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2章
17 竜の神 1
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――カサカ村・集会場――
主だった面々が集まり、テーブルを囲んでいた。
既に皆が報告を受けており、先日の勝利にケチがつけられた思いに誰も彼もが苦い顔をしている。
イムだけがテーブルの中央できょろきょろと皆を見渡していた。
苛々しながらタリンが頭を掻いた。
「つまりアレ……ジュエラドンて奴が何匹もいたのか」
「そんなごろごろいる怪獣なのか? 見た事ないんだが」
疑問を口にするガイ。
スティーナが結晶板――地球でいうタブレットPCのような機能のある魔法道具――を取り出す。
「怪獣の細胞片を持ち帰ったので調べてみました」
一同、驚愕。
「持ち帰っておったのか! そんなもん」
「大丈夫? そこからどんどん再生したりしない?」
農夫タゴサックや女魔術師のララが非難めいた声をあげるが、スティーナは落ち着いて記録したデータを結晶板に表示させた。
「鱗の破片ですが、再生する様子はありませんね。強烈な生命エネルギーを帯びていたのは確かですが」
そして蘇生成分一覧を出し……それに近い別のデータも表示した。
「ともかくあれはドラゴンの一種で、記録にちゃんと残っている種をベースに改造した物だと思われます」
「既存種を改造か……そのドラゴンはどんな奴だ?」
レレンが興味深そうに訊く。
スティーナは頷き、結晶板に画像を出すと、皆に見えるようにテーブルの上に立てた。
「大地の魔竜・ラヴァフロウ。遭遇の記録は数えるほどしかありません。ケイオス・ウォリアーが誕生する以前は天災扱いで、人の力だけでは倒せないとまで言われた最上級のドラゴンです」
岩のような黒い巨体に血管のごとく橙色の光が漏れ出る、翼の無い二足歩行のドラゴン。
なるほど、体型は先日戦った物によく似ている。
疑問に思うガイ。
「人の力で倒せないならどうやって対処していたんだ?」
「神の加護やそれに匹敵する武器を得た真の勇者によって、ですね。それで親玉を仕留めていたと」
「親玉?」
スティーナの言葉に、今度は鍛冶屋のイアンが怪訝な顔をした。
再び結晶板を操作するスティーナ。
「ラヴァフロウは一回り小さくて力の劣る『兵隊』を沢山生み出す能力がありますから。それもまた天災扱いされていた大きな理由です。一地方の複数国家をことごとく壊滅させた記録もありますね」
次に映し出された画像は……巨竜の周囲に、見た目は酷似しているが体格の一回り劣るドラゴンが十匹以上たむろしている物。
何匹かは熱光線の息吹を吐き、巨大な爆発を起こして地表を焼いていた。
「……まさかと思うが、俺達が戦ったのがその『兵隊』か?」
「複数目撃されたなら、そう判断すべきかと」
タリンの質問にスティーナは頷く。
「……一応訊くが、親玉の力はどんなもんかのう?」
「兵隊との力の差は大人と子供だそうで」
村長コエトールの質問にスティーナは淡々と告げる。
女神官のリリが慄きながら呟いた。
「ケイオス・ウォリアーが誕生する前は天災扱いの魔物を、ケイオス・ウォリアーと戦う前提で強化したというの……?」
「誰がやったのか知らんが思くそブン殴りてーわ」
タリンが苛々と言うが、皆だいたい同じ事を思っていた。
レレンが居心地悪そうにしていたが、一応皆気を遣って彼女から目を逸らしている。
イムだけがテーブルの中央できょろきょろと皆を見渡していた。
「あの兵隊がそんなに何匹も出てきたら、今の村の戦力じゃどうにもならないわね」
肩を落としてミオンが呟く。皆だいたい同じ事を思っていた。
イムだけがテーブルの中央できょろきょろと皆を見渡していた。
ガイが腕を組んで考える。
「対処法として俺たちが使えそうな手段は何かあるか?」
「記録を参考にする限り、神の加護やそれに匹敵する武器を得られれば大きな助力になるかと」
それがスティーナの回答だ。
タリンが白けたように「ヘッ」と笑う。
「どこに行ってどうすりゃいいのかわからん事以外はナイスアイデアだな」
ミオンが「ふう」と溜息をついた。
「そういう物を祀ってある土地を探す所からスタートかな」
「誰か心当たりはないか?」
レレンが一堂を見渡す。
そんな都合のいい事があるわけがない。
……と思いきや、なんとガイが手を挙げたではないか。
「あるけどさ……」
「本当ですか! さすがガイ殿!」
村長が感心する。
レレンが腕組みして考えた。
「そこに行って事情を話して見るか。ダメ元で。それともまさか、そこの土地にツテでもあるのか?」
「あるけどさ……」
なんとこれもガイは肯定した。
これにはレレンもびっくり仰天。
「な、なんと!? 本当に流石だな!」
周囲の者達も驚くやら疑うやら。
イムも嬉しそうに「さっすがぁ」と褒めていた。
そんな中、ガイはぽつりと、言い難そうに呟いた。
「俺の地元だからな……」
主だった面々が集まり、テーブルを囲んでいた。
既に皆が報告を受けており、先日の勝利にケチがつけられた思いに誰も彼もが苦い顔をしている。
イムだけがテーブルの中央できょろきょろと皆を見渡していた。
苛々しながらタリンが頭を掻いた。
「つまりアレ……ジュエラドンて奴が何匹もいたのか」
「そんなごろごろいる怪獣なのか? 見た事ないんだが」
疑問を口にするガイ。
スティーナが結晶板――地球でいうタブレットPCのような機能のある魔法道具――を取り出す。
「怪獣の細胞片を持ち帰ったので調べてみました」
一同、驚愕。
「持ち帰っておったのか! そんなもん」
「大丈夫? そこからどんどん再生したりしない?」
農夫タゴサックや女魔術師のララが非難めいた声をあげるが、スティーナは落ち着いて記録したデータを結晶板に表示させた。
「鱗の破片ですが、再生する様子はありませんね。強烈な生命エネルギーを帯びていたのは確かですが」
そして蘇生成分一覧を出し……それに近い別のデータも表示した。
「ともかくあれはドラゴンの一種で、記録にちゃんと残っている種をベースに改造した物だと思われます」
「既存種を改造か……そのドラゴンはどんな奴だ?」
レレンが興味深そうに訊く。
スティーナは頷き、結晶板に画像を出すと、皆に見えるようにテーブルの上に立てた。
「大地の魔竜・ラヴァフロウ。遭遇の記録は数えるほどしかありません。ケイオス・ウォリアーが誕生する以前は天災扱いで、人の力だけでは倒せないとまで言われた最上級のドラゴンです」
岩のような黒い巨体に血管のごとく橙色の光が漏れ出る、翼の無い二足歩行のドラゴン。
なるほど、体型は先日戦った物によく似ている。
疑問に思うガイ。
「人の力で倒せないならどうやって対処していたんだ?」
「神の加護やそれに匹敵する武器を得た真の勇者によって、ですね。それで親玉を仕留めていたと」
「親玉?」
スティーナの言葉に、今度は鍛冶屋のイアンが怪訝な顔をした。
再び結晶板を操作するスティーナ。
「ラヴァフロウは一回り小さくて力の劣る『兵隊』を沢山生み出す能力がありますから。それもまた天災扱いされていた大きな理由です。一地方の複数国家をことごとく壊滅させた記録もありますね」
次に映し出された画像は……巨竜の周囲に、見た目は酷似しているが体格の一回り劣るドラゴンが十匹以上たむろしている物。
何匹かは熱光線の息吹を吐き、巨大な爆発を起こして地表を焼いていた。
「……まさかと思うが、俺達が戦ったのがその『兵隊』か?」
「複数目撃されたなら、そう判断すべきかと」
タリンの質問にスティーナは頷く。
「……一応訊くが、親玉の力はどんなもんかのう?」
「兵隊との力の差は大人と子供だそうで」
村長コエトールの質問にスティーナは淡々と告げる。
女神官のリリが慄きながら呟いた。
「ケイオス・ウォリアーが誕生する前は天災扱いの魔物を、ケイオス・ウォリアーと戦う前提で強化したというの……?」
「誰がやったのか知らんが思くそブン殴りてーわ」
タリンが苛々と言うが、皆だいたい同じ事を思っていた。
レレンが居心地悪そうにしていたが、一応皆気を遣って彼女から目を逸らしている。
イムだけがテーブルの中央できょろきょろと皆を見渡していた。
「あの兵隊がそんなに何匹も出てきたら、今の村の戦力じゃどうにもならないわね」
肩を落としてミオンが呟く。皆だいたい同じ事を思っていた。
イムだけがテーブルの中央できょろきょろと皆を見渡していた。
ガイが腕を組んで考える。
「対処法として俺たちが使えそうな手段は何かあるか?」
「記録を参考にする限り、神の加護やそれに匹敵する武器を得られれば大きな助力になるかと」
それがスティーナの回答だ。
タリンが白けたように「ヘッ」と笑う。
「どこに行ってどうすりゃいいのかわからん事以外はナイスアイデアだな」
ミオンが「ふう」と溜息をついた。
「そういう物を祀ってある土地を探す所からスタートかな」
「誰か心当たりはないか?」
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そんな都合のいい事があるわけがない。
……と思いきや、なんとガイが手を挙げたではないか。
「あるけどさ……」
「本当ですか! さすがガイ殿!」
村長が感心する。
レレンが腕組みして考えた。
「そこに行って事情を話して見るか。ダメ元で。それともまさか、そこの土地にツテでもあるのか?」
「あるけどさ……」
なんとこれもガイは肯定した。
これにはレレンもびっくり仰天。
「な、なんと!? 本当に流石だな!」
周囲の者達も驚くやら疑うやら。
イムも嬉しそうに「さっすがぁ」と褒めていた。
そんな中、ガイはぽつりと、言い難そうに呟いた。
「俺の地元だからな……」
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