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会社の帰り道に、本屋になんとなく立ち寄ってみた。アプリの行動指針の中にあったので、気になって新刊本を眺めに行くことにする。
営業先で、今、何が流行っているか、読書好きのお客様のため会話を長続きさせるための情報収集でもある。
ぺらぺらとほんのページをめくるうちに、どれか1冊を買いたいという気分になってくるから、ペーパーの本の魅力は絶大的だ。
でも本を安く買おうと思ったら、やはり「本の百均」に行くべきだと思う。今のベストセラー本も半値で売っていて、文豪の本も軒並み100円均一で売っているから。読み終わった本を買い取ってくれるサービスもあり、姫乃もちょくちょく利用している。
普通の本屋を出て、百均に向かおうと、立ち読み本を棚に戻し歩きかけたところ、ふと「資格の勉強YAC」が宅建講習の受講者募集のパンフレットが目に入る。
思わず立ち止まって、しげしげと見つめる。姫乃の勤務先は、不動産会社で社長も役員も主だった管理職は、皆、宅地建物取引主任士を持っている。
いわば、ウチで上を狙うのなら、なくてはならない資格と言っても過言ではない。
姫乃は、もう25歳4年目に突入してしまったから、そろそろ宅建のひとつを持っていてもいい年頃になってきた。
まずはYACでお試し受講とでも洒落込むことにしようか?
パンフレットを手にし、念のため宅建関連の本の棚に移動する。
知らないだけで、たくさんの本が並んでいることに気づく。
宅建の受験科目は、民法等と宅建業法と法令上の制限、その他関連施設で成り立っている。
なるほど、まずは民法と宅建業法から勉強すればいいと思った。
民法は大学の一般教養でサラっと習ったので、ある程度なじみがあるけど、宅建業法はまるっきりわからない。
たぶん、仕事で関連したことはやっていると思うけど、なじみがない名前だけに、戸惑う。
一通り、一般の本屋を見て回った後、本の百均に向かうことにした。
驚いたことに本の百均の店内にも資格取得コーナーがあり、古本の宅建本が山のように売られていた。
過去問集などもあり、これから勉強する姫乃にとって、ありがたい教本がズラリと並んでいたのだ。
ここで売っている本は、おそらく宅建試験に合格したから、売りに出したのでしょうね。それなら、縁起の良い本と言えるかもしれない。
新品の本も気持ちがいいけど、一生懸命勉強して合格した人が使っていた本というのも、親近感がわく。
棚に並んでいた宅建本をすべて買うことにし、レジカゴに本を入れていくと、さっきからチラチラ姫乃に視線を送っていた人がいて、その人が近づいてきた。
レジカゴの本の中から、何冊か取り出してきて、それを見ながら
「この本と、この本は内容が同じだから、どちらか1冊にした方がいいよ」
その男性は、合格者だろうか?熱心に宅建本のコーナーを見入っていた姫乃に気を止め、ずっと見守ってくれていた。
いつもなら、スワっ!ナンパ!?と警戒心もあらわにするところだが、今回は素直に言うことを聞く。
御礼を言って、レジで精算する。
まだ、勉強することになるかどうかもわからないため、出費はできるだけ抑えるべきだとも思うから。
とりあえずYACのお試し受講を受けて、気に入ったら本格的に勉強しようと思っているだけ。
大輔と別れてしまったからには、もう一生結婚することは無理かもしれない。
女は処女でなければ価値がないなんて、一体どこの誰が決めたというのかしら?
投げやりになりそうな気持を辛うじて、勉強という形で憂さを晴らそうとしている。そんなことは、よくわかっていてもどこかで気持ちの折り合いを付けなければ前へ進めない。
それにしてもベストセラーの本を買うつもりでいたのだが、なぜか資格の本を買うことになるなんて……と思いつつ、家路を急いだ。
営業先で、今、何が流行っているか、読書好きのお客様のため会話を長続きさせるための情報収集でもある。
ぺらぺらとほんのページをめくるうちに、どれか1冊を買いたいという気分になってくるから、ペーパーの本の魅力は絶大的だ。
でも本を安く買おうと思ったら、やはり「本の百均」に行くべきだと思う。今のベストセラー本も半値で売っていて、文豪の本も軒並み100円均一で売っているから。読み終わった本を買い取ってくれるサービスもあり、姫乃もちょくちょく利用している。
普通の本屋を出て、百均に向かおうと、立ち読み本を棚に戻し歩きかけたところ、ふと「資格の勉強YAC」が宅建講習の受講者募集のパンフレットが目に入る。
思わず立ち止まって、しげしげと見つめる。姫乃の勤務先は、不動産会社で社長も役員も主だった管理職は、皆、宅地建物取引主任士を持っている。
いわば、ウチで上を狙うのなら、なくてはならない資格と言っても過言ではない。
姫乃は、もう25歳4年目に突入してしまったから、そろそろ宅建のひとつを持っていてもいい年頃になってきた。
まずはYACでお試し受講とでも洒落込むことにしようか?
パンフレットを手にし、念のため宅建関連の本の棚に移動する。
知らないだけで、たくさんの本が並んでいることに気づく。
宅建の受験科目は、民法等と宅建業法と法令上の制限、その他関連施設で成り立っている。
なるほど、まずは民法と宅建業法から勉強すればいいと思った。
民法は大学の一般教養でサラっと習ったので、ある程度なじみがあるけど、宅建業法はまるっきりわからない。
たぶん、仕事で関連したことはやっていると思うけど、なじみがない名前だけに、戸惑う。
一通り、一般の本屋を見て回った後、本の百均に向かうことにした。
驚いたことに本の百均の店内にも資格取得コーナーがあり、古本の宅建本が山のように売られていた。
過去問集などもあり、これから勉強する姫乃にとって、ありがたい教本がズラリと並んでいたのだ。
ここで売っている本は、おそらく宅建試験に合格したから、売りに出したのでしょうね。それなら、縁起の良い本と言えるかもしれない。
新品の本も気持ちがいいけど、一生懸命勉強して合格した人が使っていた本というのも、親近感がわく。
棚に並んでいた宅建本をすべて買うことにし、レジカゴに本を入れていくと、さっきからチラチラ姫乃に視線を送っていた人がいて、その人が近づいてきた。
レジカゴの本の中から、何冊か取り出してきて、それを見ながら
「この本と、この本は内容が同じだから、どちらか1冊にした方がいいよ」
その男性は、合格者だろうか?熱心に宅建本のコーナーを見入っていた姫乃に気を止め、ずっと見守ってくれていた。
いつもなら、スワっ!ナンパ!?と警戒心もあらわにするところだが、今回は素直に言うことを聞く。
御礼を言って、レジで精算する。
まだ、勉強することになるかどうかもわからないため、出費はできるだけ抑えるべきだとも思うから。
とりあえずYACのお試し受講を受けて、気に入ったら本格的に勉強しようと思っているだけ。
大輔と別れてしまったからには、もう一生結婚することは無理かもしれない。
女は処女でなければ価値がないなんて、一体どこの誰が決めたというのかしら?
投げやりになりそうな気持を辛うじて、勉強という形で憂さを晴らそうとしている。そんなことは、よくわかっていてもどこかで気持ちの折り合いを付けなければ前へ進めない。
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