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キッスは甘いイチゴ味(物理的) (1)
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さてその後についてかいつまんで話せば、数時間後に目覚めた神山透は、寝てしまったことを平謝りに謝った後、「……で、これからどうしましょう?」と、切り出してきたのだった。
まあね、遠方からの出張帰りに彼女にショックなことを聞かされて、挙げ句に酒に強くもないのに何杯も飲んだらそりゃ眠くもありますわなぁ。……そんなことを考えつつも。
「どうしましょうとは、どういうことでしょう?」
そう返してみると、神山透は少し躊躇した後、頬を染め挙手をする。
「先生、僕はまずはキスがしてみたいです」
……先生?
オーノー。その設定、まだ生きてんの?
一旦寝たおかげですっかりシラフになった私の選択肢としては、「そんなことをするつもりはない」の一択である。
只の会社の同僚とそんな関係になったものなら、いくらあまり接点が無い部署同士とは言え、何かと今後気まずくなるのは目に見えているではないか。
会社での人間関係が円滑に進まなくなるリスクを背負ってまで、一時的な好奇心を満たすつもりは、こちらにはないぞ。(そう昨日も言えばよかったと、今更気づく私である。)
「えっとね、神山……くん。多分この部屋は休憩料金から宿泊料金に移行されていると思うんですね。で、なんなら延長料金も発生してるのかもしれないんですよ。この手のホテルの延長料金は恐らく容赦なく高額になるはずですので、今はそんなことをしている時間は無く、早く退出する準備をすべきだと、先生は思いますよ?」
先生と言われたからには先生らしく。神山透にそうとくとくと言い聞かせると、「じゃあまた今度ですね」と、イケメンはしょんぼりした顔をする。
いーやいやいや、今度なんかありませんから!!
母性本能をくすぐるような、そんな顔をされたって駄目なものは駄目である。
心の中では猛烈に神山透に突っ込みながらも、面と向かってそれを伝えてやる程の度胸はない。
仕方がないので「ウフフ、ソウデスネ~」と、私はぎこちなくお茶を濁した返事をするのみに留めておくのだった。
--
さて結局ホテルを出たのは朝の6時で、延長料金は発生しなかった。
「せっかくなんで手を繋いで帰ってもいいですか?」
外に出たイケメンは、乙女みたいにはにかみながらそんな可愛らしいことを言ってくる。
まあ今後二度とこういうこともないことだろう。
最初で最後のお願いごとをここは一つ叶えてやるかと思い立つと、「甘えん坊の生徒だなあ」と言いながら、私は女子生徒みたいな神山透に調子を合わせてやる。
そして『彼女』の憧れの先生を気取ると、来た時と同じく指を絡ませギュッとその手を握り締めて、駅までの道のりを帰ることにするのだった。
一連の出来事はこれでおしまい。
……そう高をくくっていた私は、イケメンの再びのお願いにより、まさか一週間後またしても同じホテルの同じ部屋に来るだろうことなどこの時、微塵にも予想していなかったのであった。
まあね、遠方からの出張帰りに彼女にショックなことを聞かされて、挙げ句に酒に強くもないのに何杯も飲んだらそりゃ眠くもありますわなぁ。……そんなことを考えつつも。
「どうしましょうとは、どういうことでしょう?」
そう返してみると、神山透は少し躊躇した後、頬を染め挙手をする。
「先生、僕はまずはキスがしてみたいです」
……先生?
オーノー。その設定、まだ生きてんの?
一旦寝たおかげですっかりシラフになった私の選択肢としては、「そんなことをするつもりはない」の一択である。
只の会社の同僚とそんな関係になったものなら、いくらあまり接点が無い部署同士とは言え、何かと今後気まずくなるのは目に見えているではないか。
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「えっとね、神山……くん。多分この部屋は休憩料金から宿泊料金に移行されていると思うんですね。で、なんなら延長料金も発生してるのかもしれないんですよ。この手のホテルの延長料金は恐らく容赦なく高額になるはずですので、今はそんなことをしている時間は無く、早く退出する準備をすべきだと、先生は思いますよ?」
先生と言われたからには先生らしく。神山透にそうとくとくと言い聞かせると、「じゃあまた今度ですね」と、イケメンはしょんぼりした顔をする。
いーやいやいや、今度なんかありませんから!!
母性本能をくすぐるような、そんな顔をされたって駄目なものは駄目である。
心の中では猛烈に神山透に突っ込みながらも、面と向かってそれを伝えてやる程の度胸はない。
仕方がないので「ウフフ、ソウデスネ~」と、私はぎこちなくお茶を濁した返事をするのみに留めておくのだった。
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さて結局ホテルを出たのは朝の6時で、延長料金は発生しなかった。
「せっかくなんで手を繋いで帰ってもいいですか?」
外に出たイケメンは、乙女みたいにはにかみながらそんな可愛らしいことを言ってくる。
まあ今後二度とこういうこともないことだろう。
最初で最後のお願いごとをここは一つ叶えてやるかと思い立つと、「甘えん坊の生徒だなあ」と言いながら、私は女子生徒みたいな神山透に調子を合わせてやる。
そして『彼女』の憧れの先生を気取ると、来た時と同じく指を絡ませギュッとその手を握り締めて、駅までの道のりを帰ることにするのだった。
一連の出来事はこれでおしまい。
……そう高をくくっていた私は、イケメンの再びのお願いにより、まさか一週間後またしても同じホテルの同じ部屋に来るだろうことなどこの時、微塵にも予想していなかったのであった。
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