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22.保存食
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クリストファー殿下のけがは、奥底魔法師団長のカルデラ公爵はもとより、侍医、嘔吐や周辺の治癒魔法師をかき集められても、治せないものであった。
中の組織が折れているらしく、勃起不全と診断されたのだ。
見る人が見れば、その痕跡で嫌がる女性を無理に乱暴しようとしたものであることは明らかで、同情の余地はない。
国王陛下は苦渋の決断を行い、クリストファー殿下を廃嫡にすることを決定し、公布したのだ。
学園には、衝撃が走る。廃嫡理由の詳細は、伏せられたが、それでも、王太子の地位が取れただけで、王子様であることには、変わりがない。それに、被害女性は本学の女子生徒であると聞かされたので、さりげなくクリストファー殿下の行動を監視する。
クリストファー王子殿下の取り巻き連中も、廃嫡されたような王子にくっついていても、うまみがないので、流れ解散となる。
その取り巻き連は、今は、もっぱらマクシミリアン様のところに集まってきている。それというのも、ミッシェルがいるから、ミッシェルのフェロモン目当てに集まっているだけで、クリストファーのような不埒なことを考えているわけではない。
ミッシェルが可憐な花のごとく、いい匂いをまき散らしているせいで、取り巻き連中は、蝶々のごとく、ミッシェルの周りを飛び回っているようだ。
だから、放課後のムフフは当分の間、お預けとなってしまう。
それで、取り巻き連は、アラミス様は、もっぱら、美術室に籠られ、絵筆をふるっておられ、カール様は剣術のお稽古に余念がない。アルブレヒト様も、新たな魔法を開発すべく、日夜、魔法陣作りに取り組んでおられる。
それなら、わたくし達は、できるのでは?と思うけど、マクシミリアン様は、卒業論文を執筆するため、図書館に入り浸りなので、邪魔しないように、帰宅する。
ミッシェルは、貴族令嬢のたしなみの刺繍やレース編みをするが、前世から、お裁縫が大の苦手で長続きしない。
それで、今は、厨房に籠って、非常食?保存食?づくりをしている。のし棒は、なるべく見ないようにして、シュークリームの皮づくりに勤しんでいる。これなら、のし棒を見ることもない。
シュークリームは、皮さえ作っておけば、中の具は、何を入れてもいい。カスタードクリーム、生クリームは足が速いので、チーズクリームを中に入れるつもりだが、今は、入れない。
そこで、前世のことを考えていると、閃いた。中身を何もお菓子だと決めつけなくてもよいのではないか?餃子の餡のように、中にあらかじめ、調理済みの食材を入れれば、立派な保存食になる。
例えば、豚まん、カレーまん、一口サイズのステーキを挟んでもいいだろう。チーズにサーモン、キャビアを乗せ、レモンの薄切りを添えれば、カナッペ風にもなる。
思いついたが吉日で、ミッシェルは試作品をどんどん、作っていく。
「お嬢様!これは……?」
料理長が驚いている。
「なんかね、保存食の試作品を作っていたら、こんなことになっちゃって。」
至る所にシュークリームの皮、それに中身が、どう見ても晩餐会に出せるような豪華なものばかりで……。その量は、侯爵家の使用人を入れても、最低3日は優にかかるぐらいの大量で。
「後で、みんなに食べてもらおうと思ってね。」
「あ!そうだ。シャルパンティア家の皆さんも呼んで、そしたら、これぐらいすぐなくなるわよね?」
「学園のお友達もお誘いした方がよろしいかと……。」
「そう?じゃ、マクシミリアン様にお願いするわ。」
リングで呼ぶと、大急ぎで来られてしまうから、それもお勉強中なのに、悪い。
それで、侍女にも手伝ってもらい、大きめのバスケットに入れ、学園で配ることにしたのだ。
学園に着くと、まっすぐ図書館に向かうが、マクシミリアン様はいない。
おかしい?と思いながら、マクシミリアン様を探していると、マクシミリアン様の後姿を発見!
そっと、近づいて脅かせてやろうと、思うと、マクシミリアン様は、一人でいらしたわけではなかった。
中の組織が折れているらしく、勃起不全と診断されたのだ。
見る人が見れば、その痕跡で嫌がる女性を無理に乱暴しようとしたものであることは明らかで、同情の余地はない。
国王陛下は苦渋の決断を行い、クリストファー殿下を廃嫡にすることを決定し、公布したのだ。
学園には、衝撃が走る。廃嫡理由の詳細は、伏せられたが、それでも、王太子の地位が取れただけで、王子様であることには、変わりがない。それに、被害女性は本学の女子生徒であると聞かされたので、さりげなくクリストファー殿下の行動を監視する。
クリストファー王子殿下の取り巻き連中も、廃嫡されたような王子にくっついていても、うまみがないので、流れ解散となる。
その取り巻き連は、今は、もっぱらマクシミリアン様のところに集まってきている。それというのも、ミッシェルがいるから、ミッシェルのフェロモン目当てに集まっているだけで、クリストファーのような不埒なことを考えているわけではない。
ミッシェルが可憐な花のごとく、いい匂いをまき散らしているせいで、取り巻き連中は、蝶々のごとく、ミッシェルの周りを飛び回っているようだ。
だから、放課後のムフフは当分の間、お預けとなってしまう。
それで、取り巻き連は、アラミス様は、もっぱら、美術室に籠られ、絵筆をふるっておられ、カール様は剣術のお稽古に余念がない。アルブレヒト様も、新たな魔法を開発すべく、日夜、魔法陣作りに取り組んでおられる。
それなら、わたくし達は、できるのでは?と思うけど、マクシミリアン様は、卒業論文を執筆するため、図書館に入り浸りなので、邪魔しないように、帰宅する。
ミッシェルは、貴族令嬢のたしなみの刺繍やレース編みをするが、前世から、お裁縫が大の苦手で長続きしない。
それで、今は、厨房に籠って、非常食?保存食?づくりをしている。のし棒は、なるべく見ないようにして、シュークリームの皮づくりに勤しんでいる。これなら、のし棒を見ることもない。
シュークリームは、皮さえ作っておけば、中の具は、何を入れてもいい。カスタードクリーム、生クリームは足が速いので、チーズクリームを中に入れるつもりだが、今は、入れない。
そこで、前世のことを考えていると、閃いた。中身を何もお菓子だと決めつけなくてもよいのではないか?餃子の餡のように、中にあらかじめ、調理済みの食材を入れれば、立派な保存食になる。
例えば、豚まん、カレーまん、一口サイズのステーキを挟んでもいいだろう。チーズにサーモン、キャビアを乗せ、レモンの薄切りを添えれば、カナッペ風にもなる。
思いついたが吉日で、ミッシェルは試作品をどんどん、作っていく。
「お嬢様!これは……?」
料理長が驚いている。
「なんかね、保存食の試作品を作っていたら、こんなことになっちゃって。」
至る所にシュークリームの皮、それに中身が、どう見ても晩餐会に出せるような豪華なものばかりで……。その量は、侯爵家の使用人を入れても、最低3日は優にかかるぐらいの大量で。
「後で、みんなに食べてもらおうと思ってね。」
「あ!そうだ。シャルパンティア家の皆さんも呼んで、そしたら、これぐらいすぐなくなるわよね?」
「学園のお友達もお誘いした方がよろしいかと……。」
「そう?じゃ、マクシミリアン様にお願いするわ。」
リングで呼ぶと、大急ぎで来られてしまうから、それもお勉強中なのに、悪い。
それで、侍女にも手伝ってもらい、大きめのバスケットに入れ、学園で配ることにしたのだ。
学園に着くと、まっすぐ図書館に向かうが、マクシミリアン様はいない。
おかしい?と思いながら、マクシミリアン様を探していると、マクシミリアン様の後姿を発見!
そっと、近づいて脅かせてやろうと、思うと、マクシミリアン様は、一人でいらしたわけではなかった。
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