ブチギレ令嬢の復讐婚~親友と浮気され婚約破棄、その上結婚式場として予定していた場所まで提供してほしいと言われ💔

青の雀

文字の大きさ
22 / 99
第1章

22.巡礼の旅8

 ジェニファーは、ヤーパン国で大量のシルク織物、シルク生地を買い付ける。ドレスを何着でも仕立てられるぐらいに、男性用のタキシードも、これぐらいあれば、向こう100年間は、不作になっても、在庫で賄えるほどに。

 さらにヤーパン国は金山、銀山が豊富にあり、その埋蔵量も計り知れないことから、金糸銀糸も追加で購入する。

 布教活動をしているというより、お買い物三昧をしているみたいに見える。それで司祭様からお小言を言われ、仕方なく今日は、真面目?にやります!

 それで今日は、診療所を開設して、無料あるいは、格安で治療している。

 元首から不要な建物を譲り受けたのに、柱も壁も金ぴかで、まるで金閣寺か金堂のよう。どこが不要なのかと尋ねたら、

 「まぶしすぎて、落ち着かない。」と言われてしまった。

 確かに治療には向かないかも?でも、できればこれを実家へ持っていき、商品のディスプレイ用にすれば、お客様がたくさん来て、よく売れるだろうな?というような商売絡みのことを考えてしまう。

 それというのも、商会の使用人から、「前にセシールとともに、お嬢様が里帰りされてからというもの、旦那様と奥様がいつもイチャイチャしていらして、見ているこっちが気恥ずかしいぐらいなのです。もっと商売に身を入れてもらわなくては、困ります。」

 苦情があったので、かわりにジェニファーガ頑張っているというわけ。

 あれは、司祭様が母上を美しいだのなんのって、褒めそやして、父上がそれに嫉妬されたことがあったなぁと思い出す。

 あんなのただの社交辞令に決まっているというのに、母上も母上だ。でも、年齢の割に、確かに綺麗だとは思う。

 でも、そんなこと父上は、かねてから言っていたのでは?と思うし、今更、司祭様から言われたところで、聞きなれているわ。と流せなかったことが不思議でならない。

 その日の治療が終わり、これをもらえないだろうか?と打診をしてみると、元首様は快諾してくださり、これをディスプレイ用として転用することにする。

 夕食前に、取り急ぎ転移して、店のどこへ配置しようかとあれこれ思案する。

 正面に配置すれば、成金趣味丸出しになるし、目立たない奥にすれば、ディスプレイの勝ちは下がる。

 その時、後ろの方から、

 「ダーリン。」

 「なんだい?ハニー。」

 まさか!?とジェニファーが振り返ってみると、父上と母上が呼び合って?確かにイチャイチャしている。

 「げ!何しているのよ!ここは、お店の中よ!ほかにお客様もいらっしゃるというのに!いい年して恥ずかしくないの?」

 「ジェニファー、帰っていたのか?いや、ちょっとふざけて呼んでいただけだよ。そんな怒ることでもないよ。」

 使用人から苦情が来ている。と言おうとしたが、それでは効果がないと思い、

 「お客様から苦情が来ているのよ、お客を蔑ろにして、いつも主人夫婦がイチャイチャしているって。」

 「……。」

 思い当たる節があるのか、二人とも黙ってしまう。

 「そんなことしているのなら、お父様の……を一生使い物にならないようにしてあげるわよ?聖女様の魔法をナメたら承知しないからね!」

 「それだけは、どうかご勘弁を……。」

 父上も母上も、必死に懇願してくるので、思わず吹き出しそうになるのを必死でこらえる。

 そうだ!今は、お説教している場合ではない。いや、場合か?ディスプレイ用のものなど、その気になればいつでも設置できるのだから、今はとにかくこの夫婦にお灸をすえることの方が先決。

 でも、父上も母上も、なんとか話題を逸らそうと懸命になる。

 ジェニファーがにらみつけていると、気まずくなったのか、アレクサンダーに話題を振る。

 「そういえば、まだ懐妊しないのか?孫の顔を早く見たいものだ。」

 「今は 巡礼中で、それどころではないのよ。」

 「いや。少し聞いただけだ。悪かった。聖女様のおかげで儲けさせてもらっているのだからな。本当に、ジェニファーには感謝しているよ。」

 「それで、頼んでいたシルクは手に入ったかい?」

 「別に頼まれていないけど?」

 「え!ヤーパン国の特産品は、シルクだって言ったでしょう?買ってこなかったのかい?」

 「まあまあ、そう言うな。ジェニファーだって、教会の手前や信者様の手前もあり、なかなか自由時間が取れないのだろう?」

 時刻は、間もなく7時ごろ、夕食の時間が迫ってきているので、この夫婦のバカさ加減に呆れつつも、時間がないから、さっさとすましちゃえって、ことで。

 「店にぴったりのディスプレイ用の建物をもらってきたから、どこに置こうか悩んでいるのよ。」

 本題に入る。

 両親に実物を見せると、目を丸くされ、驚いている。

 「こんな高価なものをもらったのか?」

 それから「店の入り口に。」と父上が言えば、母上が「成金趣味みたい。」と、もはや今度は夫婦喧嘩に発展していく。

 結局、使用人の意見を取り入れて、店の西側の壁に設置することにして、中に、大量のシルクの束、金糸銀糸を飾っていき、ヤーパン国へ帰ろうとする。

 ふと、振り向くとまだ、両親は、言い争いをしている。

 「成金趣味とは、なんだ?誰のおかげで、楽な暮らしをさせてやっていると思っているのだ!」

 「わたくしが死ぬ思いで産んだジェニファーのおかげですわ!」

 「なんだとぉ、もういっぺん行ってみろ!」

 先ほどまで、あんなにオチャイチャしていた夫婦と同じ夫婦化と、目を疑いたくなる。

 夫婦って、本当、わからない。

 アレクサンダーと手を繋ぎ、ヤーパン国へ帰る。

あなたにおすすめの小説

【完結】王位に拘る元婚約者様へ

凛 伊緒
恋愛
公爵令嬢ラリエット・ゼンキースア、18歳。 青みがかった銀の髪に、金の瞳を持っている。ラリエットは誰が見ても美しいと思える美貌の持ち主だが、『闇魔法使い』が故に酷い扱いを受けていた。 虐げられ、食事もろくに与えられない。 それらの行為の理由は、闇魔法に対する恐怖からか、或いは彼女に対する嫉妬か……。 ラリエットには、5歳の頃に婚約した婚約者がいた。 名はジルファー・アンドレイズ。このアンドレイズ王国の王太子だった。 しかし8歳の時、ラリエットの魔法適正が《闇》だということが発覚する。これが、全ての始まりだった── 婚約破棄された公爵令嬢ラリエットが名前を変え、とある事情から再び王城に戻り、王太子にざまぁするまでの物語── ※ご感想・ご指摘 等につきましては、近況ボードをご確認くださいませ。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜

影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。 けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。 そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。 ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。 ※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。

【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。

猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。 ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。 しかし、一年前。同じ場所での結婚式では―― 見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。 「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」 確かに愛のない政略結婚だったけれど。 ――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。 「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」 仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。 シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕! ――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。 ※「小説家になろう」にも掲載。 ※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

婚約破棄!ついでに王子をどん底に突き落とす。

鏡おもち
恋愛
公爵令嬢パルメは、王立学院のパーティーで第一王子リュントから公開婚約破棄を突きつけられる。しかし、周囲の同情をよそにパルメは歓喜した。

とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、 屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。 そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。 母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。 そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。 しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。 メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、 財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼! 学んだことを生かし、商会を設立。 孤児院から人材を引き取り育成もスタート。 出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。 そこに隣国の王子も参戦してきて?! 本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡ *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です