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1章
7 冥界の刺客 5
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撃たれた傷が次第に塞がっていく。
白銀級機・Sネクロリッチの操縦席で魔王軍親衛隊の死霊魔術師・マスターボーンは声高に笑った。
『再生能力のあるこちらを狙うなら好都合! その間に貴様は我が下僕どもに粉砕されるのだ』
直後、ネクロリッチのどてっ腹を再び光線が撃ち抜く!
もちろんガイの乗るパンドラピルバグからの砲撃だ。不死怪獣からの攻撃を盾でしのぎながら、あくまでマスターボーンの機体を狙い撃ちし続けたのである。
操縦席で揺さぶられながら怒りと焦りの声をあげるマスターボーン。
『こ、好都合だと言っているのにムキになる奴だな! ええい下僕ども、組み合って圧し潰せ!』
彼からの命令で不死怪獣どもの攻撃が変わった。太い腕での殴打から、圧し掛かるような取っ組み合いに移行したのである。
ゼロ距離での組み合いになると、盾の効果は薄い。
怪獣どもがパンドラピルバグを掴み、ぎゅうぎゅうと締め潰しにかかった。装甲がきしみ、モニターに表示されるダメージがどんどん加算されていく。
「いやぁん、やられちゃうよぉ」
「ああ、わかってる!」
イムが悲鳴をあげたが、ガイはそう言いつつもネクロリッチへの砲撃を止めなかった。
次々と光線を食らい、再生速度を上回るダメージを受け続けるネクロリッチ。
そのまま撃破されるか、と見えたが――
――それより先にパンドラピルバグへ限界が来た。
厚い装甲だったがついに亀裂が走り、砕け始め、そして……内部から火花を吹くと、膝をついてから倒れる。
力尽きてそのまま動かなくなった。
操縦席でマスターボーンは高らかに笑った。
『ははは! 吹っ飛んだか。知能で劣る者は戦いにおいても弱者なのだ』
しかし怪獣達も亀裂が生じ、砕けて骨の山となってしまう。
『む……粗悪な材料製なのに無理をさせてしまったか。まぁ敵は死んだし……え?』
マスターボーンの顔から余裕が消えた。
何度も目をしばたたかせる。
彼はガイを見つけたのだ。
村の工場へ駈け込むその姿を。
『奴め! 脱出していたのか? 圧し潰された機体から?』
マスターボーンには信じられない事だったが、実は少し違う。
ガイは圧し潰された機体から脱出したのではない。
敗色濃厚になると、機体が撃破される前に脱出装置を作動させて逃げ出していたのである。
それに気づいたマスターボーン、照準を合わせながら怒りの声をあげた。
『ええい、とどめだ』
しかし……
「やらせん!」
工場からケイオス・ウォリアーが飛び出してきて掴みかかる。
ガイが魔王軍から鹵獲したBクローリザード、リザードマンのような人造巨人が。
しかしマスターボーン、慌てず騒がず照準を新たな敵機へと向ける。
『ふん、青銅級機が一体で……』
途端に……
「二体じゃあ!」
犬頭のBダガーハウンドが工場から飛び出した。
リザードには鍛冶屋のイアンが、ハウンドには農夫のタゴサックが、それぞれいつでも飛び出せるよう乗り込んでいたのである。
二機のタックルを受け、格上ながらネクロリッチが吹っ飛ばされる。
『ぬぬぬ、邪魔者が!』
唸りながらマスターボーンは魔術を放った。不死の魔物を創り出し、使役する呪文を。
それにより砕け散った怪獣どもが再び動き出す。
が、形を取り戻す前に再び砕けてしまった。
もはや不死の魔物となるには屍が痛みすぎていたのだ。
ここぞとばかりにネクロリッチを抑え込もうとする二機の青銅級機。
しかし操縦席でマスターボーンが吠えた。
『青銅級機が二体いても魔王軍の白銀級機には勝てんよ!』
その声に応えてネクロリッチが二機を引きはがそうとする。
パワーの差から、どんどんと押されてゆく二機の青銅級機だが……
「なら三体目、それ以上の機体でいくぜ!」
ガイの声と共に工場から兵士型機のBソードアーミーが飛び出した。
しかしガイの言葉通り、虹色の渦から生じた花吹雪に包まれ、鎧武者――パンドラアーミーへと姿を変える。
そして両手持ちの太刀を大上段に振り上げた。
二機の青銅級機はネクロリッチの左右に回り、その両腕を抑える。
振りほどこうと足掻きながら操縦席でマスターボーンが地団太を踏んだ。
『き、貴様ら! 多勢に無勢とは卑怯だぞ!』
「負け惜しみは聞こえないぜ~」
小馬鹿にしたように言い返すガイ。
モニターに武器一覧が表示された。
その一つ、最下段……最大威力の武器にガイは目を留める。
「これは……今の俺なら使える!」
「やっちゃえぇ!」
イムに発破をかけられ、ガイは機体を突っ込ませた。
両手で握った太刀に流れるような虹色の光が走る。
パンドラアーミー最強の武器【マスターカタナ】。
必要条件として【異界流レベル:4】が表示されていたが、その表示は点灯しており、ガイが使用条件を満たしている事を示していた。
その威力は――
二機に組み付かれ防御も回避も邪魔されたネクロリッチはその刃を食らってしまう。
虹色の残光を残して一閃された剣は――再生能力によりかなりのダメージを回復していたにも関わらず――敵機を一刀両断!
残光が消えるとともに、切断面がズレて……ネクロリッチは地面に崩れ落ちる。
一瞬遅れ、爆発!
『うぎゃあー!』
断末魔が通信機越しにガイへ届いた。
撃破された敵機の残骸から煙が立ち昇る。その横には離脱した味方機がいたが、片方――鍛冶屋のイアンから通信が入った。
「勝ちましたな。魔王軍の正式な幹部に」
大帝国さえ滅ぼした魔王軍。その主力が数々の親衛隊である。
ガイはその一員を倒したのだ。
白銀級機・Sネクロリッチの操縦席で魔王軍親衛隊の死霊魔術師・マスターボーンは声高に笑った。
『再生能力のあるこちらを狙うなら好都合! その間に貴様は我が下僕どもに粉砕されるのだ』
直後、ネクロリッチのどてっ腹を再び光線が撃ち抜く!
もちろんガイの乗るパンドラピルバグからの砲撃だ。不死怪獣からの攻撃を盾でしのぎながら、あくまでマスターボーンの機体を狙い撃ちし続けたのである。
操縦席で揺さぶられながら怒りと焦りの声をあげるマスターボーン。
『こ、好都合だと言っているのにムキになる奴だな! ええい下僕ども、組み合って圧し潰せ!』
彼からの命令で不死怪獣どもの攻撃が変わった。太い腕での殴打から、圧し掛かるような取っ組み合いに移行したのである。
ゼロ距離での組み合いになると、盾の効果は薄い。
怪獣どもがパンドラピルバグを掴み、ぎゅうぎゅうと締め潰しにかかった。装甲がきしみ、モニターに表示されるダメージがどんどん加算されていく。
「いやぁん、やられちゃうよぉ」
「ああ、わかってる!」
イムが悲鳴をあげたが、ガイはそう言いつつもネクロリッチへの砲撃を止めなかった。
次々と光線を食らい、再生速度を上回るダメージを受け続けるネクロリッチ。
そのまま撃破されるか、と見えたが――
――それより先にパンドラピルバグへ限界が来た。
厚い装甲だったがついに亀裂が走り、砕け始め、そして……内部から火花を吹くと、膝をついてから倒れる。
力尽きてそのまま動かなくなった。
操縦席でマスターボーンは高らかに笑った。
『ははは! 吹っ飛んだか。知能で劣る者は戦いにおいても弱者なのだ』
しかし怪獣達も亀裂が生じ、砕けて骨の山となってしまう。
『む……粗悪な材料製なのに無理をさせてしまったか。まぁ敵は死んだし……え?』
マスターボーンの顔から余裕が消えた。
何度も目をしばたたかせる。
彼はガイを見つけたのだ。
村の工場へ駈け込むその姿を。
『奴め! 脱出していたのか? 圧し潰された機体から?』
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ガイは圧し潰された機体から脱出したのではない。
敗色濃厚になると、機体が撃破される前に脱出装置を作動させて逃げ出していたのである。
それに気づいたマスターボーン、照準を合わせながら怒りの声をあげた。
『ええい、とどめだ』
しかし……
「やらせん!」
工場からケイオス・ウォリアーが飛び出してきて掴みかかる。
ガイが魔王軍から鹵獲したBクローリザード、リザードマンのような人造巨人が。
しかしマスターボーン、慌てず騒がず照準を新たな敵機へと向ける。
『ふん、青銅級機が一体で……』
途端に……
「二体じゃあ!」
犬頭のBダガーハウンドが工場から飛び出した。
リザードには鍛冶屋のイアンが、ハウンドには農夫のタゴサックが、それぞれいつでも飛び出せるよう乗り込んでいたのである。
二機のタックルを受け、格上ながらネクロリッチが吹っ飛ばされる。
『ぬぬぬ、邪魔者が!』
唸りながらマスターボーンは魔術を放った。不死の魔物を創り出し、使役する呪文を。
それにより砕け散った怪獣どもが再び動き出す。
が、形を取り戻す前に再び砕けてしまった。
もはや不死の魔物となるには屍が痛みすぎていたのだ。
ここぞとばかりにネクロリッチを抑え込もうとする二機の青銅級機。
しかし操縦席でマスターボーンが吠えた。
『青銅級機が二体いても魔王軍の白銀級機には勝てんよ!』
その声に応えてネクロリッチが二機を引きはがそうとする。
パワーの差から、どんどんと押されてゆく二機の青銅級機だが……
「なら三体目、それ以上の機体でいくぜ!」
ガイの声と共に工場から兵士型機のBソードアーミーが飛び出した。
しかしガイの言葉通り、虹色の渦から生じた花吹雪に包まれ、鎧武者――パンドラアーミーへと姿を変える。
そして両手持ちの太刀を大上段に振り上げた。
二機の青銅級機はネクロリッチの左右に回り、その両腕を抑える。
振りほどこうと足掻きながら操縦席でマスターボーンが地団太を踏んだ。
『き、貴様ら! 多勢に無勢とは卑怯だぞ!』
「負け惜しみは聞こえないぜ~」
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モニターに武器一覧が表示された。
その一つ、最下段……最大威力の武器にガイは目を留める。
「これは……今の俺なら使える!」
「やっちゃえぇ!」
イムに発破をかけられ、ガイは機体を突っ込ませた。
両手で握った太刀に流れるような虹色の光が走る。
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その威力は――
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