あの娘の彼氏はスパダリと評判ですが、その実態はただのヘタレです

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カーテンの向こうは未知の世界(4)

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ピンクのカーテンの内側には人はなく、とりあえずはホッとする私である。
男女二人組でこんなところにいたら「これからこのDVD見たりして、場合によってはこのあとでエロいことするんですよー!」と宣言しているようではないか。
自意識過剰も甚だしいと言われそうだが、どうにもこうにも恥ずかしくて仕方ない。

「中に入ったことですし、もう出ましょうよ」と声をかけるも「せっかくなんでこれも何本か借りて一緒に見てみましょうよ」と、返ってきたのはまさかの腰を据えて選ぶ宣言!
これはまだまだ滞在時間はかかる様子。
仕方がないので私も適当に手に取って内容を読んでみたりする。

人妻もの、女子学生もの、オフィスもの、色々なジャンルはあるけれど、表紙の可愛らしい女子は全て、裏表紙であられもない姿になっている。

「表と裏表紙の差がエゲツないことになってますね」
「まあこの落差は、山本さんには敵いませんけどね」

パッケージの感想をポツリと呟くと、イケメンはニヤリと意味深な笑顔で言い返す。

なんだよそれ!それじゃまるで私が夜ものすごくエロいみたいじゃないか!!冗談とはいえ、そんなもの、人より凄いと言われてもうれしく無いのが乙女心である。

あっいや待てよ?自分でも気が付かなかったけども、実は本当に夜方面が激しくて、それが神山透の心に刺さって、現在のセフレ関係へと繋がってるのか??
……はっはーん。なるほどそういうことか。
実は私はものすごいテクニックの持ち主だったのかもしれぬ。
パンパカパーン!謎は全て解けた!!

「じゃあ神山さんは、私 (のテク) にメロメロなんですね☆」

結論を導き出した私が、意気揚々とイケメンに向かってからかってやると、話を持ち出した張本人は、急に顔を真っ赤にさせて目を泳がせる。

「えーとえーと、改めて口に出されると恥ずかしいですけど、まあ、多分そういうことなんだと思いますよ?」

これで無自覚なんだから質が悪いと謎の恨み節をこぼしつつ、「自分の振った話で返り討ちにあうとは……」とイケメンは悔しそうに呟いている。

無自覚とはなんのことだ?心当たりは全く無いが、イケメンの滅多に見れない無念そうなその表情に嗜虐心が唆られる。

なんとも気持ちが高揚するのを感じ、「返り討ちにしてやったわ!」と思わず声高らかに勝利宣言してやると、私は満面の笑みを向けてやるのだった。

……それにしても今後の為にも一緒に見ようだなんて、なんと研究熱心なことか。
きっといつか実地で付き合わされることになるのだろうなあ、羞恥心的なものをゴリゴリ削られるんだろうなあ。
色々な意味でヒンヒン泣く将来の自分を想像すると、思わずエールを送ってしまいたくなる。

結局レンタルしたのは、恋愛ものの洋画とアダルト系が何点か。最近出始めているセルフレジでお会計するイケメンは、格調高い文芸作品をレンタルしてるみたいに澄まし顔。やましさ0%、爽やかさ100%!!

「これなら恥かしさは全然感じませんよね」

文明の利器を目の前に神山透は、感心した様な声を上げるので「じゃ、これからジャンジャン借りられそうですか?」と聞いてみる。

「いえ、山本さんがいるから、多分こういうのは借りない……いや、でももしかしたらハマっちゃって、また山本さんと一緒に借りにくるかもしれないですかね」

するとイケメンは首を傾げて、実に率直な感想を口にする。
いやーハマるハマらないはともかく、後は一人でレンタルしてくれよ!
次回以降も付き合わされる予感しかない私であるが、声を大にして訴えたい気持ちに駆られてしまうのであった。


さてその後、神山透の部屋に戻り、ちょっと懐かしい胸キュンなハリウッド映画を見た後は、それぞれお風呂に入って就寝することに。

……と思ったら風呂上がりに、「じゃーん!これを見てから寝ましょうよ」と神山透が取り出したのは先程借りたアダルトDVDであった。

「挿入行為は無いって書いてありましたから、多分マイルドなやつですよ」

そう勧められて無理やり見せられた、画面に映し出されたDVDのタイトルは「足フェチ厳選!足舐めご奉仕100分間!!」とかいう代物。
その名の通り、100分間ずっーーーっと誰かしらの足首やら足の指やらを舐め続ける内容だった。

最初の15分は我慢して見ていたものの、延々と続くその映像に耐えきれず結局残りは早送りとなる。そして最後に停止ボタンを押した頃には、神山透も私もいよいよ気まずくなっているのであった。

……おいイケメン、どうしてこれを借りようと思った?

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