異世界スペースNo1(ランクB)

マッサン

文字の大きさ
34 / 37

12 金星 1

しおりを挟む
 敵の迎撃部隊を突破した、その翌日。
 ジン達は朝から格納庫を見に行った。

「とりあえず皆、生きてはいるようだな」
 ジンの前には格納庫一面に倒れている整備員達がいる。
 昨日とは各人の位置が違うので、起きて作業してまた倒れたのだろう。
 寝息やいびきが聞こえるので、死んでいない事は確かだ。それを良しとしていいのかどうかはともかくとして。

 ナイナイが困った顔で考えこむ。
「魔法で元気にしてあげたりできないのかな……?」
「回復魔法を使ってるからここまでできたんだよ」
 そう教えるリリマナ。
 魔法を使い過ぎて倒れた治療術師がニ、三人、混ざって倒れているし、三人の機体は修理が終わってハンガーに立っていた。
 自機の前でクレーンの操作盤にもたれて寝ているクロカを眺めながら、呟くジン。
「これで負けたらあの世で集団リンチされるな、俺は……」
 ダインスケンが「ゲッゲー」と鳴いた。

 機体が使える事を確認したジン達はブリッジに上がった。
 現場がどうなっているのか、それを確認するためだ。
 ブリッジには既にヴァルキュリナが入っており、ジン達を見るや、付近のMAPを宙に映す。
「設計図の動きが止まった。その手前に敵の部隊が展開している」
 それを聞いたナイナイの顔に緊張が走り、ゴブオは面倒臭そうにため息をつく。
 ジンは軽く肩をすくめた。
「あちらさんもやる気満々だな。地獄の一丁目に到着ってとこかい」


 格納庫に戻り、待機するジン達。
 待つ事しばし、ヴァルキュリナからの指示が出た。
鬼甲戦隊きこうせんたい、出撃!』
「了解。こちらジン、出るぞ!」
 母艦から真っ先に飛びだすジンの新型機・Sサンダーカブト。ナイナイとダインスケンの機体もそれに続いた。三機が母艦より僅かに前へ出て、敵軍と対峙する。
 敵は山間部の谷の前に、奥への道を阻む形で展開していた。量産機達を前に出し、後ろに控えている隊長機は――ディーンの乗る白銀級機シルバークラス、槍を持つ巨人騎士! 

「ディーン! 貴様が戦うのか?」
 訝しむジン。
 黄金級機ゴールドクラス設計図の反応は谷の奥からである。それを届け終え、もうディーンの手からは離れたという事だ。
(仕事を終えたあいつに、危険を冒して俺達と戦う理由があるとは思えないがよ……。敵と一緒にさっさと国外逃亡するならわかるんだが)

 だがジンの疑いなどお構いなく、ディーンは高揚した声を張り上げた。
『そう……今の私は魔王軍親衛隊最強の戦士、マスターディーン! 鬼甲戦隊きこうせんたい等と名乗ってここまで来たのがお前達の運の尽き! 次元を超えて異世界へ来たお前達が次に行くべきは、地獄の底だ!』

『なんだか様子がおかしくない?』
 ナイナイも違和感を覚えてジンに訊いてくる。
 ケイオス・ウォリアーにジン達を乗らせずに攻撃してきた、姑息で慎重な男だと思えない態度だ。
「妙な術でもかけられてるのかもな。裏切り者には似合いの末路かもしれねえが……」
 ジンの言葉にディーンは笑った。
『まるで私がここで終わるかのような物言いだな。だが私は昨日までの私ではないぞ。さあ、見ろ!』
 そう言うとディーンの機体に無数の亀裂が走り、装甲が砕ける。
「え? 壊れるの?」
 戸惑うリリマナ。
 だが通信機からクロカの声が響いた。
『ゲェーッ! 違う、あれはオーバーボディだ!』

 砕けた装甲の下から新たな装甲が現れた。
 それはまさに脱皮……鎧は同じ白銀だが、騎士の外観は消え去り、禍々しい蜘蛛の頭が八つの瞳を輝かせる。
 背中からも節くれだった二対四本の節足が現れる。
『これが! マスターディーンのケイオス・ウォリアー! Sマンベレスパイダー!』
 声高に名乗るディーン。

 だがジンはブリッジへ通信を入れた。
「クロカ! お前、寝不足のままブリッジに入ったのか」
『そうだけど、今それ別にいいだろ! 目の前の敵の変化に注目しろよ!』
 怒鳴るクロカ。
 一方、ディーンは「ククク……」と含み笑いを漏らす。
『いくら目を凝らしても私の恐ろしさは変わらない。お前達はまさに蜘蛛の網にかかった羽虫なのだ』
 そして魔王軍の兵士に号令をかけた。
『前進! 隊列は乱すな!』
 兵士達――その全ては不死型の骸骨兵・Bシックルスカルであった。

(全機が一種に統一されているだと? 奇妙だな……)
 不自然に感じ、前進してくる敵機にジンはスピリットコマンド【スカウト】を放ち、その能力を探る。



護衛兵 レベル30
Bシックルスカル
HP:5500/5500 EN:200/200 装甲:1380 運動:110 照準:169
HP回復(小)
射 ダガーショット 攻撃2800 射程1―4
格 デスサイズ   攻撃3100 射程P1

HP回復(小):一定時間ごとにHPが最大値の10%回復する。


(ウザい雑魚だが特に問題は……む?)
 敵機の能力を見て、大した相手ではない事にむしろ疑問を抱くジン。
 だが……敵兵士が「魔王軍兵」では事に気づいた。
 初めて見る敵兵士の名前に、ジンは急いでステータス画面を切り替える。



護衛兵 レベル30
格闘175 射撃175 技量205 防御155 回避115 命中133 SP97
援護防御1



「こいつら! 全員が援護防御を持ってやがるのか!」
 ジンは察した。
 なぜ敵が密集陣形をとり、全機が固まって動いて来るのかを。
『ククク……気づいたか。そう、再生能力のある機体が互いにカバーしあいながらお前達に迫る。そして私は、その後ろから貴様を好きに狙わせてもらう!』
 得意満面といったディーン。
 ジンは彼にも【スカウト】を放った。



ディーン レベル32
Sマンベレスパイダー
HP:23500/23500 EN:245/245 装甲:1970 運動:125 照準:180
射 クラレシュリケン     攻撃3000 射程1―7  装甲低下2
格 ヘルファイヤアチャクラム 攻撃3500 射程P1ー4 装甲低下1
射 クモベノムフンガムンガ  攻撃4500 射程1―8  運動性低下2

ディーン レベル32
格闘202 射撃186 技量216 防御161 回避126 命中146 SP100
ケイオス4 援護攻撃2 H&A



「最強武器しかいらんだろって武装かよ……」
 呆れるジンの前で、敵の白銀級機シルバークラスが四本の節足に武器を構える。
 三本の曲がった刃が突き出た、信じられないほど邪悪な見た目の投げ短剣だ。
(アフリカ投げナイフ!?)
 驚くジンに、ディーンは言う。
『一応、この最強武器が弾数で言えば79発で最少なのでね。真ん中が89、最弱が99とバランスもいい』
 話している間にも、敵軍はジン達へ遠慮なく間合いを詰めてきた。
『勝つのは私だ! 負けるのはそれ以外だ! この世界は私の手にあるのだ!』
 ディーンは高らかに笑っていた。

「やっぱり変になってるゥ……」
 君悪そうなリリマナ。
 ジンも考えていた。
(確かに変だ。ケイオスレベルが4だと? 異世界人かそのハーフでもないとまず3以上にはならない筈だろ。兄貴のケイドでも2だったと思うが……なぜディーンはあそこまで上がっている?)

 だが考え事をしている時間もない。
『ジン、来たよ……』
 ナイナイの緊張した声。
 ジンは落ち着いて言った。

「ま、とりあえずデストロイウェーブをブチ込め」
『あ、うん。発射』
 素直に範囲攻撃を撃ち込むナイナイ。高周波振動の結界が敵軍を包み込み、次々と爆発をひき起こした。
『いきなりMAP兵器だと!?』
 叫ぶディーン。
「開幕、即撃てるようにしてあるからな」
 高い気力の必要な武器ながら、グレートエースボーナスと気力系スキルにより必要条件を常に突破するようにした成果が発揮されたのだ。
 
 広範囲へ一気に浴びせるMAP兵器には、互いを庇い合う援護防御も効果が無い。
 穴の開いた敵陣形へ、ジン達は遠慮なく切り込んだ。
 AをBがカバーし、BをCがカバーし、CをDがカバーし……それを全機に行き渡らせる事で鉄壁を誇る、巨大なファランクス。だがそれも大穴を穿たれては、威力は半減……いや、それにも満たなくなる。
 ジンは穴へ右寄りに、他の二人と母艦は少し離れて左寄りに突入した。
 敵軍は集結して穴を塞ぐ事ができず、ジン達に割り込まれて分断された形になってしまう。

 もちろん、魔王軍とて飛び込んでこられてただ見ているだけではない。逆に見れば、ジン達は自ら包囲されに来たとも言えるのだ。
 骸骨巨人達は大鎌をふりあげ、敵を切り刻もうとした。

 だがそれもジン達の狙い目だったのだ。
 自ら挑みかかるその時、互いのカバーはどうしても甘くなる。

 Sサンダーカブトの装甲が鎌を弾き返した。
 お返しに撃ち込まれた雷撃光線ライトニングレイが一撃で骸骨の胴体を撃ち抜く。
 その向かいでは、BCクローリザードが鎌を避け、横一閃の斬撃で髑髏を斬り飛ばした。
 次々と破壊される骸骨巨人――殺到する魔王軍は火に誘われる蛾も同然だった。

 そんな乱戦の中、風を切って飛来する四つの刃!
『死ねぇ!』
 ディーンの機体が投げつけた三枚刃の奇怪な投げナイフ。それがナイナイのBCバイブグンザリを襲う!

 MAP兵器を持ち広範囲へ強力な攻撃を撃てるぶん、この機体は防御面が三機の中で一番弱い。
 サンダーカブトほどの装甲もクローリザードほどの運動性も無く、中途半端ゆえの脆さがあった。
 そしてディーンもそれを知っていた。弱い所から攻めるのは戦闘の常識である。

 だが――
『そうはさせない!』
 母艦Cガストニアが割り込み、その巨体で射線を塞いだ。
 流石の威力、四つのナイフが頑丈な装甲を切り裂いて食い込む。しかも刃に仕込まれた毒性の薬液が回路を冒し、機体の動きを目に見えて鈍くした。
 だがそれに構わず、ヴァルキュリナが叫ぶ。
『ディーン! これ以上、家の名を辱めるな!』
 だがディーンはせせら笑うだけだ。
『ならば代わりに貴女を辱めてやろう! 魔王軍の兵はそういうのが大好きな奴ばかりだ、丁度いい!』

 ゴブオがうんうん頷くのを他所に、ジンは敵を前にしながら叫ぶ。
「そりゃいかんな。ナイナイ! そっち側は頼む!」
『うん!』
 応えながら、ナイナイは次のアクションを起こしていた。

 Sサンダーカブトの全身にあるオーブが輝く。次の瞬間、発雷結晶エレクトロオーブ十四基から電撃の奔流が放たれ、周囲を焼いた。
 MAP兵器・マキシマムサイクロン! 半壊していた右側の敵部隊は全てが吹き飛ぶ。
 同時にBCバイブグンザリが二度目のデストロイウェーブを放った!
 残り僅かだった左側の部隊は、高周波振動の結界の中で残らず砕け散った。

 陣形と機体特性を用いて組まれた鉄壁の布陣は、風の前の塵のごとく吹き飛んで消えた。


「破廉恥な兵どもはいなくなったからよ。残るはお前さんだけだ」
 ただ一人残ったディーンへ、ジンは言い放つ。
 言われた相手は――
『ならば次はお前がいなくなれぇ!』
 猛り狂い、その機体が新たな投げナイフを取り出した。

「まだ戦うんだ……前のあの人なら、絶対逃げようとした筈なのに」
 首を傾げるリリマナ。
「まぁこのていたらくでどこへ逃げるのかって話でもあるがよ」
 そう言ってから、ジンは艦へ通信を送る。
「クロカ! アナライズ!」
『あいさ、やってやるよ!』
 声と力を振り絞り、クロカはスピリットコマンド【アナライズ】で敵の防御の弱い所を探し、そのデータをジン達の機体へ送る。

『トライシュートォ!』
 ナイナイが叫んで撃った。コンマ1秒未満の誤差で他の二人も射撃を浴びせる。
 それはSマンベレスパイダーの節足の付け根に食い込み、そのうちの一本を根本から砕く。
『が、あッ!』
 獣じみたディーンの叫び。しかし残り三本のナイフはナイナイ機へと投げられた。
 だがナイナイは機体の身を沈めさせ、それらを紙一重の所で避けると、地を蹴らせて一気に間合いを詰めた!

 射撃から流れるような動きで移動に繋ぐ――ナイナイもまた射撃とその後の移動を繋げるスキル【H&Aヒットアンドアサルト】を習得していたのだ。

 そのナイナイとともに、ジンも機体を加速・前進させる。
 サンダーカブトの右腕が電光を帯びた。まさしく稲妻の一撃と化し、スパークするストレートがマンベレスパイダーを貫く!
 サンダーアーム……サンダーカブト単機での最強攻撃。

 だがスパイダーはかろうじて立っていた。モニターに表示されるHPを20000以上失い、残り4000に満たないが、それでも立っていた。
 そして至近距離のカブトへ、三本の節足でナイフを投げる……いや、突き立てる。刃が装甲を破った。

 その刃を、カブトは左腕で払いのけた。
 装甲に食い込んでいた切っ先が抜け、ナイフが力無く地に落ちる。
 スパイダー必死の抵抗は……頑強なジンの機体に碌なダメージを与えていなかった。
 モニターに表示された数値は1200程度。強化パーツ込みで10500に達するHPには到底致命傷にならない打撃だったのだ。

『ケケェーッ!』
 叫び声が響いた。宙に飛んだダインスケンのBCクローリザードである。
 その刃が縦に炸裂し、弱ったスパイダーを深々と切り裂いた。

 直後、真正面からスパイダーを打ち抜く一撃!
 ナイナイのバイブグンザリがナックルガードに守られた拳で叩いたのである。
 よろめき無防備になったスパイダー……その操縦席でディーンは見た。
 クローリザードが着地するのと入れ違いにサンダーカブトが跳び、飛び込みながら放電する右拳を打ち込んでくるのを。
サンダー……マグナム!」
 操縦席で叫ぶジン。
 必殺拳はスパイダーの頭を叩き潰し、吹き飛ばした……!

 以前から使っていた連携・合体攻撃、トリプルウェーブ。
 それはジンが機体を新たにした事で、それに合わせて最適化されていた。
 超個体戦闘員スーパーオーガニズムコンバタントの三人にとって、一人の機体が変わった事に連携を合わせるのは簡単な事だったのである。

 弱りきった機体に最強の破壊力を受け、スパイダーの全身から火が噴き出る。
 炎に包まれた操縦席で、ディーンは……

 笑っていた。
『私は死なない! 決して!』
 そう叫びながら、高らかに。

 Sマンベレスパイダーは爆発した。
 脱出装置が動いた様子は全く無かった。ディーンが機体の外に出る事も無かった。


『ディーン……そんな道を選んだばかりに……』
 異様な最期を前に、ヴァルキュリナが辛そうに呟いた。

 戦いは終わった。
 資材回収班が急いで飛び出す中、リリマナがカブトの操縦席でモニターを見る。
「奥にまだ敵がいるよォ!」
「ああ。そっちが本命だろうぜ」
 ジンも確認した。
 山間の谷を奥に進んだ先に、敵の反応があるのを。
 ヴァルキュリナが指示を出す。
黄金級機ゴールドクラス設計図もそこから動いていない。鬼甲戦隊きこうせんたいはすぐに艦へ戻って修理と補給を受けてくれ。行こう!』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

処理中です...