あの娘の彼氏はスパダリと評判ですが、その実態はただのヘタレです

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開くな!新しい扉(1)

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「まさかこんな内容だったとは……」

イケメンは茫然とした表情で声を失っている。

あ、これは本気で間違えて借りてきたやつだ。
内容吟味して借りる!とか息巻いておいて、この失態。
しょんぼりするイケメンだが、本日ずっとスパダリっぷりを見せつけられてきたこちらとしては、ここきてのイケメンの思わぬ凡ミスにニヤニヤが止まらない。

神山透も人の子であったか。思いがけずに本日2度目の嗜虐心がむくむくと顔を出し、少しいじめてみたくなってくる。

「神山さんて、足に興味がおありですか?」

直球勝負で聞いてみる。

「もしよろしかったら、私の足を舐めてみても、よろしいんですよ?」

ちらーりと足を神山透の鼻先に持っていってチョイチョイと爪先を動かしてみる。
また顔を真っ赤にさせて「そんなことしません!」とか言っちゃうのかな?
そんな風に思いながら神山透の顔を覗いてやるが、じいっと私の足を見つめたイケメンは、実に想像の斜め上の回答をしてくるのであった。

「山本さんの足って、ぽてっとして、ふわふわ丸くて可愛いですよね。」
「えぇっ?!」

確かに甲高幅広の私の足は、大人の女性にしては丸みを帯びている。が、それではハイヒールや洗練された美しい華奢な靴は入らない。大人の女性向きの靴は甲が薄くて足の幅が狭い様に作られているものが多く、そして靴のお洒落の範囲が限定されてしまうこの足は、実は人知れない私のコンプレックスの1つでもあった。

まじまじと見つめられると急に恥ずかしくなってくる。
「やっぱり見ないで下さい」と、咄嗟に足を隠そうとすると、「可愛いからもっと見せて」と足首を捕まれる。
そしてバランスが崩れて、神山透の口元に足を投げだした状態で床に寝転がってしまった私の目を見てイケメンは、ニヤリと笑って囁くのだった。

「じゃ、山本さんのご要望通り、舐めてあげますからね?」

--

足の親指、人差し指、と一本ずつかわるがわる口に含んだ後、神山透は指から一旦口を離し、今度は指と指の間に舌を這わせて付け根をベロリと舐める。指を舐められてるだけなんだから、気持ちよくなんてないはず。

……気持ちよくなんてないはず、なんだけれども、普段閉じられているところを無理やり開かれ、舐め回され、挙げ句にチュパチュパという水音まで聞かされているとなんだかおかしな気持ちになってくる。
膝を折り曲げられ足先を舐め取られる一方で手の指は神山透の指に絡みとられていて、指と指の間に加わる僅かな力を感じる度に身悶えするような震えが走る。
傅いて舌を出し、足先を丁寧に舐め回わすイケメンという刺激的過ぎる視覚的効果も相まって、白旗寸前の私である。

「か、神山さん……神山さん、すみません、もう、無理ぃ」

されたことのないことをされ、気持ち良いのか良くないのかも判断つかないけれど、これ以上されたら、何か新しい扉が開いてしまう。
知りたいような知りたくないような感覚に襲われて、なぜだか涙が出てきて、声も震えてしまう。

このまま気持ち良くなってしまうのは、嫌だ。
気持ち良くなるなら一緒がいい、とべそべそ泣きながら訴えると、神山透はよしよしと私の頭を撫でた後にギュッと抱きしめてくる。

「じゃあ、一緒にこのまま気持ち良くなっちゃいます?」

熱い吐息が耳に触れ、はい……と、頷きかけるが、いや、やっぱりダメだな。ここ、神山透の叔父さんちだな、と思い直す。
でも気持ち良くなりたいし、気持ち良くなってほしい……解決しない問題に、いよいよ顔がくしゃくしゃになる私に、神山透は魅惑的な微笑みを浮かべ、こう提案してきたのだった。

「山本さん、入れなきゃセーフですよ。ね?」

入れなきゃセーフ……?入れなきゃえっちにしたことにカウントされない?あれ?そういうもんだっけ??

いよいよ頭の回らない私には、神山透の甘言が素晴らしい提案免罪符に思えてくる。その言葉にそそのかされるように、お互いの気持ちのいい部分をくちゅくちゅ押し当てると、中に入りこそしないものの、結局あんあん言ってしまうのであった。

その後、

「入れなきゃセーフって、絶対そういう問題じゃないよなあ」

と、猛烈に落ち込むことになるのだが、その時の私は快感を追いかけるのにとにかく必死で、それどころではなかったことだけは、激しく強調しておきたいところである。
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