ブチギレ令嬢の復讐婚~親友と浮気され婚約破棄、その上結婚式場として予定していた場所まで提供してほしいと言われ💔

青の雀

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第4章

89.聖女覚醒

 夜が白じんで来た時、何やら不穏な空気感が漂ってくる。

「?」

 同じ感覚をレオナルドも感じたようで、あたりを見回している。

 後、もう少しで、国境線だから、このまま駆け抜けようかと思っていると、脇の草むらから一斉に黒い影が飛び出してきて、進路を妨害されている。

 見るからに?怪しい集団は、盗賊団にほぼ間違いないようだ。

 なんで、こんな一般庶民を狙う?原因は、カルメンだと思う。白馬は珍しい上に高価で取引がされるから、ということは、馬泥棒?だけではないみたい。

 なぜかというと、いきなりレオナルドに刃物を突き付けてきて、

「命が惜しければ、女と馬を置いていけ!」

 げ!ジェニファーは、男装しているが、女だとバレている!?

「断る!」

 レオナルドは、その場にいた盗賊を片っ端から切り捨てていく。さすが、剣聖様、かっこいい。

 しかし多勢に無勢、あっという間にジェニファーのところまで、盗賊が迫ってくる。

「ほう、これまた上玉じゃねえか?」

「これは、高く売れるぞ。その前に味見をしないとな」

 気持ち悪い!盗賊の関心がレオナルドからジェニファーに移ったことで、レオナルドに焦りが出る。

 そこを突かれて、レオナルドは馬から引きずり降ろされ、剣を奪われてしまう。

「男は、なぶり殺しで、女は味見と洒落込もうぜ」

 だんだん腹が立ってきて、恐怖心より、冗談じゃないわよ!何、勝手に決めているのよ。

 こういう場面になると、男よりも女の方が断然肝が据わってくる。

 盗賊の手を払いのけようとしたところ、突如、ジェニファーのカラダの中から熱を帯びたものが湧き上がってくる。だからと言って、暑いわけではないのだが、それがどんどん大きく大量に湧き上がってきて、もう自分の力では抑え込みが利かなくなり、爆発しそうになる。

 突如、ジェニファーのカラダが金色に輝きはじめ、レオナルドが相手に奪われた剣も金色となり、いつの間にかレオナルドの手に戻っている。

「聖女様だ!」

「聖女様、どうか、お許しを」

 今更、懺悔したって遅いわよ!金色に輝き始めた時、ジェニファーは過去900年の転生を思い出してしまう。

 同時にレオナルドも自分が初代アレクサンダーの魂を持つということも、思い出す。

 それを考えるとレオナルドは、捨て子だったという実家の親父やおふくろの話も納得が行くような思いがしたのだ。

 これは神様の思し召しだと、感じた。そして、神に感謝すると同時に、今世もジェニファーと巡り合った悦びに打ちひしがる思いがある。

 ちょうど、その光を目撃した遠征部隊の騎士団も、ジェニファーとレオナルドの傍に駆け寄り、「聖女様」と跪くのだった。

「この者共の始末を頼みます」

「はっ!」

 盗賊どもは、遠征部隊の騎士団の連中に引きずられるように、その場を後にする。

「聖女様は、これからどちらへ?」

「せっかくだから、シドニーの別宮に行ってみるわ」

 急に聖女様に覚醒し、やることがいっぱいある。

「何か、板のようなものはあるかしら?絨毯でもいいけど?」

 ジェニファーは、自身の空中クローゼットの中を確認する。まあ、絨毯もあるにはあるけど、それよりゲートを出していく方が早いかもと逡巡する。

 結局、新しいお城に入る時間を考慮して、ゲートを出し、それで一気にシドニーの別宮まで走ることにする。

 目の前に急に現れたゲートを見て、騎士団は、聞いてくるが、それに対して返事はしないまま、レオナルドと共にシドニー国の王都へ行く。

「ご一緒してもいいか?」



 シドニー国へ足を向けるのは、何百年ぶりのことか?考えるとはるか昔のことのようで、つい最近も行ったことがあったかな?と思えるほど、変わってはいない。

 ゲートを開けっ放しにしたので、その後をズルズルと遠征部隊が通ってくる。別にいいけどね。ここは、ジェニファーにとって、大切な思い出の場所だから、荒らさないでね。

 ジェニファーは、別宮の聖女宮を訪れ、その建物を空中クローゼットにしまい込むと、踵を返して、今度は聖女国の公爵邸に向かう。

 その前に教会に寄り、きちんと聖女覚醒の認定を受けなければならないのだけど、それは、まず帰ってからにしようか?

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