愛人契約~純情な貧乏娘に一目ぼれ!?あの手この手で口説きまくる

青の雀

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 キャロラインにプロポーズしたものの、まだ「愛」がどういうものか、わかっていない。そのため、キャロラインをどう扱っていいか、イマイチわかっておらず、オロオロしている。

 あれからお妃教育のため、毎日お城へ通ってくるが、以前の様に図書室で談笑することはなく、疲れた足取りで、公爵邸に戻っているようだ。

 10歳まで公爵令嬢としての教育を受けていたから、やはり並み居る令嬢とは、比べ物にならないぐらい筋がいいと講師陣は口をそろえて、キャロラインを褒めたたえる。

 アーノルドは俺が愛した女のだから、当然とフンと鼻を鳴らしかけ、すぐやめる

 え?愛した女?

 何気に使いそうになっていること自体が不思議で、自分でも困惑している。

 いや、実は本当に愛しているのかもしれない。

 いまだに愛というものがどういうものかわかっていないので、余計混乱する。これが、愛なのか!?自問自答する。でも、確かに、キャロラインの傍に一生痛いと思っている。キャロラインが誰か他の男と喋っているだけで、はらわたが煮えくり返る思いがする。それがたとえ、公爵家の家人であってもだ。キャロラインを独占したいという思いは、愛なのか?ただの独占欲ではないのか?

 わからないが、はっきり言えることは、キャロラインを手に入れたいということ。もし、手に入れ、抱きつくした後で、飽きたと言って捨てるかもしれない。

 そうなれば、キャロラインは普通の愛人と同じように、修道院へ送り、他の男にくれてやれるのか?

 今の段階では、NOとしか言えない。たとえ飽きたとしても、キャロラインを一生自分の傍に置いておきたいと希望するだろう。

 それに爵位の問題もある。キャロラインは平民の女でも、どこかの貴族令嬢でもない。一人前の爵位を持ったものを愛人契約として結べるのかが疑問点にある。

 それがもし后であるなら、公爵の位があっても問題はない。

 うーん。とうなっても結論は出ない。要するに、アーノルドは、キャロラインと1回したい。味見して、よくなかったら、后としては迎えるが、他に愛人を持とうと思っているみたい。

 そうすれば、一生、キャロラインを手元においておけるし、他の男に盗られる心配もない。

 我ながらグッドアイディアを思いついたものだと、感心している。そのために后となる女性に愛の言葉を囁いたと思わせておいた方が好都合だろう。

 先日、プロポーズをしたことに対しての後追いの言い訳に過ぎない。

「ああ。早く、初夜が来ないか。待ち遠しい」

 その前にキャロラインの学園卒業が先だということも、すっかり失念している。それまで愛人なしで、どうやって過ごそうかなどとは、考えていない。

 キャロラインと出会う前は、毎日とっかえひっかえ女を抱いていたカラダの疼きは、まだ健在であるはずなのだが……。

 次の日、お妃教育に来たキャロラインを待ち伏せして、自室に引っ張り込む。

 キャロラインは、困惑しきった顔で、俺を見上げてくるが、俺はどうしてもキャロラインに新しいドレスをプレゼントしたくて、どんなデザインのものが良いか聞き出したい。

 キャロラインの座っているソファの隣に座り、デザイン画を見せる。

 キャロラインは、困ったような顔をして、まだ、ドレスはたくさんあるのでいらないというような素振りを見せている。

 俺にとっては、ドレスなんて、どうでもいい。早くドレスを脱がす口実が欲しいだけなのだが、いらないというと不敬に当たると思っているのか?キャロラインは真剣な表情をして、ドレスデザイン画をめくっている。

 キャロラインからは、かすかだが、ほんのりと大匂いがしてくる。俺は尾行をくすぐられ、ついにキャロラインを抱き寄せてしまう。

「あ!殿下、何を……!」

 もう、俺の下半身はパンパンで今にもはちきれそうになっているが、ここでキャロラインを押し倒しでもすれば、キャロラインの負担になることはわかっているつもりだ。

 大事なキャロラインを俺の欲のために汚したくはない。その思いが、思わず湧き上がってきて、彼女を抱き寄せ、そっとキスをする。

 それ以上の展開にならなくて、ホっと胸をなでおろしている俺は、これが愛なのかと気づく。
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