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帰還の章
南の城へ
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楽しそうに宿に帰ってきた三人娘を、既に正装を纏ったガルバーンとディアンが出迎えた。
「シルフェ―ヌ、急ぎで悪いがすぐにマルムスのところに向かうぞ」
「姫様、すぐに着替えてこい」
慌ててアリアウェットとシルフェーヌは、購入してきたばかりの正装を纏うためにそれぞれの部屋に戻る。
一刻後、その身を豪奢な衣装に包んだアリアウェットとシルフェーヌにガルバーンがひと通り見とれた後、一行は宿を出発した。
馬車は2台を縦に連結し、ガルバーンが手綱を持つ。
ディアンとシルフェーヌは馬たちに肉体強化【疾風】を唱え、アリアウェットは念動で2台の馬車を浮かせた。
神速の馬達が、宙に浮いた馬車を引き疾走する。
その結果、彼らは僅かな時間で砦に到着した。
「アリア様! ディアン様!」
すると、関所から一人の若い兵が飛び出してきた。
彼はザック、ジルの兄だ。
「やあ、お久しぶりですお兄様、お元気でしたか?」
ディアンは関所をスムーズに抜けるために小芝居を始めるが、それに構わずザックは彼らの前に跪いた。
「私は確信しております。アリアウェット様が姫様であることを! ディアン様が親衛隊長様であることを! どうか、私をお二人にお仕えさせてくださいませ!」
「なぜ俺達がそうだと思う? そしてなぜ俺達に仕えようと思う?」
口調の変わったディアンの目を、ザックはまっすぐに見つめた。
「分隊長の件、ファミリーの件、小屋に残された首無し死体の件。それが前者の回答であります」
更に彼は続ける。
「この国は乱れております。私はこの国を私なりに平和にしたい。それが後者の回答であります!」
そう、ザックは一連の出来事だけで、アリアウェットとディアンが何者かを見抜いていた。
そして彼は二人の帰還をこの砦で待っていたのだ。
二人に仕えるために。
「ほう、良い若者ではないか」
「ええ、こいつは聡いやつだとは思っていましたがね」
「ならば俺もちょっと頑張っちゃおうかな」
ガルバーンはディアンと軽口を交わすと、控えたままのザックの肩をポンと叩き、砦の方に歩みを進めた。
続けて宣言を始める。
「我はガルバーン・ノース・ワールフラッド、北の領主である。故あってこれからマルムスの馬鹿野郎に面会に向かう。ついては砦を即刻開けよ」
彼の宣言に砦の兵ども全員が彼に注目した。
「あ」
何人かの年配の兵士が、よろよろとガルバーンに向かっていく。
「何だと」
ガルバーンも彼らに気づいた。
「若様」
「坊ちゃま」
「ご無事だったのですね」
そう、彼らはノース家の騎士たちだった。
彼らを見つけたシルフェーヌも、ドレスのまま馬車を飛び出した。
「ああ、奥様」
年配の兵士達は、糸が切れた人形のようにその場で泣き崩れた。
「お前ら、なぜ騎士のお前らがこんなところにいるのだ!」
「それは」
彼らの答は、過酷なものだった。
ドラゴがガルバーンとシルフェーヌを抱いてきたの城を出奔した後、次席騎士はドラゴの指示通り、王都に領主の出奔を報告。直ちに領民の保護を求めた。
騎士と領民たちは一旦王都に集められ、王都、ダグラス領、マルムス領の三ヶ所に再配置されることとなった。
王都に配置された者は、王子の後ろめたさも影響したのか、騎士たちも領民たちも、それなりの身分と生活を維持することができた。
ダグラス領に配置された騎士と領民も、棒給は減ったが、耕す土地を与えられ、それなりの生活を続けることができた。
しかし最悪だったのは、マルムス領に配置された者達。
マルムスは彼らを放置したのだ。
何の配慮もせずにだ。
その結果、騎士たちは兵士となり下がり、領民たちは小作人に身を落としてしまう。
騎士の絞り出すような報告を聞き、ディアンは歯ぎしりをする。
「あの野郎、そこまで能無しだったか!」
一方のガルバーンは、彼の足元に突っ伏してすすり泣く部下たちの前で、怒りを抑え、努めて冷静に彼らに命じた。
「俺はこれから北の領地を再興する。その気がある奴は、まずはマルムスの城まで俺に付き合え」
彼の横ではシルフェーヌが兵士たちの前でかがみ、皆と目線を合わせ無言で頷いている。
その結果、砦の兵力約半数は、ガルバーンに付き従った。
さらにザックを始めとする何名かはアリアウェットとディアンにつき従うと申し出た。
残された約半数の兵に対し、ディアンは嫌らしい笑みを浮かべながら釘を刺した。
「そうそう、分隊長と副官をむごたらしく殺してやったのは魔王の親衛隊長である俺だから。お前らもあんなふうになりたくなかったら、ここでおとなしくお勤めに励んでいろよ」
彼の告白と指示に、砦に残ると選択した兵どもは肝を冷やし、従いていくと決めた兵どもは、歓声を上げた。
間もなく一行は砦の城前に到着した。
アリアウェットとガルバーンが中央に並びたち、アリアウェットの横にはディアン、ガルバーンの横にはシルフェーヌが控える。
さらにその背を守るかのように兵達が整列する。
ガルバーンはワインレッドの生地を金糸で飾った王族の正装姿。
シルフェーヌは銀を基調としたシンプルなワンピースドレスに、同色のショートジャケットをまとっている。
ディアンは漆黒の詰襟に,銀糸で細工をされたモールを肩に飾る。
そこからアリアウェットが一歩前に出た。
彼女はシンプルな上半身から徐々に足先に向け、豪奢に織り込まれていく紫紺のワンピースドレスに身を包んでいる。
そこから発せられる威厳は圧倒的なものだった。
さらにはアリアウェットをエスコートするかように、ディアンも一歩前に出た。
「こちらにおわすは先王の一粒種、アリアウェット王妃である。北の領主ガルバーン卿とともに、これよりマルムスに謁見する。即刻マルムスまでの道を開かれよ」
「シルフェ―ヌ、急ぎで悪いがすぐにマルムスのところに向かうぞ」
「姫様、すぐに着替えてこい」
慌ててアリアウェットとシルフェーヌは、購入してきたばかりの正装を纏うためにそれぞれの部屋に戻る。
一刻後、その身を豪奢な衣装に包んだアリアウェットとシルフェーヌにガルバーンがひと通り見とれた後、一行は宿を出発した。
馬車は2台を縦に連結し、ガルバーンが手綱を持つ。
ディアンとシルフェーヌは馬たちに肉体強化【疾風】を唱え、アリアウェットは念動で2台の馬車を浮かせた。
神速の馬達が、宙に浮いた馬車を引き疾走する。
その結果、彼らは僅かな時間で砦に到着した。
「アリア様! ディアン様!」
すると、関所から一人の若い兵が飛び出してきた。
彼はザック、ジルの兄だ。
「やあ、お久しぶりですお兄様、お元気でしたか?」
ディアンは関所をスムーズに抜けるために小芝居を始めるが、それに構わずザックは彼らの前に跪いた。
「私は確信しております。アリアウェット様が姫様であることを! ディアン様が親衛隊長様であることを! どうか、私をお二人にお仕えさせてくださいませ!」
「なぜ俺達がそうだと思う? そしてなぜ俺達に仕えようと思う?」
口調の変わったディアンの目を、ザックはまっすぐに見つめた。
「分隊長の件、ファミリーの件、小屋に残された首無し死体の件。それが前者の回答であります」
更に彼は続ける。
「この国は乱れております。私はこの国を私なりに平和にしたい。それが後者の回答であります!」
そう、ザックは一連の出来事だけで、アリアウェットとディアンが何者かを見抜いていた。
そして彼は二人の帰還をこの砦で待っていたのだ。
二人に仕えるために。
「ほう、良い若者ではないか」
「ええ、こいつは聡いやつだとは思っていましたがね」
「ならば俺もちょっと頑張っちゃおうかな」
ガルバーンはディアンと軽口を交わすと、控えたままのザックの肩をポンと叩き、砦の方に歩みを進めた。
続けて宣言を始める。
「我はガルバーン・ノース・ワールフラッド、北の領主である。故あってこれからマルムスの馬鹿野郎に面会に向かう。ついては砦を即刻開けよ」
彼の宣言に砦の兵ども全員が彼に注目した。
「あ」
何人かの年配の兵士が、よろよろとガルバーンに向かっていく。
「何だと」
ガルバーンも彼らに気づいた。
「若様」
「坊ちゃま」
「ご無事だったのですね」
そう、彼らはノース家の騎士たちだった。
彼らを見つけたシルフェーヌも、ドレスのまま馬車を飛び出した。
「ああ、奥様」
年配の兵士達は、糸が切れた人形のようにその場で泣き崩れた。
「お前ら、なぜ騎士のお前らがこんなところにいるのだ!」
「それは」
彼らの答は、過酷なものだった。
ドラゴがガルバーンとシルフェーヌを抱いてきたの城を出奔した後、次席騎士はドラゴの指示通り、王都に領主の出奔を報告。直ちに領民の保護を求めた。
騎士と領民たちは一旦王都に集められ、王都、ダグラス領、マルムス領の三ヶ所に再配置されることとなった。
王都に配置された者は、王子の後ろめたさも影響したのか、騎士たちも領民たちも、それなりの身分と生活を維持することができた。
ダグラス領に配置された騎士と領民も、棒給は減ったが、耕す土地を与えられ、それなりの生活を続けることができた。
しかし最悪だったのは、マルムス領に配置された者達。
マルムスは彼らを放置したのだ。
何の配慮もせずにだ。
その結果、騎士たちは兵士となり下がり、領民たちは小作人に身を落としてしまう。
騎士の絞り出すような報告を聞き、ディアンは歯ぎしりをする。
「あの野郎、そこまで能無しだったか!」
一方のガルバーンは、彼の足元に突っ伏してすすり泣く部下たちの前で、怒りを抑え、努めて冷静に彼らに命じた。
「俺はこれから北の領地を再興する。その気がある奴は、まずはマルムスの城まで俺に付き合え」
彼の横ではシルフェーヌが兵士たちの前でかがみ、皆と目線を合わせ無言で頷いている。
その結果、砦の兵力約半数は、ガルバーンに付き従った。
さらにザックを始めとする何名かはアリアウェットとディアンにつき従うと申し出た。
残された約半数の兵に対し、ディアンは嫌らしい笑みを浮かべながら釘を刺した。
「そうそう、分隊長と副官をむごたらしく殺してやったのは魔王の親衛隊長である俺だから。お前らもあんなふうになりたくなかったら、ここでおとなしくお勤めに励んでいろよ」
彼の告白と指示に、砦に残ると選択した兵どもは肝を冷やし、従いていくと決めた兵どもは、歓声を上げた。
間もなく一行は砦の城前に到着した。
アリアウェットとガルバーンが中央に並びたち、アリアウェットの横にはディアン、ガルバーンの横にはシルフェーヌが控える。
さらにその背を守るかのように兵達が整列する。
ガルバーンはワインレッドの生地を金糸で飾った王族の正装姿。
シルフェーヌは銀を基調としたシンプルなワンピースドレスに、同色のショートジャケットをまとっている。
ディアンは漆黒の詰襟に,銀糸で細工をされたモールを肩に飾る。
そこからアリアウェットが一歩前に出た。
彼女はシンプルな上半身から徐々に足先に向け、豪奢に織り込まれていく紫紺のワンピースドレスに身を包んでいる。
そこから発せられる威厳は圧倒的なものだった。
さらにはアリアウェットをエスコートするかように、ディアンも一歩前に出た。
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