ブチギレ令嬢の復讐婚~親友と浮気され婚約破棄、その上結婚式場として予定していた場所まで提供してほしいと言われ💔

青の雀

文字の大きさ
54 / 99
第2章

54.縁談4

 パサランのお城へ戻ってから、しばらくお茶を楽しんだ後、すぐ戻るつもりだったのだが、お土産を何も買っていないことに思いいたる。

 「大変!手ぶらで帰りでもしたら、お母様に何を言われるか分かったものではないわ」

 ガブリエル様は、にこにことして、側近に布のかかったトレーを持ってこさせる。

 布をめくると、ダイヤモンド、サファイア、エメラルド、ルビーまで眩しいばかりに輝きを放っている。

 どれもお母様がお好きなものばかりで、目移りしてしまう。

 「すべて、どうぞ」

 まあ!ガブリエル様ったら、なんて太っ腹なの!好きー、好き。

 結局、トレーに乗っている宝石の数々をすべて、いただいて意気揚々とクローゼットの中を通り、帰っていく。

 ガブリエル様の私室のクローゼットは、ちと、マズかったと後悔しても、後の祭り。なぜなら、ジェニファーだけが出入りするわけでもないということを今更ながらに気づいたから。

 このゲートは教会につながっているので、さらにマズイ。内緒で逢引きができないからで、ジェニファーは、帰ってから、こっそり私室にガブリエル様との逢引き用ゲートを設けることにした。

 教会の出入り口は、どこにしようかと思案していたら、母上が、お土産用に頂いた宝石を見て、狂喜乱舞していらっしゃる。

 「ジェニファーちゃん、あのガブリエル様、見た目もいいけど、お土産にこんなものまで下さるなんて、もうあの方に決めちゃいなさいよ」

 ハイ。言われなくても、決めています。母上には、内緒にしているだけのことよ。

 今から思えば、あの鉱山はすべて宝石が採れるものなのかもしれない。だから、よく崩落事故が起きるのか、妙に納得するのは、お宝が眠る山の宿命だから。

 多くのお宝が眠る山には、「主」がいる。時には魔物であれ、神様であれ、その「主」が盗掘者からお宝を守っている。

 人間がこの国は、自分のものだと主張しても、しょせん神様からの借りものであることには違いがない。

 だから、時々神の存在を知らしめるために、崩落事故を起こす。

 今回は、ジェニファーが先にお祈りを捧げに行ったから、しばらくはもつだろう。それに祝福を与えたので、寿命でない限りは、死なない。

 けがをしても、病気をしても、すぐ治るから何かの拍子で事故に遭っても、なかなか死なない。

 それにしても、先ほどから母上が何か言いたげでジェニファーの方をチラ見している。

 黙って、無視してもいいけど……。

 あまりにも、頻繁に見られるので、却って神経を逆なでされるものだから、ついに口を開く。

 「お母様、さっきから何の御用かしら?」

 「ああ、いえ……」

 もうイライラするったら、ありゃしない!

 「あのね。こんな素敵な宝石を下さるパサラン国って、さぞかしきれいなところなのかもしれないと思って」

 「それで?」

 「あの……だから、アルカイダから越してきて、どこにも出かけていないから、たまには、その……外国旅行でもしたいかな?って思って」

 「はあ?」

 「いや、だから、さっきジェニファーちゃんが船を飛ばしているところを見たので、船ならひとっ飛びでしょう」

 「お母様は、空を飛びたいのですか?それともパサラン国に行ってみたいのですか?どちらですか?」

 「両方!だって、空も飛びたいし、外国へも行ってみたいのよ」

 うーん。この世界、前世もそうだったけど、空を飛ぶということは人類の夢でもあるから、母上が言っていることもわからなくはない。

 でも、それってどっちにしてもジェニファーなしでは、考えられないものだから、ジェニファー自信が添乗しなければならない。

 前世のヒューズ国みたいに生活必需品の絨毯があれば、すぐ飛ばせるけど、船を一層飛ばすなんて、なかなか大変で、「ハイ。操縦して」とは、いかない。

 南の島だから、花ござを編んでもらって、それに浮遊魔法をかけて、飛ばそうか?どうしたものか、と難しい顔で思案していると、さすがの母上も黙り込んでしまわれたので、そのまま私室に行く。

あなたにおすすめの小説

【完結】王位に拘る元婚約者様へ

凛 伊緒
恋愛
公爵令嬢ラリエット・ゼンキースア、18歳。 青みがかった銀の髪に、金の瞳を持っている。ラリエットは誰が見ても美しいと思える美貌の持ち主だが、『闇魔法使い』が故に酷い扱いを受けていた。 虐げられ、食事もろくに与えられない。 それらの行為の理由は、闇魔法に対する恐怖からか、或いは彼女に対する嫉妬か……。 ラリエットには、5歳の頃に婚約した婚約者がいた。 名はジルファー・アンドレイズ。このアンドレイズ王国の王太子だった。 しかし8歳の時、ラリエットの魔法適正が《闇》だということが発覚する。これが、全ての始まりだった── 婚約破棄された公爵令嬢ラリエットが名前を変え、とある事情から再び王城に戻り、王太子にざまぁするまでの物語── ※ご感想・ご指摘 等につきましては、近況ボードをご確認くださいませ。

冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜

影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。 けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。 そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。 ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。 ※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。

猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。 ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。 しかし、一年前。同じ場所での結婚式では―― 見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。 「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」 確かに愛のない政略結婚だったけれど。 ――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。 「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」 仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。 シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕! ――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。 ※「小説家になろう」にも掲載。 ※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。

とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、 屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。 そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。 母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。 そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。 しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。 メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、 財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼! 学んだことを生かし、商会を設立。 孤児院から人材を引き取り育成もスタート。 出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。 そこに隣国の王子も参戦してきて?! 本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡ *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない

木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。 生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。 ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。 その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。