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32.愛こそ命
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マリアンヌが昼間、謝罪にきたときのお菓子は、見るも懐かしい前世のドーナッツだった。
「わぁー、美味しそう。」
でも、ミッシェルは妊娠後期の身で、脂肪分や糖分は控えなければならない。
いくら食い意地が張っていても、そこは辛抱しなければならないところ。
マクシミリアン様も、今はユーラシア家の下女となっているマリアンヌが持ってきたお菓子を信用してはダメだと言われているので、手は付けていない。
もうミッシェル一人のカラダではないから。
試しに、ドーナッツの一つをいくつか切り分けて、窓の桟のところに置き、小鳥が食べている様子を眺めている。
小鳥や小動物が美味しそうに食べて、何事もないように、飛び立っていくのを見て、安全だとわかってからは、公爵邸の使用人の間で、取り合いができるほどの人気で、
「こんな美味しいものを食べられないなんて、若奥様はお気の毒ですわよね。」
「ええ。そうね。」
美味しいことは百も承知しているけど、今は、お腹の赤ちゃんを最優先しなければならないから、糖質と脂分は、控えなくてはならないのよ。これも前世の知識がそう言っているのだから間違いはない。
それから1週間ほどして、再び、マリアンヌがドーナッツを持って、ミッシェルに会いに来たので、この前の御礼を言い、まだ食べたことがないというマリアンヌのために、その菓子を食べるように促す。
「それとも、帰って、男爵家の皆さんで召し上がっても構いませんわ。とっても美味しくいただきましたのよ。」
「本当ですか?若奥様、嬉しいです。若奥様にこんなに良くしていただいて……、私は若奥様にひどいことをしてしまったというのに。」
「済んだことよ。もう謝らなくても大丈夫よ。」
「ありがとうございます。今日の仕事はもう終わりなので、このまま帰宅させていただきますね。」
嬉しそうに、ドーナッツの入った箱を大事そうに抱えて、マリアンヌは、帰っていった。
そのまま、マリアンヌが訪れることは二度となかった。あのドーナッツを食べたマリアンヌとカイロ男爵もろとも、全員が毒により死亡したことを、後から知ったのだ。
ミッシェルは、あの屈託なく笑っていたマリアンヌを不憫だと偲ぶも、同じ転生者でも、素直なヒロインだったと思い、墓に花を供えることにし、一連の騒動を義父の宰相に報告する。
間違いなく、マリアンヌの死の真相は、ユーラシア家、中でもアイリス様が握っているのに違いないという確信から義父と夫に話すことにしたのだ。
それと同時に前世の記憶がなかったら、おそらく珍しいお菓子に飛びついていただろう。
モブで転生してきたことに心から感謝する。
あのドーナッツは、アイリス様が留学していらした隣国では、普通のお菓子で、あのドーナッツを作るように指図したのは、アイリス様だということが分かったのだ。
アイリス様の罰を検討された王家は、いまだアイリス様がクリストファー殿下と婚約中であることなどから、婚約破棄して、修道院送りにしようとしたところ、義父の宰相が
「嫁は一人のカラダではない。もう少しで、シャルパンティア家は跡取りを失ってしまうところだったのです。」
陛下に訴えかけ、アイリスを娼婦として、どこかの貴族に下げ渡すことにしたという話が後でわかったのだ。
事の発端は、男爵令嬢のリリアーヌがすべての始まりだったけど、思わぬ展開になり、ミッシェル自身も戸惑いを隠せない。
その後、産気づいて、ミッシェルは元気な男の子を産み、
「ミミ(ミッシェルの愛称)から、いい匂いがする。」
マクシミリアン様に欲情され続けて、それから立て続けに10人の子供を産み続けることになるとは、思ってもみなかったことで、
「お願いだから、もう発情しないで。カラダが、もたないわ!」
訴えるも、今日も今日とて、喘がされ、転がされる日々を送る。
「あっ。あーん。イイ。イクー。」
「煽るな、ミミ。一緒にイこう。」
「わぁー、美味しそう。」
でも、ミッシェルは妊娠後期の身で、脂肪分や糖分は控えなければならない。
いくら食い意地が張っていても、そこは辛抱しなければならないところ。
マクシミリアン様も、今はユーラシア家の下女となっているマリアンヌが持ってきたお菓子を信用してはダメだと言われているので、手は付けていない。
もうミッシェル一人のカラダではないから。
試しに、ドーナッツの一つをいくつか切り分けて、窓の桟のところに置き、小鳥が食べている様子を眺めている。
小鳥や小動物が美味しそうに食べて、何事もないように、飛び立っていくのを見て、安全だとわかってからは、公爵邸の使用人の間で、取り合いができるほどの人気で、
「こんな美味しいものを食べられないなんて、若奥様はお気の毒ですわよね。」
「ええ。そうね。」
美味しいことは百も承知しているけど、今は、お腹の赤ちゃんを最優先しなければならないから、糖質と脂分は、控えなくてはならないのよ。これも前世の知識がそう言っているのだから間違いはない。
それから1週間ほどして、再び、マリアンヌがドーナッツを持って、ミッシェルに会いに来たので、この前の御礼を言い、まだ食べたことがないというマリアンヌのために、その菓子を食べるように促す。
「それとも、帰って、男爵家の皆さんで召し上がっても構いませんわ。とっても美味しくいただきましたのよ。」
「本当ですか?若奥様、嬉しいです。若奥様にこんなに良くしていただいて……、私は若奥様にひどいことをしてしまったというのに。」
「済んだことよ。もう謝らなくても大丈夫よ。」
「ありがとうございます。今日の仕事はもう終わりなので、このまま帰宅させていただきますね。」
嬉しそうに、ドーナッツの入った箱を大事そうに抱えて、マリアンヌは、帰っていった。
そのまま、マリアンヌが訪れることは二度となかった。あのドーナッツを食べたマリアンヌとカイロ男爵もろとも、全員が毒により死亡したことを、後から知ったのだ。
ミッシェルは、あの屈託なく笑っていたマリアンヌを不憫だと偲ぶも、同じ転生者でも、素直なヒロインだったと思い、墓に花を供えることにし、一連の騒動を義父の宰相に報告する。
間違いなく、マリアンヌの死の真相は、ユーラシア家、中でもアイリス様が握っているのに違いないという確信から義父と夫に話すことにしたのだ。
それと同時に前世の記憶がなかったら、おそらく珍しいお菓子に飛びついていただろう。
モブで転生してきたことに心から感謝する。
あのドーナッツは、アイリス様が留学していらした隣国では、普通のお菓子で、あのドーナッツを作るように指図したのは、アイリス様だということが分かったのだ。
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事の発端は、男爵令嬢のリリアーヌがすべての始まりだったけど、思わぬ展開になり、ミッシェル自身も戸惑いを隠せない。
その後、産気づいて、ミッシェルは元気な男の子を産み、
「ミミ(ミッシェルの愛称)から、いい匂いがする。」
マクシミリアン様に欲情され続けて、それから立て続けに10人の子供を産み続けることになるとは、思ってもみなかったことで、
「お願いだから、もう発情しないで。カラダが、もたないわ!」
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