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第1章
7.聖女様
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ルミアマリーゼの聖女判定がでてからというもの、生活が一変してしまったのだ。あの日、お祖父ちゃんは何のためにあんなお化けのQちゃんみたいな恰好で出てきたのか、今もって謎のままで、あれ以来、またプツリと出てこなくなってしまったのだ。
生きていた時のお祖父ちゃんもそうだったけど、言葉足らずでナニを言っているのか理解できない人だったので、死んでからでも、その性格を引きずっている者とばかり思っていたのだ。
選ばれた3人の聖騎士候補は、誰もイケメンで一人に絞ることなどできないので、3人とも召し抱えることが決まる。
王子との婚約もすぐに決まり、順風満帆の人生の様に思われたのだが、周囲からの嫉妬はすさまじく、聖騎士3人では足りないぐらいだった。
ルミアマリーゼが発案した下着文化は、性犯罪を激減させ、レース文化は、女性をより急王華やかに変身させ、外国の高位貴族から引っ張りだことなる人気を博す。その当時は、それを発案しただけの功労者として、羨望の的であったのに、聖女になり、まして王子の婚約者になってからはというもの、羨望は嫉妬へと変貌していき、ルミアマリーゼはいわれのないイジメを受け、苦労することになる。
学園に入ってからは、さらにひどい扱いをされるようになり、階段で突き落とされそうになった時、聖騎士の先導役をしてくれていた2人が身をもって、ルミアマリーゼの落下を防いでくれたのだ。
教会で聖魔法教育をし、その足で今度は王城へ行き、お妃教育を受ける過酷なスケジュールに身も心もボロボロになりかけた時、なぜかお化けのQちゃん風のお祖父ちゃんの魂が現れ、癒してくれることが多くなったけど、お祖父ちゃんからは、何も言葉を発せられないらしい。
本当、使えないお祖父ちゃんだ。
それに加えて第1王子殿下のアレックス様と婚約はしたものの、一度も顔を合わせたことがない。同じ学園の同級生のはずだけど、アレックス様は、王族特別室で授業を受けられているみたい。
その頃、仲良くなったのは、同級生のジェームズ・カサブランカ筆頭公爵令息で、そういえば、幼い頃に何度かお宅にお邪魔したことがある間柄でもあった。ジェームズとアレックスはいとこ同士の関係で、王妃様とジェームズの母親がしまいだと聞いたことがある。
昔、ルミアマリーゼがパンツを手縫いしていた時、ジェームズも同じようなものを欲しがり、前開きの長さを測らせてもらいにお宅にお邪魔して以来のことだった。
「アレックスの婚約者になっても、寂しいだけだよね」
「そうね」
「クソッ!ルミアマリーゼが聖女様になることがわかっていたのに、なんでもっと早くちょっかいを出さなかったか、悔やまれるな」
「わたくしが聖女様になるなんて、どなたからお聞きされた他のでしょうか?」
「あの頃は、有名な話で、すごい3歳児がいると話題になっていたのだよ。知らなかったかい?ルミアのお父さんも「ウチの娘は天才だ」と言いふらしていたからさ。それからすぐに、ランジェリーが産業として確立して、そればかりかレースなどという見たこともないスケスケ感のある高級品まで編み出したというから、すごいと思って、憧れを抱いていたんだよ」
「へーそうなの」
「なんだ。他人事みたいに言って。まあそういうところが、ルミアらしいと言えば、ルミアらしいのだけどな。それが将来の王妃様になるなんてね。なんだかルミアが遠い存在になってしまったようで、寂しいよ」
「なに、言っているのよ。親戚になるだけじゃないの?」
「普通ならね。でも、聖女様とは、親戚になれないみたいだよ」
「え?どうして?」
「そのうちわかるって」
どうも、結婚後の話になると、誰もが言葉を濁して言いたがらないのは、なぜだろう?お父様もジェームズも、何か知っているのなら教えてくれてもいいのではと思ってしまう。
「おっと、いけない!誰かに見られでもしたら大変なことになるから、俺はもう失礼するよ。それじゃまた、屋敷の方にでも寄ってよ」
「ええ。さよなら、ごきげんよう」
そう。小保世界は、婚約者がいる人に威勢が話しかけたらダメな世界、特に婚約者のいる女性は、婚約者以外の男性と口を聞いてはいけないという不文律がある。
でもルミアマリーゼは聖女様なので、婚約者のいる聖女様に幼馴染といえども、男性が気軽に話しかけては、男性の方が罰せられてしまう。だから、時折、人目のつかないところで、こっそりおしゃべりを楽しんでいるというわけだが、ルミアマリーゼは、この逢瀬をけっこう楽しんでいる。なぜなら、ジェームズがもし、いなかったら誰とも、喋る機会がないもの。
特に聖女様の認定を受けるようになってからというもの、ルミアマリーゼに近づいてくる人間は、悪意を持った人間しか、近寄らなくなってしまったのだ。
それまで社交界で、顔見知りだった令嬢とも疎遠になってしまって、とても寂しい。
それは前世でも同じで女性は、お友達と一見、仲良くしているように見えるかもしれないけれど、その実、裏では嫉妬と足の引っ張り合いを秘かに繰り広げている。
みんなイイ男を選ぶため、ライバル同士になるのだから、それはあくまで一般論で、中には本当に気の置けない親友を得られる人もいる。だから一概には、言えないけど、男も女も生涯の伴侶だけしか、真に信じあえる存在はいないということになる。
聖女様というのは、それほど崇高な存在で、一般人が気楽に話しかけられる相手ではないということになってしまったのだ。
生きていた時のお祖父ちゃんもそうだったけど、言葉足らずでナニを言っているのか理解できない人だったので、死んでからでも、その性格を引きずっている者とばかり思っていたのだ。
選ばれた3人の聖騎士候補は、誰もイケメンで一人に絞ることなどできないので、3人とも召し抱えることが決まる。
王子との婚約もすぐに決まり、順風満帆の人生の様に思われたのだが、周囲からの嫉妬はすさまじく、聖騎士3人では足りないぐらいだった。
ルミアマリーゼが発案した下着文化は、性犯罪を激減させ、レース文化は、女性をより急王華やかに変身させ、外国の高位貴族から引っ張りだことなる人気を博す。その当時は、それを発案しただけの功労者として、羨望の的であったのに、聖女になり、まして王子の婚約者になってからはというもの、羨望は嫉妬へと変貌していき、ルミアマリーゼはいわれのないイジメを受け、苦労することになる。
学園に入ってからは、さらにひどい扱いをされるようになり、階段で突き落とされそうになった時、聖騎士の先導役をしてくれていた2人が身をもって、ルミアマリーゼの落下を防いでくれたのだ。
教会で聖魔法教育をし、その足で今度は王城へ行き、お妃教育を受ける過酷なスケジュールに身も心もボロボロになりかけた時、なぜかお化けのQちゃん風のお祖父ちゃんの魂が現れ、癒してくれることが多くなったけど、お祖父ちゃんからは、何も言葉を発せられないらしい。
本当、使えないお祖父ちゃんだ。
それに加えて第1王子殿下のアレックス様と婚約はしたものの、一度も顔を合わせたことがない。同じ学園の同級生のはずだけど、アレックス様は、王族特別室で授業を受けられているみたい。
その頃、仲良くなったのは、同級生のジェームズ・カサブランカ筆頭公爵令息で、そういえば、幼い頃に何度かお宅にお邪魔したことがある間柄でもあった。ジェームズとアレックスはいとこ同士の関係で、王妃様とジェームズの母親がしまいだと聞いたことがある。
昔、ルミアマリーゼがパンツを手縫いしていた時、ジェームズも同じようなものを欲しがり、前開きの長さを測らせてもらいにお宅にお邪魔して以来のことだった。
「アレックスの婚約者になっても、寂しいだけだよね」
「そうね」
「クソッ!ルミアマリーゼが聖女様になることがわかっていたのに、なんでもっと早くちょっかいを出さなかったか、悔やまれるな」
「わたくしが聖女様になるなんて、どなたからお聞きされた他のでしょうか?」
「あの頃は、有名な話で、すごい3歳児がいると話題になっていたのだよ。知らなかったかい?ルミアのお父さんも「ウチの娘は天才だ」と言いふらしていたからさ。それからすぐに、ランジェリーが産業として確立して、そればかりかレースなどという見たこともないスケスケ感のある高級品まで編み出したというから、すごいと思って、憧れを抱いていたんだよ」
「へーそうなの」
「なんだ。他人事みたいに言って。まあそういうところが、ルミアらしいと言えば、ルミアらしいのだけどな。それが将来の王妃様になるなんてね。なんだかルミアが遠い存在になってしまったようで、寂しいよ」
「なに、言っているのよ。親戚になるだけじゃないの?」
「普通ならね。でも、聖女様とは、親戚になれないみたいだよ」
「え?どうして?」
「そのうちわかるって」
どうも、結婚後の話になると、誰もが言葉を濁して言いたがらないのは、なぜだろう?お父様もジェームズも、何か知っているのなら教えてくれてもいいのではと思ってしまう。
「おっと、いけない!誰かに見られでもしたら大変なことになるから、俺はもう失礼するよ。それじゃまた、屋敷の方にでも寄ってよ」
「ええ。さよなら、ごきげんよう」
そう。小保世界は、婚約者がいる人に威勢が話しかけたらダメな世界、特に婚約者のいる女性は、婚約者以外の男性と口を聞いてはいけないという不文律がある。
でもルミアマリーゼは聖女様なので、婚約者のいる聖女様に幼馴染といえども、男性が気軽に話しかけては、男性の方が罰せられてしまう。だから、時折、人目のつかないところで、こっそりおしゃべりを楽しんでいるというわけだが、ルミアマリーゼは、この逢瀬をけっこう楽しんでいる。なぜなら、ジェームズがもし、いなかったら誰とも、喋る機会がないもの。
特に聖女様の認定を受けるようになってからというもの、ルミアマリーゼに近づいてくる人間は、悪意を持った人間しか、近寄らなくなってしまったのだ。
それまで社交界で、顔見知りだった令嬢とも疎遠になってしまって、とても寂しい。
それは前世でも同じで女性は、お友達と一見、仲良くしているように見えるかもしれないけれど、その実、裏では嫉妬と足の引っ張り合いを秘かに繰り広げている。
みんなイイ男を選ぶため、ライバル同士になるのだから、それはあくまで一般論で、中には本当に気の置けない親友を得られる人もいる。だから一概には、言えないけど、男も女も生涯の伴侶だけしか、真に信じあえる存在はいないということになる。
聖女様というのは、それほど崇高な存在で、一般人が気楽に話しかけられる相手ではないということになってしまったのだ。
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