90 / 99
第4章
89.聖女覚醒
夜が白じんで来た時、何やら不穏な空気感が漂ってくる。
「?」
同じ感覚をレオナルドも感じたようで、あたりを見回している。
後、もう少しで、国境線だから、このまま駆け抜けようかと思っていると、脇の草むらから一斉に黒い影が飛び出してきて、進路を妨害されている。
見るからに?怪しい集団は、盗賊団にほぼ間違いないようだ。
なんで、こんな一般庶民を狙う?原因は、カルメンだと思う。白馬は珍しい上に高価で取引がされるから、ということは、馬泥棒?だけではないみたい。
なぜかというと、いきなりレオナルドに刃物を突き付けてきて、
「命が惜しければ、女と馬を置いていけ!」
げ!ジェニファーは、男装しているが、女だとバレている!?
「断る!」
レオナルドは、その場にいた盗賊を片っ端から切り捨てていく。さすが、剣聖様、かっこいい。
しかし多勢に無勢、あっという間にジェニファーのところまで、盗賊が迫ってくる。
「ほう、これまた上玉じゃねえか?」
「これは、高く売れるぞ。その前に味見をしないとな」
気持ち悪い!盗賊の関心がレオナルドからジェニファーに移ったことで、レオナルドに焦りが出る。
そこを突かれて、レオナルドは馬から引きずり降ろされ、剣を奪われてしまう。
「男は、なぶり殺しで、女は味見と洒落込もうぜ」
だんだん腹が立ってきて、恐怖心より、冗談じゃないわよ!何、勝手に決めているのよ。
こういう場面になると、男よりも女の方が断然肝が据わってくる。
盗賊の手を払いのけようとしたところ、突如、ジェニファーのカラダの中から熱を帯びたものが湧き上がってくる。だからと言って、暑いわけではないのだが、それがどんどん大きく大量に湧き上がってきて、もう自分の力では抑え込みが利かなくなり、爆発しそうになる。
突如、ジェニファーのカラダが金色に輝きはじめ、レオナルドが相手に奪われた剣も金色となり、いつの間にかレオナルドの手に戻っている。
「聖女様だ!」
「聖女様、どうか、お許しを」
今更、懺悔したって遅いわよ!金色に輝き始めた時、ジェニファーは過去900年の転生を思い出してしまう。
同時にレオナルドも自分が初代アレクサンダーの魂を持つということも、思い出す。
それを考えるとレオナルドは、捨て子だったという実家の親父やおふくろの話も納得が行くような思いがしたのだ。
これは神様の思し召しだと、感じた。そして、神に感謝すると同時に、今世もジェニファーと巡り合った悦びに打ちひしがる思いがある。
ちょうど、その光を目撃した遠征部隊の騎士団も、ジェニファーとレオナルドの傍に駆け寄り、「聖女様」と跪くのだった。
「この者共の始末を頼みます」
「はっ!」
盗賊どもは、遠征部隊の騎士団の連中に引きずられるように、その場を後にする。
「聖女様は、これからどちらへ?」
「せっかくだから、シドニーの別宮に行ってみるわ」
急に聖女様に覚醒し、やることがいっぱいある。
「何か、板のようなものはあるかしら?絨毯でもいいけど?」
ジェニファーは、自身の空中クローゼットの中を確認する。まあ、絨毯もあるにはあるけど、それよりゲートを出していく方が早いかもと逡巡する。
結局、新しいお城に入る時間を考慮して、ゲートを出し、それで一気にシドニーの別宮まで走ることにする。
目の前に急に現れたゲートを見て、騎士団は、聞いてくるが、それに対して返事はしないまま、レオナルドと共にシドニー国の王都へ行く。
「ご一緒してもいいか?」
シドニー国へ足を向けるのは、何百年ぶりのことか?考えるとはるか昔のことのようで、つい最近も行ったことがあったかな?と思えるほど、変わってはいない。
ゲートを開けっ放しにしたので、その後をズルズルと遠征部隊が通ってくる。別にいいけどね。ここは、ジェニファーにとって、大切な思い出の場所だから、荒らさないでね。
ジェニファーは、別宮の聖女宮を訪れ、その建物を空中クローゼットにしまい込むと、踵を返して、今度は聖女国の公爵邸に向かう。
その前に教会に寄り、きちんと聖女覚醒の認定を受けなければならないのだけど、それは、まず帰ってからにしようか?
「?」
同じ感覚をレオナルドも感じたようで、あたりを見回している。
後、もう少しで、国境線だから、このまま駆け抜けようかと思っていると、脇の草むらから一斉に黒い影が飛び出してきて、進路を妨害されている。
見るからに?怪しい集団は、盗賊団にほぼ間違いないようだ。
なんで、こんな一般庶民を狙う?原因は、カルメンだと思う。白馬は珍しい上に高価で取引がされるから、ということは、馬泥棒?だけではないみたい。
なぜかというと、いきなりレオナルドに刃物を突き付けてきて、
「命が惜しければ、女と馬を置いていけ!」
げ!ジェニファーは、男装しているが、女だとバレている!?
「断る!」
レオナルドは、その場にいた盗賊を片っ端から切り捨てていく。さすが、剣聖様、かっこいい。
しかし多勢に無勢、あっという間にジェニファーのところまで、盗賊が迫ってくる。
「ほう、これまた上玉じゃねえか?」
「これは、高く売れるぞ。その前に味見をしないとな」
気持ち悪い!盗賊の関心がレオナルドからジェニファーに移ったことで、レオナルドに焦りが出る。
そこを突かれて、レオナルドは馬から引きずり降ろされ、剣を奪われてしまう。
「男は、なぶり殺しで、女は味見と洒落込もうぜ」
だんだん腹が立ってきて、恐怖心より、冗談じゃないわよ!何、勝手に決めているのよ。
こういう場面になると、男よりも女の方が断然肝が据わってくる。
盗賊の手を払いのけようとしたところ、突如、ジェニファーのカラダの中から熱を帯びたものが湧き上がってくる。だからと言って、暑いわけではないのだが、それがどんどん大きく大量に湧き上がってきて、もう自分の力では抑え込みが利かなくなり、爆発しそうになる。
突如、ジェニファーのカラダが金色に輝きはじめ、レオナルドが相手に奪われた剣も金色となり、いつの間にかレオナルドの手に戻っている。
「聖女様だ!」
「聖女様、どうか、お許しを」
今更、懺悔したって遅いわよ!金色に輝き始めた時、ジェニファーは過去900年の転生を思い出してしまう。
同時にレオナルドも自分が初代アレクサンダーの魂を持つということも、思い出す。
それを考えるとレオナルドは、捨て子だったという実家の親父やおふくろの話も納得が行くような思いがしたのだ。
これは神様の思し召しだと、感じた。そして、神に感謝すると同時に、今世もジェニファーと巡り合った悦びに打ちひしがる思いがある。
ちょうど、その光を目撃した遠征部隊の騎士団も、ジェニファーとレオナルドの傍に駆け寄り、「聖女様」と跪くのだった。
「この者共の始末を頼みます」
「はっ!」
盗賊どもは、遠征部隊の騎士団の連中に引きずられるように、その場を後にする。
「聖女様は、これからどちらへ?」
「せっかくだから、シドニーの別宮に行ってみるわ」
急に聖女様に覚醒し、やることがいっぱいある。
「何か、板のようなものはあるかしら?絨毯でもいいけど?」
ジェニファーは、自身の空中クローゼットの中を確認する。まあ、絨毯もあるにはあるけど、それよりゲートを出していく方が早いかもと逡巡する。
結局、新しいお城に入る時間を考慮して、ゲートを出し、それで一気にシドニーの別宮まで走ることにする。
目の前に急に現れたゲートを見て、騎士団は、聞いてくるが、それに対して返事はしないまま、レオナルドと共にシドニー国の王都へ行く。
「ご一緒してもいいか?」
シドニー国へ足を向けるのは、何百年ぶりのことか?考えるとはるか昔のことのようで、つい最近も行ったことがあったかな?と思えるほど、変わってはいない。
ゲートを開けっ放しにしたので、その後をズルズルと遠征部隊が通ってくる。別にいいけどね。ここは、ジェニファーにとって、大切な思い出の場所だから、荒らさないでね。
ジェニファーは、別宮の聖女宮を訪れ、その建物を空中クローゼットにしまい込むと、踵を返して、今度は聖女国の公爵邸に向かう。
その前に教会に寄り、きちんと聖女覚醒の認定を受けなければならないのだけど、それは、まず帰ってからにしようか?
あなたにおすすめの小説
【完結】王位に拘る元婚約者様へ
凛 伊緒
恋愛
公爵令嬢ラリエット・ゼンキースア、18歳。
青みがかった銀の髪に、金の瞳を持っている。ラリエットは誰が見ても美しいと思える美貌の持ち主だが、『闇魔法使い』が故に酷い扱いを受けていた。
虐げられ、食事もろくに与えられない。
それらの行為の理由は、闇魔法に対する恐怖からか、或いは彼女に対する嫉妬か……。
ラリエットには、5歳の頃に婚約した婚約者がいた。
名はジルファー・アンドレイズ。このアンドレイズ王国の王太子だった。
しかし8歳の時、ラリエットの魔法適正が《闇》だということが発覚する。これが、全ての始まりだった──
婚約破棄された公爵令嬢ラリエットが名前を変え、とある事情から再び王城に戻り、王太子にざまぁするまでの物語──
※ご感想・ご指摘 等につきましては、近況ボードをご確認くださいませ。
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。
冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜
影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。
けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。
そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。
ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。
※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。
【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。
猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。
ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。
しかし、一年前。同じ場所での結婚式では――
見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。
「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」
確かに愛のない政略結婚だったけれど。
――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。
「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」
仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。
シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕!
――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。
※「小説家になろう」にも掲載。
※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、
屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。
そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。
母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。
そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。
しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。
メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、
財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼!
学んだことを生かし、商会を設立。
孤児院から人材を引き取り育成もスタート。
出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。
そこに隣国の王子も参戦してきて?!
本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る
とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない
木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。
生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。
ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。
その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。