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七章 知と血
第36話 鍵
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茶の間には
ボクと五代を除いて5人の人間が集まっていた。
政子と頼朝は肩を並べて
畳の上に腰を下ろしていた。
その隣に富子が一人でポツンと座っていた。
竹千代と福は壁際に黙って立っていた。
そして五代はボクの隣にいた。
「菊子と秀頼が死んでいたですって?」
「それでどうしてアタイらが呼ばれたんだい?」
「探偵の先生は私とあなたのどちらかが
二人を殺したと考えているようですよ」
「ひっ!馬鹿馬鹿しい!」
政子と富子がボクの方をじろりと睨んだ。
「い、いや・・それは・・」
その眼力にボクは言葉に詰まった。
「座敷牢の鍵は福が管理していたのですよ。
ならば。
犯人は福以外考えられないでしょう?」
「そうだよ。
以前から太々しい女とは思っていたけど
この期に及んで
いよいよ正体を現したようだね」
二人はボクから視線を外して福を睨み付けた。
福は眉一つ動かさなかった。
「せ、先生・・
は、母がそんな恐ろしいことを
するはずがありません!」
五代のすがるような視線にボクは小さく頷いた。
「とりあえず。
これから現場に戻って
もう一度調べてきます。
皆さんはもうしばらくここで
待機していて下さい」
ボクがそう言うと、
政子と富子は明らかに不機嫌な顔をした。
「福さん、鍵を貸して下さい」
しかし福はボクの声が聞こえていないのか
まったく反応しなかった。
「鍵は・・私が預かっています」
その時、政子の隣に座っていた頼朝が
静かに立ち上がった。
「はっ?」
「ひっ?」
政子と富子が奇妙な声を発した。
「・・彼らを座敷牢に閉じ込めるよう
提案したのは私ですから。
私が責任を持って鍵を管理していました」
ボクと五代を除いて5人の人間が集まっていた。
政子と頼朝は肩を並べて
畳の上に腰を下ろしていた。
その隣に富子が一人でポツンと座っていた。
竹千代と福は壁際に黙って立っていた。
そして五代はボクの隣にいた。
「菊子と秀頼が死んでいたですって?」
「それでどうしてアタイらが呼ばれたんだい?」
「探偵の先生は私とあなたのどちらかが
二人を殺したと考えているようですよ」
「ひっ!馬鹿馬鹿しい!」
政子と富子がボクの方をじろりと睨んだ。
「い、いや・・それは・・」
その眼力にボクは言葉に詰まった。
「座敷牢の鍵は福が管理していたのですよ。
ならば。
犯人は福以外考えられないでしょう?」
「そうだよ。
以前から太々しい女とは思っていたけど
この期に及んで
いよいよ正体を現したようだね」
二人はボクから視線を外して福を睨み付けた。
福は眉一つ動かさなかった。
「せ、先生・・
は、母がそんな恐ろしいことを
するはずがありません!」
五代のすがるような視線にボクは小さく頷いた。
「とりあえず。
これから現場に戻って
もう一度調べてきます。
皆さんはもうしばらくここで
待機していて下さい」
ボクがそう言うと、
政子と富子は明らかに不機嫌な顔をした。
「福さん、鍵を貸して下さい」
しかし福はボクの声が聞こえていないのか
まったく反応しなかった。
「鍵は・・私が預かっています」
その時、政子の隣に座っていた頼朝が
静かに立ち上がった。
「はっ?」
「ひっ?」
政子と富子が奇妙な声を発した。
「・・彼らを座敷牢に閉じ込めるよう
提案したのは私ですから。
私が責任を持って鍵を管理していました」
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