国境を越えた愛、ロイヤルロマンス

青の雀

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愛しのグリンダ

2.帰国

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 完璧な貴族の礼儀をマスターしたグリンダは、身も心も見違えるような令嬢となり、帰国した。
王都に戻ってきたグリンダは、ナンパ男のマーカスから声をかけられる。

 「あれ?君、見かけない子だね。王都にいる美人は、ほとんど把握しているのに、誰だっけ?王都へは、観光?それとも仕事?」

 うるさくまとわりつくマーカスは、グリンダのことを気づかない。

 「お久しぶりでございます。マーカス殿下。」

 「え?なんで?俺のお名前を知っているの?」

 「お忘れでございますか。グリンダでございます。」

 「はて・・・?グリンダ???」

 「お忘れでも仕方ございませんわね。幼い頃は、遊んでいただいてこともありましたが。」

 「えええ!ひょっとして!庭師のところのグリンダかい?随分、きれいになった。すっかり見違えてしまったよ。いやいや、もともと可愛かったがな。」

 「うふふ。よろしいのですよ。」

 「では、家(王城)が同じ方向なので、馬車で送ることとしよう。」

 「まぁ、かたじけのう存じます。」

 馬車の中で、今夜開かれる王城のパーティへグリンダを誘った。

 「でも、わたくしは、庭師の娘、華やかな夜会へなど出席できるはずもございません。」

 「大丈夫だよ。俺が迎えに行く。では、庭で待ち合わせをしよう。グラスとシャンパンを持って行くから、二人でこっそり落ち合おう。」

 マーカスは、国家事業拡大のため公爵令嬢との望まぬ婚約を命じられていました。確かにシャルロットのカラダは、まあまあだったが、妻にする気はない。あんな淫乱女は嫌だった。
 マーカスは美しいグリンダに惚れこんで、モノにしたいと思った。

 パーティーで注目の的となるグリンダとダンスを踊るマーカスは、美しいグリンダを見せびらかしている。

 「マーカス殿下と踊っていらっしゃる、あのご令嬢はどちらのご令嬢でしょうか?」
 「なんと、お美しいご令嬢ですこと、所作もお美しい。」
 「我が王国に、あれほどの美人はいないから、おそらく他国の王族の血を引く高貴な姫様ですわ。」

 マーカスは二人で会場を抜け出そうとする。

 シャルロットを放ってグリンダに夢中になる姿をトーマスに見つかり、父に呼び出されてしまう。
 父と口論となったマーカスは、尻ポケットにシャンパングラスを入れたまま椅子に座ったことで大怪我をしてしまう。

 「痛たたた。トーマス兄さん、頼みがあるのだが。」

 「俺の代わりに、庭へ行ってグリンダ嬢の相手をしてやってくれないか?」

 「グリンダ?聞かない名前だが、さっき踊っていた、あのご令嬢のことかい?どこの姫様だ?噂では、他国の王族とか聞いたよ。」

 「違うよ。あのグリンダだよ。庭師のところのグリンダだ。」

 「まさか!あのグリンダがあんな美人になったのか?」

 「驚いただろ?なんでも隣国へ2年間、留学に行って、向こうの大公殿下から直接、礼儀作法を教わったらしい。」

 「通りで、所作が本物の貴族令嬢並みに、いやそれ以上に美しいはずだ。」

 その頃、グリンダは父から叱責を受け、しょんぼりしていた。
 「月に手を伸ばすのは止めろ」と諭す父に対し、グリンダは「月が私に手を伸ばしているのよ」と自信満々に答える。

 待ち合わせ場所でマーカスを待つグリンダの元にトーマスが現れた。
 「待たせて済まない。」

 嬉しくて、振り向くグリンダ
 「マーカス殿下は?」がっかりするグリンダ

 「ちょっとしたアクシデントがあって来られない。弟が代わりに、グリンダ嬢の相手をしてくれ、と頼まれてきた。」

 「アクシデントとは?マーカス殿下は大丈夫でしょうか?」

 「ちょっと尻を怪我した。なぜか、尻ポケットにシャンパングラスを入れていたんだ。」

 「まぁ!大変ですわね。お見舞いに行かないと。」

 「いやいや、弟にもプライドがあるから、そっとしておいてやってくれないか。」

 「それとな、グリンダ。もう弟には、近づかないでくれないか?あいつは今、政略結婚で大変な時期なんだ。はっきり言えば、グリンダが邪魔な存在である。今までは、渋々ながら、政略結婚を受け入れていたが、グリンダが現れてから、上の空で王家としては、迷惑している。済まないが、頼むよ。」

 「できれば、また隣国へ戻ってくれないか?ルセンブルク大公殿下には、王家として、手紙を書いて渡すようにするからさ。」

 グリンダが目に涙をいっぱい溜めて、トーマス殿下を見上げると、その美しさでトーマスは、ドキリとした。

 堅物なトーマスがはじめて恋に落ちた。
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