌもとい、偽聖女は、自信満々で嘘がバレるわけがないと思っているようだ。
「では、これがあなた様の本当の真実の姿でございます。」
リリアーヌの身体から誰の目にもはっきりとわかる黒い煙が立ち込める。しばらくするとリリアーヌの人間の姿がヒキガエルになると、周りの学生や父兄がどよめく。
そしてゴールデニアは、一瞬の黄金色の閃光ののち、背中に羽根を生やした女神姿で顕現するのである。
「げ!女神だったのかよぉ。バレたなら仕方ない、こいつはもらっていくぜ。」
偽聖女のヒキガエルは、レオナルド13世を咥え、一目散に山に逃げ帰っていく。
「あーあ、行っちゃった。レオナルド様は偽聖女のリリアーヌのことがお好きだったんだから仕方ないわね。」
「「「「「「「「「「女神様!」」」」」」」」」」
気が付くと、卒業パーティにいた全員が跪いている。
「女神様は、我がグレジオラ公国の建国の祖であらせられますのですね?」
「そうよ、グレジオラのお父様とお母様に育てていただいたのよ。当時はまだ公爵だったけど、家の前に捨て子として、いたら両親が、って初代の国王夫妻が拾ってくださったのよ。初代の王妃殿下は、わたくしを崇拝し、御信心いただいていたから、わたくしが選んでグレジオラ公爵邸の前にみなしごとして身をやつして赤子の姿になったのよ。」
「先ほどレオナルド13世が言ったことを取り消したいのです。」
「それには及びません。わたくしはこれからレオナルド一世様の魂を持つ殿方を探しに行かなければなりません。運命の番でございますれば、ご理解くださいませ。」
「そんな……。開国の祖を国外追放処分にすれば、いかなる天罰が下るのでしょうか?」
「まず1000年前にわたくしが自ら張った結界は、すべて消滅いたしますわね。領海と領空に領土、これからは天候不順になります。干ばつ、疫病が蔓延するでしょう。」
「なんとか思いとどまっていただける手立てはございませんでしょうか?」
「仮にも次期国王になるべく王太子が公衆の面前で、わたくしを侮辱し国外追放処分を言い渡したのですから、もはやすべて手遅れとなるでしょう。それでは、これにて御機嫌よう。」
見事な美しいカーテシーをして、羽根を広げて飛んでいくことにする。
「「「「「「「「「「お待ちください。女神様!何卒!何卒!」」」」」」」」」」
ゴールデニアは、一度も振り返らず、まっすぐ空高くまで上がり、ハーバード公爵邸まで飛んで帰る。いったん、荷物をまとめるためである。
そしてハーバードの両親に暇乞いをすると、自分たちも連れて行ってくれないかとの提案がある。
「え?まるっきり、初代グレジオラ家の人々と同じね。わかりましたわ。一度、わたくしは神界へ帰り、初代レオナルド様の魂の所在を確認してまいります。それまでこの屋敷には、結界を張ります。何人たりとも、この屋敷内にいれば安全で、外からの侵入は困難となります。では、後程。」
ゴールデニアは、さっさと神界へ戻り、転生の神のところに行く。
転生の神が言うには、レオナルド一世様の魂は、フルダイヴ国にいるらしい。そういえば、初代レオナルド様が留学されていたところである。
なんだ、意外と近いところだったのね。グレジオラ国は、もともとフルダイヴ国の自治区のような扱いであったからである。
今世もフルダイヴ国に留学して、今の身分は、アンダルシア王国の王太子殿下であらせられるみたいです。
そうなると見事、もしも結婚出来たらアンダルシアが神の国になるのかな?
え?ちょっと待って。ゴールデニアは大変なことに気づいたのである。グレジオラの学園で今日、卒業式があっての謝恩パーティ会場で婚約破棄されたのよね。ということは、フルダイヴの学園でも卒業式シーズンで、もうひょっとすれば卒業式が終わって、アンダルシアに戻っているかもしれない。
どうしよう。もう一度、転生の神に聞いて、そこらあたりをハッキリ聞くとするか?
ゴールデニアは、いてもたってもいられなくなり、フルダイヴの学園寮に転移魔法で飛んでいくと
「ゴールデニアかい?」
「レオナルド様?」
すぐさま、二人は抱き合いキスを交わす。
「会いたかった。ゴールデニア愛しているよ。」
「わたくしもですわ。間違えてグレジオラの公爵令嬢として、生まれてしまって、でもレオナルド13世様から婚約破棄されてしまいまして、国外追放処分になりましたのよ。」
「我々の子孫も落ちたものよの。グレジオラの開国の祖を追放するとはな。」
「レオナルド様は、今は何というお名前なのですか?」
「アントニオ・アンダルシア、アンダルシア王国の王太子をやっている。君は?」
「ゴールデニア・ハーバード、グレジオラのハーバード公爵令嬢をしています。」
「今日、フルダイヴの学園の卒業式だったんだ。明日の朝には、ここを引き払うから一緒にアンダルシアへ帰ろう。」
「ハーバード公爵家の面々も一緒でもいいですか?」
「もちろんだとも。ゴールデニアを守り育ててくれた皆さんなら、大歓迎するよ。」
結局その夜、アントニオ様の寮の部屋で朝まで愛し合って、それからグレジオラの公爵邸まで転移魔法でアントニオ様と一緒に飛んだのである。
寮の中にある荷物は、すべてゴールデニアが異空間に入れる。
そして二人は手をつないで、そのまま転移魔法でグレジオラのハーバード公爵邸まで飛んだ。
公爵邸の内部は、ゴールデニアが出かける前と何一つ変わっていなかったが、周辺の貴族屋敷があったと思われるところは、あたり一面焼け野原になっている。
「留守中、何がありましたか?」
「実は、女神様の怒りであたり一面、氷の館と化してしまい、そのことに腹を立てた貴族たちが、我が公爵邸に火を放ったところ、その火は我が公爵邸には届かず、それぞれの貴族屋敷を溶かすだけでなく、王都の燃えるものに火が移り、燃え広がってしまいました。」
もうあれから1000年経ってしまったということが妙に実感としてある。グレジオラ家がまだ公爵であった頃、向かいのサルバカラ公爵家を凍らせたことがあった。その時、サルバカラ公爵は、近隣の貴族からお湯をもらって、屋敷にかけたらすべて氷が溶け、ただの水になってしまい家を失ったことがあったのだ。
その時は、氷にお湯をかけたら、水になるという常識は存在していたのに、1000年後の現在はその常識すら失われている。
とりあえず、アントニオ様をハーバードの両親に紹介し、公爵家の使用人もろともハーバード領地へ飛ぶ。ゴールデニアは、すぐさま取って返しハーバード公爵邸があった敷地ごと異空間に放り込む。
領地で事情を話し、アンダルシアへついてきたい人の希望を募る。
全員、アンダルシア行きを希望したので、みんなで手を繋いでもらい、アントニオ様がイメージできるアンダルシアの光景を思い浮かべてもらって、全員、一斉で転移魔法で飛んだ。
アンダルシアに到着してからは、すべての手続きをハーバード公爵とアントニオ様に任せ、ゴールデニアは、またハーバード領地であったところへ舞い戻り、領地の敷地ごと異空間に放り込み、何食わぬ顔でアンダルシアに戻ってきたのである。
1
あなたにおすすめの小説
「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました
黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。
古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。
一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。
追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。
愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
「人の心がない」と追放された公爵令嬢は、感情を情報として分析する元魔王でした。辺境で静かに暮らしたいだけなのに、氷の聖女と崇められています
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は人の心を持たない失敗作の聖女だ」――公爵令嬢リディアは、人の感情を《情報データ》としてしか認識できない特異な体質ゆえに、偽りの聖女の讒言によって北の果てへと追放された。
しかし、彼女の正体は、かつて世界を支配した《感情を喰らう魔族の女王》。
永い眠りの果てに転生した彼女にとって、人間の複雑な感情は最高の研究サンプルでしかない。
追放先の貧しい辺境で、リディアは静かな観察の日々を始める。
「領地の問題点は、各パラメータの最適化不足に起因するエラーです」
その類稀なる分析能力で、原因不明の奇病から経済問題まで次々と最適解を導き出すリディアは、いつしか領民から「氷の聖女様」と畏敬の念を込めて呼ばれるようになっていた。
実直な辺境伯カイウス、そして彼女の正体を見抜く神狼フェンリルとの出会いは、感情を知らない彼女の内に、解析不能な温かい《ノイズ》を生み出していく。
一方、リディアを追放した王都は「虚無の呪い」に沈み、崩壊の危機に瀕していた。
これは、感情なき元魔王女が、人間社会をクールに観測し、やがて自らの存在意義を見出していく、静かで少しだけ温かい異世界ファンタジー。
彼女が最後に選択する《最適解》とは――。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
婚約者として五年間尽くしたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
地味で無能な聖女だと婚約破棄されました。でも本当は【超過浄化】スキル持ちだったので、辺境で騎士団長様と幸せになります。ざまぁはこれからです。
黒崎隼人
ファンタジー
聖女なのに力が弱い「偽物」と蔑まれ、婚約者の王子と妹に裏切られ、死の土地である「瘴気の辺境」へ追放されたリナ。しかし、そこで彼女の【浄化】スキルが、あらゆる穢れを消し去る伝説級の【超過浄化】だったことが判明する! その奇跡を隣国の最強騎士団長カイルに見出されたリナは、彼の溺愛に戸惑いながらも、荒れ地を楽園へと変えていく。一方、リナを捨てた王国は瘴気に沈み崩壊寸前。今さら元婚約者が土下座しに来ても、もう遅い! 不遇だった少女が本当の愛と居場所を見つける、爽快な逆転ラブファンタジー!
無能な悪役令嬢は静かに暮らしたいだけなのに、超有能な側近たちの勘違いで救国の聖女になってしまいました
黒崎隼人
ファンタジー
乙女ゲームの悪役令嬢イザベラに転生した私の夢は、破滅フラグを回避して「悠々自適なニート生活」を送ること!そのために王太子との婚約を破棄しようとしただけなのに…「疲れたわ」と呟けば政敵が消え、「甘いものが食べたい」と言えば新商品が国を潤し、「虫が嫌」と漏らせば魔物の巣が消滅!? 私は何もしていないのに、超有能な側近たちの暴走(という名の忠誠心)が止まらない!やめて!私は聖女でも策略家でもない、ただの無能な怠け者なのよ!本人の意思とは裏腹に、勘違いで国を救ってしまう悪役令嬢の、全力で何もしない救国ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる