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終わりの刻 前編
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パーティの意味を為さなかった私たちに、ヒールの重ね掛けMAXまでしたからか勇者は笑顔でついてきてくれてありがとう、と言った。
「結局何もできなかったのが歯がゆいのですが、貴殿についていってよかったと思います」
大人なファルゴットさんは、笑顔でそう言った。
「俺はかわいい女の子守れればそれでいいし?お礼言われてもなんつーか?」
首をかしげながらもまんざらでもなさそうなヴィックス。
「私はただの記録係ですので・・・といっても、もう役目も終わりのようですね」
バーニャ姿だとどこまでも淑女なんだよなぁバリンデル君。
そして、みんなの視線が私に向いた。
「ルルーナ。君がいたから回復を考えずに戦うことができた」
うっ、表情筋珍しく仕事しないで。微笑みが眩しいから!
「わ、私も、回復以外に水の属性が使えるのがわかっただけでもよかったし、戦いに参戦できなかったのはちょっと残念だけど。でも、まぁこっちこそありがとう?」
ちょっとそっぽ向いてしまう私に、それでも和やかな雰囲気になったのがわかった。
「うーん、もうちょっと休憩したかったんだけど。それじゃ、ここじゃなくて謁見室に来てよ!そっちなら僕以外に聞き耳立てるようなイケナイ子たちも入れないようにできるし!」
笑顔でちらりと見た先には、下っ端魔族が隠れていた。
ドキッとした後に消えたのを私は見ていないけれど、笑顔の種類が少し変わったのはわかった。
ということで魔王君の後について謁見室へと向かった一行を見て、スキップしながら自分用の椅子へと腰掛けつつも鳴らした指の音とともに、人数分の椅子と大きなテーブルが赤い絨毯の上に登場した。
簡素な造りの白いそれは、魔王城には不釣り合いな気さえする。
「さて、結解も張ったことだし、みんなの話を聞こうかな!」
パチン、と両手を合わせて話す魔王君に、何を話すんだと言いたげな私を置いてみんなが真剣な顔つきになっていた。
「じゃあまずは、そうだなぁ。記録係の君からいこうか!なんで女装してるの?」
さらりと言われたそれに、一瞬だけ空気が凍った。
「チ、バレてたか。親父の命令なんだよ」
ウィッグを外し、いら立ちを隠せないバリンデル君。
「勇者パーティーの記録を取りながら、伴侶探しみたいなまねごとをさせられてたんだよ。国に利用価値のあるかもしれない女の、な」
「結局何もできなかったのが歯がゆいのですが、貴殿についていってよかったと思います」
大人なファルゴットさんは、笑顔でそう言った。
「俺はかわいい女の子守れればそれでいいし?お礼言われてもなんつーか?」
首をかしげながらもまんざらでもなさそうなヴィックス。
「私はただの記録係ですので・・・といっても、もう役目も終わりのようですね」
バーニャ姿だとどこまでも淑女なんだよなぁバリンデル君。
そして、みんなの視線が私に向いた。
「ルルーナ。君がいたから回復を考えずに戦うことができた」
うっ、表情筋珍しく仕事しないで。微笑みが眩しいから!
「わ、私も、回復以外に水の属性が使えるのがわかっただけでもよかったし、戦いに参戦できなかったのはちょっと残念だけど。でも、まぁこっちこそありがとう?」
ちょっとそっぽ向いてしまう私に、それでも和やかな雰囲気になったのがわかった。
「うーん、もうちょっと休憩したかったんだけど。それじゃ、ここじゃなくて謁見室に来てよ!そっちなら僕以外に聞き耳立てるようなイケナイ子たちも入れないようにできるし!」
笑顔でちらりと見た先には、下っ端魔族が隠れていた。
ドキッとした後に消えたのを私は見ていないけれど、笑顔の種類が少し変わったのはわかった。
ということで魔王君の後について謁見室へと向かった一行を見て、スキップしながら自分用の椅子へと腰掛けつつも鳴らした指の音とともに、人数分の椅子と大きなテーブルが赤い絨毯の上に登場した。
簡素な造りの白いそれは、魔王城には不釣り合いな気さえする。
「さて、結解も張ったことだし、みんなの話を聞こうかな!」
パチン、と両手を合わせて話す魔王君に、何を話すんだと言いたげな私を置いてみんなが真剣な顔つきになっていた。
「じゃあまずは、そうだなぁ。記録係の君からいこうか!なんで女装してるの?」
さらりと言われたそれに、一瞬だけ空気が凍った。
「チ、バレてたか。親父の命令なんだよ」
ウィッグを外し、いら立ちを隠せないバリンデル君。
「勇者パーティーの記録を取りながら、伴侶探しみたいなまねごとをさせられてたんだよ。国に利用価値のあるかもしれない女の、な」
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