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急な辞令に納得いかないので人事部長を(性的に)襲ってみたところ、返り討ちにあった件
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私は今超絶イライラムカムカしている。
その理由は、先程直属の上司に喚び出され、急な辞令を受けたから。
「と、言う訳なので大山さんが引き抜かれることは、こちらとしても甚だ不本意だけれども、来月から新設される営業3課という新天地でがんばってきてほしい。」
そんな風に突然辞令を出されたところで、
「はい、そうですかー。じゃあがんばりまーす。」
なんてすんなり飲み込める訳もなく。
なんで?どうして?私なにかやらかしました?と、上司に掴みかかる勢いで聞いてみても
「こっちもなんで大山さんなのか?って聞いたんだけど、どうもこの間君が社内プレゼン大会で作った資料?あれが評判だったみたいでねえ。それで白羽の矢が立ったみたいなんだよ。」
と、実にモヤモヤっとした返答で、こちらの望んだ回答は得られなかった。
こっちとしても人手が足りなくなって困るのに、とブツブツ呟く上司を無視して、
「この人事、異議ありまくりなんですけども!!」
と反論すると、じゃあ文句は直接人事に言って頂戴なってな具合で、この件については人事部へと放り出されたのだった。
新設される営業3課が何をするところかは、まだ公に発表になっていない。
と、いうか私が今在席しているのは開発部なんだから、開発から営業に異動って、それ何?左遷?肩叩き的なやつ?
先日の査定は悪くなかったはずなのに、一体どうして?と聞きたいことは山ほどある。
そんな訳で人事部長にアポイントを取り、面談へと挑むことになったのだった。
私と年齢がほんの少ししか違わない筈の、人事部長の佐藤俊生はスパコンと影で囁かれるほど情が無いと噂の冷徹な合理主義者のエリート。
そして眼鏡の似合う長身のイケメン。
こういう場面じゃなかったらその姿、目の保養として間近で堪能したかった……!!
いや、違う。今はそんなこと考えている場合じゃない。
「私は開発部なのにどうして営業に移動なんですか?しかも新設される部署なんて!」
「社内的に、これから色々な部署を経験することで、より人材のスキルに深みを出して行こうという方針になったんです。大山さんはその第一号として抜擢されたんですよ。」
「なのでこれは名誉ある栄転です。おめでとう。」
と、いう人事部長。
ワーイやったね☆栄転だあい!……って、違う!名誉とか栄転とかいらないから!今まで通り、開発部にいさせてくれい!!
人事部長と私の面談は、それから1時間経っても話が平行線のままで業務終了のベルが鳴る。
続きはそれじゃあご飯でも食べながらってことで、人事部長行きつけの焼き鳥屋へとなだれ込む事になったのだった。
注文した物を待つ間も、注文した物がテーブルへと運ばれてきてからも、ああだこうだと食い下がるが、「もう決定したことですので」ってな具合でびくともしない人事の壁。
悔し紛れに人事部長オススメのネギマと日本酒を交互に口に運ぶと、あら、美味しい。
くっそースパコンのくせに美味しいもの食べてるじゃないかと、半ばヤケになりながらジャンジャン注文してバクバク焼き鳥を食べて日本酒をあおる。
人事部長も私のペースに合わせて飲み食いしていたようだったが、開発部イチの酒豪と謳われた私には敵わなかったのか、いつの間にやら目の前の憎き相手は酔いがまわったせいで毒っ気が抜けた、只のイケメンに成り下がってしまっているのだった。
……いやあーん。か、わ、い、い♡
情が無さそうなクールな表情もそそられるが、酔って無防備な表情にもグッとくるものがある。
どうせ辞令がひっくり返されないのなら、意趣返しにこの隙だらけになったイケメンを襲ってやれ。
酒の力も相まって、人事部長、いや、佐藤俊生に下心タップリにこう囁いてみる。
「佐藤さん?佐藤俊生さん?酔っちゃいました?帰れますか?それともどこか休憩していきますか?」
「うーん帰る?……帰れにゃい……」
むにゃむにゃ何語とか呟くイケメン。こりゃイケる!!
そうして私はケモノの心を親切心で覆い隠して、
「これじゃあ帰れませんねえ?じゃあすこーしだけ、ほんのすこーしだけ、休憩していきましょうね?」
と言って、千鳥足のイケメンの腕を肩にかけて、まんまと一番近くのホテルへと連れ込むことに成功したのだった。
その理由は、先程直属の上司に喚び出され、急な辞令を受けたから。
「と、言う訳なので大山さんが引き抜かれることは、こちらとしても甚だ不本意だけれども、来月から新設される営業3課という新天地でがんばってきてほしい。」
そんな風に突然辞令を出されたところで、
「はい、そうですかー。じゃあがんばりまーす。」
なんてすんなり飲み込める訳もなく。
なんで?どうして?私なにかやらかしました?と、上司に掴みかかる勢いで聞いてみても
「こっちもなんで大山さんなのか?って聞いたんだけど、どうもこの間君が社内プレゼン大会で作った資料?あれが評判だったみたいでねえ。それで白羽の矢が立ったみたいなんだよ。」
と、実にモヤモヤっとした返答で、こちらの望んだ回答は得られなかった。
こっちとしても人手が足りなくなって困るのに、とブツブツ呟く上司を無視して、
「この人事、異議ありまくりなんですけども!!」
と反論すると、じゃあ文句は直接人事に言って頂戴なってな具合で、この件については人事部へと放り出されたのだった。
新設される営業3課が何をするところかは、まだ公に発表になっていない。
と、いうか私が今在席しているのは開発部なんだから、開発から営業に異動って、それ何?左遷?肩叩き的なやつ?
先日の査定は悪くなかったはずなのに、一体どうして?と聞きたいことは山ほどある。
そんな訳で人事部長にアポイントを取り、面談へと挑むことになったのだった。
私と年齢がほんの少ししか違わない筈の、人事部長の佐藤俊生はスパコンと影で囁かれるほど情が無いと噂の冷徹な合理主義者のエリート。
そして眼鏡の似合う長身のイケメン。
こういう場面じゃなかったらその姿、目の保養として間近で堪能したかった……!!
いや、違う。今はそんなこと考えている場合じゃない。
「私は開発部なのにどうして営業に移動なんですか?しかも新設される部署なんて!」
「社内的に、これから色々な部署を経験することで、より人材のスキルに深みを出して行こうという方針になったんです。大山さんはその第一号として抜擢されたんですよ。」
「なのでこれは名誉ある栄転です。おめでとう。」
と、いう人事部長。
ワーイやったね☆栄転だあい!……って、違う!名誉とか栄転とかいらないから!今まで通り、開発部にいさせてくれい!!
人事部長と私の面談は、それから1時間経っても話が平行線のままで業務終了のベルが鳴る。
続きはそれじゃあご飯でも食べながらってことで、人事部長行きつけの焼き鳥屋へとなだれ込む事になったのだった。
注文した物を待つ間も、注文した物がテーブルへと運ばれてきてからも、ああだこうだと食い下がるが、「もう決定したことですので」ってな具合でびくともしない人事の壁。
悔し紛れに人事部長オススメのネギマと日本酒を交互に口に運ぶと、あら、美味しい。
くっそースパコンのくせに美味しいもの食べてるじゃないかと、半ばヤケになりながらジャンジャン注文してバクバク焼き鳥を食べて日本酒をあおる。
人事部長も私のペースに合わせて飲み食いしていたようだったが、開発部イチの酒豪と謳われた私には敵わなかったのか、いつの間にやら目の前の憎き相手は酔いがまわったせいで毒っ気が抜けた、只のイケメンに成り下がってしまっているのだった。
……いやあーん。か、わ、い、い♡
情が無さそうなクールな表情もそそられるが、酔って無防備な表情にもグッとくるものがある。
どうせ辞令がひっくり返されないのなら、意趣返しにこの隙だらけになったイケメンを襲ってやれ。
酒の力も相まって、人事部長、いや、佐藤俊生に下心タップリにこう囁いてみる。
「佐藤さん?佐藤俊生さん?酔っちゃいました?帰れますか?それともどこか休憩していきますか?」
「うーん帰る?……帰れにゃい……」
むにゃむにゃ何語とか呟くイケメン。こりゃイケる!!
そうして私はケモノの心を親切心で覆い隠して、
「これじゃあ帰れませんねえ?じゃあすこーしだけ、ほんのすこーしだけ、休憩していきましょうね?」
と言って、千鳥足のイケメンの腕を肩にかけて、まんまと一番近くのホテルへと連れ込むことに成功したのだった。
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