ブチギレ令嬢の復讐婚~親友と浮気され婚約破棄、その上結婚式場として予定していた場所まで提供してほしいと言われ💔

青の雀

文字の大きさ
91 / 99
第4章

90.入城1

 こっそりと公爵邸に戻った時は、まだ寝静まりかえっていて、置手紙を回収することに成功する。

 後は、お父様が起きてきていらしゃってから、聖女様になったことを告げればいい。

 ジェニファーの思惑通りには、いかなかた。なぜなら、朝っぱらから、騎士団が大勢我が公爵邸の門を打ち鳴らし、執事は眠い目をこすりながら応対したものだから、ジェニファーがお父様に話す前に聖女様であることがバレてしまったのだ。

「何⁉ジェニファーが聖女様だとっ!まことか?」

「はい。お父様、これで10回目の聖女ですので、今世で、やっとお役御免になりましてよ」

「なに!」

「説明すると長くなりますが、そもそも聖女様というものは1000年に一度しか誕生しないものなのです。しかしながら人間の寿命は100年を切っています。残りの900年の間、人々は聖女様なしで暮らしていかなければなりません。その穴を埋めるために、わたくしジェニファーが9度転生して、この1000年の長きにわたる時間を支えてきたのです」

「はぁ……理屈には適っているようだが」

「そして、毎回わたくしが王配とする者がすでに決まっています」

「そ、それは誰だ?」

「わたくしと同じように初代から何度も転生してきたいわば同志のような存在でして……実は、その人の子供を身ごもっております」

「は???……して、その同志とやらは、どこにおる?」

「建国の剣であるレオナルド様です」

「は?バカな。レオナルドが建国の剣であるはずがなかろう?」

「これをみても、まだ建国の剣ではないと言い切れますか?」

 控えの間にいたレオナルドは、執事に呼ばれて、旦那様の部屋に入る。そして、旦那様から命じられたとおり、その場で持っていた剣を抜くと、……みるみるうちに旦那様の表情が驚きに代わっていく。

「ふむ……、まさしく……建国の剣の持ち主に相応しい。いや、だがジェニファーを孕ませたとは、どういうことか?」

「それは……」

「わたくしが望んだのです。レオナルド様にすべてを思い出してほしくて」

「それで、この男の前で股を開いたのか?」

「はい。わたくしたちは、この900年ちょっとの間、常に人生のパートナーとして、共に悩み、共に学び。ともに愛を育んでまいりました」

「もし、違ったら、どうするつもりだったのか?それで王太子とも婚約破棄されてしまったのか?」

「いいえ。あれは王太子殿下から申しだされたこと、わたくしの幼馴染のビクトリアのことは覚えておいででしょうか?」

「ああ。ストロング家の娘のことだな」

「王太子とビクトリアはわたくしを裏切り浮気しておりました」

「な、なんだ?それはまことの話か?」

「はい。わたくしがレオナルド様を召還した理由は、もうこれだけで十分でございましょう。わたくしには、同志が必要なのです。それがこのレオナルド様だということは、魂で感じました」

「……とても信じられる話ではないが、わかった。それで今後のことだが、いつ城に入ればいいのだろうか?」

「いつでもいいですわ。でも教会のお墨付きをもらってからの方が有無を言わせないことは確かです」

「うむ。では、これから聖女島の大聖堂へ出向くとするか?」

「ついでに、結婚式も挙げちゃいましょうよ」

「そうだな……腹が目立ってからでは、世間体が悪いからな。でも衣装はどうするのだ?」

「クローゼットの中に歴代の衣装が入っておりますもの」

 聖女島の大聖堂まで、ゲートで行くことになり、まずは朝食を摂ることにして食堂に向かう。

 屋敷の者は、すでにジェニファーが聖女様になったことを知っている者もいて、使用人たちは、思い思いにお城での暮らしを思い描いているようだ。

「皆も知っていると思うが、娘のジェニファーが聖女様に覚醒した。朝食後、大聖堂でお墨付きを得てから、城に入ることとする。これから忙しくなると思うが、何分よろしく頼む」

あなたにおすすめの小説

【完結】王位に拘る元婚約者様へ

凛 伊緒
恋愛
公爵令嬢ラリエット・ゼンキースア、18歳。 青みがかった銀の髪に、金の瞳を持っている。ラリエットは誰が見ても美しいと思える美貌の持ち主だが、『闇魔法使い』が故に酷い扱いを受けていた。 虐げられ、食事もろくに与えられない。 それらの行為の理由は、闇魔法に対する恐怖からか、或いは彼女に対する嫉妬か……。 ラリエットには、5歳の頃に婚約した婚約者がいた。 名はジルファー・アンドレイズ。このアンドレイズ王国の王太子だった。 しかし8歳の時、ラリエットの魔法適正が《闇》だということが発覚する。これが、全ての始まりだった── 婚約破棄された公爵令嬢ラリエットが名前を変え、とある事情から再び王城に戻り、王太子にざまぁするまでの物語── ※ご感想・ご指摘 等につきましては、近況ボードをご確認くださいませ。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜

影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。 けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。 そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。 ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。 ※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。

猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。 ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。 しかし、一年前。同じ場所での結婚式では―― 見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。 「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」 確かに愛のない政略結婚だったけれど。 ――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。 「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」 仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。 シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕! ――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。 ※「小説家になろう」にも掲載。 ※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。

婚約破棄!ついでに王子をどん底に突き落とす。

鏡おもち
恋愛
公爵令嬢パルメは、王立学院のパーティーで第一王子リュントから公開婚約破棄を突きつけられる。しかし、周囲の同情をよそにパルメは歓喜した。

とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、 屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。 そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。 母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。 そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。 しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。 メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、 財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼! 学んだことを生かし、商会を設立。 孤児院から人材を引き取り育成もスタート。 出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。 そこに隣国の王子も参戦してきて?! 本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡ *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない

木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。 生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。 ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。 その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。