ブチギレ令嬢の復讐婚~親友と浮気され婚約破棄、その上結婚式場として予定していた場所まで提供してほしいと言われ💔

青の雀

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第1章

24.巡礼の旅10

 それからは大忙しで、馬車ぐらいが軽く通れるゲート造りをする。

 別にジェニファーだけが通れる扉だけでもいいのだけど、せっかく作るのなら、輸送力を確保した方がいいに決まっている。

 曽祖父がかつて、領地と王都を結ぶトンネルを掘ったように、ジェニファーも秘密の近道を作る気でいる。

 ゲートはその場に相応しいものでなければならない。色や形状もその場に普通に存在していて、そこから馬車が出入りしても不自然に見えないところがいい。

 何も実在しているものでなくても構わない。それらしく見えるところであれば、たとえば幻影魔法であってもいいと思う。

 まずはヒューズ国の自分の領地で、実験してみることにする。

 自分の領地だから何をしようとジェニファーの勝手だと言えるので、羊の群れの中にゲートを作ろうかと思ったが羊が驚くかもしれないし、モスクの幻影を造り、その場所と空中クローゼットの中を繋ぐ。

 続いていくのは、黄金の国ヤーパン、ここでは金色堂を模した幻影を作る。これも、空中クローゼットの中と繋げば、ヒューズの領地とヤーパン国は、転移魔法を使わずとも、一瞬で正確には2歩ぐらいで行き来ができる。

 そして、この国には、それぞれの建物を、シルクを使った渡り廊下を張り巡らすことに成功する。

 1軒ごとの建物の間隔が広いので、その間を埋めるようにシルクで。あるいは黄金で、浮遊魔法を使いそれぞれ、大人の人間しか通れない動く歩道のような廊下を作ったらどうだろうか?と滞在しているときから考えていた。

 雨の日は、自動で屋根が出てくるアーケード上のものを設置し、晴れた日には思う存分お日様の光を浴びせられるように日光浴もできるアーケードを完成させる。

 こうすれば、馬車をいちいち仕立てなくても、隣家に楽に行くことができる。

 そして、最後はアサシン国、ここは、本当は港の傍にゲートを作りたいけど、時化の時に海水が空中クローゼットに入り込むことは避けたい。

 海水が入れば、ヒューズ国もヤーパン国も水浸しになってしまうから。

 場所の選定に苦労するが、小高い丘に鄙びた教会があったので、それを利用させてもらうことにする。

 それと、アサシン国には、冷蔵庫がない。製氷機のような真水?海水?でもいいけど、を瞬時に凍らせる箱を注文し、そこに氷魔法を仕掛ける。

 誤って、人が入り込めないように結界を張り、その中に魚を入れると、瞬時に魚の氷柱ができる。

 夕飯時に、これを披露したら、バイヤーからたくさんの注文を頂いたわ。

 司祭様、これも立派な布教活動ですよね?

 こうして、3か国が一つの空中クローゼットによって、誰でも行き来が可能となったわけであるが、せっかくなのでこれをバラード国の王城とジャガード国の実家と領地にも出入り口を作ることにする。

 便利だから。

 商会の仕入れに行く手間が省けるでしょ?

 ジェニファーの両親は、あれ以来スイートな関係は終了したみたいだけど何がきっかけで、また愛の炎に火がつくかわかったものではない。

 今のところはまじめに仕事をしているみたいで、ホッとしている。

 王城は自分の部屋のクローゼットの中、大聖堂の馬車止めのところ、ジャガード国の王都の実家の中庭、領地の祖父が使っていた方の領主の館に、それぞれ転移の仕掛けをする。

 実際には、転移の仕掛けでも何でもない。ただ空中クローゼットにつなげただけなのだが、それぞれ出口に場所を示すプレートを書いておく。

 それぞれ一応、結界を張り、不特定多数の人間や、昆虫、小動物が入り込まないようにしている。

 特にヒューズ国は、羊が「メイメイ」と言いながら空中クローゼットの中にいたことがあったので、気をつけなければ、羊は柔らかい牧草を求めて、どこまででもいく動物だから。

 試しにアレクサンダーに各地をそれぞれ行ってもらうことにしたら、王城の自分の部屋にも出入り口が欲しいと言われ、どうしようか考える。

 その出入り口を作れば、ジェニファーにわからないようにいくらでも浮気ができるかもしれない。

 懸念していることを口にすると、「俺を信用していないのか!」と怒り出しそうで、言えない。

 夫婦共有の部屋なら、作ってもいいかもしれないので、提案してみる。

 着替えている最中に、夫に覗かれるぐらいなら、共有の部屋に作った方が安全かもしれない。

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