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10.エスコート
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シャルロットがフェリシアン殿下付きの護衛になって初めての夜会が開かれることになった。
当然、シャルロットは、騎士服で任務に当たるものだとばかり思っていたが、近衛騎士団長のマクシミリアン様から、「令嬢の恰好で来い!」との命令があり、久しぶりのドレスだ。相変わらずシックスパッキンの腹筋のせいで、コルセットなしでドレスを着られるが、足元がスースーするので、ドレスの下にスパッツを穿き、ガーターベルトをして、そこに剣を従えている。パッと見はわからないけど、騎士たるものの誇りは忘れていない。
それにドレスのスカート部分は、取り外しができるように改良してもらっている。お母様は、それを見て「なんて、はしたない恰好」と気絶されてしまいましたが、
「この姿でないと、自分で自分が守り切れません」と申すと、両親は、しっかり務めを果たすように言ってくれる。ありがたい。
エスペランサ家は、魔法師の家柄だけど、仕事においては、忠実な家だということがわかり、嬉しくなる。
神様と睦あうようになってから、すっかり女らしくなったシャルロットは、前世の身のこなしはそのままで、今ではすっかり令嬢らしく立ち居振る舞いも変わってきている。
女であることを最大の武器として、利用できるまでになり、流し目一つで男を虜にしてしまうばかりか、シャルロットの意のままに動かせるようになっている。
これには日々の神様との鍛錬がモノを言っているみたいで、ありがたい。
巷では、以前のような「キンタマ狩り」や「魔性の女」という異名は消え失せつつ、今では「歩くセクシー」と呼ばれるようになり、シャルロットが立ち去った後にまで、残り香として、シャルロットの色香に酔ってしまう男性が後を絶たない。
でも、どういうわけかマクシミリアン様だけには、この色香が通用しないようで、というか、騎士団長とは滅多にお目にかからないせいかもしれないので、いまだマクシミリアン様を落とせていない。
マクシミリアン様も、けっこうイケていると思うけど、シャルロットには目もくれていない。きっと、素敵な婚約者様がいらっしゃって、その方を心底愛していらっしゃるのだと思う。だから、マクシミリアン様に抱かれたいと思いつつも、今は神様の愛撫だけで辛抱している。一度ぐらい味見させてくれてもいいのに、と不満は残る。
夜会の当日、マクシミリアン様がエスペランサ家に迎えに来てくださって、馬車で王城まで、エスコートしてくださることになった。
そう。シャルロットはクリストファー殿下との婚約破棄以来、婚約者がいないので、パートナーガいない女性は、夜会に参加できないからだ。
でも、今夜は護衛任務だから、パートナー云々は関係ないはず、と思っていたのだが、こうしてマクシミリアン騎士団長様が直々にエスコートしてくださり光栄の極みである。
「マクシミリアン団長様、本日はエスコートしてくださり、ありがとう存じます」
一応、完ぺきな淑女の礼を取り、挨拶をするが、なぜかマクシミリアン様からシカトされている。
「バカ!勘違いするな!これは、仕事だ!任務の上で、必要だから……、それにしてもエスペランサ、エロい格好しているな?それで任務が遂行できるのか?」
「はい。大丈夫でございます、このスカートは、取り外しできるように改良いたしましたし、太ももには剣を仕込み、胸の谷間には短剣を仕込んでございます」
いちいち説明しながら、胸の谷間から短剣を取り出して見せ、スカートをめくって長剣を見せているのに、マクシミリアン様は、なんだかとても不快感をあらわになさっている。
今日のシャルロットのいでたちは、上のブラウスは胸元が大きく開け、セクシー満載なのだが、背中には前世で愛用していた防刃素材を使った布地というかスチール板をこっそり仕込ませ、背後の襲撃に備えている。
この世界には飛び道具と言えば、弓矢しかないので防弾チョッキは必要ない。あるとすれば、魔法が飛んでくることがあるが、これでは防弾チョッキでは防ぎきれないので着用していない。
当然、シャルロットは、騎士服で任務に当たるものだとばかり思っていたが、近衛騎士団長のマクシミリアン様から、「令嬢の恰好で来い!」との命令があり、久しぶりのドレスだ。相変わらずシックスパッキンの腹筋のせいで、コルセットなしでドレスを着られるが、足元がスースーするので、ドレスの下にスパッツを穿き、ガーターベルトをして、そこに剣を従えている。パッと見はわからないけど、騎士たるものの誇りは忘れていない。
それにドレスのスカート部分は、取り外しができるように改良してもらっている。お母様は、それを見て「なんて、はしたない恰好」と気絶されてしまいましたが、
「この姿でないと、自分で自分が守り切れません」と申すと、両親は、しっかり務めを果たすように言ってくれる。ありがたい。
エスペランサ家は、魔法師の家柄だけど、仕事においては、忠実な家だということがわかり、嬉しくなる。
神様と睦あうようになってから、すっかり女らしくなったシャルロットは、前世の身のこなしはそのままで、今ではすっかり令嬢らしく立ち居振る舞いも変わってきている。
女であることを最大の武器として、利用できるまでになり、流し目一つで男を虜にしてしまうばかりか、シャルロットの意のままに動かせるようになっている。
これには日々の神様との鍛錬がモノを言っているみたいで、ありがたい。
巷では、以前のような「キンタマ狩り」や「魔性の女」という異名は消え失せつつ、今では「歩くセクシー」と呼ばれるようになり、シャルロットが立ち去った後にまで、残り香として、シャルロットの色香に酔ってしまう男性が後を絶たない。
でも、どういうわけかマクシミリアン様だけには、この色香が通用しないようで、というか、騎士団長とは滅多にお目にかからないせいかもしれないので、いまだマクシミリアン様を落とせていない。
マクシミリアン様も、けっこうイケていると思うけど、シャルロットには目もくれていない。きっと、素敵な婚約者様がいらっしゃって、その方を心底愛していらっしゃるのだと思う。だから、マクシミリアン様に抱かれたいと思いつつも、今は神様の愛撫だけで辛抱している。一度ぐらい味見させてくれてもいいのに、と不満は残る。
夜会の当日、マクシミリアン様がエスペランサ家に迎えに来てくださって、馬車で王城まで、エスコートしてくださることになった。
そう。シャルロットはクリストファー殿下との婚約破棄以来、婚約者がいないので、パートナーガいない女性は、夜会に参加できないからだ。
でも、今夜は護衛任務だから、パートナー云々は関係ないはず、と思っていたのだが、こうしてマクシミリアン騎士団長様が直々にエスコートしてくださり光栄の極みである。
「マクシミリアン団長様、本日はエスコートしてくださり、ありがとう存じます」
一応、完ぺきな淑女の礼を取り、挨拶をするが、なぜかマクシミリアン様からシカトされている。
「バカ!勘違いするな!これは、仕事だ!任務の上で、必要だから……、それにしてもエスペランサ、エロい格好しているな?それで任務が遂行できるのか?」
「はい。大丈夫でございます、このスカートは、取り外しできるように改良いたしましたし、太ももには剣を仕込み、胸の谷間には短剣を仕込んでございます」
いちいち説明しながら、胸の谷間から短剣を取り出して見せ、スカートをめくって長剣を見せているのに、マクシミリアン様は、なんだかとても不快感をあらわになさっている。
今日のシャルロットのいでたちは、上のブラウスは胸元が大きく開け、セクシー満載なのだが、背中には前世で愛用していた防刃素材を使った布地というかスチール板をこっそり仕込ませ、背後の襲撃に備えている。
この世界には飛び道具と言えば、弓矢しかないので防弾チョッキは必要ない。あるとすれば、魔法が飛んでくることがあるが、これでは防弾チョッキでは防ぎきれないので着用していない。
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