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第4話
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「今日は何をするの?」
台所に立つシャルロッテの後ろを、雛のようについていくセルジュ。
畑で作業を手伝ってからというもの、シャルロッテの仕事を何でも手伝いたがった。
動き回れば傷口が再び開く恐れもある。安静にして欲しいのだが、あまりにも楽しそうに作業をするので大目に見るようになったのだ。
「ジャムを作るのよ」
この間森で収穫した野苺がたくさん詰まった瓶を取り出す。
1つ1つ丁寧に水洗いしていき、同時に中を開いて見る。森で採れた野苺の中には、虫が巣食っている可能性があるからだ。
セルジュは黙々と野苺を洗う。全てを洗い終わると、鍋に入れる。
「ここから砂糖を入れて煮込むわ。時々、野苺を潰しながらね」
セルジュは言われた通りに手を動かす。煮込まれた野苺は、粘り気が増してきて完成に近付いていく。
「味見してみる?」
シャルロッテが聞くと、待ってましたと言わんばかりにセルジュは嬉しそうに頷く。匙で少しすくって渡すと、口に入れる。
「甘くて美味しい」
「それなら良かった。煮沸消毒した瓶に入れたら完成よ」
セルジュは慎重に鍋から瓶に中身を移す。出来立てのジャムから湯気が立ち、甘い香りが部屋に充満する。
「冷ましてから蓋を閉めるわ」
「凄いな、野苺なんて食べるものじゃないと思ってたよ」
「生だと酸っぱいものね。冷めるまで時間がかかるから、好きな事して良いわよ」
そう言い、シャルロッテは本棚から1冊取り出すと椅子に座った。
好きな事、と言われ戸惑ったのかセルジュはシャルロッテの隣に座る。
「君は本が好きなの?」
「そうよ。本にはわたしが知らない世界がたくさん書かれてるから。本に載っている見たこともない景色、食べ物、わたしのような少数民族の人とか……。幻想的な世界も、心臓が苦しくなるくらい切ない恋も、たった1冊で楽しめるもの」
シャルロッテの夢は、本で知った大陸の様々な景色や食べ物、自分とは違う文化を持った人に会いに行く事だ。いつかこの広い大陸を端から端まで旅してみたい。読書をしているとそんな気持ちになる。
「とっても素敵な夢だと思う。叶うと良いね」
セルジュは宝石のように瞳を輝かせた。
「ありがとう。貴方には夢はあるの?」
自分についての記憶を失った彼にとっては、記憶を取り戻すことが夢なのかもしれないが。
セルジュは少し考え込むと、閃いたように答えた。
「シャルロッテの夢を叶えること!」
名案だと言わんばかりの笑顔。そんな彼に胸が温かくなるのを感じる。
「わたしの夢を叶えるのが夢?」
「僕自身の夢があったのかもしれないけど、新しく夢を作ったんだ」
こんなにもお世話になってる人に恩返しがしたいしね、と彼は付け加える。その気持ちだけでも、嬉しくてシャルロッテは笑った。
いつかセルジュと夢を叶える日が来るのかもしれない。そんな予感を抱きながら。
台所に立つシャルロッテの後ろを、雛のようについていくセルジュ。
畑で作業を手伝ってからというもの、シャルロッテの仕事を何でも手伝いたがった。
動き回れば傷口が再び開く恐れもある。安静にして欲しいのだが、あまりにも楽しそうに作業をするので大目に見るようになったのだ。
「ジャムを作るのよ」
この間森で収穫した野苺がたくさん詰まった瓶を取り出す。
1つ1つ丁寧に水洗いしていき、同時に中を開いて見る。森で採れた野苺の中には、虫が巣食っている可能性があるからだ。
セルジュは黙々と野苺を洗う。全てを洗い終わると、鍋に入れる。
「ここから砂糖を入れて煮込むわ。時々、野苺を潰しながらね」
セルジュは言われた通りに手を動かす。煮込まれた野苺は、粘り気が増してきて完成に近付いていく。
「味見してみる?」
シャルロッテが聞くと、待ってましたと言わんばかりにセルジュは嬉しそうに頷く。匙で少しすくって渡すと、口に入れる。
「甘くて美味しい」
「それなら良かった。煮沸消毒した瓶に入れたら完成よ」
セルジュは慎重に鍋から瓶に中身を移す。出来立てのジャムから湯気が立ち、甘い香りが部屋に充満する。
「冷ましてから蓋を閉めるわ」
「凄いな、野苺なんて食べるものじゃないと思ってたよ」
「生だと酸っぱいものね。冷めるまで時間がかかるから、好きな事して良いわよ」
そう言い、シャルロッテは本棚から1冊取り出すと椅子に座った。
好きな事、と言われ戸惑ったのかセルジュはシャルロッテの隣に座る。
「君は本が好きなの?」
「そうよ。本にはわたしが知らない世界がたくさん書かれてるから。本に載っている見たこともない景色、食べ物、わたしのような少数民族の人とか……。幻想的な世界も、心臓が苦しくなるくらい切ない恋も、たった1冊で楽しめるもの」
シャルロッテの夢は、本で知った大陸の様々な景色や食べ物、自分とは違う文化を持った人に会いに行く事だ。いつかこの広い大陸を端から端まで旅してみたい。読書をしているとそんな気持ちになる。
「とっても素敵な夢だと思う。叶うと良いね」
セルジュは宝石のように瞳を輝かせた。
「ありがとう。貴方には夢はあるの?」
自分についての記憶を失った彼にとっては、記憶を取り戻すことが夢なのかもしれないが。
セルジュは少し考え込むと、閃いたように答えた。
「シャルロッテの夢を叶えること!」
名案だと言わんばかりの笑顔。そんな彼に胸が温かくなるのを感じる。
「わたしの夢を叶えるのが夢?」
「僕自身の夢があったのかもしれないけど、新しく夢を作ったんだ」
こんなにもお世話になってる人に恩返しがしたいしね、と彼は付け加える。その気持ちだけでも、嬉しくてシャルロッテは笑った。
いつかセルジュと夢を叶える日が来るのかもしれない。そんな予感を抱きながら。
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