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大輔は、社長令嬢との結婚が破談になったことで、会社から追われるようにクビになってしまった。
姫乃と二股疑惑を払しょくできなかったことが原因で、大輔からしてみれば、カノジョ持ちの男に粉をかけてきたのは、そっちだろ?と言いたい。
暮の寒空に、クビになるなんて、来年から、どうやって生きていけばいいのだ。業界は横のつながりが結構あり、同じような不動産会社への就職は難しい。さりとて、他にできる仕事もないので、やはり不動産会社の中から就活しなければ生きることさえ難しくなる。
少しランクを落とせば、仕事はある。でも、ランクを落とせば、たちまちお給料が下がる。それに今までの経験値が加味されず、またイチから新卒者と同じ扱いで入社することになる。
いわゆる第二新卒者の扱いを受けることになるのだが、これが曲者で、新卒者と同じというわけではない。給料面も新卒者の方がずっといい。一度、どこかの会社でしくじったキズ者扱いは、一生かかってもとれない。
こんなことなら、三波埼令嬢を無視してでも、姫乃と一緒になればよかったと悔やんでも悔やみきれない。
姫乃はイイ女だった。顔立ちからは想像できないぐらい胸が大きく、少し触っただけで感じやすい。三波埼令嬢などと比べ物にならないぐらい締りがいい。
ああ。もう1回でいいから、抱きたい。
あの時は、次期社長になれるかも?という餌につい釣られてしまったが、実際のところ三波埼の経営状況は芳しくない。
あんな潰れかけの会社のために大事な姫乃を手放してしまうなんて、愚かなことをしたのだろうか?
人生ここぞというときの選択肢を誤ってしまったら、負け組に転落してしまう。まさに、大輔は負け組に転落してしまったのだ。
捨てたはずの姫乃は大企業の御曹司といい仲になって、玉の輿に乗ろうとしている勝ち組というのに。
正月明け、ハローワークに行くも、まだ失業保険は下りない。求職の申し込みをして7日間は待期期間で、その間は給付対象にはならない。
退職金も支払われずに追い出されたので、その間の手持ちの金と言えば、給料だけ。貯金は、姫乃のところを出ていくときに新しく借りたマンションの敷金などで消えたので、残っていない。
本当、三波埼の阿婆擦れに引っかかったばっかりで、最悪だ。90日間は失業保険で食いつなぐとしても、ほとんど家賃に光熱費を払うと何も手元に残らない。
実家に帰ることも考えたが、26歳にもなって無職だなんて、世間体が悪すぎて帰るに帰れない。
失業保険だけでは心もとないので、ホストクラブの見習いをすることになった。
大輔は見た目だけは、イケメンなので、すぐに見習いとして採用されたが、まだ客は取れない。ホストとしての心構えやセックステクニックを覚えなければならない。
最初は、先輩ホストにつきっきりで客あしらいなどを教えてもらう。習うというより真似る、倣うといった方が適切かもしれない。
酒の注ぎ方、たばこの火をつける仕草、乾杯の所作、すべて作法があり、それを見よう見まねで覚えていく。
少しでも間違えると、閉店後店の裏へ連れ込まれボコボコにどつかれる。
セックステクニックは、先輩やオーナー夫妻が実際にやっているところをひたすら見学させてもらう。
オーナー夫妻の本職は開業医なので、確か整形外科医だったか?それで人体の構造を熟知しているので、こうすれば、もっと女性が悦ぶということを丁寧に教えてもらっている。
時折、旦那の目の前で夫人にサービスを提供することがある。その際、容赦のない「下手くそ」の声が飛び交い、大輔は次第に自信をなくしていく。
世の中、楽して稼げる職業などないということを思い知らされ、打ちのめされてしまう。
そんな時、オープンしたばかりの不動産賃貸会社の求人広告が目に飛び込んできたので、早速、履歴書を送る。
先方が面接したいと言ってきたので、スーツに着替え緊張した面持ちで出かけてみた。
運よく社長が面接してくれると言うので、さらに緊張しながら、面接室で待つ。ノックの音がして、社長が入ってこられるのを立ち上がって……!
社長の顔を見て、呆然としてしまう大輔。
姫乃と二股疑惑を払しょくできなかったことが原因で、大輔からしてみれば、カノジョ持ちの男に粉をかけてきたのは、そっちだろ?と言いたい。
暮の寒空に、クビになるなんて、来年から、どうやって生きていけばいいのだ。業界は横のつながりが結構あり、同じような不動産会社への就職は難しい。さりとて、他にできる仕事もないので、やはり不動産会社の中から就活しなければ生きることさえ難しくなる。
少しランクを落とせば、仕事はある。でも、ランクを落とせば、たちまちお給料が下がる。それに今までの経験値が加味されず、またイチから新卒者と同じ扱いで入社することになる。
いわゆる第二新卒者の扱いを受けることになるのだが、これが曲者で、新卒者と同じというわけではない。給料面も新卒者の方がずっといい。一度、どこかの会社でしくじったキズ者扱いは、一生かかってもとれない。
こんなことなら、三波埼令嬢を無視してでも、姫乃と一緒になればよかったと悔やんでも悔やみきれない。
姫乃はイイ女だった。顔立ちからは想像できないぐらい胸が大きく、少し触っただけで感じやすい。三波埼令嬢などと比べ物にならないぐらい締りがいい。
ああ。もう1回でいいから、抱きたい。
あの時は、次期社長になれるかも?という餌につい釣られてしまったが、実際のところ三波埼の経営状況は芳しくない。
あんな潰れかけの会社のために大事な姫乃を手放してしまうなんて、愚かなことをしたのだろうか?
人生ここぞというときの選択肢を誤ってしまったら、負け組に転落してしまう。まさに、大輔は負け組に転落してしまったのだ。
捨てたはずの姫乃は大企業の御曹司といい仲になって、玉の輿に乗ろうとしている勝ち組というのに。
正月明け、ハローワークに行くも、まだ失業保険は下りない。求職の申し込みをして7日間は待期期間で、その間は給付対象にはならない。
退職金も支払われずに追い出されたので、その間の手持ちの金と言えば、給料だけ。貯金は、姫乃のところを出ていくときに新しく借りたマンションの敷金などで消えたので、残っていない。
本当、三波埼の阿婆擦れに引っかかったばっかりで、最悪だ。90日間は失業保険で食いつなぐとしても、ほとんど家賃に光熱費を払うと何も手元に残らない。
実家に帰ることも考えたが、26歳にもなって無職だなんて、世間体が悪すぎて帰るに帰れない。
失業保険だけでは心もとないので、ホストクラブの見習いをすることになった。
大輔は見た目だけは、イケメンなので、すぐに見習いとして採用されたが、まだ客は取れない。ホストとしての心構えやセックステクニックを覚えなければならない。
最初は、先輩ホストにつきっきりで客あしらいなどを教えてもらう。習うというより真似る、倣うといった方が適切かもしれない。
酒の注ぎ方、たばこの火をつける仕草、乾杯の所作、すべて作法があり、それを見よう見まねで覚えていく。
少しでも間違えると、閉店後店の裏へ連れ込まれボコボコにどつかれる。
セックステクニックは、先輩やオーナー夫妻が実際にやっているところをひたすら見学させてもらう。
オーナー夫妻の本職は開業医なので、確か整形外科医だったか?それで人体の構造を熟知しているので、こうすれば、もっと女性が悦ぶということを丁寧に教えてもらっている。
時折、旦那の目の前で夫人にサービスを提供することがある。その際、容赦のない「下手くそ」の声が飛び交い、大輔は次第に自信をなくしていく。
世の中、楽して稼げる職業などないということを思い知らされ、打ちのめされてしまう。
そんな時、オープンしたばかりの不動産賃貸会社の求人広告が目に飛び込んできたので、早速、履歴書を送る。
先方が面接したいと言ってきたので、スーツに着替え緊張した面持ちで出かけてみた。
運よく社長が面接してくれると言うので、さらに緊張しながら、面接室で待つ。ノックの音がして、社長が入ってこられるのを立ち上がって……!
社長の顔を見て、呆然としてしまう大輔。
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