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二章 Reunion

四月 <本質> 9

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俺は日々、大吾からの嫌がらせを受けながらも
それなりに楽しい学校生活を送っていた。
意識していないとはいえ、
やはり初恋の少女である相馬と
毎日顔を合わせるのは嬉しかったし、
思った以上に奥川との関係が良好だったからだ。
元々俺は大吾に思い知らせるために
奥川に接触したはずだったが、
今では二人で過ごす放課後の時間が
待ち遠しかった。

大吾の嫌がらせが激しくなればなるほど、
俺は奥川と仲の良いところを大吾に見せつけた。
そして憤慨する大吾を見て心の中で笑っていた。

ここで俺は改めて自分の本質に気付いた。

俺はSなのだ。
所謂、広義の意味でのサディズム。

よくよく考えれば
蟻の巣に水を流し込むという行為は、
少なからず残虐性の表れであり、
俺にはそういう性質が
幼少期より備わっていたのかもしれない。
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