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延長決定しました。当然ですね
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会議に使っているテントの中に入ると、そこには主に2種類の人間がいた。
1つ目は浮かれていてテンションが高い。
2つ目は浮かれているような様子はなく、深刻な表情をしている。
俺は2つ目の方。
その温度差に1つ目の側の人達も何かあったんじゃないか? と少しずつ表情を変化していく。
あ、これ騒ぐような雰囲気じゃないやって感じで。
「集まっていただきありがとうございます。まずは討伐隊の報告からお聞かせ願えますか?」
「分かった。といっても俺達は北の封鎖だったから他の場所はそれぞれで報告する事になるが、まず予定通りに……」
それぞれのトップが自分達はどうだったのかっていう報告をしていく。
俺が見ていたのはルセアちゃん達の所だけだったので他の所はどうなっていたのか分からなかったけど、なるほどなー。
ちらっと聞いていたけど、どこもかしこも大変だったみたいだな。
どこも大型化した個体や亜種が現れていて、中にはルセアちゃん達の所と同様に進化する奴もいたらしい。
そっちは触手じゃなくて頭が5つに増えたらしいけど。
なにそれヒドラ鼠?
頭ってどういうふうに生えていたんだろね?
ケルベロスみたいな感じに肩の間に頭が5個……は流石にスペース足りなそうだし、だとするとなんだろう?
肩の間に3つに両肩にもそれぞれ1つとか?
あるいは3つ生えた後ろに2つ生えているのかも?
貴重な資料になるだろうし持ってきてくれてるといいんだけど、サイズ的に難しいかな?
持ってと言えば、ミハネ達にお土産として持っていったけど、そこから感染とかないよね?
いや、流石に噛まれてはいないし野生に生きているから元々耐性とかありそうだしそもそも種族自体違うから病気にかからないはず……。
そのうち様子を見にいった方が良さそうだなぁ。
「……突入部隊はだいたいこんな感じでした」
なんて考えている間に大体の説明が終わっていた。
意識を別のことに傾けていたけど、一応聞いてはいた。
内容的にはさっき聞いたものをより詳細にって感じだったけど、俺にとってはそこまで重要な内容じゃなかったから結構右から左に流れていたけど……。
「ありがとうございます。まずはお疲れ様でした。聞く限りではおそらく事態は収束へと向かうと思われます」
その言葉を聞いて表情を和らげる……なんていう人は流石にいなかったみたい。
まあ、最初あんな深刻そうな顔してたら安堵出来るはずもないよねぇ。
「ただ、1つ懸念すべき事態が発生しました。レンさんに協力してもらい本日の討伐における被害状況をまとめてもらったのですが、かなりの人数がマッドラットに噛まれています。その数52人になります。そして、マッドラットはネズミの魔物であり、過去の事例から疫病に感染している可能性が出てきました。もちろん、あくまでも可能性であり今回のマッドラットは疫病の原因となるものを持っていなかった可能性もあります。ですが、我々組合としては感染している可能性を捨てきれない以上は最悪の事態を想定して行動する必要があります。ここまではよろしいですか?」
自分達が疫病に感染してるかもしれないという事実を聞いても取り乱さないのは流石というべきか……あ、でも理解が追いついてないって顔してる人もいるわ。
まあ、かなり昔のことらしいし知らなくてもおかしくはないか。
「……過去の疫病の原因がネズミだったという事があったんです。そして今回は異常発生したネズミ系の魔物という事もあり、噛まれた冒険者が疫病に感染してる可能性があると判断したという事です。少しでも疫病に感染してる可能性がある人を街に入れるのは良くないと判断し、様子見の為に数日の間この場に留まるべきと考えております」
まあ、無難な判断かな。
最低でも2、3日は様子見しておきたいところ。
病気には潜伏期間ってのがあるし。
風邪とかだと2、3日だって話だからまずはそれくらい。
長いやつだとウン10年っていう話もあったりするけど、そこまでいくとどうしようもないからまずはね。
「1つ質問ですが、その数日とは何日を想定してますか?」
「前例では3日位から感染者が出たとの事なので、3日~5日を想定しております。ただ、それだとおそらく物資等が足りなくなるでしょうし、医者に相談もしたいと思っております。なので明日、感染してないと考えられるサポート班から数人お借りして一度組合に戻ろうと思っています」
サポート班は外出てないし噛まれてる心配がないからね。
しかし、数人か……誰が良いだろうか?
「レンさん、同行してもらってもいいですか?」
「はい。それと他の人員もこちらで選んでおきます」
「助かります」
「それで皆さんには暴動が起きないように抑えておいて欲しいと思ってます」
「俺らも感染してる可能性あるんだよな……? 俺らでいいのか?」
「はい。リーダーである皆さんが言うからこそ説得力が生まれると思いますので。とどまる理由はそうですね……経過観察をしたいからとしておきましょう。実際に様子を見ておきたいですし、巣を殲滅した結果どのような影響があるのか気になりますから」
「なるほど。分かった。とはいえ、症状がいつ出るかわからないし、全員で様子を見る必要も無い。そっちのリストに書いてある噛まれていない奴を選んで様子見の方に回してくれ」
「もちろんです。ただ、状況が状況ですので、申し訳ないのですが有志による娼婦の真似事は感染対策の為に禁止させていただきます」
「そりゃそうなるわな」
「ええー!?」
「当たり前だろ!? お前どんだけハマってるんだよ!?」
「いやだってよぅ……」
え、なんでこっち見るの?
お前どんだけハマってるんだよ……?
……この仕事が終わって、それでもヤリたいっていうのなら相手してあげようじゃないか。
お金は勿論貰うけど。
当然でしょ。
まあ、自分からは言う理由がないから言わないけどね。
「それではみなさん。明日からもよろしくお願いします」
「分かった」
「了解」
「なぁ、俺噛まれてないし相手してもらうのはアリじゃないのか?」
「ねぇよバカ。1人だけ優遇なんか出来るわけないだろ」
「あ、ちょっといいですか? 様子見に関してですが、そういうのが得意な冒険者について相談したいのですがよろしいですか?」
「ああ、構わねぇよ」
「そういう事ならアタシらも協力しようじゃないか」
そっちの方は俺じゃ協力出来そうにないしこのまま次に行こうかね。
サポート班からの人員を選ぶのも大事だけど、まずはこっち。
「さて、それじゃあお風呂に入ろうか。そっちの人も一緒に入るって事でいいんだな?」
「ああ。流石にこの足じゃな……」
鼻の下、伸びてるぞー?
とはいえ体液飲むのはアウトだし本番なんてもっての外なんだけどね。
ま、手コキくらいならいいか。
流石に何もなしは俺も面白くないし。
1つ目は浮かれていてテンションが高い。
2つ目は浮かれているような様子はなく、深刻な表情をしている。
俺は2つ目の方。
その温度差に1つ目の側の人達も何かあったんじゃないか? と少しずつ表情を変化していく。
あ、これ騒ぐような雰囲気じゃないやって感じで。
「集まっていただきありがとうございます。まずは討伐隊の報告からお聞かせ願えますか?」
「分かった。といっても俺達は北の封鎖だったから他の場所はそれぞれで報告する事になるが、まず予定通りに……」
それぞれのトップが自分達はどうだったのかっていう報告をしていく。
俺が見ていたのはルセアちゃん達の所だけだったので他の所はどうなっていたのか分からなかったけど、なるほどなー。
ちらっと聞いていたけど、どこもかしこも大変だったみたいだな。
どこも大型化した個体や亜種が現れていて、中にはルセアちゃん達の所と同様に進化する奴もいたらしい。
そっちは触手じゃなくて頭が5つに増えたらしいけど。
なにそれヒドラ鼠?
頭ってどういうふうに生えていたんだろね?
ケルベロスみたいな感じに肩の間に頭が5個……は流石にスペース足りなそうだし、だとするとなんだろう?
肩の間に3つに両肩にもそれぞれ1つとか?
あるいは3つ生えた後ろに2つ生えているのかも?
貴重な資料になるだろうし持ってきてくれてるといいんだけど、サイズ的に難しいかな?
持ってと言えば、ミハネ達にお土産として持っていったけど、そこから感染とかないよね?
いや、流石に噛まれてはいないし野生に生きているから元々耐性とかありそうだしそもそも種族自体違うから病気にかからないはず……。
そのうち様子を見にいった方が良さそうだなぁ。
「……突入部隊はだいたいこんな感じでした」
なんて考えている間に大体の説明が終わっていた。
意識を別のことに傾けていたけど、一応聞いてはいた。
内容的にはさっき聞いたものをより詳細にって感じだったけど、俺にとってはそこまで重要な内容じゃなかったから結構右から左に流れていたけど……。
「ありがとうございます。まずはお疲れ様でした。聞く限りではおそらく事態は収束へと向かうと思われます」
その言葉を聞いて表情を和らげる……なんていう人は流石にいなかったみたい。
まあ、最初あんな深刻そうな顔してたら安堵出来るはずもないよねぇ。
「ただ、1つ懸念すべき事態が発生しました。レンさんに協力してもらい本日の討伐における被害状況をまとめてもらったのですが、かなりの人数がマッドラットに噛まれています。その数52人になります。そして、マッドラットはネズミの魔物であり、過去の事例から疫病に感染している可能性が出てきました。もちろん、あくまでも可能性であり今回のマッドラットは疫病の原因となるものを持っていなかった可能性もあります。ですが、我々組合としては感染している可能性を捨てきれない以上は最悪の事態を想定して行動する必要があります。ここまではよろしいですか?」
自分達が疫病に感染してるかもしれないという事実を聞いても取り乱さないのは流石というべきか……あ、でも理解が追いついてないって顔してる人もいるわ。
まあ、かなり昔のことらしいし知らなくてもおかしくはないか。
「……過去の疫病の原因がネズミだったという事があったんです。そして今回は異常発生したネズミ系の魔物という事もあり、噛まれた冒険者が疫病に感染してる可能性があると判断したという事です。少しでも疫病に感染してる可能性がある人を街に入れるのは良くないと判断し、様子見の為に数日の間この場に留まるべきと考えております」
まあ、無難な判断かな。
最低でも2、3日は様子見しておきたいところ。
病気には潜伏期間ってのがあるし。
風邪とかだと2、3日だって話だからまずはそれくらい。
長いやつだとウン10年っていう話もあったりするけど、そこまでいくとどうしようもないからまずはね。
「1つ質問ですが、その数日とは何日を想定してますか?」
「前例では3日位から感染者が出たとの事なので、3日~5日を想定しております。ただ、それだとおそらく物資等が足りなくなるでしょうし、医者に相談もしたいと思っております。なので明日、感染してないと考えられるサポート班から数人お借りして一度組合に戻ろうと思っています」
サポート班は外出てないし噛まれてる心配がないからね。
しかし、数人か……誰が良いだろうか?
「レンさん、同行してもらってもいいですか?」
「はい。それと他の人員もこちらで選んでおきます」
「助かります」
「それで皆さんには暴動が起きないように抑えておいて欲しいと思ってます」
「俺らも感染してる可能性あるんだよな……? 俺らでいいのか?」
「はい。リーダーである皆さんが言うからこそ説得力が生まれると思いますので。とどまる理由はそうですね……経過観察をしたいからとしておきましょう。実際に様子を見ておきたいですし、巣を殲滅した結果どのような影響があるのか気になりますから」
「なるほど。分かった。とはいえ、症状がいつ出るかわからないし、全員で様子を見る必要も無い。そっちのリストに書いてある噛まれていない奴を選んで様子見の方に回してくれ」
「もちろんです。ただ、状況が状況ですので、申し訳ないのですが有志による娼婦の真似事は感染対策の為に禁止させていただきます」
「そりゃそうなるわな」
「ええー!?」
「当たり前だろ!? お前どんだけハマってるんだよ!?」
「いやだってよぅ……」
え、なんでこっち見るの?
お前どんだけハマってるんだよ……?
……この仕事が終わって、それでもヤリたいっていうのなら相手してあげようじゃないか。
お金は勿論貰うけど。
当然でしょ。
まあ、自分からは言う理由がないから言わないけどね。
「それではみなさん。明日からもよろしくお願いします」
「分かった」
「了解」
「なぁ、俺噛まれてないし相手してもらうのはアリじゃないのか?」
「ねぇよバカ。1人だけ優遇なんか出来るわけないだろ」
「あ、ちょっといいですか? 様子見に関してですが、そういうのが得意な冒険者について相談したいのですがよろしいですか?」
「ああ、構わねぇよ」
「そういう事ならアタシらも協力しようじゃないか」
そっちの方は俺じゃ協力出来そうにないしこのまま次に行こうかね。
サポート班からの人員を選ぶのも大事だけど、まずはこっち。
「さて、それじゃあお風呂に入ろうか。そっちの人も一緒に入るって事でいいんだな?」
「ああ。流石にこの足じゃな……」
鼻の下、伸びてるぞー?
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ま、手コキくらいならいいか。
流石に何もなしは俺も面白くないし。
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