あの娘の彼氏はスパダリと評判ですが、その実態はただのヘタレです

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開くな!新しい扉(3)

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現在は朝の6時。
あれから神山透のベッドにお邪魔して一緒に眠ることになり、お互い背を向けて寝ていたはずだったのだが、気がつくと神山透に抱きかかえられる様にして寝ていたらしい私であった。

ぼんやりと神山透の体温を背中越しに感じていたら、首筋に唇をつけられ、はむはむと食まれている気がしてきた。
胸も下からすくい上げるように触られている気もする。
……お尻には熱くて硬いものがグリグリと押し付けられている気もする……。

「……神山さん、もしかして、起きてます?」
「あっバレちゃいましたか」

いっけねー見つかっちゃったー☆みたいな無邪気な顔でこちらを見るが、そんなんされたらバレるわい!

「だって……朝起きて自分の家に山本さんがいるのがなんだか嬉しくて。ちょっといたずらしてしまいました」

イケメンは私の頭に顔をうずめると、ぎゅうと腕を体に巻きつけながら愉しげな声で白状する。
その仕草は甘える子供みたいで大変可愛らしい。が、いたずらの内容は全く可愛らしくない。

ホテルの薄暗い照明と違って、朝日の中でまじまじと見る神山透の顔はまだ少し眠そう。
ピョコンと寝癖がついた髪、ちょっぴりヒゲも伸びていて、はて?これはイケメンと言って良いのか?といった風貌。
相手にとっては私もどっこいな様子なんだろうというのはさておき、気が抜けた隙だらけの雰囲気が新鮮で、なぜか妙に愛おしい。
甘い感情が胸に広がる一方では、こういった朝を何度も過ごしてきたであろう顔も知らない歴代の彼女達がなぜだか頭をよぎる。神山透を振ったとされる彼女達は、朝を迎えたこの瞬間一体何を感じていたのだろう。
満たされた気持ちでこの腕に抱かれていたのか、それとも……?

「神山さんて、今までの彼女とはどうして別れちゃったんですか?」
「えーなになに?山本さん、もしかして昔の彼女のこと、気になっちゃってます?」

相変わらずぎゅうぎゅうと抱きしめられながら、ついそんな質問を投げかけてみると神山透は一瞬ビックリした顔をした後に、ニヤニヤしなからこちらの顔を覗き込んでくる。

「うーん?まあ初めて二人で飲んだ時の話を思い出してみると、神山さんはあんまりにも女性に奥手すぎて振られてばかりいたとばかり思ってたんですけど、今こうしていると全然奥手じゃないなあと思いまして」

どこか例えようのないモヤっとした気持ちを感じながらも正直に答えてみると、イケメンはなんだそんなことか、というような顔になり、「まあ端的に言うと、仕事が忙しくて会っている時間が少ないから、みたいな感じで振られたってところですかね?」とさらりと言うのだった。

現在私とは多くて週1回、少なくとも月2、3回の逢瀬はある。忙しい社会人、ましてや営業マンにそれ以上の時間を作れというのは酷というものだろう。
……って、世の中的に社会人カップルのデートの時間がどの程度が妥当なのかなんて知らんけども。

「じゃ、決して奥手過ぎるとか、神山さんのえっちがマニア向けすぎて振られた訳では……」
「だからそうではないんですってば!」

その辺りの真相を聞こうと深掘すると、食い気味に反論されてしまう。イケメンは、どうやら性癖はノーマルであることを強調したいらしい。
そうは言うものの、昨日の行為の様に人の足の指を舐める人ってノーマルと言って良いのだろうか。
その辺りは甚だ疑問であるが、まあいいだろう。
そういうことにしておいてやろう。

一旦納得することにした私は、質問内容を変えてみようと試みる。
いい機会だ、イケメンの恋愛遍歴とやらをここで色々聞いてやろう。
そう。私の尋問は、まだまだ続くのである!
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