チートが無いのに聖女様~なぜだか囲まれてます~

深郷由希菜

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終わりの刻 後編

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「へ、私?」

思わぬ話に、きょとんとする。

「まぁ結局は魔力も少ない、性格は向いてない、王妃と言う器には不適合な人間だったけどな」

ちらりと見られ、少しだけむすっとする。

「で、そんな聖女に近づくには同性だと思わせる方が有利だって言われてよ。有無を言わさずこのざまだ」

「え、王妃って・・・?」

「ルルーナ殿、この方はバリンデル・ド・ウンズ・シュモグランデ、シュモグランデ王国の王子にして、王位継承権第一位のお方なのです」

「本当ならお前なんかと口を利くこともなかったんだぞ?ちっぱい平民聖女」

「ちっぱい言うなっての!!」

「聖女ちゃんはどんな聖女ちゃんでもかわいいからいいの!将来凄い美人になって悔しがっても知らないっての!」

「えっ、ちょ、ヴィックス」

隣からぎゅっと抱きしめられる。

「誰に言われようと、俺はこいつを気に入ってんだ。王妃不適合でも愛人くらいにはなる」

「・・・させない。俺がルルーナを幸せにする」

「俺が聖女ちゃ・・・ルルーナちゃんを諦めるわけないっしょ?」

「私はそうですな、ルルーナ殿が年の差を関係ないと言っていただけるなら・・・」

「あ、僕がさっき言ったこと忘れないでね?人族の女性って母胎に最適なんだよ」

私の近くになぜかみんなが集合する。

「えっ、えっ、ど、どうすればいいの?」

「僕を選んでよ」
「私を選んでください」
「俺を選べ」
「俺を選んで」
「俺を選んで?」

一気に言われても困るよ・・・。

「僕なら、君の知る世界の話も合うよ?僕はね」

「私なら、ルルーナ殿の魔法の先生にもなれますし、家事なども得意ですので」

「俺の愛人と言う名の権力を持てるんだぞ?俺の側にいられるし、一石二鳥じゃないか?」

「俺、ルルーナと一緒に権力とかに縛られない生活したい」

「俺と一緒にいろいろ世界回ってみない?盗賊って言っても、本当に盗みは働かないよ?ルルーナちゃんの心以外は、なんてね!」

5人はそれぞれアピールしてくるけれど。

誰がいいとか、選べないよ!

「ま、待って!今やっと聖女っていう重圧から解放されたんだから、今選べなんて言われても無理だよ!」

「なら、これからの時間は6人で過ごそう。誰がいいか、知ってもらうのに期限はないし」

「賛成、これから俺の事、もっと意識してもらえるし?」

「ヴィックス殿、みだりに婦人の体に触るのはやはりよくないと思うのですが」

「まぁ、俺が王になるまでの時間もあるしな。いいだろう」

「僕、人族よりも寿命あるからいくらでも待てるしね!」

「ちなみに拒否権は・・・」

「「「「「ない」」」」」

「デスヨネー・・・」

私の冒険は終わったけど、まだまだ人生には前途多難な問題がいっぱいです・・・。
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