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「最近疲れすぎて性的興奮が全く無い!そんな気が、全然、全く、これっぽっちも起きる気がしない!このままでは本格的にEDになってしまう!!」
駅近くの居酒屋にて。ビール一杯飲んだだけだというのに、酔いが回ったのか荒れ狂う香菜はとんでもない話題を口にする。そんな発言をされてしまえば、まさかそんなことはあるまいとは思いながらも、創もついつい余計な反応をしてしまう。
「えっ。先輩……もしかしてチンコでも生えてんですか?」
「はあっ?そんなん生えてるわけ無いじゃん!チンコが生えてるとか生えてないとか、そういうのは比喩の話!こうも残業続きでは、人として大事な何かが枯れてしまった気がしてならないって話なのっ!心のチンコが勃起しないって話なのっ!!」
香菜は「バッカじゃないの?」といった顔をするが、それはこちらの台詞である。妙齢の女性が酔った勢いとはいえチンコチンコ連呼するのはいかがなものか。辺りをキョロキョロ見渡しながら、創はギャンギャン吠える香菜をそっと小声で咎めてやる。
「勃起しないって……。まあ、勃起しない悲しみは男としては、なんとなくわかりますけどね?」
「えっ!ということはまさか、築崎くんも……」
「いや、しますけど!っていうか俺の話は別にいいですから!」
自分までED扱いされたのではかなわない。慌てる創を横目に香菜は頬杖をつき、ジョッキに残る泡を見つめながら、フウとため息をつく。
「勃起しない、興奮しないなんて……。何を楽しみに人生を生きていけばいいのかわからないよ」
「いや、そんな大袈裟な」
「大袈裟じゃないって!」
話題を変えたい創は曖昧な返事をしながら皿に盛られた枝豆に手を伸ばす。そんな態度に、香菜は恨めしそうに視線を創に移すと口を尖らせる。
「ねえ……築崎くんはさ、彼女はいるんだっけ?」
「え、いません……けど?」
「でもさ、勃起するってことはさ、性欲はあるんでしょ?」
「……まあ、そうですね」
「じゃあさあ、何を見て性欲処理してるの?」
!!!
何を言い出すのかと思えばこの人は!
予想外の問い掛けに、ブワリと頬が熱くなる。
駅近くの居酒屋にて。ビール一杯飲んだだけだというのに、酔いが回ったのか荒れ狂う香菜はとんでもない話題を口にする。そんな発言をされてしまえば、まさかそんなことはあるまいとは思いながらも、創もついつい余計な反応をしてしまう。
「えっ。先輩……もしかしてチンコでも生えてんですか?」
「はあっ?そんなん生えてるわけ無いじゃん!チンコが生えてるとか生えてないとか、そういうのは比喩の話!こうも残業続きでは、人として大事な何かが枯れてしまった気がしてならないって話なのっ!心のチンコが勃起しないって話なのっ!!」
香菜は「バッカじゃないの?」といった顔をするが、それはこちらの台詞である。妙齢の女性が酔った勢いとはいえチンコチンコ連呼するのはいかがなものか。辺りをキョロキョロ見渡しながら、創はギャンギャン吠える香菜をそっと小声で咎めてやる。
「勃起しないって……。まあ、勃起しない悲しみは男としては、なんとなくわかりますけどね?」
「えっ!ということはまさか、築崎くんも……」
「いや、しますけど!っていうか俺の話は別にいいですから!」
自分までED扱いされたのではかなわない。慌てる創を横目に香菜は頬杖をつき、ジョッキに残る泡を見つめながら、フウとため息をつく。
「勃起しない、興奮しないなんて……。何を楽しみに人生を生きていけばいいのかわからないよ」
「いや、そんな大袈裟な」
「大袈裟じゃないって!」
話題を変えたい創は曖昧な返事をしながら皿に盛られた枝豆に手を伸ばす。そんな態度に、香菜は恨めしそうに視線を創に移すと口を尖らせる。
「ねえ……築崎くんはさ、彼女はいるんだっけ?」
「え、いません……けど?」
「でもさ、勃起するってことはさ、性欲はあるんでしょ?」
「……まあ、そうですね」
「じゃあさあ、何を見て性欲処理してるの?」
!!!
何を言い出すのかと思えばこの人は!
予想外の問い掛けに、ブワリと頬が熱くなる。
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