番とあれこれしてみた

沙耶

文字の大きさ
5 / 16

五話

紫苑さんとメールして分かってきたのは、私と結構気が合うなってこと。


そして、


『おはよ。しっかり寝た?』

『寝たよ。』


凄く心配性なこと。


メールしてる途中に、実はトイレに行きたくなって駆け込んだことがある。

お腹が急に痛くなって、スマホを持ったままトイレへ入った。

この前のようにトイレの廊下に居座ってたから、間に合わないって訳じゃなかったけど、また貧血起こしてたみたい。


「ちゃんちゃんちゃんちゃん~ちゃんちゃんちゃんちゃん~」

っていう電話の呼出音で意識を取り戻した。



「もしもし…」

「彩芽ちゃん、大丈夫?」

「ごめん、ちょっと意識飛んじゃってた。」

「大丈夫?」

「ぅん。」

「ちょっと、はあはあしちゃってる?ゆっくり呼吸したら、ちょっと楽にならないかな?」

「ふー」


正直。迷惑は結構かけた。



そんなメール生活が続いたある日、電話をしていたときのこと。



「お見舞い、行ってもいいかな?」


「お見舞い?」


紫苑さんから、お見舞いの話がでた。

軽口も叩けるようになった仲なので、


「ありがとう。」


素直に受け取れた。
それに、変に遠慮すると逆に彼の心配が募るだけであることをこの何日間かで痛いほど思い知らされている。


この人なら、甘えても大丈夫なのだ。




「何か買ってくけど、何が良い?」

「茶碗蒸し。」

「茶碗蒸し?そんなので良いの?」

「お菓子はまだ無理だけど、茶碗蒸しならいけそう。」


「りょーかい。茶碗蒸しね。料理人に作らせるよ。」


「料理人?」

「うん。」


自然なお金持ち発言には慣れた。
多分、本人はあんまり気づいてないんだよね。

それに、紫苑さんならそうだろうな~って納得できちゃう自分もいる。









=====「おまけ」=====


その頃、御木家では。


「大変です、奥様ー!」

「どうしたの?」


「ぼっちゃまが、紫苑坊ちゃまが、女性のお宅へお見舞いに行くそうです。」



「…紫苑が、あの紫苑が、女性のお宅へお見舞いですって~!!!!!!!」




「原!紫苑のとこへ行くわよ!何処のお嬢さんなのか聞かなくちゃ!」

「はい!奥様!」



「ようやく家の紫苑にも春が来たのよー!あー!桜はいつ咲くのかしら~!それで?アルファの方?ベータの方?まあどちらだっていいけれど~!」


「奥様、オメガの方です。」



「オメガ~!?あんなにオメガの方とお見合いして振ってきた紫苑が、オメガの方にお見舞いに…。手土産、手土産を持たせるのよ!花束と菓子折りと、ワンピース、ヘアゴムだって何だって持っていかせなさい!」


「奥様…?」


「その女性を逃したら紫苑に次はないわ!原っ!」



「はい。」



「全力で、紫苑とその女性の方のバックアップしなさい!必ず、その二人をくっつけるわよ!」

感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

拾ってないのに、最上位が毎日“帰る”んですがーー飼い主じゃありません!ただの受付係です!

星乃和花
恋愛
王都ギルド受付係リナは、今日も平和に働く予定だった。 ……のに。 「お腹すいた」 そう言って現れたのは、最上位の英雄レオン。 強いのに生活力ゼロ、距離感ゼロ、甘え方だけは一流。 手当てすれば「危ない」と囲い込み、 看病すれば抱きしめて離さず、 ついには―― 「君が、俺の帰る場所」 拾ってない。飼ってない。 ただ世話を焼いただけなのに、英雄が毎日“帰ってくる”ようになりました。 無自覚世話焼き受付嬢 × 甘えた天然英雄の 距離感バグ甘々ラブコメ、開幕! ⭐︎火木土21:20更新ー本編8話+後日談9話⭐︎

一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました

由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。 ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。 遠い存在になったはずの彼。 けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。 冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。