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第4章
92.ざまあ2
「え?ジェニファーが聖女様になられたのなら、大丈夫です!アイツは、俺にぞっこんだから、すぐにでも王配になれることでしょう」
「この国の法で、一度婚約破棄した相手とは、二度と婚約できないという掟がある」
「そんなもの聖女様であるジェニファーが替えたら、何も問題はない」
「お前、本当にバカだな。聖女様がお前みたいなバカともう一度婚約することはあるまい。それにな、初代聖女様がお創りになった世界規範からすれば、ビクトリアは娼館落ち、お前は廃嫡することが決定済みなんだよ。だから貴族でも何でもない一介の平民に堕ちると言っただろ?」
「え!父上、なんとかしてくださいよ。廃嫡に娼館落ちだなんて、あんまりではありませんか?そんな……こんなはずではなかった。俺は今でもアイツを愛している!」
「お前はそれだけのことをしでかしたということが、なぜわからない?いつまで子供気分のお花畑頭をしているのか。もっとも、女を抱く子供など存在せんがな」
すっかり意気消沈の前王太子に比べ、ビクトリアは今の話を聞いて、こうしちゃいられないとばかりに、暇乞いをして、帰宅する。
お城にいると、いつ娼館へ売り飛ばされるか分かったものではないから。帰宅して、さっさと逃げる算段でも始めるつもり、それにしても、あのジェニファーが聖女様になったとは、青天の霹靂だったことは間違いない。
それなら、わざわざ前の王太子なんか略奪しないで、聖女様の幼馴染でご学友のポジションの方がどれだけ美味しかったか計り知れない。
こんなはずではなかった。ジェニファーの泣きっ面を見られれば、それで満足するはずだったのが、結局見られず、やり過ぎてしまった感は半端なくある。
「あーあ。面白くない。とりあえず、領地にでも、引っ込もうかなぁ」
スーツケースを取り出し、荷物をまとめていると、部屋の扉がノックされる。
父だった。父は怖い顔をして、部屋に入ってくるなり、いきなりビクトリアは往復ビンタをされる。
「え?」
「よくも、俺の顔に泥を塗ってくれたな。お前のことはもう娘だとは、思わない勘当する!」
ビクトリア公爵は、今や公爵でいられるかどうか瀬戸際にいる。聖女様から婚約者を奪った家として、有名になってしまったからで、それどころか、お父様は爵位返上まで考えていらっしゃるとは、思ってもみなかったことに驚いてしまう。
「ごめんなさい。お父様」
「ビクトリア、お前にもう帰る家はないのだぞ。しっかりお勤めしてこい!」
それは、父から事実上の娼館行きを命ぜられた瞬間だった。
ビクトリアは、膝から崩れ落ち、号泣したが誰も助けてくれない。世界規範を破った娘に対して、父としてせめてもの温情をかけたつもりでいる。
大昔も前の話になるが、聖女様から婚約者を奪った貴族令嬢は、いったん修道院に入れられるも、あまりにも魂が汚れていると判断されたのち、修道院から娼館どころか女郎宿に売られ、一生そこから出ることなく生涯を閉じたという話が伝わっている。
だから修道院ではなく、娼館に公爵家から売った方が、待遇がまだマシだということが明らかになったわけであって、売却代金も公爵家に入ることから、勘当しなければならないほどに迷惑をかけられた娘の賠償金だと捉えられている。
下手に修道院に送れば、修道院の利益になることから、先に修道院ではなく、娼館に売ってしまう親が多いのも頷ける話。
娘を娼館行きの馬車に乗せたストロング公爵は、このような結果を招いてしまったのは、すべて自分が子育てを誤ったからのことと申し、爵位と領地をマッキントッシュ家に返上し、そのまま旅に出ることにする。
その後、ストロング公爵の姿を見たものは誰一人いなく、おそらく死出の旅に旅立ったものと思われた。
「この国の法で、一度婚約破棄した相手とは、二度と婚約できないという掟がある」
「そんなもの聖女様であるジェニファーが替えたら、何も問題はない」
「お前、本当にバカだな。聖女様がお前みたいなバカともう一度婚約することはあるまい。それにな、初代聖女様がお創りになった世界規範からすれば、ビクトリアは娼館落ち、お前は廃嫡することが決定済みなんだよ。だから貴族でも何でもない一介の平民に堕ちると言っただろ?」
「え!父上、なんとかしてくださいよ。廃嫡に娼館落ちだなんて、あんまりではありませんか?そんな……こんなはずではなかった。俺は今でもアイツを愛している!」
「お前はそれだけのことをしでかしたということが、なぜわからない?いつまで子供気分のお花畑頭をしているのか。もっとも、女を抱く子供など存在せんがな」
すっかり意気消沈の前王太子に比べ、ビクトリアは今の話を聞いて、こうしちゃいられないとばかりに、暇乞いをして、帰宅する。
お城にいると、いつ娼館へ売り飛ばされるか分かったものではないから。帰宅して、さっさと逃げる算段でも始めるつもり、それにしても、あのジェニファーが聖女様になったとは、青天の霹靂だったことは間違いない。
それなら、わざわざ前の王太子なんか略奪しないで、聖女様の幼馴染でご学友のポジションの方がどれだけ美味しかったか計り知れない。
こんなはずではなかった。ジェニファーの泣きっ面を見られれば、それで満足するはずだったのが、結局見られず、やり過ぎてしまった感は半端なくある。
「あーあ。面白くない。とりあえず、領地にでも、引っ込もうかなぁ」
スーツケースを取り出し、荷物をまとめていると、部屋の扉がノックされる。
父だった。父は怖い顔をして、部屋に入ってくるなり、いきなりビクトリアは往復ビンタをされる。
「え?」
「よくも、俺の顔に泥を塗ってくれたな。お前のことはもう娘だとは、思わない勘当する!」
ビクトリア公爵は、今や公爵でいられるかどうか瀬戸際にいる。聖女様から婚約者を奪った家として、有名になってしまったからで、それどころか、お父様は爵位返上まで考えていらっしゃるとは、思ってもみなかったことに驚いてしまう。
「ごめんなさい。お父様」
「ビクトリア、お前にもう帰る家はないのだぞ。しっかりお勤めしてこい!」
それは、父から事実上の娼館行きを命ぜられた瞬間だった。
ビクトリアは、膝から崩れ落ち、号泣したが誰も助けてくれない。世界規範を破った娘に対して、父としてせめてもの温情をかけたつもりでいる。
大昔も前の話になるが、聖女様から婚約者を奪った貴族令嬢は、いったん修道院に入れられるも、あまりにも魂が汚れていると判断されたのち、修道院から娼館どころか女郎宿に売られ、一生そこから出ることなく生涯を閉じたという話が伝わっている。
だから修道院ではなく、娼館に公爵家から売った方が、待遇がまだマシだということが明らかになったわけであって、売却代金も公爵家に入ることから、勘当しなければならないほどに迷惑をかけられた娘の賠償金だと捉えられている。
下手に修道院に送れば、修道院の利益になることから、先に修道院ではなく、娼館に売ってしまう親が多いのも頷ける話。
娘を娼館行きの馬車に乗せたストロング公爵は、このような結果を招いてしまったのは、すべて自分が子育てを誤ったからのことと申し、爵位と領地をマッキントッシュ家に返上し、そのまま旅に出ることにする。
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