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四章 神無月
十月四日(火曜日)2
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店に入るとテーブル席を片付けている
もしほの後姿が見えたが、
マスターの姿はなかった。
客は一人もいなかった。
僕がカウンターに座ると
もしほがこちらに気付いた。
「あら。
いらっしゃい。
マスター!お客さんよ」
もしほが奥に向かって叫ぶと、
すぐにマスターが飛び出してきた。
「何だ、明人ちゃんか」
マスターは僕の顔を見るなり
気の抜けたような声を出した。
「あら、マスター。
八木さんも大切なお客さんよ?」
「あ、当たり前だろ!」
慌てるマスターに
僕ともしほは顔を見合わせて笑った。
「明人ちゃん、飯食いに来たんだろ?
明日のランチの親子丼を試食するか?」
「あ、はい。じゃあお願いします」
家を出たときには食欲はなかったが、
ここへきて急に空腹を感じた。
そこへもしほが水を運んできた。
「もしほちゃん、ごめん。
この後大烏さんと待ち合わせをしてるんだ。
あっちの席に移ってもいいかな」
僕はグラスを持って立ち上がった。
「そうなんだ?
せっかくもうすぐ仕事が終わるから、
八木さんとお話しようかと思ってたのに、
そういうことなら仕方がないわね。
どうぞ、好きな席に座って」
僕は一番奥のテーブル席へと移動した。
運ばれてきた親子丼を僕は搔き込んだ。
そしてあっという間に食べ終えた。
食後のコーヒーを頼もうかと思ったが、
大烏が来てからにしようと考え直した。
僕は食器だけをさげてもらった。
丁度その時、車のエンジン音が聞こえてきた。
時計を見ると十九時五十五分だった。
もしほの後姿が見えたが、
マスターの姿はなかった。
客は一人もいなかった。
僕がカウンターに座ると
もしほがこちらに気付いた。
「あら。
いらっしゃい。
マスター!お客さんよ」
もしほが奥に向かって叫ぶと、
すぐにマスターが飛び出してきた。
「何だ、明人ちゃんか」
マスターは僕の顔を見るなり
気の抜けたような声を出した。
「あら、マスター。
八木さんも大切なお客さんよ?」
「あ、当たり前だろ!」
慌てるマスターに
僕ともしほは顔を見合わせて笑った。
「明人ちゃん、飯食いに来たんだろ?
明日のランチの親子丼を試食するか?」
「あ、はい。じゃあお願いします」
家を出たときには食欲はなかったが、
ここへきて急に空腹を感じた。
そこへもしほが水を運んできた。
「もしほちゃん、ごめん。
この後大烏さんと待ち合わせをしてるんだ。
あっちの席に移ってもいいかな」
僕はグラスを持って立ち上がった。
「そうなんだ?
せっかくもうすぐ仕事が終わるから、
八木さんとお話しようかと思ってたのに、
そういうことなら仕方がないわね。
どうぞ、好きな席に座って」
僕は一番奥のテーブル席へと移動した。
運ばれてきた親子丼を僕は搔き込んだ。
そしてあっという間に食べ終えた。
食後のコーヒーを頼もうかと思ったが、
大烏が来てからにしようと考え直した。
僕は食器だけをさげてもらった。
丁度その時、車のエンジン音が聞こえてきた。
時計を見ると十九時五十五分だった。
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