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学園
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ローランド国の市井との境目の空き地にあったという隣国コーネリアルの建物を見に、ロバート・ローランド王太子殿下は、訪れる。
確かに一見して、何も建っていないようだが、何か気配がある。
試しに門扉のベルを鳴らしてみると、どこからか立派な風格の貴族男性が現れた。
「どなたでございますか?」
「私は、ロバート・ローランドと申す、この国の王太子をしておりますが、こちらに年頃のお嬢様はいらっしゃいますでしょうか?お名前は、ジャッキー・サニーバードと申されます。」
「ああ、王女殿下なら大学へ行っておいでです。」
宰相閣下は、うっかりとジャッキーの素性をばらしてしまったのである。うっかりとかどうかは???だけど、相手が王太子殿下と名乗っていらっしゃるものを、嘘を吐くわけにはいかないと判断したのだろう。
ロバートは、ジャッキーがコーネリアルの王女だから自分に対して、そっけない態度をとったことがわかる。それにあの影の護衛の存在も頷ける。
王女様から見れば、王太子なんて、掃いて捨てるほどいるかどうかは疑問だが、しょっちゅう会う機会があるのだろう。だから別に珍しくもなんともないから、そっけない態度をとったと考える。
ロバートは急ぎ、城へ帰り、正式に婚約の打診をしてくることにしたが、結果は「NO」王女殿下は、一人娘なので、婿養子に来てくれるのなら、考えてもいいが嫁に出す気はありませんとの返答が来たのである。
それでは、と大学の正門前で待ち伏せすることにしたのだが、これもいくら待っても会えない。空振りなのである。そうか、あの王女様は、転移魔法の使い手だから、大学の正門前でいくら待っても会えないということに気が付く。
あと、考えられるのは、1年生の必須科目語学が行われる教室を片っ端から、張り込むことにする。
女子学生だから、文学部だろうか?最初は、文学部からしらみつぶしにつぶしていく。
いや、魔法学の書架の前にいたから、魔法学部かもしれない、次いで、魔法学部の語学の講義がある部屋を張りこむ。また空ぶりだ。
王女様だから、法学部かもしれない、また空振り。
まさかの社会学部か?結局、全学部を張りこんだが、まだ会えない。ひょっとして、聴講生か?
実は、ジャッキーは、語学は大得意で、ネイティヴ並みの実力だから、語学の講義は大学から免除をもらっているのです。
だからいくら張り込んでも会えるわけがない。
心が折れそうになるロバート、ある日、キャンパス内でジャッキーを見かけるのである。
「ジャッキー!」
思い切って、声をかけたら、意外にもジャッキーは笑顔を見せてくれる。嬉しい。
「やぁ、元気してた?」
「ええ、なんとかね。」
「君と付き合いたいんだ、ダメかな?」
「いいわよ。お友達としてなら。」
「本当に!? やったぁー!当たって砕けろって言うけど、砕けない場合もあるんだ。」
「うふふ、何度もウチに来てくださったみたいで、あの執事、実は我が国の宰相閣下なのよ。仕事の合間に執事のまねごとをしてくださっているの。本人は、すっかりその気になっちゃって、楽しんでいるようだわ。」
「君と僕とでは、釣り合いがとれるだろ?」
「さぁ、それはどうかしらね。」
「ところで、あの屋敷はどういう仕掛けになっているんだい?」
「隠蔽魔法をかけているのよ。」
「隠蔽!それと、城の者から聞いた話では、ラブホテルのような外観だというのは本当?」
「誰がそんなこと、言ったの!失礼ね。あれは、我が国では、別宮で先々代の王太后様が住んでいらっしゃったところで、今は誰も使っていないから、持ってきただけよ。この国に来て、最初に借りようとした家があまりにも狭くて、それで広い空き家がなかったので、あれを持ってきたのよ。」
「持ってきたって、そこまで大きいアイテムボックス持ちなのか?」
「んまぁ、いくつかのパーツに分けて、持ってきたのよ。」
マズイ?かもしれないので、適当に嘘を吐く。
「ああ、それはそうだろうなぁ、いくら何でも城一つ分は入らないのが普通だからね。」
そうなの?知らなかった。今まで比べる人がいなかったので、他の人と魔法について話すことも初めてのことで、ジャッキーは次第にロバートに惹かれていく。
最初は警戒していたジャッキーだったけど、喋ってみるとそう悪い人ではないみたい。お父様に言えば、「ダメだ。」の一言で片づけられそうな気もするけどね。
よく聞けば、ロバート様も婚約者に浮気されて、婚約解消になったということで、ジャッキーとよく似ている。
まぁ政略による婚約者なんて、そんなものよ。と笑う。
ジャッキーの場合は、婚約者と浮気相手もろとも、国外追放したようなものだけど、ロバート様は婚約者だけを国外追放にされたから、少々手ぬるい気もする。
だけど、それはきっとロバート様の優しさから来るものだろうとわかる。
それからは、講義後の図書館でちょくちょく会うようになった。デートと言うには、あまりにも堅すぎる場所だったけど、楽しかったわ。
ロバート様は、ジャッキーより一つ年上の2年生だったので、これから習うカリキュラムなどを教えてもらえたのはありがたいことで、予定を知ることは大事なことなのです。
「ところで、ジャッキーは卒業後の進路はどうするの?やっぱり、コーネリアルに帰って、王女修行をするの?」
「わたくしは、経営学修士を目指していますから、卒業したらさらに上の大学院へ行きたいと考えています。」
それなら、何が何でもあと2年のうちに口説き落として、学生結婚に持ち込むしかない。しかし、腕力を頼りに手籠めにするようなことはできない。護衛がいるから、いなくても、ジャッキーは強い。聞くところによると、婚約者がクズ男だったので、初夜に切り殺されてしまうかもしれないからと、小さい時から、騎士団長の家に預けられ、そこで護身術を超える剣術をみっちりと習い、使い手となったそうだ。
だから、あの時、あっさりとやられてしまったのだ。家柄は同等かもしれないが、魔法力もアイテムボックスの大きさも剣術も、ジャッキーにかなうところなど何一つない。
ただ一つ適うとすれば、それはジャッキーを愛する心だけ、それを前面に打ち出して突破するしかないだろうな。とほぼあきらめの胸中のロバート。
でもこの娘を逃したら、自分と釣り合いが取れる女性は、そういないから必死である。
また、母上に叱られ、父上の女狂いが始まる。そうなれば母上はさらに激昂し、叱られる。そういう悪循環になっているのだ。我が国は。
だから、どうしてもジャッキーの気を惹きたくて躍起になっているのである。
その年の夏休み、大学は長期休暇に入る。ジャッキーは、帰国して、王女修行と言うべきか、父の仕事の補佐をするつもりでいる。
ロバートは、なんとかジャッキーを引き留めようと、
「ウチの避暑地へ来ないか?とてもきれいな湖があるから、見に来ないか?」
ええー?湖ぐらいで、わたくしを釣れるとお思い?
「美味しいスイーツを用意させるから来ないか?」
え?スイーツ?うん、食べたい♡
「ローランドは山国だから、フルーツがたくさんとれる。フルーツをふんだんに使ったスイーツに興味はないかい?」
あるある、ありますとも、ぜひ、行かせていただきますわ。
ジャッキーは、即決する。
ジャッキーは、自分が食べられることになろうとは、想像もしないで、美味しいスイーツを夢見て、のこのこロバートについていく。
ローランド国のそこは、別宮のところのようであった。ロバートは、父が愛人を囲うときに遣っている屋敷を利用したのである。
確かに美しい景色、美しい湖がある。ここで王様という地位のある人から、求められてら、確かに落ちる女性は多いだろうと感じられたのである。
ジャッキーは、スイーツさえいただければ、長居は無用でさっさと帰ろうと思う。
出てくるスイーツは、どれもこれも可愛く、味も抜群に美味しいのである。同じものを料理長に作ってもらおうと、こっそり異空間の中に隠す。すっかり遅くなってしまったのであるが、今日はもう遅いから、泊まっていくように勧められ、最後に出されたものはホットチョコレート。
マグカップを持って、口に近づけた時、ある種の毒のニオイを感じ取ってしまったのである。
何の毒かは、わからない。ロバート様は美味しそうに飲んでいらっしゃるが……?
毒だと気づいてからは、どうしても飲めない。ホットチョコレートを少しだけ、持ち帰り成分分析がしたい。ジャッキーは、飲んだふりをして、一部を異空間に仕舞うことにしたのである。
その後、案内された寝室には、枕元に超エロイ、スケスケのネグリジェが置いてあり、前身ごろのリボンを引っ張るとすべての部分が落ちてしまうという代物。さすがに王様が
作らせるだけのものではあるわね。こんなもの、コーネリアルでやれば、お母様の鉄拳が必ず落ちるであろう。
高額のためにそのネグリジェも、異空間に仕舞い。影を呼ぶ。
「影、いる?」
「はい、ここに。」
「長居は無用、さっさと帰るわよ。」
「はっ!」
そのまま、影とともに転移魔法を使い、とりあえずは別宮に戻る。そして、あのホットチョコレートの中身は、媚薬が少量混じっていたのである。
別宮の者が気を遣って、仕込んだものか、ロバートからの指示があったものかどうかは、わからないが、この国の大学にはもういられないと思う。せっかく、入学したばかりなのに、一般教養も終わらないうちに、他の大学に転学しなければならないのは、心苦しい。
伯爵令嬢の触れ込みで入学したのに、すぐさま王女であることがバレてしまい、御先真っ暗な気分である。やはり、コーネリアルの田舎の大学へ行こうかしらね。そうすれば、ロバートのような他国の王族から狙われることはないだろう。
媚薬だとわかった途端に、空き地の使用権の解約手続きと大学へ転学届を出すように指示する。
ジャッキーたち一行は、その夜から、さっさとコーネリアルに戻りお父様を安心させるのです。
その頃、ロバートは、やけに目が覚め、眠れない夜を過ごすのだが、ジャッキーがもういないことには、気づかないでいる。
確かに一見して、何も建っていないようだが、何か気配がある。
試しに門扉のベルを鳴らしてみると、どこからか立派な風格の貴族男性が現れた。
「どなたでございますか?」
「私は、ロバート・ローランドと申す、この国の王太子をしておりますが、こちらに年頃のお嬢様はいらっしゃいますでしょうか?お名前は、ジャッキー・サニーバードと申されます。」
「ああ、王女殿下なら大学へ行っておいでです。」
宰相閣下は、うっかりとジャッキーの素性をばらしてしまったのである。うっかりとかどうかは???だけど、相手が王太子殿下と名乗っていらっしゃるものを、嘘を吐くわけにはいかないと判断したのだろう。
ロバートは、ジャッキーがコーネリアルの王女だから自分に対して、そっけない態度をとったことがわかる。それにあの影の護衛の存在も頷ける。
王女様から見れば、王太子なんて、掃いて捨てるほどいるかどうかは疑問だが、しょっちゅう会う機会があるのだろう。だから別に珍しくもなんともないから、そっけない態度をとったと考える。
ロバートは急ぎ、城へ帰り、正式に婚約の打診をしてくることにしたが、結果は「NO」王女殿下は、一人娘なので、婿養子に来てくれるのなら、考えてもいいが嫁に出す気はありませんとの返答が来たのである。
それでは、と大学の正門前で待ち伏せすることにしたのだが、これもいくら待っても会えない。空振りなのである。そうか、あの王女様は、転移魔法の使い手だから、大学の正門前でいくら待っても会えないということに気が付く。
あと、考えられるのは、1年生の必須科目語学が行われる教室を片っ端から、張り込むことにする。
女子学生だから、文学部だろうか?最初は、文学部からしらみつぶしにつぶしていく。
いや、魔法学の書架の前にいたから、魔法学部かもしれない、次いで、魔法学部の語学の講義がある部屋を張りこむ。また空ぶりだ。
王女様だから、法学部かもしれない、また空振り。
まさかの社会学部か?結局、全学部を張りこんだが、まだ会えない。ひょっとして、聴講生か?
実は、ジャッキーは、語学は大得意で、ネイティヴ並みの実力だから、語学の講義は大学から免除をもらっているのです。
だからいくら張り込んでも会えるわけがない。
心が折れそうになるロバート、ある日、キャンパス内でジャッキーを見かけるのである。
「ジャッキー!」
思い切って、声をかけたら、意外にもジャッキーは笑顔を見せてくれる。嬉しい。
「やぁ、元気してた?」
「ええ、なんとかね。」
「君と付き合いたいんだ、ダメかな?」
「いいわよ。お友達としてなら。」
「本当に!? やったぁー!当たって砕けろって言うけど、砕けない場合もあるんだ。」
「うふふ、何度もウチに来てくださったみたいで、あの執事、実は我が国の宰相閣下なのよ。仕事の合間に執事のまねごとをしてくださっているの。本人は、すっかりその気になっちゃって、楽しんでいるようだわ。」
「君と僕とでは、釣り合いがとれるだろ?」
「さぁ、それはどうかしらね。」
「ところで、あの屋敷はどういう仕掛けになっているんだい?」
「隠蔽魔法をかけているのよ。」
「隠蔽!それと、城の者から聞いた話では、ラブホテルのような外観だというのは本当?」
「誰がそんなこと、言ったの!失礼ね。あれは、我が国では、別宮で先々代の王太后様が住んでいらっしゃったところで、今は誰も使っていないから、持ってきただけよ。この国に来て、最初に借りようとした家があまりにも狭くて、それで広い空き家がなかったので、あれを持ってきたのよ。」
「持ってきたって、そこまで大きいアイテムボックス持ちなのか?」
「んまぁ、いくつかのパーツに分けて、持ってきたのよ。」
マズイ?かもしれないので、適当に嘘を吐く。
「ああ、それはそうだろうなぁ、いくら何でも城一つ分は入らないのが普通だからね。」
そうなの?知らなかった。今まで比べる人がいなかったので、他の人と魔法について話すことも初めてのことで、ジャッキーは次第にロバートに惹かれていく。
最初は警戒していたジャッキーだったけど、喋ってみるとそう悪い人ではないみたい。お父様に言えば、「ダメだ。」の一言で片づけられそうな気もするけどね。
よく聞けば、ロバート様も婚約者に浮気されて、婚約解消になったということで、ジャッキーとよく似ている。
まぁ政略による婚約者なんて、そんなものよ。と笑う。
ジャッキーの場合は、婚約者と浮気相手もろとも、国外追放したようなものだけど、ロバート様は婚約者だけを国外追放にされたから、少々手ぬるい気もする。
だけど、それはきっとロバート様の優しさから来るものだろうとわかる。
それからは、講義後の図書館でちょくちょく会うようになった。デートと言うには、あまりにも堅すぎる場所だったけど、楽しかったわ。
ロバート様は、ジャッキーより一つ年上の2年生だったので、これから習うカリキュラムなどを教えてもらえたのはありがたいことで、予定を知ることは大事なことなのです。
「ところで、ジャッキーは卒業後の進路はどうするの?やっぱり、コーネリアルに帰って、王女修行をするの?」
「わたくしは、経営学修士を目指していますから、卒業したらさらに上の大学院へ行きたいと考えています。」
それなら、何が何でもあと2年のうちに口説き落として、学生結婚に持ち込むしかない。しかし、腕力を頼りに手籠めにするようなことはできない。護衛がいるから、いなくても、ジャッキーは強い。聞くところによると、婚約者がクズ男だったので、初夜に切り殺されてしまうかもしれないからと、小さい時から、騎士団長の家に預けられ、そこで護身術を超える剣術をみっちりと習い、使い手となったそうだ。
だから、あの時、あっさりとやられてしまったのだ。家柄は同等かもしれないが、魔法力もアイテムボックスの大きさも剣術も、ジャッキーにかなうところなど何一つない。
ただ一つ適うとすれば、それはジャッキーを愛する心だけ、それを前面に打ち出して突破するしかないだろうな。とほぼあきらめの胸中のロバート。
でもこの娘を逃したら、自分と釣り合いが取れる女性は、そういないから必死である。
また、母上に叱られ、父上の女狂いが始まる。そうなれば母上はさらに激昂し、叱られる。そういう悪循環になっているのだ。我が国は。
だから、どうしてもジャッキーの気を惹きたくて躍起になっているのである。
その年の夏休み、大学は長期休暇に入る。ジャッキーは、帰国して、王女修行と言うべきか、父の仕事の補佐をするつもりでいる。
ロバートは、なんとかジャッキーを引き留めようと、
「ウチの避暑地へ来ないか?とてもきれいな湖があるから、見に来ないか?」
ええー?湖ぐらいで、わたくしを釣れるとお思い?
「美味しいスイーツを用意させるから来ないか?」
え?スイーツ?うん、食べたい♡
「ローランドは山国だから、フルーツがたくさんとれる。フルーツをふんだんに使ったスイーツに興味はないかい?」
あるある、ありますとも、ぜひ、行かせていただきますわ。
ジャッキーは、即決する。
ジャッキーは、自分が食べられることになろうとは、想像もしないで、美味しいスイーツを夢見て、のこのこロバートについていく。
ローランド国のそこは、別宮のところのようであった。ロバートは、父が愛人を囲うときに遣っている屋敷を利用したのである。
確かに美しい景色、美しい湖がある。ここで王様という地位のある人から、求められてら、確かに落ちる女性は多いだろうと感じられたのである。
ジャッキーは、スイーツさえいただければ、長居は無用でさっさと帰ろうと思う。
出てくるスイーツは、どれもこれも可愛く、味も抜群に美味しいのである。同じものを料理長に作ってもらおうと、こっそり異空間の中に隠す。すっかり遅くなってしまったのであるが、今日はもう遅いから、泊まっていくように勧められ、最後に出されたものはホットチョコレート。
マグカップを持って、口に近づけた時、ある種の毒のニオイを感じ取ってしまったのである。
何の毒かは、わからない。ロバート様は美味しそうに飲んでいらっしゃるが……?
毒だと気づいてからは、どうしても飲めない。ホットチョコレートを少しだけ、持ち帰り成分分析がしたい。ジャッキーは、飲んだふりをして、一部を異空間に仕舞うことにしたのである。
その後、案内された寝室には、枕元に超エロイ、スケスケのネグリジェが置いてあり、前身ごろのリボンを引っ張るとすべての部分が落ちてしまうという代物。さすがに王様が
作らせるだけのものではあるわね。こんなもの、コーネリアルでやれば、お母様の鉄拳が必ず落ちるであろう。
高額のためにそのネグリジェも、異空間に仕舞い。影を呼ぶ。
「影、いる?」
「はい、ここに。」
「長居は無用、さっさと帰るわよ。」
「はっ!」
そのまま、影とともに転移魔法を使い、とりあえずは別宮に戻る。そして、あのホットチョコレートの中身は、媚薬が少量混じっていたのである。
別宮の者が気を遣って、仕込んだものか、ロバートからの指示があったものかどうかは、わからないが、この国の大学にはもういられないと思う。せっかく、入学したばかりなのに、一般教養も終わらないうちに、他の大学に転学しなければならないのは、心苦しい。
伯爵令嬢の触れ込みで入学したのに、すぐさま王女であることがバレてしまい、御先真っ暗な気分である。やはり、コーネリアルの田舎の大学へ行こうかしらね。そうすれば、ロバートのような他国の王族から狙われることはないだろう。
媚薬だとわかった途端に、空き地の使用権の解約手続きと大学へ転学届を出すように指示する。
ジャッキーたち一行は、その夜から、さっさとコーネリアルに戻りお父様を安心させるのです。
その頃、ロバートは、やけに目が覚め、眠れない夜を過ごすのだが、ジャッキーがもういないことには、気づかないでいる。
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