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小話 夏なので熱中症に気をつけよう
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正式にお付き合いするようになってからしばらく後。
本日週末お泊まりデー。
神山透の自宅にお邪魔中の私である。
お風呂から上がってみると、お揃いのパジャマを着た神山透はソファーに座ってテレビを見ていて、画面からは「そろそろ夏本番。熱中症に気をつけましょう。」といったニュースが流れている。
(尚、蛇足情報ながらこのお揃いのパジャマは、「僕、好きな子とお揃いのパジャマで寝るのが夢でした!」と、乙女顔負けな願望を持つイケメンが、わざわざ用意したものである。)
隣りに座ってニュースの続きを一緒に見ていると、冷房の効いた室内や車の中でも熱中症になる可能性もある、との情報が画面に映ったので「透さんも、営業の異動中の水分補給には気をつけないといけませんね。」と話をしていると、神山透は真面目な顔をして「ねえ郁子さん、熱中症ってゆっくり言えますか?」なんて聞いてくるのだった。
ん?ゆっくり言うの?何かのテスト?
ゆっくり発音して、何かがおかしかったら熱中症のサインとかっていう、そういうやつ?
「 ねっ ちゅう しょう ? 」
すると単語を最後まで言い終わるか終わらないうちに、神山透は私にチュパっとキスをして、
「やだなあ郁子さんたら、「ね?チュウしよう?」だなんて誘うんだもん、誘われたらチュウしてあげないといけないじゃないですかねえ?」
なんて、ニヤニヤしながら抱きついてくるのだった。
…… や ら れ た
その昔、学生時代なんかに流行った言葉遊びに、まんまと引っ掛かってしまった。
神山透に視線を向ければ、相変わらずニヤニヤして「してやったり」といった顔。
そんな顔の神山透を眺めていると、疑いもせずつい騙されてしまった悔しさやら、学生みたいなことをしてくるイケメンがなんだか少し腹立たしいやらで、ちょっとお仕置きしてあげたくなってくる。
「……神山くぅん。生徒のくせに先生にチュウしちゃうなんて、いけない子ですね?そんな生徒には、先生がちゃあんと、指導してあげないといけませんよね?」
そう芝居がかった台詞を言うと、両腕で神山透の肩にグイッと力を入れて、そのまま彼を押し倒すと乱暴に唇を奪ってやるのだった。
神山透の唇を食み、強引に舌を口内へと押し進めて無理矢理舌を絡ませてやる。
「神山くん、どぉ?気持ちいい?これが本当のチュウですよ?」
神山透に馬乗りになって口内を散々舌で犯してやった後は、彼の髪をかきあげて、額にキスの雨を降らせたり、耳たぶから首すじにかけてチュパチュパ音を立てながら唇と舌を這わせてやる。
神山透も「んぅっ」なんて声を洩らしてその度にピクピク可愛らしい反応を示してくるものだから、私は反撃成功とばかりにすっかり満足して体を離そうとすると、真っ赤な顔と潤んだ瞳でこちらを恨めしそうに睨むイケメンは「先生、こんな中途半端なところで止めようとするなんて酷いです。」と言って、私の腕を引っ張り自分の胸に抱き寄せてくるのだった。
「ベッドで続き、してくれませんか?……先生?」
……神山透がそんな甘く囁くようにおねだりをしてくるものだから、自分で蒔いた種とは言え、生徒の神山透が可愛らしすぎて、仕方なく、ほんとにもう仕方なく。
ベッドに移動した後、先生は拙いながらも可愛い生徒の上に跨がって、頑張って続きのご指導をしちゃうのだった。
その後、「可愛くて偉そうな郁子さんから攻められちゃうなんて、なんか、新しい扉が開いちゃったかもしれません」とか言う神山透に、しばらくの間何回かに1回の割合で先生と生徒プレイをおねだりされることになるとは今の段階では微塵にも想像しない私なのだったとさ。
本日週末お泊まりデー。
神山透の自宅にお邪魔中の私である。
お風呂から上がってみると、お揃いのパジャマを着た神山透はソファーに座ってテレビを見ていて、画面からは「そろそろ夏本番。熱中症に気をつけましょう。」といったニュースが流れている。
(尚、蛇足情報ながらこのお揃いのパジャマは、「僕、好きな子とお揃いのパジャマで寝るのが夢でした!」と、乙女顔負けな願望を持つイケメンが、わざわざ用意したものである。)
隣りに座ってニュースの続きを一緒に見ていると、冷房の効いた室内や車の中でも熱中症になる可能性もある、との情報が画面に映ったので「透さんも、営業の異動中の水分補給には気をつけないといけませんね。」と話をしていると、神山透は真面目な顔をして「ねえ郁子さん、熱中症ってゆっくり言えますか?」なんて聞いてくるのだった。
ん?ゆっくり言うの?何かのテスト?
ゆっくり発音して、何かがおかしかったら熱中症のサインとかっていう、そういうやつ?
「 ねっ ちゅう しょう ? 」
すると単語を最後まで言い終わるか終わらないうちに、神山透は私にチュパっとキスをして、
「やだなあ郁子さんたら、「ね?チュウしよう?」だなんて誘うんだもん、誘われたらチュウしてあげないといけないじゃないですかねえ?」
なんて、ニヤニヤしながら抱きついてくるのだった。
…… や ら れ た
その昔、学生時代なんかに流行った言葉遊びに、まんまと引っ掛かってしまった。
神山透に視線を向ければ、相変わらずニヤニヤして「してやったり」といった顔。
そんな顔の神山透を眺めていると、疑いもせずつい騙されてしまった悔しさやら、学生みたいなことをしてくるイケメンがなんだか少し腹立たしいやらで、ちょっとお仕置きしてあげたくなってくる。
「……神山くぅん。生徒のくせに先生にチュウしちゃうなんて、いけない子ですね?そんな生徒には、先生がちゃあんと、指導してあげないといけませんよね?」
そう芝居がかった台詞を言うと、両腕で神山透の肩にグイッと力を入れて、そのまま彼を押し倒すと乱暴に唇を奪ってやるのだった。
神山透の唇を食み、強引に舌を口内へと押し進めて無理矢理舌を絡ませてやる。
「神山くん、どぉ?気持ちいい?これが本当のチュウですよ?」
神山透に馬乗りになって口内を散々舌で犯してやった後は、彼の髪をかきあげて、額にキスの雨を降らせたり、耳たぶから首すじにかけてチュパチュパ音を立てながら唇と舌を這わせてやる。
神山透も「んぅっ」なんて声を洩らしてその度にピクピク可愛らしい反応を示してくるものだから、私は反撃成功とばかりにすっかり満足して体を離そうとすると、真っ赤な顔と潤んだ瞳でこちらを恨めしそうに睨むイケメンは「先生、こんな中途半端なところで止めようとするなんて酷いです。」と言って、私の腕を引っ張り自分の胸に抱き寄せてくるのだった。
「ベッドで続き、してくれませんか?……先生?」
……神山透がそんな甘く囁くようにおねだりをしてくるものだから、自分で蒔いた種とは言え、生徒の神山透が可愛らしすぎて、仕方なく、ほんとにもう仕方なく。
ベッドに移動した後、先生は拙いながらも可愛い生徒の上に跨がって、頑張って続きのご指導をしちゃうのだった。
その後、「可愛くて偉そうな郁子さんから攻められちゃうなんて、なんか、新しい扉が開いちゃったかもしれません」とか言う神山透に、しばらくの間何回かに1回の割合で先生と生徒プレイをおねだりされることになるとは今の段階では微塵にも想像しない私なのだったとさ。
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