ブチギレ令嬢の復讐婚~親友と浮気され婚約破棄、その上結婚式場として予定していた場所まで提供してほしいと言われ💔

青の雀

文字の大きさ
3 / 99
第1章

3.根回し

 婚約発表披露宴まで4日間。まだアーノルドもスカーレットも到着していない領地で、久しぶりにのんびり?アレクサンダー様の人となりを知る機会を得られたことは良かった。

 領民も、すでにアーノルドが浮気をして婚約破棄になったことを知っている。そのうえで、アーノルドがこの土地に足を踏み入れると聞き、目にもの見せてくれる!と息巻いていた一部の人たちも、ジェニファーの次の婚約者が隣の大国バラードの第1王子様だということを知り、慶びに溢れている。

 それでアレクサンダー様とのデートにも、積極的に協力してくれている。

 椅子が欲しいなぁと、思えば、いつの間にかベンチが用意されて、飲み物が欲しいなぁと思えば、すぐ誰かがお茶を淹れてくれる。というように、余計なおせっかいをされまくっている。

 でも、そんな領民の心遣いをほほえましく受け取ってくれているアレクサンダー様はお心が広い方なのだなぁと、感心している。

 そして、ベンチに腰掛けるときは、前もって、ハンカチを広げてくださり、そこにジェニファーが腰掛けるということまでしてくださる優しさが嬉しい。

 道端に咲いている花を摘んで、ジェニファーの髪に挿してくれる。さり気ないスキンシップが気恥ずかしさを誘う。

 一日、一日、と日を追うごとに親密さは増していく。

 わずか4日間の婚約期間とは思えない程のスピードで、恋をしていく二人の姿はほほえましい。

 愛を育むのは、時間は関係ない。お互いが寄り添う気持ちが愛を育む。

 婚約発表披露宴当日の朝には、もうどこから見ても二人は立派な恋人同士、婚約者同士にサマになって見える。むしろ番としてしか、見えない。

 そして、とうとう前日になり、アーノルドやスカーレットの一行が到着するのは、当日朝の予定だから、ジェニファーとアレクサンダーは秘かに準備を進めている。

 お互いの気持ちに確信を持ち、当初の予定通り、明日、結婚式を挙げるために。

 ジェニファーは、1週間前にお蔵入りすると見込まれたウエディングドレスを着られることが、嬉しくてしょうがない。

 両親も兄上も領民からも、祝福を受け、隣国バラードへ嫁ぐ意思を固める。

 つまり。勝ち誇った気分に浸っているスカーレットの鼻を根元から折る作戦で、アーノルドとスカーレットの婚約披露劇を前座に仕立て上げるつもりでいる。

 式前余興のような趣向のため、明日まで、絶対、姿をみられては行けない。そこで、前の領主、つまり祖父の時代に使っていた領主の館を手直しして、そこで寝泊まりしている。

 新しい方の現在、使っている領主の館には、貴賓、外国の要人のために部屋を解放している。

 そして、外国からの賓客に対して、失礼がないように、前もって、結婚する相手が変わったことを告げる。理由を添えて、話すと、皆、一様にアーノルドと公爵家のやり方に憤慨している。

 ジェニファー側が、アーノルドとスカーレットの婚約発表を前座に使う意向を知ると、楽しそうに大笑いされて、

 「わかった。協力しよう。」と申し出てくれる。

 それにしてもブレンディ家と大国バラードが親戚になるとなれば、明日、ご臨席を賜る各国の要人たちにとり、良縁この上がない話で、自分たちにとっても、最大級の利益をもたらすことは目に見えている。

 たとえそれが、この国の命運を握っている公爵家を敵に回しても得るものが大きいことは火を見るよりも明らかなこと。

 ジェニファーがいるこのジャガード国は、隣国の大国バラード国で持っているようなものだから、

 取引先も、ジャガード国のブレンディ侯爵家を相手にするより、バラード国の親戚のブレンディ侯爵家と取引したいはず。

 だいたい婚約者がいるとわかっていて、その男性に粉をかけるなど、平民の下賤な女がすることであり、公爵令嬢が侯爵令嬢から略奪するなど、あってはならないことというのがこの世界共通の認識なのだから、処罰されて当然の報いというもの。

 ブレンディ領地に行けば、誰一人自分たちの味方がいないということに、まだ気づいていないアーノルドとスカーレットは、幸せいっぱいの気分で馬車に揺られている。

あなたにおすすめの小説

【完結】王位に拘る元婚約者様へ

凛 伊緒
恋愛
公爵令嬢ラリエット・ゼンキースア、18歳。 青みがかった銀の髪に、金の瞳を持っている。ラリエットは誰が見ても美しいと思える美貌の持ち主だが、『闇魔法使い』が故に酷い扱いを受けていた。 虐げられ、食事もろくに与えられない。 それらの行為の理由は、闇魔法に対する恐怖からか、或いは彼女に対する嫉妬か……。 ラリエットには、5歳の頃に婚約した婚約者がいた。 名はジルファー・アンドレイズ。このアンドレイズ王国の王太子だった。 しかし8歳の時、ラリエットの魔法適正が《闇》だということが発覚する。これが、全ての始まりだった── 婚約破棄された公爵令嬢ラリエットが名前を変え、とある事情から再び王城に戻り、王太子にざまぁするまでの物語── ※ご感想・ご指摘 等につきましては、近況ボードをご確認くださいませ。

冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜

影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。 けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。 そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。 ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。 ※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない

木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。 生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。 ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。 その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。

【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。

猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。 ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。 しかし、一年前。同じ場所での結婚式では―― 見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。 「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」 確かに愛のない政略結婚だったけれど。 ――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。 「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」 仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。 シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕! ――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。 ※「小説家になろう」にも掲載。 ※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。

とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、 屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。 そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。 母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。 そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。 しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。 メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、 財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼! 学んだことを生かし、商会を設立。 孤児院から人材を引き取り育成もスタート。 出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。 そこに隣国の王子も参戦してきて?! 本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡ *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。