ブチギレ令嬢の復讐婚~親友と浮気され婚約破棄、その上結婚式場として予定していた場所まで提供してほしいと言われ💔

青の雀

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第2章

42.婚約破棄

 お城の応接室で、ジェニファーは、向かい合ったスティーブンとなぜかにらみ合っているという表現が正しい。

 お城に就いてから、まだ一言もスティーブンから言葉を発せられていない。

 ジェニファーは、内心、{さっさと言いなさいよ愚図!}と思っているが、さすがにそれは言えない。

 スティーブンは、スティーブンでジェニファーに見とれていたのだが、今更ながらにジェニファーとの婚約破棄は惜しいような気がしていたから。

 {それにしても、ジェニファーは美しい。まるで芸術品の様に美しい。今宵、俺と婚約破棄すれば、すぐ良家から縁談が舞い込むだろう。そう思えば、余計癪だし腹立たしい。でも、昼間、側妃など望めないということを父上から釘を刺されたばかりで、婚約破棄だと言い出せば、もう二度と会う機会もない。だから、今宵が、見納めなのだから、もう少し、よく顔を拝ませてもらってからでもいいだろう。}

 もう、ジェニファーがお城へ着いてから小1時間ぐらいは、経っていると思うが、その間、一言の会話もない。

 さすがにジェニファーも痺れを切らしてきた。さっきまで遅い!と苛ついていたくせに。

 「あの……、殿下、今日のお呼び出しは、いったい何のお話でございましょうか?」

 仕方なく、ジェニファーの方から口火を切ってやる。

 「うむ……。ああ、そうだったな。実は、ジェニファーと婚約を破棄したくてな。」

 「あら。そうでございましたか?それで?理由は?」

 「リリアーヌ・ドイル侯爵令嬢と結婚しようと思っている。」

 「ほう。スティーブン様ともあろうお方が、浮氣をなさったので、わたくしが邪魔になったということで間違いございませんか?」

 「うむ。そういうことだ。」

 「承知いたしました。婚約破棄の手続きは、もう、済んでいるという理解でかまいませんでしょうか?」

 「うむ。すまない。」

 「大丈夫でございます。わたくしと殿下はもともと政略での婚約、さすれば殿下に他に好きな方がお出来になれば、わたくしの務めは終わったも同然でございますれば、これにて、ごきげんよう。」

 リリアーヌ・ドイル侯爵令嬢のことは、以前から知っていた。可愛らしい容姿で、男性の庇護欲をそそる。なんでもドイル侯爵の庶子で、男性の眼の届かないところでは、事あるごとにジェニファーのものを何でも欲しがる娘だった。

 公爵令嬢であるジェニファーの方が、格上の爵位であるということがイマイチ理解していない。

 今回、略奪婚をして、さぞかし気分がいいだろう。でも、学園でいじめを受けているなどという嘘をつかれなかったことだけ、まだマシと言えるかもしれない。

 そのあたり、貧乏男爵とは違うということなのだろう。

 なぜ、男爵令嬢という話が出たということは、理由がある。ジェニファーの幼馴染の令嬢シャーロット・クレイマー侯爵令嬢が先ごろ、婚約破棄されたばかりで、それがお相手の令息のお気に入り、つまり浮気相手が男爵令嬢で、シャーロットから酷いイジメを受けたとお相手の婚約者に告げ口したことが原因で、婚約破棄されてしまったらしい。

 裏もとらないで、よくそんなことができる。と呆れるばかりだ。

 それなら、今夜のスティーブン殿下の方が幾分かは、マシというもの。

 ちょっと格下の令嬢は、嘘をついてまで、略奪婚したいのだろうか?でも前世のことを考えても、そんなウソ何にもならないということがわからないのか?それが今でも、不思議。

 ジェニファーは、予定通り、婚約の破棄を言い渡されたので、どこかに逃げる準備をしなければ、まもなく黒い雨が降ってくるだろうと予想する。

 ジェニファーは帰宅して、予定通り婚約破棄をされたが、国外追放にはならなかった旨を家人に告げる。

 だが、カウントダウンはもう始まっているので、急いで転居先を探さなければならないことを言い添える。

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